【会員情報】 ぢゃむ 杉本昭生さん 活版小本新作 ── 萩原朔太郎『 虫 』紹介+α

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{ ぢゃむ 杉本昭生 活版小本 一筆箋 }

萩原朔太郎は大正時代に近代詩の新しい地平を拓き「日本近代詩の父」と称される詩人です。「虫」は神経衰弱の男が「鉄筋コンクリート」の〈本当の意味〉を知りたいと思い
右往左往する話です。そして、突然閃きます。「虫だ!」。

初めは萩原朔太郎の詩集にしようと思っていました。

ああわたしはしっかりとお前の乳房を抱きしめる、
お前はお前で力いっぱいに私のからだを押へっける、
さうしてこの人気のない野原の中で、
わたしたちは蛇のやうなあそびをしよう、
            (『月に吠える』より「愛憐」部分)

しかしちいさな本では文字の切れ目や余白が不自然でやめました。
今回の本は媚びるような感じがあってやや不満です。
楽しみではなく。仕事として作っている感じですね。
次回はもっとお気楽にやります。
どこやらで【 詳細  ぢゃむ 杉本昭生 活版小本 】
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活版小本
次の本が出来るまで その91 ──── 2018年4月13日

酒合戦

文化十二年十月、千住に住む中屋六右衛門の六十の祝いに酒合戦が催されました。芸者や太鼓持ちも呼ばれ三味線の音も賑やかに酒量を競ったそうです。そこでは厳島杯、鎌倉杯、江島杯、万寿無量杯、緑毛亀、丹頂鶴などと呼ばれる杯が使われました。
厳島杯は五合(900mℓ)、鎌倉杯は七合(1,260mℓ)、江島杯は九合(1,620mℓ)、万寿無量杯は一升五合(2,700mℓ)、緑毛亀は二升五合(4,500mℓ)、丹頂鶴はなんと三升(5,400mℓ)。
杯に万寿無量や緑毛亀(蓑亀ともいう。長寿を象徴する縁起のよいもの)などめでたい席にふさわしい名前をつけるセンスが粋ですね。ちなみに酒は伊丹の「玉緑」と「上竹」、肴はからすみ、花塩、さざれうめ、蟹、ウニ、うずらの焼き鳥、鯉の羹などだったそうです。
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