カテゴリー別アーカイブ: 展覧会

【展覧会】大分県立美術館|特集展示 此君礼賛 -おおいた竹ものがたり vol. 7|’23年9月7日-11月12日

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大分県立美術館
特集展示 此君礼賛 -おおいた竹ものがたり vol. 7

会  期  vol.7:2023年9月7日[木]- 11月12日[日]
開館時間  10:00- 19:00
      * 金曜日・土曜日は20:00まで(入場は閉館の30分前まで)
休  展  日  2023年☆月☆日[☆]
会  場  大分県立美術館  3階 コレクション展示室
      870-0036 大分市寿町2番1号 TEL:097-533-4500
観  覧  料  一 般 300円、大学・高校生 200円、中学生以下 無 料
      * 関連イベント、割引、各種優待情報などは下掲詳細参照。
主  催  公益財団法人大分県芸術文化スポーツ振興財団・大分県立美術館
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大分県立美術館は、同県ゆかりの美術家の作品を中心とした 5000点 を越えるコレクションを収蔵し、年間を通じてコレクション展や企画展で紹介しています。中でも竹工芸で初めて人間国宝となった大分県出身の 生野祥雲齋(しょうの しょううんさい  本名は秋平  1904-74)の作品約80点を軸とした、およそ300点からなる県内外の竹工芸作品は、質・量ともに国内最大級のコレクションとして知られています。
同館では竹工芸を、大分ならではの文化風土から生まれた主要な地域文化資源と位置付け、コレクション展における特集展示「此君礼賛-おおいた竹ものがたり」をシリーズとして開催します。

タイトルの「此君-しくん」とは竹の異称で、中国・晋の文人・王子猷が「なんぞ一日も此の君無かるべけんや」(一日たりともこの君なしではいられない)と竹を深く愛した故事に因みます。
この特集展示(令和五年度は vol. 6, 7 を開催)では、大分の竹工芸の歴史や変遷を、同館コレクションの名品や歴史資料と共にご紹介します。また、竹工芸の特徴をさまざまな角度からご覧いただけるように、毎回わかりやすいテーマを設定して紹介することで、多様に展開してきた大分の竹工芸を多角的に展観します。

※ 下掲詳細公式サイトにて最新情報を確認の上ご観覧ください。
[ 詳 細 : 大分県立美術館 ] 

【展覧会】泉屋博古館 京都・鹿ヶ谷|泉屋ビエンナーレ2023|Re-sonation ひびきあう聲|現代鋳金作家 × 中国古代青銅器|’23年9月9日-10月15日

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泉屋博古館 京都・鹿ヶ谷
泉屋ビエンナーレ2023 Re-sonation ひびきあう聲
会  期  2023年9月9日[土]- 10月15日[日]
休  館  日  月曜日(9月18日、10月9日は開館)、 9月19日、10月10日
開館時間  午前10時 - 午後5時(入館は 午後4時30分 まで)
会  場  泉屋博古館 京都・鹿ヶ谷
      606-8431 京都府京都市左京区鹿ケ谷下宮ノ前町24
      同時開催:青銅器館「中国青銅器の時代」
入  館  料  一 般 800円、高大生 600円、中学生以下 無 料
      * 本展覧会の入場料で青銅器館もご覧いただけます
主  催  公益財団法人泉屋博古館、住友グループ各社、京都新聞
────────────────────泉屋博古館鹿ヶ谷0803◆ 泉屋博古館 京都・鹿ヶ谷|泉屋ビエンナーレ2023 Re-sonation ひびきあう聲|
2021 年に開催された第 1 回から早や 2 年、泉屋博古館の新たな取り組みである「泉屋ビエンナーレ」は新たな鋳金作家をメンバーに加え、第 2 回を迎えることとなりました。
約 3000 年前の中国古代青銅器からインスピレーションを受け、新進気鋭の鋳金作家 10 名が新作を制作、おなじ展示会場内に陳列することで、時空を超えた対話を体験いただける刺激的な空間を演出いたします。
はるか古代から連綿とつづく鋳金の技術はどこからきて、そしてどこへと向かっていくのか。
ひびきあう聲と聲のなかから生まれる、鋳金芸術の最先端をお見逃しなく。

◆ 出陳作家一覧(敬称略・五十音順)
石川 将士/上田 剛/梶浦 聖子/久野 彩子/佐治 真理子/柴田 早穂/杉原 木三/平戸 香菜/三矢 直矢/本山 ひろ子

ココがポイント!
Re-sonationは造語。
この展覧会のタイトルは、第一回に参加された作家さんと美術館スタッフの話し合いで決められました。青銅器に込められた古代の声を聴き「共鳴-resonation」することによって、中国古代青銅器がいま「再び」新たな創作の源となるようにと願いをこめて……

* 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上参観を。
[ 詳 細 : 泉屋博古館 京都・鹿ヶ谷   本展特設コーナー ]{ 活版 à la carte 過去ログ }

【展覧会】しばしのお別れ|国立劇場|伝統芸能情報館|国立劇場所蔵芸能資料展|’23年8月26日-10月26日|2023年10月末 全館閉鎖/閉場 長期休館

さようなら 三宅坂・半蔵門の国立劇場 ── 未来へつなぐ国立劇場プロジェクト
初代国立劇場・国立演芸場・さよなら公演・記念事業
◆ 国立劇場・国立演芸場・伝統芸能情報館は令和五年/2023年10月末に閉場・閉館します ◆
チラシ_表_改版
錦絵「清玄堕落之図」月岡芳年画 国立劇場錦絵「清玄堕落之図」月岡芳年画   国立劇場
「俳優待春図」歌川国長画 国立劇場「俳優待春図」歌川国長画   国立劇場
「海老」の図と「こしをれと」の歌 八代目市川團十郎画 七代目市川團十郎筆 国立劇場「海老」の図と「こしをれと」の歌
八代目市川團十郎画 七代目市川團十郎筆 国立劇場チラシ_裏_改版

国立劇場 伝統芸能情報館
国立劇場所蔵芸能資料展
会  期  令和5年(2023年)8月26日[土]- 10月26日[木]
開館時間  午前10時から午後6時
場  所  国立劇場伝統芸能情報館  1階  情報展示室
      102-8656 東京都千代田区隼町4-1 TEL 03-3265-7411
休  室  日  なし(会期中無休)
入  場  料  無料
監  修  石橋健一郎(古典芸能研究家)
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国立劇場は昭和41年(1966)の開場以来、伝統芸能の公開や伝承者の養成とともに、芸能資料の収集と活用を事業の大きな柱の一つとしてきました。開場から57年を迎え、劇場設立時の政府出資品に加えて、これまでに収集された資料は膨大な点数となりました。これらの資料は、収集事業にご賛同いただいた方々からの寄贈品がその多くを占めています。
初代国立劇場 及び 初代国立演芸場 の掉尾を飾る展観となる本展では、寄贈品を中心に国立劇場の代表的な所蔵資料を一堂にご紹介いたします。名品、優品、貴重な芸能資料の数々をどうぞお楽しみください。

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bnr_footer_02< 国立劇場閉場と 2029年再開への歩み >
国立劇場(東京都千代田区)を運営する独立行政法人「日本芸術文化振興会(芸文振)」は、2022年6月17日、劇場の建て替えに伴う再整備計画の概要を発表した。
国立劇場は、日本の伝統芸能の拠点として、歌舞伎や文楽、日本舞踊などが上演されている。しかしながら、1966年の開場から55年が経過し、老朽化が進んでいた。
本年10月末の閉場後、4棟の建物(大劇場・小劇場、演芸場、事務棟、伝統芸能情報館)を全て取り壊し、PFI(民間資金を活用した社会資本整備)の手法で、劇場のほか、民間経営のホテル、レストランなども入った施設を整備する。再開場は2029年秋の見込みとしている。

※ 下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上、ご観覧を。
[ 詳 細 : 国立劇場 国立劇場さよなら公演  国立劇場 伝統芸能情報館
{新宿餘談}
松竹社員の友人が歌舞伎座で<歌舞伎美人ーかぶきびと>なる情報コーナーを担当し、やがて国立劇場 伝統文化資料館に移動した。友人は病歿したが稿者はいまだにこの情報コーナー支援を継続している。すべては <歌舞伎美人-かぶきびと> からはじまった。ゆえに寂寥感はひとしおである。

【展覧会】髙島屋史料館|企画展 万博と仏教―オリエンタリズムか、それとも祈りか?|’23年8⽉5⽇-12⽉25⽇

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髙島屋史料館
企画展 万博と仏教
― オリエンタリズムか、それとも祈りか?
会  期  2023年8⽉5⽇[土]- 12⽉25⽇[月]
開館時間  10:00 - 17:00(入館は 16 : 30 まで)
休  館  日  火・水曜日
会  場  髙島屋史料館企画展示室
      556-0005 大阪市浪速区日本橋3-5-25 高島屋東別館3階
      電 話:06-6632-9102
監  修  君島彩子(宗教学者、和光大学講師)
主  催  高島屋史料館 TOKYO
入館無料
────────────────────大阪史料館0902◆【展覧会】高島屋史料館|企画展   万博と仏教―オリエンタリズムか、それとも祈りか? ◆
本展では、万国博覧会に出展された仏教に関連する展示物を概観しながら、近代における仏教のイメージの受容と、その変遷について考察してみたいと思います。

いち早く近代化を果たした欧米列強は、産業振興のため、そして国力を誇示するために、多くの万国博覧会を開催してきました。19世紀以降、日本もこうした流れに遅れまいと参加してきましたが、今回、本展で注目するのは、この万国博覧会に日本が出展してきた多くの仏教に関係する造形物です。
例えば、明治政府として初の公式参加となったウィーン万国博覧会 (1873年) では、《鎌倉大仏頭部の張子》や《五重塔の模型》が展示されました。さらには、シカゴ万国博覧会 (1893年) で建設された《平等院鳳凰堂外観を模した日本館》では、仏教イメージは展示物だけにとどまらず、パビリオンの外観そのものにも表出していきました。こうした仏教イメージが、西洋からのオリエンタリズムのまなざしを内面化したものとして用いられたことは容易に推察されます。他方で、日本がそれを戦略的に利用した背景にも興味深いものがあります。

また同時に注目したいのは、1970年に開催された日本万国博覧会 (大阪万博) における仏教イメージのあり方です。これは、アジア初の万国博覧会として知られていますが、即ちそれは、仏教を信仰する人々が多数訪れる初めてのそれであることも意味していました。そのため、これまでの欧米における万国博覧会では、あくまで物質として機能し、おおよそ信仰とはかけ離れた存在であった仏教関係の展示物が、大阪万博では多くのアジア諸国からの来場者に、信仰の象徴が展示された空間として受け止められたのです。博覧会における仏教イメージが、オリエンタリズムから宗教的意味を帯びる存在へと変化したという点において、画期的な万博だったと言えるでしょう。
 本展が万博の、そして近代仏教の新たな魅力が発見される契機となれば幸いです。

※ 下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご観覧を。
[ 詳細 : 髙島屋史料館

【展覧会】ベルナール・ビュフェ美術館|開館50周年 “ビュフェ・スタイル ”とは何か?|’23年4月1日-11月7日

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ベルナール・ビュフェ美術館
“ ビュフェ・スタイル ” とは何か?

