【展覧会】国立京都近代美術館|展覧会 リュイユ ── フィンランドのテキスタイル:トゥオマス・ソパネン・コレクション|’23年1月28日-4月16日|終了

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国立京都近代美術館
展覧会 リュイユ ── フィンランドのテキスタイル:
トゥオマス・ソパネン・コレクション
会  期  2023年1月28日[土]- 4月16日[日]
開館時間  午前10時 - 午後6時
      * 金曜日は午後8時まで開館(2月3日、2月10日、4月14日を除く)
      * 入館は閉館の30分前まで
休  館  日  月曜日
会  場  京都国立近代美術館 4F コレクション・ギャラリー内
観  覧  料  一般:430円、大学生:130円、高校生以下、18歳未満および65歳以上の方は無料*。
      * 心身に障がいのある方と付添者1名は無料*。
      * 入館の際に証明できるものをご提示下さい。
      * 個人、当日、税込価格を表示。各種割引・優待情報は下掲 公式サイト 参照
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「やわらかな色面」を感じさせるリュイユの一番の魅力は、複雑に構成された色彩の表現にあります。ウフラ=ベアタ・シンベリ=アールストロム(1914–1979)は、水彩によるデザイン画をもとに、幾何学的な模様を無数の階調で表現した、リュイユの代表的なデザイナーの一人です。こうした色彩構成は、レーナ=カイサ・ハルメ(b. 1940)の近年の作品のように、ウールのみならず、リネンやヴィスコースなどの異なる質感の素材を用いることで、より複雑な表現へと展開しています。
リュイユは、フィンランドのアイデンティティが表れた織物だと言われます。16世紀にはすでに寝具として用いられていたリュイユの大きな転換点は、1900年パリ万博。画家アクセリ・ガッレン=カッレラ(1865–1931)によってデザインされた《炎》は、フィンランド館を彩り、ロシアからの独立を視野にナショナル・ロマンティシズムの一端を担います。一方、画家のデザインをもとに制作を担ったのは、伝統的な手工芸を保存し活かすことを掲げて1879年に設立されたフィンランド手工芸友の会でした。同会は、デザイナーと優秀な織り手との豊かな関係を築いたほか、家庭用の制作キットを作ることで、趣味の良い生活と、自ら作る喜びを広めていきます。

新たなデザインのリュイユは、時代の変化とともに生み出され、1950年代にはガラスや陶芸と同様に、ミラノ・トリエンナーレで受賞を重ねるなど「フィンランド・デザイン」として国際的な評価を高めました。現在では、作家が自ら手掛ける作品も多く、造形や素材は多様化して表現の幅はより広がりを見せています。リュイユの歴史は、いわば近代以降のテキスタイル・アートの変遷を凝縮した物語なのです。
本展では、フィンランド国立博物館と並び称されるリュイユのコレクションとして著名なトゥオマス・ソパネン・コレクションを日本で初めて紹介します。リュイユの歴史を概観できる重要な作品を厳選し、主に1950年代以降に制作された作品約40点を展観します。

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上参観を。
[ 詳 細 : 京都国立近代美術館