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朗文堂 News

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July 2007

2007 07 朗文堂 News

ABC dé タイポグラフィ!
Grand Finale たくさんのご来場ありがとうございました!


慌ただしく準備し、全力投球を重ねてまいりました、青山ブックセンター/朗文堂 アダナ・プレス倶楽部共催「ABC dé タイポグラフィ」が無事に終了いたしました。たくさんの、熱心な皆さまのご来場、ご参加、ありがとうございました。

そしてご協力いただきました企業、団体、出展者、印刷愛好家の皆さまと、ご後援いただきましたタイポグラフィ関連書出版社の皆さまには、衷心より厚く御礼申しあげます。

最後に、この貴重な機会を与えていただきました青山ブックセンターの皆さまにも、厚く御礼を申しあげます。勤務を終え、私服に着替えられたスタッフの皆さんが、熱心に会場をご覧になるお姿を毎日嬉しく拝見しておりました。やはり書店の皆さんが、本当に書物を、そしてタイポグラフィを愛され、しっかりと支えられていることを再確認した 3 週間でした。

小社の力量不足で、至らぬ点は多々ございましたが、わざわざ熊本・福井・大阪・京都・新潟など、ご遠方よりお越しいただいたお客さまも多く、驚きと、感謝の念でいっぱいの毎日でもありました。タイポグラフィを愛するすべての皆さまと、本当に熱い交流・交換ができた「ABC dé タイポグラフィ」が無事終了いたしました。

本当に、本当に、ありがとうございました。

Adana-21J 出荷がはじまっています!


ワーク・ショップにご参加いただいたお客さまを中心に、Adana-21J ご購入に関するお問い合わせが多数ございました。朗文堂 アダナ・プレス倶楽部では、当面は「 Adana-21J ご購入予定者講座」を中心に、安全で正しい操作法を学んでいただく講座を展開してまいります。

このクールが終了したのちに、気軽にご来社いただき、Adana-21J に触れ、その魅力と底力を実体験していただき、タイポグラフィ全般に関してたのしくお話しのできる機会を設ける準備もしております。どうかかわらぬご支援のほどお願いいたします。

立原道造の世界 III
2007 7 7 -9 30
立原道造記念館  http://www.tachihara.jp


気がつけば、もう 7 月、七夕もすぎ、はやくも1年間の後半戦にはいりました。時のたつのが早く感じられるこのごろです。魅力的な展覧会・展示会・コンサート・イベントなどが目白押しの首都東京にあっては、とかく情報洪水に翻弄されがちになります。

そんななか、寸暇をぬすんで本郷弥生町の「立原道造の世界 III」に出かけました。思うことの多い一日となりました。とりわけ新資料『月曜』を興味深く見ることができました。

注目すべき詩誌『月曜』に関しては、高橋輝次氏の Website「古書往来」を参考にご紹介しましょう。

『月曜』は滋賀県で活躍した井上多喜三郎が発行した詩誌で、創刊号は昭和 7 6 月刊「約 20 センチ四方の黒い紙表紙で、頁はわずか 12 だが、そこには貝殻のような手触りの、白いアート・ペーパーが用いられている」としるされ、「装幀は井上多喜三郎、扉絵が天野隆一、カッとは六條篤であった」。昭和 9 2 月に第 9 号の発行をみたようである。

その後中断があって、第 2 次『月曜』は昭和 12 11 月から刊行されている。それに際して井上多喜三郎は立原道造に寄稿依頼の書状を送っている。その往復書簡のうち立原道造から井上多喜三郎に宛てた昭和 13 年の 2 通のはがきが、今回関係者から同舘に寄贈され、初公開となったものである。

このとき、すでに詩人にして造形家・立原道造は、宿阿の結核が重篤で、翌 14 年にはそのあまりに若い人生の幕を24歳にしてとじてしまうのです。

公開された 2 通のはがきは、病床にありながらもいかにも立原らしい端正な筆致で書かれていて胸をうちました。わたしはそれをみながら、もし、立原の病床が悪化しなかったとしても、この感性ゆたかな詩人は、「アートペーパーで印刷される」『月曜』には寄稿することはなかったのではなかろうか……、とボンヤリと考えていました。

撮影はできませんので、記憶にたよってしるしますが、もう一通のはがきには、たしかこのような記述がありました。

「アートペーパーは僕の夜には不似合いです」

そして今回の同舘のフライヤーに紹介されたはがきの記述です。

月曜 4 ありがとうございます

たいへんに 白く きれいな雑誌です

アートペーパーのにほひは なにかしら 僕に

古い記憶を呼びさまします 人たちが

ガラスや 鋼鉄や ネジや 鳩に 熱狂した

新鮮さを感じた日々の記憶です

人間が 何物かのまへで 自分を放棄し

ようとした日々の記憶です だが 月曜は

このようなところから もっと深く行くでせう

ちなみに「鳩」は前述の「古書往来 38 」によると、

「六條は『朝・ボクハ天使タチニ餌ヲ与ヘル/うんこヲスル天使タチ』」という詩が『月曜 3 号』に六條の詩「朝」という題であるそうです。それをうけて、詩人流にひめやかに揶揄したのではないでしょうか。

いずれにしても、チャールズ・チャップリンが『モダン・タイムス』を発表し、機械文明やその製品に疑問をなげかけ、人間讃歌を映像にしたのは 1936 年、詩人のはがきは 1938 6 月のことでした。

おそらく詩人は「アートペーパー」に工業製品に独特の「腐臭」を感じ、謙虚にそして峻厳に寄稿を拒否したのではないでしょうか。そんな思いにかられながら夕陽をあびる立原道造記念館をあとにしました。

「小 さ な 勉 強 会」
書体設計に挑む/研究成果の対談会
2007 7 6 日/朗文堂 4B
主催/朗文堂 後援/タイポグラフィ学会


坂知江子さん/菅原 清さん/小倉正美さん/司会・今田欣一さんによる書体設計の研究成果の発表会が終了しました。狭い会場ながらたくさんの皆さまのご参加をいただきました。ありがとうごさいました。3 人とも書体設計の経験は浅く、まだまだ中間発表というかたちでしたが、今後の精進に期待して、あたたかく見守っていただきたいとぞんじます。

いささか主催者側の準備不足もありまして、ご参加の皆さまにはご迷惑をおかけいたしました。この場をかりて深くお詫び申しあげます。

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