【猛省 講演会】燕雀 いずくんぞ鴻鵠のこころざしを知らん哉 『史記』司馬遷


《唖~唖 !  やはりミニ講演会は大失敗。無残やの~》
だからいったでしょう。時間オーバーしそうだって。
ミニ講演会は持ち時間30分で、文字どおり、はなし半分で終了しました。
わざわざ足をお運びいただいた皆さまには、ふかくふかくお詫びもうしあげます。
いずれ(近いうちに)機会をもうけて、100枚のスライドでじっくりおはなしする場をもうけたく存じます。

なにしろ案の定の結果で、「ゆず屋」あたりの「つぶやき」にあげられ、すっかりからかわれているようです。
「ゆず屋 山王丸  榊 コト 本名:〇〇〇〇」は、某国立大学工学部出身の工学博士で、某官庁のお役人が本職のお堅いひとです。しかも「最終学歴?」が新宿私塾という変わり種ですから、あの「ゆず屋のつぶやき」なぞにだまされてはいけません!?
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ふるいはなしです。東京メトロ茗荷谷駅のかたわらに、ビジュアルデザイン研究所という私塾がありました。創立者兼所長は故高橋正人先生(旧教育大教授、主著/『構成ⅠⅡ』岩崎美術社)。
あらためて振りかえると講師陣はすごいものでした。所長の高橋正人先生(当時は教育大学名誉教授)、同大の教え子の勝井三男さん、おなじく故清原悦志さん、そして吉田佳広さんや、まだ若き五十嵐威伸さんなどがズラリとそろっていました。
「生徒」の大半は高橋先生のご経歴のせいか、ほかのデザイン専門学校とはいくぶんことなり、国公立の大学卒業生が大半(とりわけ夜間部)を占めていました。

そこの夜間部に入所したところ、半年もたたないうちに高橋先生から呼びだされ、
「カタシオくんは、写真植字機研究所[のち写研]の写植教室に通っていたの?」
「はい、半年コースで、もう修了しています」
「あそこの特別講師をしている、加藤美方さん(東京高等工藝学校卒、研究社を経て、大日本印刷、リョービ印刷機販売などで役員を歴任)と、高島義雄さん(新潟県柏崎市出身、長岡工業学校卒、研究社印刷株式会社に45年奉職。主著『傳書 活版技術 』1904-?)から推薦があってね。それで相談だけど、昼間部でタイポグラフィの講師がいなくてね。カタシオくん、やってくれないかな……」

生業にすぎない状態でしたが、すでに朗文堂を開業していましたから、昼間部はご容赦いただいて、まもなく夜間部の講師ということになりました。
摩訶不思議でした。すでに「授業料」は一年分を支払い済みでしたが、入所して半年あまりのちから「講師給与」をいただいていました。そして自分の授業が済むと、ほかの講師の「生徒」ということになりました。次第に朗文堂が多忙となり、ビジュアルデザイン研究所は一年半ほどでやめましたので、高橋先生には申し訳ない次第でした。
当時のわたしは26歳、まだデザインがのどかな時代のはなしです。

東京国際ブックフェア
片塩二朗 ミニ講演会

《秀英体改刻の歩み いまだ止まず》
と き:07月04日[木] 14:30-15:00
ところ:大日本印刷株式会社 秀英体開発室 ブースNo.6-50

そんなわけで……、(いいわけです)。
ビジュアルデザイン研究所から、美術大学や新宿私塾の講師をつとめて40年ほどがたちました。ですからいつのまにか、授業や講義とは90分が一コマだという体内時計(習慣)が身についてしまったのかもしれません。

DNPミニ講演会には、わざわざお出かけいただいた皆さまや、会場内で立ち止まってご聴講いただいた多くのお客さまがおられました。椅子席の20名はもとより、多くの皆さまが足を止めてご聴講されていました。あらためて、お詫び申しあげるとともに、感謝の気持ちでいっぱいです。
また大日本印刷の「秀英体平成の大改刻」に刺激されたのでしょうか、会場内のほかのブースには、うれしいことに、いくつかの企業も自社専用書体の改刻をすすめ、それを公開していました。

講演の後半では、改刻の先にあるもの、これからの書体開発のあらたな方途をご提示する予定でした。
すなわち《秀英体改刻の歩み いまだ止まず》ということです。
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来週末(07月13日-15日)には《Viva la 活版 Viva 美唄》で、北海道の美唄にでかけます。北海道でも「メディアと活版印刷 活版印刷のあらたな挑戦」をテーマに、アルテ ピアッツァ美唄のアート・ストゥディオでの講演が予定されています。
「雀、百まで躍り忘れず」といいます。まだ懲りないんですねぇー。そうだ、こっちの持ち時間は何時間だったか、もう一度確認しなければならんぞ……。
皆さま、よろしければ、チョット足をのばして《Viva la 活版 Viva 美唄》でお会いしましょう!

《Viva la 活版 Viva 美唄》
【会 期】 2013年7月13日(土)―15日(月・祝)9:00―17:00
                
(最終日は13:00まで)
【会 場】 ARTE PIAZZA BIBAI アルテピアッツァ美唄
       アート・ギャラリーおよびアート・ストゥディオ
       北海道美唄市落合町栄町   http://www.artepiazza.jp/
【入場料】 無 料
      (ゼミナールの一部に参加費が必要なものもあります)

【主 催】 朗文堂 アダナ・プレス倶楽部

■ 07月13日(土)
10:00―12:00 「メディアと活版印刷──活版印刷のあらたな挑戦」
            朗文堂/片塩二朗
参加費500円。予約不要・当日参加可能。
わが国への活字版印刷術導入の歴史から未来展望までが学べる講座です。
活字版印刷機Adana-21Jを使って記念カードの印刷体験も行います。