開館50周年 唯一無二のそのスタイルを、たっぷりお楽しみください。
開催期間  2023年4月1日-11月7日[火]
開館時間  10:00-17:00  * 11月からは16:30閉館。入館は閉館の30分前まで
所  在  地  411-0931 静岡県長泉町東野クレマチスの丘515-575  TEL 055-986-1300
入  館  料    大人:1000円、高・大学生:500円、中学生以下:無料
      * 各種割引、優待情報などは下掲詳細参照
休  館  日  水曜日・木曜日
開館時間   10:00-17:00    *  11月からは16:30閉館。入館は閉館の30分前まで
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20230815140013_00002第二次世界大戦後のフランスにすい星のごとく現れた青年画家。灰色と栗色の画面、黒く鋭い輪郭線、画面を埋め尽くすひっかき傷のような線、顔に深い皺をきざみ、引きのばされやせ細った人物、不思議な配置の静物、人っ子ひとりいない町………虚無感に満ちた時代の空気を切り取り描いた彼の絵は、一度見たら忘れられない独特の輝きを放っていました。
20歳を前にして確立されたそのスタイルは、ベルナール・ビュフェという画家を唯一無二の存在に押し上げることになります。その後ビュフェは50年にわたって制作を続け、その線や色彩を変化させ、描く対象を広げていきますが、何をどう描こうと「ビュフェ・スタイル」は貫かれていました。
若くして時代の寵児となり、画家であることの幸せと苦しみを常にあわせもちながら20世紀を駆け抜けたビュフェ。この展覧会では、初期から晩年までの作品約100点を通してその変遷をたどるとともに、そこに貫かれた「ビュフェ・スタイル」を見つめます。様々なテーマと表現に挑んだベルナール・ビュフェの芸術、そしてその人生と人物像を、たっぷりとお楽しみください。

<ベルナール・ビュフェ>
ベルナール・ビュフェ(Bernard Buffet、1928-1999) は、フランス・パリ出身の具象
画家。19歳の若さで批評家賞を受賞し、パリ画壇に衝撃的にデビューする。黒い輪郭
線と抑制された色使いで、第二次世界大戦後の不安や虚無感を描きだしたと支持され、
一躍ビュフェ現象を巻き起こした。
その独自の表現は、没後20年を過ぎた今、あらためて注目を集めている。

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : クレマチスの丘 ベルナール・ビュフェ美術館 

【展覧会】原美術館 ARC|「青空は、 太陽の反対側にある:原美術館/原六郎コレクション」|第2期(秋冬季)’23年9月9日-’24年1月8日

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原美術館 ARC Hara Museum ARC
「青空は、太陽の反対側にある:原美術館/原六郎コレクション」
会  期  第 1 期(春夏季)  2023 年 3 月 24 日[金]- 9 月 3 日[日]
      第 2 期(秋冬季)  2023 年 9 月  9  日[土]- 2024 年 1 月 8 日[月・祝]
      * 特別展示室・觀海庵は 会期中展示替えがあります
開館時間  9:30 am-4:30 pm(入館は 4:00 pm まで)
休  館  日  木曜日(祝日を除く)、1月1日、8 月中 無 休
      * 2024 年 1 月 9 日[火]- 3 月中旬まで 冬季休館
入  館  料  一 般 1,800 円、 大 高 生 1,000 円、 小 中 生 800 円
      * 個人、当日料金を表記。各種割引、優待などは 下掲詳細 参照。
会  場  原美術館 ARC Hara Museum ARC
      住所:〒377ー0027 群馬県渋川市金井2855-1
      Tel:0279-24-6585 / Fax:0279-24-0449
      ウェブサイト:https://www.haramuseum.or.jp
主  催  原美術館 ARC
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雲ひとつない晴れた日に原美術館 ARC を訪れて最初に目にするもの ── それは大きな青空です
青空と山々の深緑や紅葉、そして青空と端正な黒色の磯崎新建築とのコントラストは、恐らくここでしか見ることのできない感 動の光景。しかしよく見ると、青空の青さにはわずかに濃淡があります。輝く太陽の周りは少し白っぽく、太陽 から離れるにつれ青さが増してゆく。思い描く理想の青い空は太陽の反対側にあります。

本展では、「青空は、太陽の反対側にある」をキーフレーズに、自身の理想を求めて当時の美術的・社会的動向に 背を向けた荒川修作や久保田成子、ギルバート&ジョージやヨーゼフ ボイスなど、国内外の作家の表現を展観し ます。
まず、現代美術ギャラリーA、B、C では、常識や慣習、既存の価値観に抗うことで、または視点を変えることで 独自の地平を切り開く作家や、声高ではなくとも社会や美術の潮流に疑問を呈する作家、そして自身の心に深く 潜ることで新たな表現を浮上させる作家の作品をご覧いただきます。
一方、特別展示室 観海庵には、鎖国の江戸期に西洋絵画や科学に傾倒した司馬江漢や、「朦朧体」と揶揄されな がらも墨線を否定し、独自の表現を切り開いた横山大観の作品を展示します。
また、通常は東京国立博物館に寄 託している原六郎コレクション、『青磁下蕪花瓶』(国宝)と『青磁袴腰香炉』がお里帰り(展示期間:3 月 24 日 - 4 月26 日)。どちらも爽やかな青空色が美しい名品です。20230406145751_00002-721x1024

さらに、「光悦本」と呼ばれる希少な古活字本である 『謡本』を帖を替えながら通年展示。記録に残る限りでは、『青磁袴腰香炉』は明治 45 年に東京帝室博物館(現 東京国立博物館)開催の特別展覧会「和漢青磁器」展以来の一般公開、『謡本』は初公開となります。
輝く太陽にあえて背を向け、順光に映し出される鮮やかな青空と原美術館ARC をどうぞご堪能ください。

※ 厳冬期をのぞいて、ほぼ通年展示開催。群馬/渋川方面にお出かけの節は足をお運び下さい。
※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上ご参加を

[ 詳 細 : 原美術館 ARC

【展覧会】深沢紅子 野の花美術館|生誕120年記念 深沢紅子 野の花によせて展 + イベント 野の花さんぽ|’23年6月28日-10月23日

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深沢紅子 野の花美術館
生誕120年記念 深沢紅子 野の花によせて展
期  間  2023年6月28日[土]- 10月23日[月]
      会期中無休
会  場  深沢紅子野の花美術館
      軽井沢タリアセン内
      389-0111 長野県北佐久郡軽井沢町大字長倉217 電話:0267-45-3662
      * 軽井沢高原文庫から 徒歩5分 の所にあります。
開園時間  軽井沢タリアセン 午前9時 - 午後5時  * 12月・1月は 午前10時 - 午後4時
入  館  料  深沢紅子野の花美術館入館券 大 人 600円  小中学生 300円
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軽井沢にゆかりをもち、野に咲く花を描き続けた洋画家・深沢紅子(ふかざわ こうこ 1903-1993)は、今年生誕120年を迎えます。
深沢紅子は、1964年ころから約20年間、軽井沢の堀辰雄1412番山荘(現在、軽井沢高原文庫に移築)を借用して夏を過ごし、高原の野の花を多く描きました。同美術館がこれまで収集した作品群と、近年あらたに寄贈された作品の中から水彩・油彩約50点を選び、ご紹介します。

◆ 深沢紅子 プロフィール ◆
深沢紅子は1903(明治36)年、岩手県盛岡市に生まれました。16歳の時上京し、女子美術学校日本画科に入学、その後同校の西洋画科に転科、岡田三郎助に師事して西洋画を学びました。1922(大正11)年、同郷の画家・深沢省三と結婚。1925(大正14)年には二科会に初入選、その後、一水会、女流画家協会などで活躍、1952年からは一水会委員として、1993(平成5)年に亡くなる直前まで創作活動を続けました。
◆ 軽井沢との関わり ◆
19358(昭和10)年、詩人・津村信夫の詩集『愛する神の歌』の装画を依頼されたことをきっかけに、深沢紅子は初めて軽井沢を訪れました。堀辰雄、立原道造など、軽井沢ゆかりの文学者たちと親交を持った紅子は、信州・軽井沢の清冽な自然に魅せられ、戦後、堀辰雄の別荘を借り受け、約20年間夏の間を過ごすようになりました。軽井沢では、幼い頃より魅了されて以来、生涯にわたり愛した、高原に咲く野の花を描きました。

※ 下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 深沢紅子 野の花美術館 軽井沢タリアセン

深沢紅子野の花美術館  軽井沢タリアセン山野草ガイドツアー
野の花さんぽ
2023年6月-10月 第4土曜日の恒例イベント
深澤0703深沢紅子野の花美術館  軽井沢タリアセン山野草ガイドツアー
野の花さんぽ
2023年6月-10月 第 4 土曜日の恒例イベント
日  時  2023年6月24日㈯、7月22日㈯、8月26日㈯、9月23日㈯、10月28日㈯
      * 小雨決行
料  金  深沢紅子野の花美術館入館券(大 人 600円、 小中学生 300円)
定  員  10名程度  * 要予約
ガ  イ  ド  軽井沢サクラソウ会議・自然観察指導員
集  合  当日、深沢紅子野の花美術館入館券またはミュージアムセット券ご購入のうえ、
      12時55分に深沢紅子野の花美術館までお越しください。
予約方法  電 話 0267-46-6161 または FAX 0267-45-3663まで連絡ください。
      (予約は 前日15時まで 受付けております)

※ 下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 深沢紅子 野の花美術館 軽井沢タリアセン

【展覧会】秋田県立近代美術館|特別展 奇想天外 × 大胆不敵 浮世絵師 歌川国芳展 ~|’23年9月9日-11月5日|終了

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秋田県立近代美術館
特別展
奇想天外 × 大胆不敵 浮世絵師 歌川国芳展 ~
会  期  令和5年(2023年)9月9日[土]- 11月5日[日] * 会期中無休
会  場  秋田県立近代美術館 5階
      013-0064 秋田県横手市赤坂字富ヶ沢62-46 Tel 0182-33-8855
料  金  一 般 1,200円、大学・高校生 1,000円、中学生以下 無 料
      * 関連イベント情報、前売り・割引・優待チケット情報などは、下掲詳細参照
────────────────────秋田近美0902 秋田近美0903◆ 秋田県立近代美術館 特別展 奇想天外 × 大胆不敵 浮世絵師 歌川国芳展 ~◆
歌川国芳は、北斎や広重と同じ江戸時代後期に活躍した浮世絵師です。
水滸伝に登場する豪傑たちを描いた武者絵で一躍脚光を浴び、風景画や戯画など様々なジャンルで活躍しました。人々を「アッ」と驚かせるような奇想天外にして大胆不敵な国芳の作品は、当時の江戸っ子たちばかりでなく、現代の若い世代にも人気を博しています。

本展では、国芳が最も得意とした勇ましい武者絵と楽しい戯画を中心に、西洋画の影響を受け独特な雰囲気を持つ風景画を加えてご紹介します。国芳らしさを凝縮した約170点の優品で構成する、全国で秋田県立近代美術館のみを会場とした展覧会です。
格好良くて面白い、そしてどこか不思議な国芳ワールドをこの機会にぜひお楽しみください。

※ 下掲詳細公式サイトにて最新情報を確認の上ご観覧ください。
[ 詳 細 : 秋田県立近代美術館

【展覧会】大分県立美術館|コレクション展 Ⅲ わたしが主役! OPAM秋の名品展|’23年9月7日-11月12日

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大分県立美術館
コレクション展 Ⅲ わたしが主役!OPAM秋の名品展
会  期  2023年9月7日[木]- 11月12日[日]
開館時間  10:00- 19:00
      金曜日・土曜日は20:00まで(入場は閉館の30分前まで)
休  展  日  2023年10月11日[水]
会  場  大分県立美術館 3階 コレクション展示室
      870-0036 大分市寿町2番1号 TEL:097-533-4500
観  覧  料  一 般 300円、大学・高校生 200円、中学生以下 無 料
      * 関連イベント、割引、各種優待情報などは下掲詳細参照。
主  催  者  公益財団法人大分県芸術文化スポーツ振興財団・大分県立美術館
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大分県立美術館は大分県出身や、ゆかりの作家を中心とした約5,000点にのぼる美術作品や資料を収蔵し、年間を通してその魅力を発信しています。
今年の名品展は秋の開催。「わたしが主役! OPAM 秋の名品展」と題して、様々なジャンルから OPAM コレクションの名品をご紹介します。

※ 下掲詳細公式サイトにて最新情報を確認の上ご観覧ください。
[ 詳 細 : 大分県立美術館 ] 

【展覧会】野尻湖ナウマン象博物館|第38回特別展 信濃町の縄文時代のはじまり|-土器出現の草創期から前期までのようす-|’23年7月15日-11月30日

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野尻湖ナウマン象博物館
第38回特別展
信濃町の縄文時代のはじまり -土器出現の草創期から前期までのようす-
期  間  2023年(令和5年)7月15日[土]- 11月30日[木]
会  場  野尻湖ナウマンゾウ博物館3階特別展示室
      389-1303 長野県上水内郡信濃町野尻287-5
開館時間  午前9時 - 午後5時
休  館  日  3、4、7、8月は無休 下掲詳細博物館カレンダー参照
入  館  料  個人 一般(高校生以上)500円 / 小・中学生 300円
      *障がい者手帳をお持ちの方は半額(介護者1名にも適用)。
展示内容  貫ノ木遺跡、仲町遺跡、市道遺跡出土の土器、石器ほか
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野尻湖周辺には、人々が動物を追って移動生活をしていた旧石器時代の遺跡が多く分布していますが、 それに続く縄文時代の遺跡も意外に多く、特に土器が出現して縄文時代がはじまった草創期の土器や石器は充実しています。 年代が測定された縄文時代の土器の中では長野県最古とされる隆起線文土器もあり、縄文時代が始まってからも、野尻湖周辺には人々が多く集まっていたことがうかがえます。
今回の特別展では、出土した遺物などを通して、この地域の縄文時代前半期のようすを感じていただきたいと思います。

<野尻湖ナウマンゾウ博物館は……>
長野県の北端、信濃町の野尻湖畔にあります。 1962年からはじまり50年以上続けられている「野尻湖発掘」の成果を中心に、約5万年の昔から現在に至るまでの、野尻湖周辺の自然環境を研究・展示している博物館です。
発掘された化石をもとにした実物大のナウマンゾウとオオツノジカの復元像や、豊富に展示されている骨器や石器の資料、実際に化石にふれることができるコーナーや、石器作りなどの体験ができる学習会もあります。

あなたもここへ来て、野尻湖のまわりをゾウやシカが闊歩していた太古の世界に想いをはせてみませんか。

※ 下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 野尻湖ナウマン象博物館
[ 参 考 : YouTube  野尻湖ナウマンゾウ博物館 公式 | 信州・信濃町【気になる編】1:30 ]

