【Lingua Florens】名もない艸草にうもれてチューリップが開花

DSC_0350 DSC_0352「ことのは の 花園」の意から、河野三男さんが「Lingua Florens」と名づけられた小庭に、色とりどりのチューリップが咲いた。
「空中花壇」は文字どおりベランダ園芸であるが、「Lingua Florens」も、下は大地や地面ではなく、人工地盤の上にあり、土の深さは20センチほどしかない。
そこにノー学部が気まぐれにさまざまな艸花を植えてきた。したがって人によっては「雑草はたけ」と嘲笑する。

ところがやつがれ、
「雑草という名の艸はない。花が咲けばタンポポも、スミレも、ドクダミだってきれいなものだ」
とおもっているから、批判は聞きながすことにしている。
昨年の11月頃、ノー学部がそこに「ミックス・チューリップ」とされた、ひと包みの球根をネットショップで購入して植えたらしい。いつものことながら、芽が出て確認したら、植えるというより、適当に枯れ草の間に埋め込んだだけで、構成というか、造園意図もないままであった。

2020年2月になって、朗文堂の事務所が此処に移転した。その直後から、
「庭ーLingua Florensーにチューリップを植えてあるけど、まだ芽がでない」
とノー学部がいうので、すでに時期遅れとわかっていたが、おおよその植えこみ場所をきいて、急いで肥料を与えた。
なにしろ「Lingua Florens」は人工地盤であり、ちょっとした雨でも溢水するし、旱天がつづくと艸花は枯れてしまう。ましてビルの谷間にある四坪ほどの小庭のため、真夏でも直射日光は、一日に15分ほどしか射し込まないという相当な悪条件下にある。

そんな悪条件の小庭で、気まぐれ園芸家の手になるチューリップは、レンゲ草、スミレ、タンポポと、この辺りで咲きつづけた早春を彩った野の艸が咲き終わったあと、肥料不足は隠せないものの、なんとか花をつけた。
開花した花をみて、改めておもった。ノー学部はいったいどういう庭にしたくて、ここにチューリップというわかりやすい花を、バラバラに植えたのかと …… 。