物語は、古くから絵に描かれ、楽しまれました。
たとえば、伊勢物語の存在がはじめて文献上に知られるのは
源氏物語のなかですが、そこにおいて伊勢物語はすでに絵巻として登場します。
もちろん源氏物語も、成立後まもなく絵に描かれ始めたと考えられています。
また、中世まではもっぱら絵巻や冊子、色紙といった小画面に描かれた物語絵は
近世になると大画面の屏風にも描かれるようになり、物語が室内を彩りました。
このたびの展覧会では、伊勢や源氏の王朝文学から平家物語、曾我物語、
西行物語、そして酒呑童子をはじめとするお伽草子まで、さまざまな物語を描いた
多彩な形式の絵画作品を集めます。
晩秋から初冬のひとときを、物語と絵とともにお過ごしください。
【 根津美術館 】