この{活版印刷アラカルト}のウェブページは、限度ギリギリの長尺ブログになっています。そのためお手数ですが、ときおり、とりわけ動画類を閲覧後は「ページ画面を更新」していただくと、次回からもスムーズなスクロールと閲覧をお楽しみいただけます。
{新宿餘談}
勝手を申すようで恐縮ながら、信越国境野尻湖からナウマン象の化石が発見されtのは1962年、稿者が……書きかけ

【展覧会】日本大学理工学部科学技術史料センター (CST MUSEUM)|第19回特別展 測量は「国土の身体測定」|’23年8月4日-’24年7月1日

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日本大学理工学部科学技術史料センター(CST MUSEUM)
第19回特別展
測量は「国土の身体測定」
期  間  2023年8月4日[金]- 2024年7月1日[月]
開館時間  10:00 - 17:00 (入館は16:30まで)
閉室時間  12:00 - 13:00
休  館  日  日曜日・祝祭日・大学の定める休日
会  場  日本大学理工学部科学技術史料センター(CST MUSEUM)
      日本大学理工学部船橋キャンパス テクノプレース15 2階
      274-8501 千葉県船橋市習志野台7-24-1, 日本大学理工学部船橋キャンパス
      テクノプレース15
      日本大学理工学部科学技術史料センター TEL : 047-469-6372
      E-mail : cst.museum☆nihon-u.ac.jp
開館情報  来校時、中央門(又は西門)横の守衛室までお声がけください。
      その後、CSTミュージアム受付(テクノプレース15 2階)までお越しください。
      受付後、センター内は自由にご見学いただけます。
入場無料
──────────────────────────
人々が生活する上で必要不可欠な「測量」という作業を広く知ってもらうために、主に測量道具を通じて、過去の偉人の大規模な事業や先進的な測量手法、測量の重要性、そして測量から広がる世界を紹介します。

※ 下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 日本大学理工学部科学技術史料センター(CST MUSEUM)

【展覧会】山梨県立美術館|特別展 テルマエ展 お風呂でつながる古代ローマと日本|’23年9月9日-11月5日

山梨県立美術館0903 山梨県立美術館0901

山梨県立美術館
特別展 テルマエ展 お風呂でつながる古代ローマと日本
会  期  2023年9月9日[土]- 11月5日[日]
開館時間  9:00-17:00(最終入場16:30まで)
会  場  山梨県立美術館 特別展示室
      400-0065 山梨県甲府市貢川1-4-27 TEL: 055-228-3322
休館日時  月曜日(9月18日、10月9日は開館)、9月19日[火]、10月10日[火]
観覧料金  一般 1,000円  大学生 500円
      * 当日・個人・税込み料金を表示。各種割引、優待情報などは下掲詳細参照
主  催  山梨県立美術館、テレビ山梨、朝日新聞社
────────────────────山梨県立美術館0902◆ 山梨県立美術館|特別展   テルマエ   お風呂でつながる古代ローマと日本 ◆

人類史上に輝く繁栄を誇った古代ローマ。なかでも日本人が深い関心をよせるものの一つがテルマエ(公共浴場)であり、ヤマザキマリ氏による漫画『テルマエ・ロマエ』はテルマエへの親近感を一層高めました。本展では、絵画・彫刻・考古資料といった 100件以上の作品や映像、模型などの展示品により、テルマエを愛した古代ローマの人々の生活を身近に感じていただくことができるでしょう。
また、『テルマエ・ロマエ』の主人公ルシウスが案内人となり、古代ローマのテルマエとともに、日本の入浴文化も紹介します。ルシウスが浴場をとおして日本とローマを往復したように、それぞれの入浴文化を体感することのできる機会となるでしょう。

序章 テルマエ / 古代都市ローマと公共浴場
テルマエとは「熱い」という意味のギリシャ語「テルモス」に由来し、狭義には皇帝らによって建設された大規模公共浴場を、広義には古代ローマの版図内の公共浴場全体を指します。4世紀に記された2種類の『ローマ市総覧』によれば、当時ローマ市内には大規模な公共浴場は11を数え、小規模なものにいたっては 856-951軒にのぼっていたといいます。
ローマ市内のテルマエで今も地上に遺構がよく残っているのは、アッピア街道沿いに217年に建設された有名なカラカラ浴場と、ローマ市で最大のディオクレティアヌス浴場(302年頃)です。
しかし大規模なテルマエの運営には、水道の管理・維持に加え、大量の燃料と奴隷を必要としました。温泉地にしても、たとえ温泉の利用は続いたとしても浴場施設が維持されることはなかったのです。そのため古代ローマの風呂文化は、中世には消え去ってしまいました。

※ 観覧希望のかたは、下掲詳細公式サイトで最新情報を確認のうえお出かけ下さい。
[ 詳 細 : 山梨県立美術館 ]

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【展覧会】東京大学 総合研究博物館|特別展示「東京大学・若林鉱物標本:日本の鉱山黄金時代の投影」|’23年3月23日-9月1日|会期終了

金属活字で鉛・錫と並ぶ主原料:アンチモン(アンチモニー・輝安鉱・伊予白目)の全国各地産出原石大小およそ30点を展示。かつてわが国は世界有数のアンチモンの産出国だった。本木昌造の命を受け、谷口黙次が採掘したと伝承されていた「九州天草」産出の輝安鉱原石も、学術資料を添付しての展示。東京本郷:東京大学総合研究博物館は、土日休館・平日のみ開催。撮影可。無料。残余会期ついに会期末。本稿は半年余本欄1ページ目に掲載継続。観覧を強くおすすめ。

20230418133457_00001 20230418133457_00002◆ 上掲チラシ裏面 最下部 写真中央が「輝安鉱」◆

東京大学 総合研究博物館
特別展示「東京大学・若林鉱物標本:日本の鉱山黄金時代の投影」
開催期間  2023年3月23日[木] - 9月1日[金]
開催会場  東京大学総合研究博物館
      113-0033 東京都文京区本郷 7-3-1
休  館  日  土・日・祝日
開館時間  10:00 - 17:00(入館は 16:30 まで)
入  場  料  無 料 * 事前申込不要 
主  催  東京大学総合研究博物館
──────────────────────
明治時代初期から蓄積されてきた数万点に及ぶ同館の鉱物標本だが、「若林標本」と呼ばれる標本群が基幹の一つとなっている。三菱合資会社の鉱山技師であった若林彌一郎(わかばやし やいちろう)の名前を冠した、明治末-昭和初期の金属鉱山の鉱石標本を中心として収集した2,000点あまりの標本群で、和田標本(三菱マテリアル)、高標本(九州大学)と並ぶ、日本の三大鉱物標本の一つに数えられている。

これまでは全貌が未公開であった若林標本であるが、今回の特別展では、全体のおよそ半数である約900点を選び、当館が収蔵するその他の鉱物コレクションと合わせて展示することで、日本の鉱山黄金時代を回顧する試みとした。
特に、若林標本の展示コーナーは、昭和期の標本展示室の雰囲気を再現し、床下にも数百点の標本を配した異質な空間となっている。ほとんどの標本にいえることは、採集元の鉱山はすべて閉山して久しいことである。つまり、これらの標本は、日本各地で輝いていた鉱山黄金時代の投影なのである。鉱物研究には、古き良き時代だった往時に想いを馳せて、これらの美しい鉱物結晶をご覧になっていただきたい。

< 主な展示物 >
・三角式黄銅鉱(秋田県荒川鉱山)
・ベゼリ石(秋田県日三市鉱山)
・青鉛鉱(秋田県亀山盛鉱山)
・孔雀石(秋田県阿仁鉱山)
・閃亜鉛鉱(秋田県尾去沢鉱山)
・方鉛鉱(岐阜県神岡鉱山)
・蛍石(兵庫県生野鉱山)
・輝安鉱(愛媛県市ノ川鉱山)← 柱状の結晶が見事な大きな原石。

◆ 東京大学 総合研究博物館|特別展示「東京大学・若林鉱物標本:日本の鉱山黄金時代の投影」◆

輝安鉱「和田標本」 朗文堂蔵本木昌造が谷口黙次に依頼して採掘したと伝承される「肥後国西彼杵郡高原村」の鉱山から産出した、アンチモンの原料鉱石/輝安鉱 キ-アン-コウ「仮称:和田標本」(朗文堂蔵)。現地調査をされた提供者によるとこの鉱山は「熊本県天草市天草鉱山」であり、現在は痕跡はほとんどないとのこと。

輝安鉱-熊本県天草1-5-624x467東京大学 総合研究博物館「若林鉱物標本」輝安鉱。熊本県天草市天草鉱山。
アンチモン独特の結晶体はほとんど見られず、含有率は低いとおもわれた。撮影のしづらい場所に展示され不鮮明なのはご容赦を。「若林鉱物標本」の天草鉱山産出標本は、展示品も DB でもこの一点のみであった。展示カードはほぼ名刺大。そこからこの標本の大きさ(陸上砲丸大)を推量。

東京大学総合研究博物館「若林鉱物標本」展示品 輝安鉱ー兵庫県養父市中★鉱山 東京大学 総合研究博物館 「若林鉱物標本」輝安鉱。兵庫県養父市中瀬鉱山。
柱状の結晶体が美しい。今回展示の輝安鉱のうち最大標本。同標本の輝安鉱点数では「愛媛県市ノ川鉱山」産出のものが最も多い。大英博物館にはかつて「日本国愛媛県産出」の輝安鉱鉱石が世界最大のものとして展示されていたとされ、目撃報告も複数あった。それに長年こだわっているが、収蔵庫に入ってしまったのか、その後の訪英時にも、渡英者の報告でも未確認である。
toukyoudaigakuhakubutukann東京大学 若林鉱物標本展 標本展示室のほんの一部。床面の展示は特殊ガラスで上部を歩行可能。

東京大学総合研究博物館 鉱物データーベース< 東京大学総合研究博物館 鉱物 データーベーストップ >

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご参加を
※ 喘息もちのかたにはマスク携行をおすすめ。本格的な博物館ではどうしても必須アイテムです。
[ 詳 細 : 東京大学総合研究博物館 ]
[ 関 連 :【艸木風信帖】サラマ・プレス倶楽|Lingua Florens-ことばの花園|’23年7月27日  + 新宿餘談 輝安鉱・アンチモン・伊予白目|東京大学総合研究博物館 若林鉱物標本展
[ 関 連 : NOTES ON TYPOGRAPHY【Pickup】花筏ゟ|タイポグラフィあのねのね|金属活字の主要原料-アンチモンの原料鉱石|輝安鉱の伝承と新資料発見

{新宿餘談}
金属活字で、鉛・錫と並ぶ主原料のアンチモン(アンチモニー・輝安鉱・伊予白目)。日本各地ゟ産出原石、大小30余点が展示。

かつてわが国は世界有数のアンチモンの産出国だった。本木昌造の命を受け、谷口黙次が採掘したと伝承されていた「九州天草」産出の輝安鉱原石も、産出地が明示されて引き戸ケース内で展示。
平日のみの開催。撮影可能。会期末。観覧を強くおすすめ。

❖  ❖  ❖  ❖

ここで稿者は東京大学総合研究博物館の「若林標本」の展示をうけて、長年なぜかタブー視され、忌避されてきた、アンチモンの、意外で不幸な、隠された歴史を記述する時が来たようだ。
本来アンチモンは、女王クレオパトラのアイシャドウに用いられていたと口承され、古代エジプトから使用がはじまり、身近に存在し、便利な合金素材であった。現代でも金属成型品に高度な平滑さをもとめられる優勝カップや表彰メタルなどには、必須のレアメタルとして使用が続いている。
この役割は量産品にも有効で、金属成型品製造の「剥離・排出」時に、製品の表面を平滑にして「鋳バリ」を防ぎ、合金冷却時の熱収縮を軽減する効能がある。活字製造では、脚部を平滑にして、字ヅラ面のくぼみ、いわゆる「オチョコ」の発生を防ぐ役割がある。

この「金属成型品 ≒ 量産品に 平滑さをもたらす」という効能が、わが国金属鋳造活字百五十年の歴史に、昭和になってからおもわぬ不幸をもたらした。稿者は1940-45年(昭和15-20)にわたり、この国で展開した官製の国民運動「変態活字廃棄運動」に長年拘泥してきた。

またわが国の金属活字は、なぜかベトナム紛争・戦争の激化にともなって「奇妙な力」がはたらいて、どんどん売却された。英・加・豪などのアメリカの同盟国とならんで韓国も派兵に応じたが、独自憲法をもつわが国はベトナム派兵はしなかった。
そのころのわが国の活字製造業者・活字版印刷工場には、保健所から支給された「鉛中毒注意・手洗い励行」の大小のポスターが随所に張られ、新聞なども「鉛公害」を熱心に掲載した。そして印刷業界は特別枠が設けられた業種転換助成金などを得て、金属活字を印刷版としないで、「版下・写真製版」を中心とした、オフセット平版印刷方式に世界に先駆けて転換していった。

