【展覧会】太田市美術館・図書館|本と美術の展覧会 vol. 4|「めくる、ひろがる ー 武井武雄と常田泰由の本と絵とー」|’22年3月5日-5月29日/ 後期開催中:4月27日-5月29日

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太田市美術館・図書館
本と美術の展覧会 vol. 4
「めくる、ひろがる ー 武井武雄と常田泰由の本と絵とー」
会  期  2022年3月5日[土]-5月29日[日]
      * 前 期:3月5日[土]-4月24日[日]/ 後 期:4月27日[水]-5月29日[日]
会  場  太田市美術館・図書館 展示室 1、2、スロープ
      373-0026 群馬県太田市東本町16番地30  TEL 0276-55-3036
開催時間  午前10時-午後6時(展示室への入場は午後5時30分まで)
休  館  日  月曜日
観  覧  料  一 般 300円、高校生以下および65歳以上は 無 料。
主  催  太田市、一般財団法人太田市文化スポーツ振興財団
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2017年から開催してきた「本と美術の展覧会」シリーズ。その第4弾は、本における重要な要素である「めくる」動作に着目し、童画家・武井武雄(1894-1983)と 版画家・常田泰由(1980-)の作品を紹介するものです。
本は、ページをめくるごとに物語が進展します。「めくる」ための手の動きと、物語の進行は不可分な要素として私たちの意識に知らず知らずのうちに内面化されているでしょう。私たちは、少ない言葉とイメージ(絵)で展開される絵本を読む時、次の展開への期待をもってページをめくって いた/ いる のではないでしょうか。ページを「めくる」という動作が不可欠な本の構造は、それだけで物語を想像させてしまう力を内包しているのかもしれません。

さて、日本において子どものための絵画を「童画」と名付け推進した武井武雄は、本にまつわる美術を多数手がけています。子ども向け絵雑誌の絵画をはじめ、本の装幀や、多様な素材と技法を駆使し、こだわりぬいて制作された刊本作品。いずれも本の内容と絵やデザインとが溶け合い一つになることが目指されています。

一方、常田泰由は、身の回りにあるかたちを見つめ、そのドローイングから版画、ペインティング、コラージュ、そして本など、多様な展開を見せています。特に近年多数制作している本の作品は、断片的なイメージが寄せ集められ、綴じられ、そしてぱらぱらとめくられることで単一の平面作品では得られない効果を生み出しています。
本展では、武井武雄と常田泰由の本の作品をはじめ、版画や水彩画、コラージュ、インスタレーションなどを展示します。各展示室では作品がめくられていく映像もご覧いただけます。二人の作家の本と絵とを行ったり来たりしながら、本と美術、二つの接点に思いを寄せてみてください。

<出品作家>
武井武雄 Takei Takeo(1894-1983)童画家
長野県出身。本郷洋画研究所、東京美術学校西洋画科および同校研究科で学ぶ。1921年から絵雑誌『子供之友』(婦人之友社)等に子ども向けの絵を描き始め、翌年『コドモノクニ』(東京社)創刊に携わる。1925年、初個展「武井武雄童画展」(東京銀座資生堂画廊)を開催。この時初めて自身で創造した「童画」という言葉を用いる。1935年より刊本作品を制作し、生涯で139点を世に出した。

常田泰由 Tokida Yasuyoshi(1980- )版画家
長野県出身。2003年東京造形大学美術学科絵画専攻卒業、2006年愛知県立芸術大学大学院美術研究科油画専攻修了。2009年観瀾国際版画ビエンナーレ展(中国)。木版画を中心に国内外の美術館、ギャラリーで発表、美術館等で版画のワークショップを開催している。現在、武蔵野美術大学、東京造形大学非常勤講師。

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上ご参観を。
[ 詳細 : 太田市美術館・図書館
⊕ 武井武雄の郷里、長野県岡谷市には「武井武雄の世界-イルフ童画館」がある。童画は武井の造語であり、イルフは「古い-フルイ」を逆読みしたものとされる。