【展覧会】チェコセンター|ヴァーツラフ・シュライフ絵画展 |東京で解き放たれて|2月5日-3月15日

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チェコセンター
ヴァーツラフ・シュライフ絵画展 ──「東京で解き放たれて」
会  期  2019年2月8日[金]-3月15日[金]
      平日 10:00-17:00(火・木は19:00まで開館)
会  場  チェコセンター東京展示室
      150-0012 東京都渋谷区広尾2-16-14 チェコ共和国大使館内
      電話 03-3400-8129
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漫画家、画家、イラストレーターとして活動するヴァーツラフ・シュライフの絵画展を開催いたします。昨年、約半年間日本に滞在し、武蔵野美術大学にて研究制作を行った際に、日本の伝統文化や生活などにインスピレーションを受けて描かれた作品をご紹介いたします。

【 詳細: チェコセンター 】

ヴァーツラフ・シュライフ Václav Šlajch

1980年生まれ。プルゼニュの西ボヘミア大学電気工学科を卒業後、同大学の美術デザイン研究所(現在のラジスラフ・ストナル デザイン美術学部)でイラストレーションを専攻。イジー・グルス、ToyBox、パヴェル・チェフらとともに、チェココミック界の「ジェネレーション・ゼロ」として知られる。(これらの作家については2018年にチェコセンターで開催の展示「チェコ・コミックの100年~歴史の中のコミック・コミックの中の歴史」にて紹介した)。

2010年、チェコの権威ある漫画賞「Muriel」を受賞。映画監督のヤン・スヴェラークの企画に何度か参加しており、映画『三人の兄弟』が書籍化された際には挿絵を担当した。

作品制作のほか、西ボヘミア大学でイラストレーションの指導を行うなど、後進の育成にも力をいれている。
http://vaclavslajch.blogspot.com/

仄暗い画面の中から ── 町田久美(武蔵野美術大学客員教授)

日本の土着的祭祀の仮面に発想を得たという
巨大な動物の顔がゆらりと立ち上がり、
薄明りなのか土塊なのか雲なのか、
無数の大小様々な形態が暗がりの中、ひっそりと佇んでいる。

おそらくは日本滞在中に作家が感じた様々な要素が内包されているであろうその絵画群は、
寡黙にして確固たる存在感を放ち、鑑賞者の目を釘付けにしてやまない。

武蔵野美術大学で開催されたチェコ出身のVaclav Slajch氏の日本での初個展は、
100号サイズの大きな作品数点と数多くの小品とで構成されており、木製パネルの地肌には、この制作のためにチェコから取り寄せたという、独自の風合いを持つ赤茶色のオイルが使われていた。絵の具ではなくオイルだからであろうか、画面の上に塗り重ねていく絵の具とは違い、美しいその暗色は丹念に画面に擦り込まれ、何処までも深く滲んでいって、ついには神秘的な領域にまで達してしまったかのようにも見える。

チェコでは風刺の眼を持つ鋭い作風の作家として知られる Vaclav 氏だが、意外にも今回のように大きな絵画作品を制作したのは初めてだという。ぜひこれからも心の深淵に触れるような、素晴らしい氏の絵画作品を拝見したいと心より願っている。