【会員情報】ぢゃむ 杉本昭生さん活版小本 石川啄木『第十八號室』より+悲しき玩具抜粋製作発表 ご尊顔を拝せる{文字壹凜 杉本昭生過去ログ}一挙紹介

sikibuIMG_2521[1] IMG_2513[1] IMG_2515[1]京都市内吉田山のほとり、ちいさな活版印刷機で小型本の製作をつづけるぢゃむ 杉本昭生さん。
今回の製作は、石川啄木の『第十八號室より』です。後半には「悲しき玩具」から、病気と困窮を歌った何首かが掲載されています。

ブログ「活版小本」も意欲的な更新が継続しています。
「活版小本」の特徴のひとつに、ていねいな書体選択、手抜きの無い文字組版があります。
装本や用紙選択だけでなく、すみずみまでこまやかな配慮をこらす姿勢に好感をもちます。
リンク先でぜひとも拡大画面で本文ページをご覧ください。
ぢゃむ 杉本昭生 活版小本

[杉本昭生 一筆箋]
活版小本の三十何冊目は石川啄木の『第十八號室より』です。

お腹が膨らんできた啄木は病院で慢性腹膜炎と診断されます。
しかしその診断をなかなか受け入れられません……。
大きな病気を宣告された時の患者の混乱した気持が文章から伝わってきます。
後半は「悲しき玩具」から病気と困窮を歌った何首かを掲載しました。

本文書体 Oradano mincho を使って不自然にならない作家を考えた時、
啄木と鏡花、藤村ぐらいしか思い浮かばず、
この機会に啄木の作品を一冊作ろうと決めました。
いつも思うことですか、今度こそ丁寧に作ろうと取り組みましたが
そんな気持がまったく空回りしたお粗末な仕上がりです。
次回は気に入った作品なので、もう少しマシなものにしたいと思っています。
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{新宿餘談}
この{活版 à la carte}コーナーとつよい関連性をもって誕生した、縦組みブログ{文字壹凜 もじいちりん}がスタートからちょうど一年を迎えました。
小型本に高度な組版術と書体選択眼を発揮する杉本氏は、このふたつのコーナーにはしばしば登場されています。
今回は過去一年間のログが一望でき、杉本さんの写真も掲載されている{文字壹凜}から、リンク先にて、「ぢゃむ 杉本昭生過去ログ」を一挙ご紹介いたします。