【展覧会】国文学研究資料館|特別展示 ないじぇる芸術共創ラボ展|時の束を披く―古典籍からうまれるアートと翻訳―|令和3年2月15日-4月24日

2021-03-08 (2)

国文学研究資料館
特別展示 ないじぇる芸術共創ラボ展
時の束を披く―古典籍からうまれるアートと翻訳―

会  期  令和3年2月15日[月]-4月24日[土]
開  室  日  新型ウイルス感染症の拡大を防ぐため、当分の間事前予約制となっております。
      詳しくは こちら をクリックしてください。
開室時間  午前10時-午後4時 ※入場は午後3時まで
場  所  国文学研究資料館 1 階  展示室
主  催  国文学研究資料館、ないじぇる共創ラボ
助  成  文化庁、独立行政法人日本芸術文化振興会
      入場無料
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◉「ないじぇる芸術共創ラボ」について
「ないじぇる芸術共創ラボ」とは、国文学研究資料館に所蔵されている古典籍 (=明治以前に日本でつくられた書物)と、館に集結する研究者の知見を、研究者コミュニティの外側へ開放し、さまざまな立場の人に、日本の貴重な文化的資源である古典籍に自由な発想で触れてもらうことで、新たな文化的価値を生み出すことを目指し、2017年10月に始まったプロジェクトです。
具体的には、さまざまな分野で活躍する世界屈指のアーティストと翻訳家を館に招き、研究者とともに古典籍をひらき、探求し、そこで得た知見や感覚をもとに新たな作品を創出する「アーティスト・イン・レジデンス(AIR)」「トランスレーター・イン・レジデンス(TIR)」を行っています。

◉「時の束を披く」について
約3年半にわたるプロジェクトの成果を一堂に会した展示です。プロジェクトに参加したAIR・TIRが、研究者とともに古典籍の森を探索し、検討し、行き着いた新たな表現をご覧いただきます。
各 AIR・TIR がないじぇる芸術共創ラボに参加し、創作した作品とその過程を示すさまざまな資料、そして創造の源となった古典籍を共に展示し、現代における古典籍活用の大きな可能性を提示します。

◉「時の束を披く」参加クリエーター
〇川上弘美氏(小説家)
伊勢物語を題材に、恋愛小説『三度目の恋』を執筆。
〇長塚圭史氏(劇作家・演出家・俳優)
江戸の戯作者山東京伝とその黄表紙を題材に、戯曲「KYODEN’S WOMAN」を執筆・上演。
〇山村浩二氏(アニメーション作家)
江戸時代の絵師鍬形惠斎の絵手本『略画式』と上田秋成作『雨月物語』をモチーフにした、短編アニメーション「ゆめみのえ」を制作。
〇松平莉奈氏(日本画家)
江戸時代の絵手本等の模写を通じて体得した、自らの内面にある「古典」を日本画で表現。
〇梁亜旋氏(現代芸術家)
絵巻を題材にしたインスタレーション作品や絵画を制作。
〇ピーター・J・マクミラン 氏(翻訳家)
『扇の草紙』を英訳。翻訳時に得た気づきをもとに、日本の美を伝えるデジタルコンテンツ「Found in Translation」(凸版印刷(株)制作)開発にかかわる。

※新型ウイルス感染症の感染予防・拡大防止のため、1 時間ごとの事前予約制(定員20名)とさせていただきます。
[ 詳細 : 国文学研究資料館 特設サイト

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ごあいさつ
    国文学研究資料館 館長
ロバート キャンベル


ないじぇる芸術共創ラボ展「時の束を披く―古典籍からうまれるアートと翻訳―」に、ようこそお越しくださいました。

ないじぇる芸術共創ラボとは、二〇一七年十月に、文化庁の委託を受けて始まったプロジェクトで、誰にでもひらかれた歴史的文化資源である日本の古典籍を、もっと多くの方に自由な発想で活用していただきたいという想いで続けてまいりました。
この展示では、約三年半にわたり、世界の第一線で活躍するクリエーターたちと、当館教員をはじめとするさまざまな分野の研究者とが、ともに古典籍をひらき、その魅力を探求してゆこうとする実験の過程で起こった〈化学反応〉をご覧いただきます。

クリエーターたちが、古典籍を発想の源として創作した、素晴らしい作品世界をじっくりとご覧いただきながら、彼らがその発想へ至るまでに様々な影響を及ぼした古典籍をも鑑賞し、創作の過程や、日本の古典がもつ大きな可能性をお楽しみいただきたいと思います。

古典籍は、その中に綴られている内容の世界だけではなく、その制作に携わった人々、それを手にし、読み、写し、保管し、あるいはどこかへ紛らわせてまた見出す、という書物自体が内包する記憶と時間を有しています。その「時の束」を、研究者やクリエーターたちと共に披き、過去と現在、未来に思いを馳せてみてください。

【 YouTube 国文学研究資料館  特別展示  ないじぇる芸術共創ラボ展 6:28 】