【展覧会】山口蓬春記念館 平成30年度 春季企画展 百 花 繚 乱 ── 山口蓬春の心を魅了した花鳥の世界 ── 4月14日-6月10日

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山口蓬春記念館 平成30年度 春季企画展
百 花 繚 乱
── 山口蓬春の心を魅了した花鳥の世界 ──
会  期:平成30年4月14日[土]-6月10日[日]
開館時間:午前10時-午後5時  * 入館は午後4時30分まで
休  館  日:毎週月曜日
入  館  料:一般 600円 高校生以下は無料
主       催:山口蓬春記念館・公益財団法人 JR東海生涯学習財団
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山口蓬春邸の庭は、様々な草木に彩られていたといいます。時に芳香を漂わせながら、季節ごとに咲き乱れる色とりどりの花。木々の間から覗く小鳥の姿とその愛おしいさえずり。庭に訪れる四季の移ろいを心待ちにしていた蓬春は、その機微を捉え、最も美しい自然の姿を写生し、自らの日本画のなかに描き留めました。

「以前は風景写生にもよく出かけましたが、年をとるとどうしても身辺取材が多くなって …… それに長年親しんできたものに熱意を感じて描くのがいいようですね。年々歳々花同じからずというとおり、同じ花でもそのときどきで見方、感じ方も変わってくる。主題も年齢、経験が大きく影響するようです」(『富山新聞夕刊』昭和40年6月14日)と語るように、特に葉山に転居してからの蓬春は身近な光景として花鳥画を描きました。
近代以降、日本画において革新への模索が試みられ、西洋絵画の摂取が盛んに行われるなか、蓬春は伝統的な画題である花鳥画を中心に日本画の近代化を目指し、新日本画創造に向けて取り組んでいったといえます。

本展では、蓬春が描いた「百花繚乱」(色々な花が、華やかに美しく咲き乱れる、の意)の花鳥画を通じて蓬春の自然への恵愛の心とその想いを新日本画へと昇華させていく過程に迫ります。

【詳細: 山口蓬春記念館

山口蓬春記念館について  同館 URL ゟ


hoshun_top山口蓬春(1893-1971)は、東京美術学校(現・東京藝術大学)日本画科に学びました。古典による伝統的日本画を探求する一方で、西洋画の技法を取り入れる等、従来にない数々の試みを実践し、独自の新日本画の世界を築きました。
日展を中心に活躍し、日本画の進展に大いに貢献した蓬春は、昭和40年には文化勲章を受章、皇居新宮殿杉戸絵《楓》に代表される数々の業績を残しています。

昭和46年5月31日、日本画家山口蓬春は戦後を過ごしたこの葉山の地で77年の生涯を閉じました。平成2年、山口家より土地、建物及び所蔵作品の寄贈を受けた財団法人JR東海生涯学習財団(現・公益財団法人JR東海生涯学習財団)では、その偉業を永く後世に伝えていくことを目的として、平成3年10月15日、山口蓬春記念館を開館致しました。

当記念館では、蓬春の本画をはじめ、研鑽の偲ばれる素描、模写などを公開しております。その他にも、常に古今東西の美術に対する理解、研究を怠ることのなかった蓬春が、長年にわたり収集した美術品の数々も、随時展示替えを行いながらあわせてご覧頂いております。

また、葉山に転居して以来、数々の名作を生みだした画室は、蓬春とは東京美術学校(現・東京藝術大学)で同窓であった建築家・吉田五十八氏による設計です。当時のままの状態で保存し、四季折々の草木が楽しめる庭とともに公開しております。

来館された方々には、蓬春の生前の創作活動を偲びながら、海と山に囲まれた葉山の豊かな自然を満喫していただけるものと思います。