この金属活字を巡るもうひとつの歴史を、そろそろ別稿をもとめてその背景をあきらかにしたい。

【艸木風信帖】サラマ・プレス倶楽|Lingua Florens-ことばの花園|’23年7月27日 猛暑のあいまに + 新宿餘談 輝安鉱・アンチモン・伊予白目|東京大学総合研究博物館 若林鉱物標本展 会期末

紫 陽 花 の 末 一 色  と な り に け り  一  茶

ビルの谷間、人工地盤、五坪ほどの小庭、植えも植えたり、数十種の艸木
Lingua Florens  2023年07月  猛暑のなかでの開花報告
朗文堂 サラマ・プレス倶楽部

カラスウリ1カラスウリの花
カラスウリ2カラスウリの花   花冠は夕方から開き裂片の先は細く裂けて房状に垂れる。
雌雄異株で花期は8-9月。写真は雄花。(カラスウリ画像集 外部リンク
ハニーサックル(スイカズラ)ハニーサックル(スイカズラ)
合歓の花1合歓の花2合歓の花
紫陽花ドライフラワー 紫陽花の干物紫陽花ドライフラワー
六月の小庭 を豊饒に飾ってくれた 紫陽花 は、斬るな、切るなの堂主の願いもむなしく、ノー学部愛用の農機具:鋏を縦横に駆使、逆宙づりにされてしまった。これはドライフラワー也という。いや「紫陽花の末一色となりにけり 一茶」と詠じた俳人よろしく、干物のようでどうにもこうにも。
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下掲写真はプレビュー。近日中に稚拙ながら画像大量使用で紹介予定。
東京大学総合研究博物館東京大学総合研究博物館 東京本郷
輝安鉱 兵庫県1-2東京大学 若林鉱物標本展 安輝鉱(アンチモン、アンチモニー、伊予白目とも)
輝安鉱 熊本県天草1-6東京大学 若林鉱物標本展 安輝鉱「熊本県天草市天草鉱山」産出の輝安鉱原石
東京大学総合研究博物館2東京大学 若林鉱物標本展 標本展示室のほんの一部
東京大学総合研究博物館 鉱物データーベース東京大学総合研究博物館 鉱物 データーベーストップ

[ 参 考 : 活版アラカルト 【展覧会】東京大学 総合研究博物館|特別展示「東京大学・若林鉱物標本:日本の鉱山黄金時代の投影」|’23年3月23日-9月1日 ]

【展覧会】東京都写真美術館 3F 展示室|TOP コレクション 何が見える?|「覗き見る」まなざしの系譜|’23年7月19日-10月15日

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東京都写真美術館 3F 展示室
TOP コレクション 何が見える?
「覗き見る」まなざしの系譜
開催期間  2023年7月19日[水]- 10月15日[日]
休  館  日  毎週月曜日(月曜日が祝休日の場合は開館し、翌平日休館)
料  金  一般700円/学生560円/中高生・65歳以上350円
      * 各種割引、優待情報などは 下掲詳細 を参照。
会  場  東京都写真美術館 3F 展示室
      153-0062 東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
主  催  東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都写真美術館
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本展では、東京都写真美術館が所蔵する、映像史・写真史に関わる豊富な作品と資料を中心に、「覗き見る」ことを可能にした装置と、それによって作り出されたイメージ、そして「覗き見る」ことからイマジネーションを広げた、作家たちの多様な表現をご紹介します。
写真や映像を撮影する装置として発明されたカメラは、同時に覗き見る装置でもあるといえます。カメラの原型となったカメラ・オブスクラは、外界の景色を写し取るため、真っ暗な箱の一方の壁にピンホールを開けた装置で、その後ピンホールはレンズに代わり、箱は小型化され、携帯可能なサイズとなっていきます。このカメラ・オブスクラを反転させた構造を持ち、レンズ越しに絵を覗いて鑑賞する視覚装置がかつて存在しました。それらはピープショーと総称され、様々な形態が考案され、興行としても成立していきます。

覗き見る装置のヴァリエーションとしては、顕微鏡や望遠鏡に代表される光学機器や、ステレオスコープのような立体視のための器具、キネトスコープなどの動く絵を創り出す機械が挙げられます。こうした多種多様な装置の発明と流行により、まだ見ぬ新たなイメージの誕生が後押しされ、無数の表現が生み出されてきました。
覗き見る装置は、現代の私たちをとりまくメディア環境はもちろん、写真・映像で表現をおこなう際の形式的な前提をも形作ってきたと言えます。現代にも受け継がれる、「覗き見る」まなざしの系譜を、写真美術館のコレクションから探求します。

< 展示構成 >
1 覗き見る愉しみ
2 観察する眼
3 立体的に見る
4 動き出すイメージ
5 「覗き見る」まなざしの先に

※ 本展はオンラインで 日時指定チケット が購入できます。
※ 事業は諸般の事情により変更することがあります。 あらかじめご了承ください。
[ 詳 細 : 東京都写真美術館 ] 

【展覧会】東京大学総合研究博物館|コレクション スクール・モバイルミュージアム 遭 遇 展|’23年5月10日-9月30日

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東京大学総合研究博物館コレクション
スクール・モバイルミュージアム
遭 遇
展示期間  2023年5月10日[水]- 9月30日[土]
休  館  日  日曜、祝日
開館時間  9時 - 17時
入  場  料  無 料
会  場  文京区教育センター2階 大学連携事業室場所
      113-0034 東京都文京区湯島4丁目7番10号 TEL:03-5800-2591
────────────────────
博物館で研究する者は、しばしば骨格標本と向き合っている。科学的客観的テーマをもって研究するとともに、かつて動物の命を携えていた骨を見ながら、骨の形に心動かされて時間を過ごす。まさにそれは、骨との遭遇である。骨から得るものはしばしば知識であり理論であるが、今日は見えてくるかもしれないのは、骨とそれを観察する人間との間柄である。
  ◆ 展示総監督:遠藤秀紀
  ◆ 展示制作:本堂親紹・武田精一郎

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細公式サイトで最新情報をを確認の上ご参加を
[ 詳 細 : 東京大学総合研究博物館  遭遇 該当ページ 

【展覧会】東京ステーションギャラリー|春陽会誕生100年 それぞれの闘い|岸田劉生、中川一政から 岡鹿之助へ|’23年9月16日ー11月12日|終了

東京駅0901

東京ステーションギャラリー
春陽会誕生100年 それぞれの闘い
岸田劉生、中川一政から岡鹿之助へ
会  期  2023年9月16日[土]ー 11月12日[日]
      * 会期中、展示替えをおこないます
休  館  日  月曜日[9/18、10/9、11/6は開館]、9/19[火]、10/10[火]
開館時間  10:00-18:00  * 入館は それぞれ 閉館30分前 まで
      * 金曜日は 20:00 まで開館
会  場  東京ステーションギャラリー
      100-0005 東京都千代田区丸の内1-9-1 TEL : 03-3212-2485
入  館  料  当日・個人 一 般 1,300円、高校・大学生 1,100円、中学生以下 無 料
      * 各種割引、優待情報などは 下掲詳細 参照
特別協力  東京国立近代美術館
共  催  一般社団法人 春陽会、日本経済新聞社
主  催  東京ステーションギャラリー[公益財団法人東日本鉄道文化財団]
──────────────────────東京駅0902 ◆ 東京ステーションギャラリー| それぞれの闘い|岸田劉生、中川一政から岡鹿之助へ ◆

画家のための自由な団体 夢の実現とそれぞれの表現
春陽会は1923年に第1回展が開催された、現在も活発に活動を続ける美術団体です。民間最大の美術団体だった日本美術院の洋画部を脱退した画家たちで構成された創立会員を中心に、新進気鋭の画家たちが加わり新団体「春陽会」を結成しました。

彼らは同じ芸術主義をもつ画家たちの集団であろうとはせず、それぞれの画家たちの個性を尊重する「各人主義」が大事であると考えました。また、春陽会の展覧会には油彩だけではなく、版画、水墨画、さらには新聞挿絵の原画などが形式にとらわれずに出品されました。そして、春陽会では画家たちが互いの作品を批評しながら芸術のために研鑽を積み、次世代育成をも念頭に基盤を固めていったのです。
出品作品のなかに、自らの内面にある風土(土着)的なもの、日本的ないしは東洋的なものを表現しようとする傾向が早くからみられたことは、注目すべき点でしょう。
すでに知名度のある花形の画家たちにより組織され、帝国美術院、二科会に拮抗する第3の洋画団体として誕生した春陽会。本展は、その創立から1950年代までの葛藤に満ちた展開を100点以上の作品で辿ろうとするものです。東京駅0903

< Sections 章立て >
第1章  始 動:第3の洋画団体誕生
第2章  展 開:それぞれの日本、それぞれの道
第3章  独 創:不穏のなかで
第4章  展 望:巨星たちと新たなる流れ

※ 下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 東京ステーションギャラリー ] 

【展覧会】練馬区立美術館|宇川直宏展 FINAL MEDIA THERAPIST @DOMMUNE|’23年9月10日-11月5日|終了

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練馬区立美術館
宇川直宏展 FINAL MEDIA THERAPIST @DOMMUNE
会  期  2023年9月10日[日]- 11月5日[日]
休  館  日  月曜日(ただし、9月18日[月・祝]、10月9日[月・祝]は開館、
     翌9月19日[火]、10月10日[火]は休館)
開館時間  10:00-18:00  * 入館は17:30まで
観  覧  料  一 般 1,000円、 高校・大学生 および 65-74歳 800円
      * 中学生以下および75歳以上 無料
      * 同館は事前予約制ではありません。当日チケットカウンターでお求めください。
      * 各種割引、優待情報、関連イベント情報などは下掲詳細参照。
主  催  練馬区立美術館(公益財団法人練馬区文化振興協会)、DOMMUNE株式会社
──────────────────────20231006193254_00001 ◆ 練馬区立美術館|宇川直宏展 FINAL MEDIA THERAPIST @DOMMUNE|’23年9月10日-11月5日 ◆

AI時代の創作において、一体作家は作品のどこに存在しているのか?
ストリーミングを装った、現代メディア・セラピー13年の痕跡 !!!!!

< 宇川直宏について >
宇川直宏(1968年- )は、1980年代末より映像作家、グラフィックデザイナー、VJ、文筆家、キュレーターなど多岐にわたる活動を展開するするアーティストです。1990年代より活動の舞台を現代アートにも拡張し、国内外で様々な作品を発表してきました。2010年には世界に先駆けてライブストリーミング・チャンネル「DOMMUNE(ドミューン)」を開局し、毎夜、多種多様なトーク、DJプレイ、ライブやトークセッション等を世界に配信し、国内外の先端的なアートシーンに大きな影響を与えています。
宇川はスタジオで日々産み出される番組の、撮影行為、配信行為、記録行為を、自らの “現在美術表現” と位置づけています。また宇川は日夜配信を続けることを、テレビやラジオや新聞や雑誌、またインターネット等様々な ”現代メディア” の盛衰に対し、オルタナティブの側からセラピーを行っている感覚であるとも言います。

< 展覧会について >
本展では、13年間のDOMMUNEの膨大な番組アーカイブを紹介するとともに、それらの映像を素材として、絵画や立体作品など他のメディアに拡張・変換・創造し、“描く” という行為の歴史的なアップデートを図ります。
その過程で介在するのは、宇川自らだけでなく、日々の配信行為に纏わる視聴者と同じく、様々な年齢・多様な背景を持つ人々、そして人工知能。アーカイブの様々な可能性を探るとともに、近年広く普及し始めたジェネレーティブAI(※1)による画像生成にも着目し、描くとは何か、今世紀的な作家性や作品のあり方とは何か、もしくはそこから創出される価値とは何かなど、“ 近代・現代・現在美術 ” を新たに捉え直すプロジェクトとなります。また、ブロックチェーン(※2)、そしてスマートコントラクト(※3)による所有や販売などのプロセスを独自考察し、伝統的なメディアである絵画と同時に、NFT作品(※4)の制作も行います。また、会期中には美術館を舞台としてライブストリーミングを行い、さらなる情報の蓄積を目にしながら番組に参加することが可能です。
毎日大量の人々が行き交うプラットフォームであり、芸術/文化情報の泉源であるファイナルメディア「DOMMUNE」を、様々に変換し時空を錯綜しながら眺める試みは、仮想空間と物理空間の交通、ユビキタス(※5)とモバイルによる超分散的サイバー空間の投影など、Web3.0(※6)以降の社会を取り巻く様々な問いを、更に深める機会ともなるでしょう。
──────────────────────                     
※1 「生成AI」。画像や動画、楽曲やプログラムのコード、文章などクリエイティブな成果物を生成するための人工知能。
※2 情報通信ネットワーク上の取引記録を、暗号技術を用いて処理・記録するデータベースの一種。改ざんが非常に困難で仮想通貨等に応用されている。
※3 ブロックチェーンシステム上の概念。あらかじめ設定されたルールに従って、第三者を介さずにブロックチェー ン上の取引を自動的に管理する。
※4 NFT(ブロックチェーンを利用して発行する非代替性の暗号資産)の技術を活用し唯一性や所有権を証明できるデ ジタルアート。
※5 通信インフラの整備や端末の普及によって場所 を選 ばずに イ ンタ ーネ ット に接 続し 情 報収 集や サー ビス の 利 用が 行え るこ と。
※6 プライバシーやセキュリティなど問題を解決するために構想された、ブロックチェーンなどの技術によって実現 する「次世代の分散型インターネット」の概念。

