【会員の展覧会】星と森の詩美術館|稔りゆく自然、移りゆくアート ー 日本とメキシコ版画交流 ー|10月11日-11月30日

20190930132828_00003 20190930132828_00004星と森の詩美術館
稔りゆく自然、移りゆくアート
ー 日本とメキシコ版画交流 ー
会  期  2019年10月11日[金]-11月30日[土]
開館時間  9時30分-17時 * 入館は16時30分まで
休  館  日  火曜日、10月23日 * 10月22日は開館
入  館  料  一般 500円、小・中学生 200円
主  催  日本大学芸術学部、星と森の詩美術館
後  援  在日メキシコ大使館  協力:La Ceiba Grafíca
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メキシコの版画工房の協力のもとメキシコの現代版画と、「大地、空気、色彩」をテーマに制作された日本大学芸術学部美術学科の教員・卒業生の版画作品とを合わせて展示し、版画作品を通してメキシコとの美術交流を行います。
メキシコの版画工房ラ セイバ グラフィカ協力のもと、メキシコ人アーティストの作品と、日本大学芸術学部美術学科の非常勤講師を含む教員、および作家として活躍している同学卒業生の作品をあわせて展覧いたします。
稔りゆく秋を背景に、現代のメキシコ版画と日本版画との競演をぜひお楽しみください。

⇒ ・10月26日(土)14時よりギャラリートーク開催
               ※入館料が必要です
  ・10月27日(日)13時よりワークショップ《稔りゆく自然を版画にする》開催
               ※参加費無料、お子様大歓迎!
  講師(両日とも)
・笹井祐子さん
(版画家、日本大学芸術学部美術学科教授)

・関口雅文さん(画家、日本大学芸術学部美術学科非常勤講師、十日町市出身)
・鶴巻貴子さん(銅版画家、日本大学大学院修了、三条市在住) ほか

[ 詳細: 星と森の詩美術館

Naturaleza Fructificando, Arte Cambiando con el Tiempo
Intercambio de grabados entre Japón y México

「稔りゆく自然、移りゆくアート ── 日本とメキシコ版画交流 ──」
 ── その意図と願い ──                 笹井祐子

私たちの感性も、それによるアート表現も、いま転換期にある。感性も思考も人工化し、アート表現も作為の技芸へと流転していく。感性やアートから野性味が消え、野生のいきいきした生命力も失われ、アートも I T 化し A I 化してゆく時世となりつつある。
私はメキシコの野生に魅せられて、大地や大気や自然の生成する形や色彩の本来の輝き、人工技芸でない純粋な表現を学んできた。
メキシコの大地からは、私たちが感じ取る力を失ってしまった神話が語りかけてくる。神話は自然と、その中に生きる人間たちがつくりあげる大地の物語である。花や葉っぱや人びとの表情や色彩がストレートに神話を語りかけてくる。大地にも色彩や形体にも神話という野生の感性が育んだ共同の知が息づいている。

ここに展示されるメキシコの版画工房「ラ セイバ  グラフィカ」の作品群にもメキシコならではの純粋な表現、神話力に裏打ちされた生命表現が溢れている。
私たち日本大学芸術学部の版画制作者たちもそれに触発され、あるいは日本の、新潟の、豊かな自然や大地を見直し、生きる姿、生命力の湧出としての表現、〝原アート〟の表現を試みた。

人工技芸化の盛況をよしとする風潮にあって、大地、自然の色彩や形体、そして大気の響かせてくれるリズム、さらに土地にこめられた風土色や歴史色という物語力をも取り込んで、この展覧会ではアートの野生的な新生をはかろうとした。
新潟とメキシコの活発な競演から、大地と生命とアートの真のコラボレーション表現が約束されるだろう。さらに版画という社会性も創造性もメッセージカも併せもつアートメディアが、私たちの意図と試みを、稔りゆく田園に流れる爽風涼風のように伝えてくれるだろう。
(尚、本展は日本大学芸術学部学部長指定研究「アート教育プロジェクト」実践研究成果である)。