【展覧会】武蔵野美術大学 美術館・図書館 ── リトグラフ 石のまわりで── 5月21日-8月10日、18日、19日

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武蔵野美術大学 美術館・図書館
リトグラフ 石のまわりで
Lithography : Around the Stone
会 期|2018年5月21日[月]-8月10日[金]、8月18日[土]、19日[日]
休館日|日曜日、祝日
    * 6月10日[日]、7月16日[月・祝]、8月19日[日]は特別開館
時 間|10:00-18:00(土曜日、特別開館日は17:00閉館)
入館料|無 料
会 場|武蔵野美術大学美術館 展示室 2、アトリウム1・2
主 催|武蔵野美術大学 美術館・図書館
協 力|武蔵野美術大学 油絵学科版画研究室
監 修|遠藤竜太(武蔵野美術大学 油絵学科版画専攻教授)
リトグラフは、従来の凹版凸版とは異なる平版という新しい版種として18世紀末に登場し、刷りの可能性を広げた。印刷技術史における近代印刷術としてのリトグラフと多様性に富む表現を創り出す美術表現としての版画との両面からリトグラフを捉え、その技法の革新性と美しさをあらためて伝えたい。現代作家10人による作品も見どころ。
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このたび、武蔵野美術大学 美術館・図書館では、展覧会「リトグラフ 石のまわりで」を開催いたします。
リトグラフは版面を彫ることなく描画を転写します。18世紀末リトグラフの発明によりそれまでの凹版や凸版に新しい版種、平版が加わりました。石版石を素材とするこの新しい印刷方法は、19世紀から20世紀にかけて瞬く間に普及し、その間に重量があり持ち運びが難しい石版の弱点を解消するジンク板やアルミニウム板が開発されました。描画の際の技術的な制約が少ないことから、様々なジャンルの作家がリトグラフに関心を持ち、優れた作品を残しています。
表現者の探究心と技術の進歩はより繊細で微妙な表現を可能にし、現代においてもリトグラフの人気は衰えることはありません。リトグラフの始まりである石版石の「石」の魅力も常に表現者の心をとらえ、現代の版芸術においても「石」による創造の世界は様々な広がりを見せています。
本展では印刷技術史における近代印刷術としてのリトグラフと多様な表現を生み出す美術表現としてのリトグラフを紹介します。石版印刷術の好事例や現代作家の優れた石版刷作品をお楽しみください。
発明から200年以上を経たリトグラフの創り出す美しさとその魅力をあらためてお伝えしたいと思います。

【詳細: 武蔵野美術大学 美術館・図書館 】

〔出展作家〕
1.  館蔵リトグラフ作品
石版石によるリトグラフの制作の技法は、近年ではいくつかの美術大学と工房でしか保存・継承されていません。本学の授業で教材として参考にする作品のほか、初公開の作品も展示します。
◯ オディロン・ルドン 《聖アントワーヌの誘惑 第3集》1933年版

◯ ラウル・デュフィ 《電気の精》より 1953年
◯ 李 禹煥 《点より・線より》1977年
◯ パウル・ヴンダーリッヒ《Löwenmaul》1969 年《Selbst als Adam mit Anton und Adler》1974年
◯ アルマンド 《Black Flower》1992年

2.  印刷技術史からみる石版印刷の具体例を紹介
1874(明治7)年に大蔵省紙幣寮に石版部が置かれたことが日本の石版印刷の初めとされ、その後、役者絵や名所風景画、歴史画など「石版額絵」が流行しました。
明治後期にはポスターも制作されるようになります。当時の印刷技術を垣間見ることのできる、肖像画、歴史画、教育掛図などを展示します。また、京都市立芸術大学が所蔵する戦前から実際に使われた石版石の描画がそのまま残る版面は、当時の印刷事情を伝える興味深い資料です。

3.  現代作家のリトグラフ作品
リトグラフ工房が年々減少し制作の環境が変わりつつある状況の中、石版に意欲的に取り組む作家の新作・近作を展示します。
   出原司(京都市立芸術大学教授)
   坂井淳二(版画家)
   永井研治(版画家)
   Ingrid Ledent (ベルギー アントワープ王立美術アカデミー教授)
   Sean Caulfield(カナダ アルバータ大学教授)
   遠藤竜太(本学 油絵学科版画専攻教授)
   大坂秩加(本学 油絵学科版画専攻非常勤講師)
   高浜利也(本学 油絵学科版画専攻教授)
   元田久治(本学 油絵学科版画専攻准教授)

4. (公開制作/展示)本学教員の制作
描画→製版→刷りの行程を公開します。  
出品作家を含む10名の本学教員が、展示会場にて公開制作をいたします。
刷りの工程や制作途中の版はもちろんのこと、描画の工程を実際にご覧いただける場合もございます。
*作家の都合により予定が変更となる場合もありますので、ご了承ください。
描画の日程等、最新情報は当館 Twitter(@mau_m_l)にて随時発信いたします。