<DOMMUNE(ドミューン)とは?​​​​​​>20231006193437_00003アーティストの宇川直宏が2010年3月1日に開局した、日本初のライブストリーミングスタジオ兼チャンネル。
「ライブストリーミング」とは、パソコンやスマートフォンなどで、映像と音声からなる「生配信」を楽しむことができる、インターネット上のテレビ番組。
DOMMUNE公式ホームページは  こちら 〔外部サイト〕

<展覧会の見どころ>
・DOMMUNEで取り上げた13年間分のアーカイブを一挙に振り返り、それらを題材にしたさまざまな美術作品を展示します。
・AIによる画像生成に着目し、描くとは何か、作家や作品のあり方とは何かなど、美術の価値について問い直します。
・会期中に美術館やスタジオ、イベントスペースを舞台としてストリーミング配信を行い、番組に参加することが可能です。
・展示室内の撮影が可能です。(一部展示を除く)

※ 下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 練馬区立美術館

【展覧会】泉屋博古館 京都・鹿ヶ谷|企画展 歌と物語の絵 ─ 雅やかなやまと絵の世界|’23年6月10日-7月17日|終了

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泉屋博古館 京都・鹿ヶ谷
企画展 歌と物語の絵
── 雅やかなやまと絵の世界
会  期  2023年6月10日[土]- 7月17日[月・祝]
休  館  日  月曜日(7月17日は開館)
開館時間  午前10時 - 午後5時(入館は 午後4時30分 まで)
会  場  泉屋博古館(京都・鹿ヶ谷)
      606-8431 京都府京都市左京区鹿ケ谷下宮ノ前町24
入  館  料  一 般 800円、高大生 600円、中学生以下 無 料
      * 本展覧会の入場料で青銅器館もご覧いただけます
主  催  公益財団法人泉屋博古館、京都新聞
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悲喜こもごもの逸話に、あまたの恋物語、華麗な王朝行事に謎の鳥人間・・・・
絵画がいろどる古典文学の世界をご堪能ください。

伊勢物語図屏風(右隻)伝俵屋宗達 江戸・17世紀 伊勢物語図屏風(左隻)伝俵屋宗達 江戸・17世紀《伊勢物語図屏風》宗達派 上図)右隻 下図)左隻 桃山-江戸・17世紀
平家物語_大原御幸図屏風 桃山・16世紀《平家物語・大原御幸図屏風》 桃山・16世紀
竹取物語絵巻 江戸・17世紀《竹取物語絵巻》 江戸・17世紀
是害房絵巻 南北朝・14世紀 重要文化財《是害房絵巻》南北朝・14世紀 重要文化財

古来、語り読み継がれてきた物語は、古くから絵巻物など絵画と深い関係にありました。和歌もまた、三十一文字の世界が絵画化されたり、絵から受けた感興から歌が詠まれたりと、絵画との相互の刺激から表現が高められてきました。
物語絵や歌絵の特徴のひとつは、精細な描写と典雅な色彩。宮廷や社寺の一級の絵師が貴人の美意識に寄り添い追求した「やまと絵」の様式を継承することでしょう。そしてストーリーに流れる時間を表すかのような巻物、特別な場面を抽出してドラマティックに描き出す屏風など、長大な画面にさまざまな表現が生まれました。
古典文学は、後世の人々が自身に引き寄せて味わうことで、読み継がれ輝き続けてきました。それに基づく絵画もまた同様です。本展では、近世の人々の気分を映し出す物語絵と歌絵を、館蔵の住友コレクションから選りすぐってご紹介します。雅やかで華麗、時にちょっとユーモラスな世界をお楽しみ下さい。

※ 展示作品の画像は 泉屋博古館(京都) から拝借しました。二次流用などはご遠慮ください。
※ 下掲詳細を確認の上参観を。

[ 詳 細 : 住友コレクション 泉屋博古館 京都・鹿ヶ谷{ 活版 à la carte  泉屋博古館まとめ }

【展覧会】アーティゾン美術館|ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開| セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代へ|’23年6月3日-8月20日|終了

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アーティゾン美術館
ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開
セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代へ

会  期  2023年6月3日[土]- 8月20日[日]
開館時間  10:00 - 18:00(8月11日を除く金曜日は 20:00 まで)
      * 入館は閉館の30分前まで
休  館  日  月曜日(7月17日は開館)、7月18日
会  場  公益財団法人石橋財団アーティゾン美術館 6・5・4階 展示室
      104-0031 東京都中央区京橋1-7-2 
      お問い合わせ 050-5541-8600(ハローダイヤル)
入  館  料  日時指定予約制 (税込)
      一 般 ウェブ予約チケット  1,800円 
          当日チケット(窓口販売) 2,000円
      * 学生無料 要ウェブ予約・中学生以下は無料
      * チケット販売の詳細は下掲公式サイトでご確認ください。
主  催  公益財団法人石橋財団アーティゾン美術館
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19世紀末から第一次世界大戦が勃発するまでの間、フランスが平和と豊かさを享受することが出来たベル・エポックの時代、芸術を生み出す活気と自由な雰囲気に満ち溢れる中、フォーヴィスム、キュビスムなどの新しい美術が芽吹いて花咲き、やがて表現の到達点のひとつとして抽象絵画が目覚めました。その後の抽象絵画の展開は、20世紀の絵画表現を牽引し、その潮流は同時期の日本にも及びました。
この展覧会は、印象派を起点として、世紀初頭の革新的な絵画運動を経て抽象絵画が生まれ、2つの大戦を経てさらに展開していく様子を、おおよそ1960年代まで、フランスを中心としたヨーロッパ、アメリカ、そして日本の動向を中心に展観するものです。
本展では、石橋財団コレクションから新収蔵作品* 95点を含む約150点、国内外の美術館、個人コレクション等から約100点、あわせて約250点の作品を、アーティゾン美術館の全展示室を使ってご紹介いたします。

20230626194013_000121 抽象絵画の歴史を展観する大規模展
2 アーティゾン美術館の近年の新収蔵作品95点を一挙公開
3 国内外の美術館、個人コレクションからの作品が集結
4 アルトゥング、スーラージュ、ザオ・ウーキーの後期作品を特集展示
5 現代作家の作品を特集展示

※ 開催情報は予告なく変更となることがあります。
※ 新型感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 公益財団法人 石橋財団 アーティゾン美術館 本展特設サイト

【展覧会】茅ヶ崎市美術館|イギリス風景画と国木田独歩|’23 年6月18日-8月27日|終了

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茅ヶ崎市美術館
イギリス風景画と国木田独歩
会  期  2023 年 6 月 18 日[日]- 8 月 27 日[日]  
時  間  10 時ー 17 時(入館は 16 時 30 分まで)
休  館  日  月曜日(ただし 7 月 17 日は開館)、7 月 18 日[火]は休館
会  場  茅ヶ崎市美術館 展示室 1・2・3
      253-0053 神奈川県茅ヶ崎市東海岸北 1-4-45
観  覧  料  一 般 1,000 円 / 大学生 800 円 / 市内在住 65 歳以上 500 円
      高校生以下、障がい者およびその介護者は無料
特別協力  郡山市立美術館、府中市美術館
主  催  公益財団法人茅ヶ崎市文化・スポーツ振興財団
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国木田独歩(1871-1908)は明治時代を代表する小説家。結核の治療で訪れた茅ヶ崎でその短い生涯を閉じた独歩の代表作『武蔵野』(1898)は、武蔵野の美しい風景を瑞々しい文体で描写しています。素朴な自然にロマンを見いだす新たな表現は文学者のみならず画家の間にも生まれました。
独歩の『武蔵野』に大きな影響を与えたのは、イギリスのロマン派詩人ウィリアムズ・ワーズワース(1770-1850)でしたが、産業革命や市民革命を経験し近代市民社会が成立した18-19世紀のイギリスでは、風景に対する関心が高まりをみせました。ワーズワースは湖水地方を題材にして詩をつくり、ジョン・コンスタブル(1776-1837)は故郷の豊かな風景を、ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー(1775-1851)は光と色彩に溢れた自然を描きました。伝統的な風景画が刷新され、西洋風景画の頂点が築かれたといえます。

本展覧会では独歩の自然観に触れつつ、郡山市立美術館 と 府中市美術館 の優品を通じて、コンスタブルやターナーのみならず、ジョン・マーティン(1789-1854)、サミュエル・パーマ(1805-1881)などの画家たちにも焦点をあて、近代イギリス風景画の流れをたどります。
さらに、わが国において名所絵的に描かれることが多かった風景画が、明治以降どのように描かれるようになったのかをたどり、イギリス風景画の受容についても考察します。

※ 感染症対応実施中。下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 茅ヶ崎市美術館

【展覧会】細見美術館 琳派展23|琳派の扉絵と涼の美|’23年6月10日-8月20日|終了

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細見美術館
琳派展23
琳派の扉絵と涼の美
会  期  2023年6月10日[土]- 8月20日[日]
      * 会期中に一部展示替えあり
所  在  地  京都市左京区岡崎最勝寺町6-3 TEL 075-752-5555
開館時間   午前10時 - 午後5時(入館は 午後4時30分 まで)
休  館  日  毎週月曜日(祝日の場合、翌火曜日)
入  館  料  一 般 1,400円  学生 1,100円
      * 各種割引、優待条件などは 下掲詳細 参照
主  催  細見美術館 京都新聞
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琳派の創始者、俵屋宗達(生没年不詳、江戸前期に活躍)は扇絵を制作する「絵屋」を営んでいました。「扇絵」はいわば宗達工房の主力商品であり、その独創的な意匠は、のに屛風などの大画面に明快な画風を展開する原点ともなりました。
「扇絵」や「団扇絵」といった小画面の調度は、尾形光琳、中村芳中、酒井抱一、鈴木其一、神坂雪佳ら宗達以降の絵師たちも積極的に手掛け、デザイン性の高い身近な調度として親しまれました。一方、琳派では朝顔など夏の草花図も多く描かれ、爽やかな画面は凌ぎ難い夏の暮らしに一風の涼味をもたらしました。
琳派展の第23弾となる本展では、細見コレクションを中心に「扇絵」「団扇絵」や、夏の草花図や秋草図を選び、琳派による涼の美を展覧します。

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細公式サイトを確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 細見美術館 Hosomi Museum ]

【展覧会】目黒区美術館|目黒区美術館コレクション展|版画いろいろ + 特集展示 秋岡芳夫全集6 銅版画|’23年10月7日-11月12日|終了

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目黒区美術館
目黒区美術館コレクション展 版画いろいろ + 特集展示 秋岡芳夫全集6 銅版画
会  期  2023年10月7日[土]- 11月12日[日]
休  館  日  月曜日   * ただし、10月9日[月・祝]は開館、10月10日[火]は休館
時  間  10:00 - 18:00(入館は 17:30 まで)
観  覧  料  一 般 700円、大高生・65歳以上 550円、中学生以下 無 料
      * 各種割引、優待情報などは下掲詳細参照。
主  催  公益財団法人目黒区芸術文化振興財団 目黒区美術館
────────────────────目黒区美01◆ 目黒区美術館|目黒区美術館コレクション展|版画いろいろ + 特集展示 秋岡芳夫全集6 銅版画|’23年10月7日-11月12日 ◆

版があって画ができる ──

版を作り、紙などに写し取る版画は、多種多様な制作方法があります。版木の凹凸からうまれる力強い表現の木版画[凸版]、緻密な線表現が可能な銅版画[凹版]、描画した風合いがそのまま反映されるリトグラフ[平版]、インクの物質感が特徴的なシルクスクリーン[孔版]。
また、銅版画一つとっても、金属板に彫刻刀で直接彫るエングレーヴィング、金属腐蝕の作用を利用したエッチング、版の無数の傷から独特の黒い面が得られるメゾチントなど、技法によって、使う道具が異なり、表現できる線や画面も大きく変わります。  

目黒区美術館では、こうした多様な技法で制作された、様々な作家による版画作品を収蔵しています。1点からなる作品、複数枚の連作で1つの作品とするもの、版画集など、形態も異なります。本展では、版画技法の特徴に着目し、当館コレクションの中から版画のいろいろな魅力を紹介いたします。

〔 出品予定作家 〕
青木野枝、池田満寿夫、柄澤齊、清原啓子、草間彌生、国吉康雄、駒井哲郎、中林忠良、長谷川潔、深沢幸雄、松原直子、山本鼎、淀井彩子 ほか

❖ 特集展示 ❖
秋岡芳夫全集6 銅版画
特集展示として「秋岡芳夫全集」を開催します。このシリーズ展は、2011(平成23)年に開催した目黒ゆかりの工業デザイナー秋岡芳夫の回顧展「DOMA 秋岡芳夫展」後に開始しました。6 回目となる今回は、1950年代に制作された銅版画を中心にその魅力に迫ります。

