日別アーカイブ: 2016年10月28日

台湾{字田・活字排版研究室}髙 鵬翔さんらが活字盒をひっさげて来社 意欲満満テイクノートが早くて正確なこと見事まで

DSCN8318 DSCN8327IMG_2740 写真右からおふたりが台湾の皆さん

2016年10月28日午前、台湾から三名の活版印刷実践者の若者が来社。
活字版印刷(活版)といいながら、いつのまにか樹脂凸版印刷が増加したわが国とくらべ、台湾では金属字の供給がまだ円滑ですし、不足活字母型の新規彫刻も順調です。

髙 鵬翔さんはそんな台湾の活字供給事情を背景として、「活字は苗、込め物は土。できた活字のコマは 漢字 田 に見える」とされ、みずから{字田}と名づけた紙製簡易活版印刷キット{活印盒}を開発されています。
昨今モチベーションが低下気味で、スマホパチリで事すめりとする日本の造形者とちがい、質問連発・商品購入に積極的でした。考えさせられることの多かった金曜の朝でした。

【おかわかめ倶楽部】 妙な会が結成されたらしい。活版カレッジ・アッパークラス独身男性中心に食用植物{おかわかめ}の育成をはかる

IMG_7756◯ 2016年10月25日@メール
こんにちは、おかわかめ倶楽部 大石です。
添付の写真は、日吉さんのおかわかめの状況です。もうそろそろ食べられそうですね。
皆さまの{おかわかめ}の生育具合はいかがでしょう?
なお先月の活版カレッジ・アッパークラス月例会の際は、バッカス松尾さん、真田さん、日吉さんには、挿し木の状態の{おかわかめ}をお渡しし、田中さんと千星さんには「ムカゴ」の状態の{おかわかめ}をお渡ししました。部位によっても生育に差があるかもしれません。

◯ 2016年10月27日 バッカス松尾氏携帯メール
げげ、うちのはほとんど育ってないです。。
陽当たりがわるいからかなあ。

◯ 2016年10月27日 大石@メール
私の予想では、バッカス松尾さんより、真田さんの{おかわかめ}が
一番育っていないのではと思います。

なにしろ水を霧吹き程度しか遣っていないそうですから……。
土の渇き具合と生育具合にもよりますが、
この時期なら、毎日コップ1杯程度は水が必要かと思います。
今夜のアッパークラスでもすこし配布するので、
おかわかめ倶楽部のメンバーが増員されます。
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{ 新宿餘談 }
DSCN8259空中花壇園芸家 のやつがれとしてはですね ―― コホン。
{おかわかめ}のようなつる性の植物は、時を見計らって芯芽を摘むこと。さもないと針金のように、ただただ上にのびるだけになる。
適宜芯芽を摘むことによって、脇芽がのびて、枝ぶりがにぎやかになる。

ところで広島市植物公園の島田由紀子氏は、「みんなの趣味の園芸-オカワカメの基本情報」のなかで、{おかわかめ}の原産地は熱帯アメリカや熱帯アジアであって、日本には中国から長寿の薬草として伝わり、雲南百薬(うんなんひゃくやく)とも呼ばれていて、植え付けの時季は五月前半が好適とされている。
それなのにウチのノー学部育種科は、昨夜10月27日の<活版カレッジ>アッパークラスの月例会で、数名の会員に黒ポットの熱帯植物{おかわかめ}の幼芽をわけていた。どんな教育を受けてきたのか不安になった夜だった。

それにしても、つい先日本欄に[【空中花壇】 花のときから種のときへのうつろい 薬草ともされる{おかわかめ}が時季はずれの緑のカーテン]を紹介したばかりである。ふり返ってみると、その頃のノー学部育種科の挙措が不審であった。園芸家には内緒で、{おかわかめ}の移植に励んでいたらしい。

なによりも2010年10月02日、都下あきる野市五日市町の「ふるさと工房・軍道紙」からわけていただいた種子から育った「トロロアオイ」である。この花を吾が空中花壇の女王として丹精込めて育てていた。
DSCN7556ことしは元気で、いちにちに七-八輪の花をつけることもあった。花は短命で、早朝に開花し、午後にはしぼんでしまう。
だから早朝からノー学部はすかさずベランダに出て、お得意かつ唯一の農器具「小ばさみ」をもって、花弁をチョキチョキ切りとってしまう。それを刻んで、だし汁をかけてムシャムシャと食す。そして、
「おいしいね。おいしいでしょう」と無理をしいる。
園芸家としては、せっかくの花を切られ、内心泣くおもいであるし、怒りにふるえてもいる。
ただ口惜しいことに「トロロアオイ」の花は食しても旨いのは事実である。

《 プラハの園芸家 : カレル・チャペックとは 》DSCN0063DSCN0025DSCN0027DSCN0005チェコのプラハ第10区に「チャペック兄弟通り  BRATŘİ ČAPKŮ」と名づけられた小高い丘への通りがある。そこの頂上部に連棟式の二軒住宅がある。
向かって左が、画家にしてイラストレーターの兄 : ヨゼフ・チャペックの住居で、現在は孫が居住しているという。
向かって右が、ジャーナリストにして戯曲家・作家の弟 : カレル・チャペックの住居跡であるが、こちらは現在は無住でプラハ第10区が買収済みだというが、どちらも非公開の建物であり、庭園である。
この兄弟がここに居住していた頃にのこした一冊の図書、邦題『園芸家の一年』、『園芸家の12ヶ月』がある。
20161027164925_00001イラスト : ヨゼフ・チャペック
チャペック01 20161027164925_00002翻訳書も手軽に入手できる。『園芸家12ヶ月』(カレル・チャペック著、小松太郎訳、中公文庫)、『園芸家の一年』(カレル・チャペック著、飯島 周訳、恒文社)、『園芸家の一年』(カレル・チャペック著、飯島 周訳、平凡社)。どの版も工夫を凝らしており楽しいものだ。

本書のなかでカレル・チャペックは「園芸家・栽培家・農業家」の違いをのべて、みずからを園芸家と規定している。すなわち園芸家とは栽培家や農業家とはことなり、食彩や食材をもとめるのにあらず。
したがって、やつがれも空中花壇の園芸家を自負する身なれば(頼りないけど)、丹精こめて育成した「トロロアオイ」の花を食すなどもってのほか、まさしく外道の行為なのである。

それでもあの「トロロアオイ」の花は新鮮でうまかったなぁ。