室尾犀星記念館
企画展「旅する犀星 ~ 北信越編 ~ 」
展示期間 平成30年3月3日[土]-7月1日[日]
会 場 室生犀星記念館
石川県金沢市千日町3-22 TEL:076-245-1108 FAX:076-245-1205
旅 上
旅にいづらば
はろばろと心うれしきもの
旅にいづらば
都のつかれ、めざめ行かむと
緑を見つむるごとく唯信ず
よしや趁はれて旅すこころなりとも
知らぬ地上に印す
あらたなる草木とゆめと唯信ず
神とけものと
人間の道かぎりなければ
ただ深く信じていそぐなりけり
『抒情小曲集』より
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晩年は旅行嫌いで通した室尾犀星でしたが、若き日の犀星にとって旅とは、今ある自分の立場から脱却し、明るく新しい未来を切り開くためにどうしても必要なものでした。
そしてまた、新しい”詩”をもたらしてくれるものでもありました。
家庭を持ち、小説家となってのちの犀星は心身の疲れを温泉で癒し、創作にはげみました。
そんな犀星の「旅」について、じっくり見つめる展示の、今回は北信越編です。
【詳細: 室尾犀星記念館 】
< 室尾犀星 と 室尾犀星記念館 >
室 生 犀 星
明治22年(1889)8月1日、金沢に生まれた犀星は、生後まもなく真言宗高野山派、千日山雨宝院にもらわれ、養父母のもとで育ちました。高等小学校を中退して12歳で働きはじめた犀星は、文学への思いを募らせて20歳で単身上京、生活苦にあえぐなかで数々の詩をつくりました。
『愛の詩集』『抒情小曲集』などの抒情詩は大正期の詩壇を牽引し、さらに小説家としても活躍しました。その作品は抒情的な作風の「幼年時代」や「性に眼覚める頃」などの初期小説、市井鬼ものと称される「あにいもうと」などの中期小説、「杏つ子」「かげろふの日記遺文」「蜜のあはれ」など次々と新しい境地を拓いていった晩年の小説など多岐にわたり、随筆、童話、俳句にもすぐれた作品を残しています。
不遇な出生をのりこえて描かれた犀星文学は、故郷の山河に対する深い思いや、小さな命、弱いものへの慈しみの心があふれ、人生への力強い賛歌ともなっています。
室生犀星記念館
生家跡に建つ記念館
金沢三文豪(泉 鏡花・徳田秋聲・室生犀星)のひとり、室生犀星の生家跡に建つ記念館です。平成14年8月1日、犀星の誕生日に開館しました。
「ふるさとは遠きにありて思ふもの …… 」の詩(「小景異情 その二」)で知られる犀星は、この地で生まれ、すぐ近くの寺院、雨宝院で育ちました。
館内では、はじめて犀星を知る人でも、犀星の生き方やその文学世界の魅力と出会い、ふるさとや命に対する慈しみの心への強い共感を呼び起こしていただけるものとおもいます。
記念館周辺では犀星が育った雨宝院、犀星が愛した犀川、詩碑のある「犀星のみち」など、犀星文学の原風景を訪ね歩くこともできます。
所在地 石川県金沢市千日町3番22号
開 館 2002年(平成14年)8月1日
運 営 公益財団法人 金沢文化振興財団
設置者 金沢市
室生犀星記念館
〒921-8023 石川県金沢市千日町3-22 TEL:076-245-1108 FAX:076-245-1205
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