※ 入館のための日時指定予約は必要ありません。開館時間内に直接お越しください。
※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 目黒区美術館 ]

【展覧会】大阪大学総合学術博物館|第24回企画展 石濵純太郎展|― なにわ町人学者の東洋学 ―|’23年6月3日-7月29日|終了

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大阪大学総合学術博物館
第24回企画展 石濵純太郎展
― なにわ町人学者の東洋学 ―
会  期  2023年6月3日[土]- 7月29日[土]
休  館  日  日曜・祝日
開館時間  10時30分 - 17時(入館は 16時30分 まで)
会  場  大阪大学総合学術博物館待兼山修学館
      560-0043 大阪府豊中市待兼山町 1-20
協  力  大阪大学附属図書館、大阪大学外国語学部、大阪大学文学部、一般財団法人 懐徳堂記念会
主  催  大阪大学総合学術博物館、大阪大学大学院人文学研究科
入館無料
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石濵純太郎(いしはまじゅんたろう 1888〈明治21〉ー1968〈昭和43〉 関西大学名誉教授)は、大阪が生んだ大正から昭和戦後期に活動した東洋学者です。自他ともに認める “ 町人学者 ” として、敦煌文献や、未解読だった西夏文字、懐徳堂の富永仲基の学問を研究しました。膨大な研究資料のコレクションと、彼のまわりに集う人々の輪「石濵サロン」は、生前から讃嘆されていました。
また彼は大阪大学の前身校でもある大阪外国語学校・大阪外国語大学、(旧制)大阪高等学校で学び教え、さらに 重建懐徳堂 を活動の場とするなど、大阪大学とも縁が深い学者です。

没後、蔵書などが大阪外国語大学に「石濵文庫」として入り、現在は大阪大学附属図書館に保管されています。和書・漢籍・欧米諸言語の図書・雑誌だけでも 4 万冊以上にのぼりますが、そのほかにも石碑から採った拓本や、彼の交友の広さを示す書簡などの学術資料も膨大な点数があります。これらの資料は現在も整理・研究が進められ、新たな発見があいついでいます。
本展覧会では、石濵純太郎が収集した資料から、漢字の変遷とアジアの文字・言語の多彩さ、また彼をとりまく学芸ネットワークについて、展示を通じてご紹介します。

※ 下掲公式サイトにて最終情報を確認の上、ご観覧ください。
[ 詳 細 : 大阪大学総合学術博物館

【展覧会】島根県立美術館|企画展 住友コレクション名品選-フランスと日本近代洋画-|’23年9月8日-11月6日|終了

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島根県立美術館
企画展 住友コレクション名品選 -フランスと日本近代洋画-
会  期  2023年9月8日[金]- 11月6日[月]
休  館  日  火曜日
開館時間  ◉ 島根県立美術館は 宍道湖に照りはえる夕陽も「作品」です。
      【10月 - 2 月】 10:00-18:30(展示室への入場は18:00まで)
      【 3 月 - 9 月】 10:00-日没後30分(展示室への入場は日没時刻まで)
会  場  島根県立美術館
      690-0049 島根県松江市袖師町1-5 TEL:0852-55-4700
観  覧  料  住友展のみ 当日・個人
      一 般 1,000円、大学生 780円、 小中高生 300円
      住友展+コレクション展 当日・個人  
      一 般 1,300円、大学生 1,000円、 小中高生400円
      * 各種割引、優待情報、関連イベント情報などは下掲詳細参照。
主  催  島根県立美術館、山陰中央新報社、日本海テレビ、SPSしまねグループ
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住友家15代当主・吉左衞門友純(号春翠)が始めた美術品の蒐集は、長男の寛一、16代吉左衞門友成へと受け継がれ、優れたコレクションが形成されました。
本展では泉屋博古館東京(六本木)が所蔵する住友コレクションから、クロード・モネ、ジャン=ポール・ローランス、浅井忠、鹿子木孟郎、藤島武二、岸田劉生らの名品を紹介します。

◉ 島根県立美術館は 宍道湖に照りはえる夕陽も「作品」です。島根県立美術館の トップページ には「本日の日没時間」が表示され、サイト内には年間の日没時間一覧表があります。
※ 下掲詳細公式サイトにて最新情報を確認の上、ご観覧ください。
[ 詳 細 : 島根県立美術館

【展覧会】練馬区立 石神井公園 ふるさと文化館|企画展「田中小実昌-物語を超えた作家-」|’23年6月17日-8月13日|終了

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練馬区立 石神井公園 ふるさと文化館
企画展「田中小実昌-物語を超えた作家-」
会  期  令和5(2023)年6月17日[土]- 8月13日[日]
会  場  石神井公園ふるさと文化館 2 階 企画展示室
177-0041 東京都練馬区石神井町5-12-16 TEL 03-3996-4060
開館時間  9:00 - 18:00
休  館  日  月曜日  * 7/17[月・祝]は開館、7/18[火]は休館
観  覧  料  無 料
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作家・田中小実昌(大正14〈1925〉年 - 平成12〈2000〉年)は、昭和61(1986)年から逝去するまで練馬区早宮で暮らしました。毛糸の帽子がトレードマークの田中は「コミさん」や「コミちゃん」の愛称で親しまれ、執筆活動のほか、テレビや映画出演など幅広く活躍しました。

田中の作品は小説、随筆、翻訳、紀行、映画評論など多岐にわたります。執筆活動は主に翻訳から始まり、カーター・ブラウンの推理小説などの、軽妙洒脱な訳文が注目されました。次第に小説も発表するようになり、昭和54(1979)年に、戦中や終戦直後のできごとを題材とした「浪曲師朝日丸の話」「ミミのこと」で第81回直木賞を受賞、同年に父親のことなどを書いた短編集『ポロポロ』で第15回谷崎潤一郎賞を受賞しました。
独立教会の牧師を父にもつ田中は、旧制福岡高等学校在学中に初年兵となり出征、復員後は軽演劇場の文芸部員、米軍将校クラブのバーテンダー、香具師 – やし – などのさまざまな職を転々とし、それらの経験からも作品を書きました。整然たる物語となってしまわないよう、言葉が慎重に用いられ、独特の文体が生み出されました。飄々とした田中の表現には多くの読者が惹き込まれました。本展では、当館に一括して寄贈された原稿や書簡、書籍、写真資料などを中心に、田中の作品を紹介します。

※ 会期中にさまざまなイベントが企画されています。下掲詳細参照。
[ 詳 細 : 練馬区立 石神井公園 ふるさと文化館
{新宿餘談}
コミさんの歿後20年余、いまや歴史のひととなり、ふるさと文化館に祀られるひとらしい。
カメラのレンズのせいだろうか道幅がひろく見える。実際には網のように張り巡らされた路地と、二間間口もあれば立派な呑み屋が林立していた。
チラシ裏面に紹介された新宿ゴールデン街に佇むコミさん(ご本人の前では田中センセイ)の背後、二階建ての店が、若かりしころの稿者らのたまり場だった。最奥左が「ふたば」といったら、半分棺桶に足を突っこんでいる高齢者は懐かしいかもしれない。
ここでは
酔狂が嵩じると、愚か極まりないが、二階の窓から「仮面ライダ~、ウルトラのチチィ~」などと喚いては翔んでいた。ふしぎに怪我はしなかった。道にはコミさんがペタンと腰をおとして座りこみ、頭に「頭なりのキャップ」を乗せて「やぁぁあ、きょうもよく翔んでるなぁ~」と迎えてくれた。
しばしばコミさんは失禁していた。失禁状態ではタクシーにも乗れないので、夜半になるとコミさん贔屓の店のたれかが練馬の自宅に架電。すると迎えの車がやってきた。斯様にゴールデン街の住人はやさしかった。稿者は35歳まで馬鹿酒を呑んだが、体質があわなかったのか断酒した。昨年はついに禁煙までした。ここには断酒以降まったく行っていない。だんだん人生つまらなくなる。

【イベント】旧落石 Ochiishi 無線送信局|OCHIIHI plan 落石計画 第13期 銅版画試論Ⅲ|井出創太郎 + 高浜利也|’23年8月7日-8月11日|終了

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OCHIIHI plan
落石計画 第13期
銅版画試論Ⅲ
井出創太郎 + 高浜利也
2023年8月7日[月]- 8月11日[金]
旧落石 Ochiishi 無線送信局

◆ 北海道根室半島南部の 旧落石 Ochiishi 無線送信局
落石無線送信局は北海道根室半島南部の太平洋側に位置し、サカイツツジの自生地となっている落石岬にある。1908年に旧逓信省管轄の落石無線送信所として建造された後、幾度か火災・戦災に見舞われ、1929年にはヤクーツク飛行中のドイツ飛行船ツェッぺリン泊号と日本初の交信に成功し、1931年には北太平洋横断飛行中のリンドバーグ機を無線により誘導し偉業達成を陰で支えるなど、歴史的出来事の要衡であった。
1960年代半ばにその役割を終えて閉鎖された後、根室出身の版画家 池田良二氏の個人スタジオとして活用され、現在は毎夏行われる「落石計画」というアートプロジェクトの拠点となっている。

【展覧会】東京ステーションギャラリー|甲斐荘楠音 -かいのしょう ただおと- の全貌|絵画、演劇、映画を越境する個性|’23年7月1日-8月27日|終了

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東京ステーションギャラリー
甲斐荘楠音 -かいのしょう ただおと- の全貌 絵画、演劇、映画を越境する個性
会  期  2023年7月1日[土]- 8月27日[日]
      * 会期中、展示替えをおこないます
休  館  日  月曜日[7/17、8/14、8/21 は開館]、7/18[火]
開館時間  10:00-18:00  * 入館は 閉館30分前 まで
      * 金曜日は 20:00 まで開館
会  場  東京ステーションギャラリー
      100-0005 東京都千代田区丸の内1-9-1 TEL : 03-3212-2485
入  館  料  当日・個人 一 般 1,400円、高校・大学生 1,200円、中学生以下 無 料
      * 各種割引、優待情報などは 下掲詳細 参照
主  催  東京ステーションギャラリー[公益財団法人東日本鉄道文化財団]、日本経済新聞社
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あやしさを超えて、誰も見たことのない甲斐荘楠音の全貌にせまる
甲斐荘楠音(1894-1978/かいのしょう ただおと)は、大正期から昭和初期にかけて日本画家として活動し、革新的な日本画表現を世に問うた「国画創作協会」の一員として意欲的な作品を次々と発表しました。しかし、戦前の画壇で高い評価を受けるも、1940年頃に画業を中断して映画業界に転身。長らくその仕事の全貌が顧みられることはありませんでした。

本展は1997年以降26年ぶり、東京の美術館では初となる本格的な甲斐荘の回顧展です。これまで知られてきた妖艶な絵画作品はもとより、スクラップブック・写真・写生帖・映像・映画衣裳・ポスターなど、甲斐荘に関する作品や資料のすべてを等しく展示します。
画家として、映画人として、演劇に通じた趣味人として ── さまざまな芸術を越境する「複雑かつ多面的な個性をもった表現者」として甲斐荘を再定義します。

※ 下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 東京ステーションギャラリー ]
{新宿余談}甲斐荘 楠音(1894-1978/かいのしょう ただおと)は姓名であり、本名である。
甲斐荘家は楠本正成一族の末裔とされ、この姓を名のっている。

【展覧会】長崎歴史文化博物館|隙あらば猫 町田尚子絵本原画展|’23年7月15日-8月27日|会期終了

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長崎歴史文化博物館
隙あらば猫 町田尚子絵本原画展
会  期  2023年7月15日[土]- 8月27日[日]
      * 7/18[火]、8/7[月]、8/21[月]休館
会  場  長崎歴史文化博物館 3 階企画展示室
      850-0007 長崎県長崎市立山1丁目1−1
開館時間  9:00 - 18:00(最終入館 17:30)
料  金  一 般[大学生以上]800円、小中高生 400円
      * 各種割引、優待情報などは 下掲詳細 参照
主  催   長崎歴史文化博物館
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絵本作家・画家、町田尚子の座右の銘は「隙あらば猫」。
猫が主人公の絵本『ネコヅメのよる』『なまえのないねこ』『ねこはるすばん』などはもちろん、『いるの いないの』のような怪談絵本や、『マッチうりのしょうじょ』のような童話の中にも、ユーモラスな猫の姿や猫目線の構図が描かれ、物語の世界に奥行きを与えています。本展では、最新作まで16冊の絵本原画および絵画、絵本ができるまでのラフや制作資料他、本展のため新たに制作された作品を含む約250点を紹介します。

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 長崎歴史文化博物館 ]

