[杉本昭生]
今回はギョーム・アポリーネール「アムステルダムの水夫」 です。
アポリネール(1880-1918)は二〇世紀初頭のパリで、前衛芸術の旗手として
詩、小説、演劇に縦横の活躍をみせ、近代詩から現代詩への方向を決定づけた
才人といわれています。
死の直後に公刊された『カリグラム』(Calligrames, 1918年)では
文字で絵を描くという斬新な手法で高い評価を得ました。
「アムステルダムの水夫」は港に下りた水夫が殺人事件に巻き込まれる話です。
体裁はごらんの通り、本文は色紙を使うこと、表紙は黒にすることなど
あらかじめ決めて作りましたが、やはり出来上がりには不満が残ります。
これは自分の能力に対する不満なので、とうしようもないのですが。
──────────────
京都の吉田山のほとり、ちいさな活版印刷機で小型本の製作をつづけている
ぢゃむ 杉本昭生さんは、製作のピッチも順調ですし、そのブログ
<活版小本 コホン>も意欲的な更新が継続しています。
<活版小本>の特徴のひとつに、ていねいな書体選択があります。
テクストのテーマごとに、装本・用紙選択・書体選択と、すみずみまでこまやかな
配慮をこらす姿勢に好感をもちます。
ぜひともリンク先で、できたら拡大画面で本文ページをご覧ください。
こんな小さな図書なのに、そのこころ配りの贅におどろきます。
皆さまのご愛読と、ブログへのご訪問をおすすめいたします。 [やつがれ wrote]
ブログ<活版小本 コホン>のアドレスはこちらです。
【 ぢゃむ 杉本昭生 活版小本 】