【展覧会】世田谷美術館|企画展 土方久功と柚木沙弥郎 熱き体験と創作の愉しみ|’23年9月9日-11月5日|終了

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世田谷美術館
企画展 土方久功と柚木沙弥郎
熱き体験と創作の愉しみ
会  期  2023年9月9日[土]- 11月5日[日]
開館時間  10:00 - 18:00(入場は 17:30 まで)
休  館  日  毎週月曜日
      * 9月18日[月・祝]、10月9日[月・祝]開館。9月19日[火]、10月10日[火]休館
会  場  世田谷美術館 1 階展示室
      157-0075 東京都世田谷区砧公園1-2 電 話 03-3415ー6011
観  覧  料  (個人)一般 500円/65歳以上 400円/大高生 400円/中小生 300円
      * 各種優待、割引などは下掲詳細をご覧ください。
主  催  世田谷美術館(公益財団法人せたがや文化財団)
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土方 久功(ひじかた ひさかつ  1900-1977)は 1929年から10年以上にわたりパラオやサタワル島で暮らし、現地の人々や風景を主題とした彫刻、絵画を制作しました。
また「民藝」の思想と芹沢銈介に影響を受け、染色の道を志した柚木 沙弥郎(ゆのき さみろう 1922- )は、身近な日常にある面白いものや楽しいことを原動力に、100歳を迎えた今も、精力的な活動を続けています。本展では世田谷美術館の収蔵品を中心に、平面、立体、絵本など多彩に広がる二人の創作をご紹介します。

< 展覧会の見どころ >
1. 土方が残した言葉にも注目
詩集や著書を出版している土方久功が、パラオ諸島やサタワル島での体験について記した言葉も、作品とあわせてご紹介します。
2. 土方による初公開の挿絵原画も!
雑誌『母の友』(福音館書店)の挿絵原画は、本展が初公開となる作品群です。かわいらしい「こぶたくん」が登場するおはなしや、後に絵本にもなったサタワル島の民話「おによりつよいおれまーい」(1971年11月号掲載)の原画などを展示します。
3. 柚木が夢中になってつくった表情豊かな指人形たち
柚木が身近にあった様々な布裂-ぬのきれ-などを使って夢中になってつくったという指人形《町の人々》。本展では、この人形たちが見ている『トコとグーグーとキキ』のサーカスの場面を背景に人形たちを展示。絵本の世界を体感ください。
4. 柚木沙弥郎のアトリエ空間にようこそ
ものと向き合う時間を大切にする柚木。旅先で目にした民芸品など、気になったものたちは、しまわずに見えるところに並べられ、柚木を触発します。そうした品々の一部を展示し、さらに、長年にわたり柚木沙弥郎と時間をともにし、撮影してきた写真家・木寺紀雄による、アトリエの写真も紹介します。柚木の創作の源泉の一端が感じられるのではないでしょうか。

※ 新型感染症予防対応実施中。下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 世田谷美術館

【展覧会】徳川美術館・名古屋市蓬左文庫|特別展 よそおいの美学|’23年6月3日-7月17日|終了

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特別展 よそおいの美学
会  期  2023年6月3日 [土]- 7月17日[月]
開館時間  午前10時 - 午後5時(入館は午後4時30分まで)
休  館  日  月曜日 * ただし7月17日[月・祝]は開館
観  覧  料  一 般 1,600円 ・ 高 大 生 800円 ・ 小 中 生 500円
      (企画展「極める!江戸の鑑定」展と共通)
      * 毎週土曜日は小・中・高生入館無料
会  場  徳川美術館
      461-0023 名古屋市東区徳川町1017 TEL 052-935-6262
主  催  徳川美術館・名古屋市蓬左文庫
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江戸時代の武家社会では、身分や年齢、季節や儀礼などによる細やかな決まりごとのなかで、格式に相応しく、おごそかに、あるいは美麗によそおうことが求められました。
男性は儀礼など最もフォーマルな場面では、公家の伝統的な装束を身に着ける一方、日常のカジュアルな場面で着用する羽織や刀剣の拵(こしらえ)、また火事装束や陣中着などに武家ならではの粋を凝らしました。
女性は生地や模様によって格の異なる着物を時に応じて使い分け、華麗な筥(はこ)迫(せこ)を携帯し、化粧によって美を体現しました。
尾張徳川家で誂えられた衣服や装身具などをトータルコーディネートの演出でご紹介しつつ、「よそおい」にかける武家の美学を探ります。

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 徳川美術館・名古屋市蓬左文庫 ]

【展覧会】佐賀県立名護屋城博物館|開館30周年記念特別企画展|新時代へのかけはしー文禄・慶長の役から国交回復へー|’23年9月23日-11月5日|終了

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佐賀県立名護屋城博物館
開館30周年記念特別企画展
新時代へのかけはし ー 文禄・慶長の役から国交回復へ ー
会  期  令和5年(2023年)9月23日[土]- 11月5日[日]
会  場  佐賀県立名護屋城博物館 企画展示室
      847-0401 佐賀県唐津市鎮西町名護屋1931ー3 TEL. 0955-82-4905
観  覧  料  無 料
出品点数  約40点 (重要文化財12点を含む) * 一部は会期中に展示替えを行います。
展示内容  展示構成
      1 和平への模索 ―文禄の役と講和交渉―
      2 豊臣の時代から徳川の時代へ
      3 国交回復への道 ―日朝交流の新たな時代へ―
後援協力  唐津市、唐津市教育委員会、一般社団法人唐津観光協会、
      肥前名護屋歴史ツーリズム協議会、株式会社桃山天下市
主  催  佐賀県立名護屋城博物館
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豊臣秀吉による大陸侵攻、「文禄・慶長の役」の戦争終結に向けた模索は、文禄2(1593)年の明国使節団の名護屋城来訪を契機に大きく動き出しました。秀吉の死後、新たな天下人となった徳川家康は、対馬の宗義智らを介して日朝間の国交回復を実現させ、その後260年にわたる平和な時代がおとずれました。
今回の特別企画展では、文禄・慶長の役における和平交渉の開始から、新たな交流の時代が到来するまでの過程を、名護屋城を起点に見つめなおします。

< 名護屋城とは >
「文禄・慶長の役」の拠点として秀吉も1年あまり在陣しました。
築城は1591(天正19) 年に始まり、諸大名による割普請 (わりぶしん) によってわずか数ヶ月で完成したといわれています。
江戸時代の初期に破却されたと考えられ、石垣が広範囲にわたって崩されています。
建物は現存していませんが、発掘調査を行い、建物の遺構や出土遺物について研究を進めています。 

※ 下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 佐賀県立名護屋城博物館

【イベント・展覧会】フジフイルム スクエア|企画写真展 ジャン・アンリ・ファーブル生誕200年記念|今森光彦の地球昆虫紀行|’23年7月28日-8月24日|終了

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フジフイルム スクエア
企画写真展
ジャン・アンリ・ファーブル生誕200年記念
今森光彦の地球昆虫紀行
開催期間  2023年7月28日[金]- 8月24日[木]
開館時間  10:00 - 19:00(最終日は14:00まで、入館は終了10分前まで) 会期中無休
会  場  FUJIFILM SQUARE(フジフイルム スクエア)内、富士フイルムフォトサロン
      東京 スペース1・2・3・ミニギャラリー
入  館  料  無 料
主  催  富士フイルム株式会社
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【同時開催】夏休み自由研究イベント
「昆虫のふしぎ」 フジフイルム スクエア 企画写真展

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< 今森 光彦  いまもり みつひこ >
1954年滋賀県大津市生まれ。写真を独学で学び、1980年代からフリーランスとして活躍。以後、琵琶湖を望む田園にアトリエを構え、自然と人との関わりを「里山」という概念で追う一方で、世界各国を訪ね、熱帯雨林から砂漠まで広く取材。
第20回木村伊兵衛写真賞、第28回土門拳賞、第48回毎日出版文化賞、第42回産経児童出版文化賞大賞など受賞多数。
写真集に『里山物語』、『湖辺』、『今森光彦・昆虫記』、『今森光彦フィールドノート 里山』、『オーレリアンの庭』などがある。写真文集に『萌木の国』、『藍い宇宙』、『里山を歩こう』、『わたしの庭』など著書多数。

※ 下掲詳細公式サイトにて最新情報を確認の上、ご観覧ください。
[ 詳 細 : フジフイルム スクエア
[ 参 考 : YouTube 写真展「今森光彦の地球昆虫紀行」 トークムービー「里山・環境活動について」/富士フイルム  33:15 ]

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【展覧会】東京国立博物館|浄瑠璃寺九体阿弥陀修理完成記念|特別展「京都・南山城の仏像」|’23年9月16日-11月12日|

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東京国立博物館
浄瑠璃寺九体阿弥陀修理完成記念
特別展「京都・南山城の仏像」
会  期  2023年9月16日[土]- 11月12日[日]
会  場  東京国立博物館 本館 特別5室
      110-8712 東京都台東区上野公園13-9
      お問合せ 050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間  9時30分 - 17時00分(入館は閉館の30分前まで)
休  館  日  月曜日、9月19日[火]、10月10日[火]
      (注)9月18日[月・祝]、10月9日[月・祝]は開館
観覧料金  本展は事前予約不要です。
      一 般 1,500円、大学生 800円、高校生 500円
      * 中学生以下、障がい者とその介護者一名は無料。入館の際に証明書の提示を。
      * 割引、各種優待情報、関連イベント情報などは下掲詳細参照。
特別協力  京都南山城古寺の会
主  催  東京国立博物館、日本経済新聞社、 テレビ東京、BSテレビ東京
──────────────────────20230912185755_00022◆ 東京国立博物館|浄瑠璃寺九体阿弥陀修理完成記念|特別展「京都・南山城の仏像」|’23年9月16日-11月12日 ◆
京都府の最南部、木津川流域は南山城(みなみやましろ)と呼ばれます。奈良時代には都が置かれ、その後も大寺院や中央貴族と深く関わるなど、独自の仏教文化が展開したこの地域には多くの貴重な仏像が伝わります。平安時代に九体阿弥陀(くたいあみだ、段階の極楽往生に関わる9体の阿弥陀如来像)の造像が流行しましたが、九体寺とも呼ばれる浄瑠璃寺のものは現存する唯一の群像です。また、かつて恭仁京(くにきょう)があった瓶原(みかのはら)を山腹から望む海住山寺(かいじゅうせんじ)の檀像、東大寺の僧侶が創建した禅定寺(ぜんじょうじ)の巨大な本尊など、この地域ならではの魅力にあふれています。

本展では浄瑠璃寺九体阿弥陀の修理完成を記念し、南山城に伝わる数々の仏像を通じて、その歴史や文化の奥深さを辿ります。

※ 展示作品、会期、展示期間、開館時間等については、今後の諸事情により変更する場合があります。最新情報は展覧会公式サイト等でご確認ください。
※ 本展は予約不要ですが、混雑時は入館をお待ちいただくことがあります。
[ 詳 細 : 東京国立博物館  本展特設公式サイト
※ 本展は奈良国立博物館国立博物館からの巡回展です。下掲資料もご参考に。
[ 参 考 : 活版アラカルト【展覧会】奈良国立博物館|浄瑠璃寺九体阿弥陀修理完成記念|特別展「聖地 南山城-奈良と京都を結ぶ祈りの至宝-」|’23年7月8日-9月3日|会期終了 ]

【展覧会】公益財団法人河鍋暁斎記念美術館|企画展 生誕155年 川鍋暁翠展|同時開催・特別展『狂斎百図』の世界|’23年9月1日-10月25日|終了

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公益財団法人 河鍋暁斎記念美術館
企画展 生誕155年 川鍋暁翠展
同時開催・特別展 『狂斎百図』の世界
会  期  2023年9月1日[金]- 10月25日[水]
会  場  公益財団法人 河鍋暁斎記念美術館
      335-0003 埼玉県蕨市南町4-36-4
      TEL. 048-441-9780 / FAX. 048-445-3755
開館時間  10:00-16:00
入  館  料  一 般 600円、高校生・大学生 500円、小・中学生 300円、65歳以上の方 500円
      * 割引、優待情報は下掲詳細参照。学生・ご高齢者は年齢のわかる証明書のご提示を。
休  館  日  毎週火・木曜、毎月26日-末日
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企画展:生誕155年   川鍋暁翠展 ごあいさつ
日本の女流画家の研究は未だ緒についたばかりと言われていますが、私の祖母で女流画家の河鍋暁翠(1868-1935)は、2021年に出版された澤田瞳子氏の小説『星落ちて、なお』(文藝春秋社刊)で主人公として描かれ、同年に第165回直木賞を受賞されたことから、思いがけない形で多くの方に知られることになりました。
続く2022年10月には、一宮市三岸節子記念美術館で初の単独展覧会「河鍋暁翠展」が開催されました。さらに本年3月19日付『日本経済新聞』日曜版の見開き美術欄「美の粋」の「女性絵師と父」と題した3回シリーズの回では、清原雪信、葛飾応為の後の最終回に暁翠を取り上げていただくということもございました。

これまで父・暁斎の陰に隠れがちだった暁翠も、これからはようやく正当に評価していただけるようになるのではないかと期待しているところです。

2023年の本年は、暁翠生誕155年の年にあたります。本展では暁翠作品を中心に構成し、暁翠が基にしたと思われる父・暁斎の下絵なども展示いたしました。
また、暁翠が弟子や生徒に教えるために描いた絵手本も展示し、暁翠がいかに細やかに絵画指導を行ったかもご覧いただきます。明治・大正・昭和と3つの時代にわたって画家として自立し、多くの女生徒や弟子たちに、女性の生きる道を示し続けた暁翠の作品をご鑑賞いただければ幸いです。

   令和5年9月1日 公益財団法人 河鍋暁斎記念美術館 館長 河鍋楠美
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特別展:『狂斎百図』の世界 ごあいさつ
第3展示室では、幕末・明治のベストセラー「狂斎百図」の世界をお楽しみいただきます。
「狂斎百図」は、幕末当時「狂斎」という画号を用いていた暁斎が、ことわざを題材に描いた小型の多色摺木版画です。たくましく生きる庶民の喜怒哀楽をいきいきと描き上げたこの「狂斎百図」は、姿や形を変えながら明半ばまで出版され続け、幕末から維新後の庶民にも広く愛されました。そしてこの「狂斎百図」により暁斎は大衆からの人気を不動のものとしたのでした。
今回の特別展では、現在でも使われるよく知られたことわざを描いた場面を見やすい拡大パネルで展示しました。暁斎ならではの風刺とユーモアに満ちた世界をお楽しみください。
   令和5年9月1日 公益財団法人 河鍋暁斎記念美術館 館長 河鍋楠美

※ 感染症予防対応実施中。下掲公式詳細サイトにて最新情報を確認のうえご観覧を。
[ 詳 細 : 公益財団法人 河鍋暁斎記念美術館 ] 

【展覧会】大倉集古館|特別展 畠中光享コレクション|恋し、 こがれたインドの染織 -世界にはばたいた布たち-|’23年8月8日-10月22日|終了

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大倉集古館
特別展 畠中光享コレクション
恋し、こがれたインドの染織 -世界にはばたいた布たち-
会  期  2023年8月8日[火]- 10月22日[日]
開館時間  10:00 - 17:00(入館は 16:30 まで)
休  館  日  毎週月曜日(祝日の場合は翌平日)
入  館  料  一般:1,300円、大学生・高校生:1,000円 * 学生証を提示、中学生以下:無料
        * 各種優待、割引などは下掲詳細参照
会  場  大倉集古館 1F・2F 展示室
      105-0001 東京都港区虎ノ門 2-10-3(The Okura Tokyo 前)
      TEL : 03-5575-5711(代表) FAX:03-5575-5712
主  催  公益財団法人 大倉文化財団・大倉集古館
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インドは古くから綿の国でした。植物繊維である木綿に美しい色を染めることは難しく、17世紀以前に赤や黄色を鮮やかに発色させ、しかも洗っても色落ちしない布を作る技法をもつ国はインドをおいて他にはありませんでした。本展覧会では、交易により世界に輸出され、変化を遂げていったインド布の伝播に着目し、ヨーロッパをはじめ、インドネシア、タイ、ペルシャ、日本などへもたらされ、それぞれの地で変化を遂げた布たちをご紹介いたします。

展示では、「更紗」の名で知られる捺染布をはじめ、ヨーロッパに渡った豊かな色彩のエキゾチックな柄のパランポールと呼ばれる捺染布、1枚作るのに最低3年はかかるといわれる緻密な綴織のカシミールショールなどを展観します。そして、何よりインド国内の宮廷や寺院で使われた金銀糸織や、今では技法さえわからないほどの複雑な絞り染めのターバンや上質の木綿モスリンなど、インド染織の幅広さや奥深さをお楽しみいただきます。

※ 下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 大倉集古館 ]  { 活版アラカルト 過去ログまとめ

【展覧会】武蔵野美術大学 美術館・図書館|美術館展覧会 若林 奮 森のはずれ|’23年6月1日-8月13日|終了

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武蔵野美術大学  美術館・図書館
美術館展覧会
若林奮 森のはずれ
会  期  2023年6月1日[木]- 8月13日[日]
時  間  11:00 - 19:00(土・日曜日は 10:00 - 17:00)
休  館  日  水曜日
入  館  料  無 料
会  場  武蔵野美術大学 美術館・図書館 展示室 2・4・5、アトリウム1・2
      187-8505 東京都小平市小川町1-736
主  催  武蔵野美術大学 美術館・図書館
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自身と周縁世界との関わりをめぐる思索を内包した作品により、戦後日本の彫刻を牽引した若林奮(1936-2003)。一見すると寡黙で非情緒的とも思われる形態は、自然や時間、距離、空間、表面、境界など、我々を取り巻く普遍的で形を持たない事象を豊かに内包し、没後20年となる今もなお、私たちが考え、向き合うべき多くを語りかけてくれます。

若林は武蔵野美術大学在任時の1981年、学内にある工房内に鉄板をたて、自分自身のために10畳ほどの空間を作ります。その後若林は、この通称「鉄の部屋」の周囲を鉛で覆い、周辺に植物や大気を表す鉛の板やキューブを配置して《所有・雰囲気・振動 ― 森のはずれ》(1981-84年)として発表しました。自分自身が所有できる空間を区切ることで生まれた境界や領域をめぐり、自身を軸とした周縁、自然への思索を一層深めていった本作は、若林自らを含んだ自然や風景そのものの具現化を試みた作品といえるかもしれません。若林が彫刻観を拡張させるきっかけとなった極めて重要な本作を、本展では約30年ぶりに展示します。

また、おなじく自然の精緻な観察をとおして生まれた《Daisy Ⅰ》(1993年)は、人の背丈ほどある角柱に、植物そのものの構造を想像させる彫刻です。ともに自然や風景を具体的な対象とした《所有・雰囲気・振動 ― 森のはずれ》と《Daisy Ⅰ》全10点すべてが、当館の一続きの空間で相対する場で、活動中期から後期にかけて色濃く表れる、若林彫刻の核といえる「自然」をめぐる諸相を読み解くことを試みます。さらにこの2作品再考の糸口となる彫刻として、自身と世界との距離を計るものさしとして1970年代以降通底する概念となる《振動尺》Ⅰ-Ⅳ(1979年)、80年代終わりから若林にとって重要な素材の一つとなる硫黄を用いた《The First White Core》Ⅰ-Ⅲ(1992年)などのほか、若林の夥しい思索の一端が見えるドローイングや小品、資料約100点を展示します。
「自分が自然の一部であることを確実に知りたいと考えていた」という若林が、世界をどのように知覚し、そこで見出した概念をいかに彫刻化したのか。若林が「森のはずれ」に思索を重ねたここ武蔵野の地で、若林彫刻の意義を再考します。

< 出品作家紹介 若 林 奮-わかばやし・いさむ >
1936年東京府町田町生まれ。1959年東京藝術大学美術学部彫刻学科卒業。1975年武蔵野美術大学共通彫塑研究室助教授に就任し、80年教授、84年退任。鉄を主な素材とし、緻密な観察と省察にもとづく固有の彫刻観、自身と周縁世界との関わりをめぐる思索を内包した彫刻作品により、戦後日本の現代彫刻を牽引した。1973年神奈川県立近代美術館、1987年東京国立近代美術館、2002年豊田市美術館など個展多数。1980年代にヴェネチア・ビエンナーレ日本館に2度出品し、海外でも個展を重ねるなど、国内外より高い評価を得た。2003年の没後も各地で個展が開催され、今なお若林の彫刻観は人々を魅了し、鮮烈な印象を残す。  

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 武蔵野美術大学 美術館・図書館

【展覧会】ギンザ・グラフィック・ギャラリー|第396回企画展|KOICHI KOSUGI Graphic Park 小杉幸一 グラフィックパーク|’23年7月11日-8月21日|終了

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ギンザ・グラフィック・ギャラリー第396回企画展
KOICHI KOSUGI Graphic Park
小杉幸一 グラフィックパーク
会 期:2023年07月11日[火]- 08月21日[月]
会 場:ギンザ・グラフィック・ギャラリー (ggg)
    104-0061 東京都中央区銀座7-7-2 DNP 銀座ビル
    tel. 03.3571.5206
開館時間:11 : 00 am - 7 : 00 pm 日曜・祝日休館
入場無料
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この夏、ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)は、アートディレクター/クリエイティブディレクターの小杉幸一 氏による、奇想天外なテーマパークに変容します。
小学生の頃から絵を描くことが好きだった、でも描くという行為そのものよりも、人に喜んでもらうことが嬉しくてとにかく描いていた、と小杉氏は自身の幼少期を振り返っています。似顔絵は家族が、マンガは友人が喜んでくれたから、と。まさに名は体を表す。大人になった‘幸一少年’は今、デザインを通して、世の中に前向きでハッピーなメッセージを発信し続けています。
「デザイナーやアートディレクターは、形をつくるだけの人ではなくて、考え方を翻訳してつくる人」と表現する小杉氏。共有することが難しいクライアントやプロジェクトチームの考えや感覚を、自分という主観を通して言語化し、視覚化することを彼は〝翻訳“と呼ぶ。博報堂に入社して数年、佐野研二郎氏の仕事をじっくり観察しながら、自分ならではのアウトプット術を磨いていった小杉氏。その修行の成果が、人の幸せを喜びとする‘幸一少年’の天分と融合し、既存のさまざまな枠を軽やかに超えていく唯一無二の〝翻訳家”となることができたのでしょう。

「グラフィックパーク」と題した本展は、小杉幸一氏が手掛けてきた広告デザインやキャンペーン、CIデザイン、ブランド開発などの代表的な仕事ごと包みこむ、遊び心満載の広場となります。ぜひ童心に帰って、クリエイティブという未知数の世界を体感ください。

※ 下掲公式サイトで最終情報を確認の上、ご観覧下さい。
【 詳 細 : ggg ギンザ・グラフィック・ギャラリー 】

【展覧会】長崎歴史文化博物館|企画展 シーボルト来日200周年記念 大シーボルト展|’23年9月30日-11月12日|

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長崎歴史文化博物館
企画展 シーボルト来日200周年記念 大シーボルト展
会  期  2023年9月30日[土]- 11月12日[日]
会  場  長崎歴史文化博物館 3 階企画展示室
      850-0007 長崎県長崎市立山1丁目1−1
休  館  日  毎月第1・第3月曜日  * 2022年4月から
開館時間  9:00 - 18:00(最終入館 17:30)
料  金  一 般[大学生以上]1,000円、高校生以下 無料
      * 各種割引、優待情報などは 下掲詳細 参照
主  催   長崎歴史文化博物館
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19世紀、二度にわたり来日したドイツの医師で博物学者のフィリップ・フランツ・フォン・シーボルト。文政6年(1823)に彼が長崎・出島のオランダ商館付医師として初来日してから本年は200周年を迎えます。鳴滝塾では医学や諸科学を学びに集まった門人たち、商館長の江戸参府随行では各地で蘭学者や大名をはじめ、さまざまな人々との交流を持ち、自身も日本研究を進めていったシーボルト。本展では、国内各地の門人や蘭学者、大名や通詞などシーボルトが関わった人々の資料や江戸往復の際に立ち寄った地域に残る関係資料をとおしてシーボルトの「足跡」をたどります。
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※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 長崎歴史文化博物館

【展覧会】愛知県美術館|企画展 幻の愛知県博物館|’23年6月30日-8月27日|終了

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愛知県美術館
企画展 幻の愛知県博物館
会  期  2023年6月30日[金]- 8月27日[日]
会  場  愛知県美術館(愛知芸術文化センター10階)
      461-8525 名古屋市東区東桜一丁目13番2号
      TEL(052)971-5511(代)
開館時間  10:00-18:00
      金曜日は 20:00 まで(入館は閉館の 30分前 まで)
休  館  日  毎週月曜日(7月17日[月・祝]は開館)、7月18日[火]
観  覧  料  一 般 1,000円、高校・大学生 800円、中学生以下 無料
      * 詳細は下掲の公式サイトでご確認を。
主  催  愛知県美術館、中日新聞社
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現在愛知県には、県立の総合博物館がありません。けれども明治時代に遡ると、この地に「愛知県博物館」は確かに存在していました。
1878(明治11)年に県が民間からの寄附金を集めて建てた博物館は、古く貴重な文物から味噌や醤油、酒、木材、織物、陶磁器、絵画、機械、動植物等々、国内外のあらゆる物産を集め、人々の知識を増やして技術の発展を促そうとしました。まだまだ博物館をどういう施設にすべきか方向の定まらぬ時代に、同館は先進的な商品見本を展示・販売して県下の産業を刺激する商品陳列館へと、徐々に姿を変えていきます。
日本各地に博物館や美術館が建設されるなかで、いつの間にか忘れられてしまった、殖産興業に比重を置く総合的な産業技術博物館としての「愛知県博物館」へ、時空を超えてみなさんをお招きします。

※ 下掲詳細情報をご確認のうえご観覧ください。
[ 詳 細 : 愛知県美術館