カテゴリー別アーカイブ: 艸木風信帖

【艸木風信帖】吾が空中花壇の女王|トロロアオイとウィキョウ|ことしも元気に開花です

トロロアオイ写真

ごてごてと 草花植ゑし 小庭かな

正岡子規(俳人・歌人 1867-1902)「小園の記」ゟ

吾が空中庭園 ── 失礼千万ながら、ひとにより「ベランダ鉢植え雑艸園」ともいう ── の女王「トロロアオイ」が花をつけている。もともと晩夏のころに咲いていたが、徐徐に開花時期がはやくなり、ことしの開花のはじめは6月6日で、それからほぼ毎日、一輪から三輪ほどのおおきな花をつけている。
この種子のもとは2009年05月に、都下あきる野市五日市町の軍道紙-ぐんどうがみ-工房からわけていただいた数株の苗にはじまった。あれから10年にもなるのかと驚くばかりである。もちろん中途に種子から育苗したので、これが何代目かわからないが、すくなくとも越冬年越しすること三回の古株である。

正岡子規の旧宅「子規庵」は、筋向かいの「書道博物館」ともども、鶯谷駅からしばらくの通路の環境はちょっとアレだが、お気に入りの場所でときおり訪れている。子規庵の庭には、いまなら朝顔が咲きはいめているだろうし、晩夏になると糸瓜-へちま-がぶらりと垂れさがっているのもよい。

フェンネル NHK趣味の園芸NHK 趣味の園芸 ゟ

ところでトロロアオイの左うしろでひょろひょろと咲いているのは「フェンネル ウイキョウ・茴香」である。吾が郷里信州では茴香と呼んで、新芽は茎ごとゆがいて食していたし、その根はタマネギにも似て、大きく甘みがあってなかなか良い。実家の庭に茫茫と勝手に生えていたので、野生かとおもっていたら栽培植物だった。もちろん空中庭園では一株だけの栽培である。

【トロロアオイ/黄蜀葵】
アオイ科の一年草。中国原産。草丈は本来2メートル近くになるが、最近は0.5-1メートルの丈の低い品種が多く栽培されている。葉は互生し、葉柄が長く、掌状に深く裂ける。
夏から秋、淡黄色で中心部が濃赤紫色、径15-20センチメートルのおおきな五弁花をつける。花は1日でしぼむが、茎の下位から上位へと順に次〻と開く。植物体全体、とくに根に粘質物を多く含み、これを手漉き紙を漉くときの糊剤(ネリ)として利用する。また花を観賞用・食用ともする。糊原料をとるための栽培では、開花・結実させないために、つぼみがついたら先端部を刈り取って根に養分をたくわえる。
活版 à la carte トロロアオイまとめ

【フェンネル、ウイキョウ(茴香、学名: Foeniculum vulgare)】
セリ科ウイキョウ属の多年生草本である。別名ショウウイキョウ(小茴香)。英語名からフェンネル(Fennel)またはフェネル、仏語名からフヌイユ (fenouil) とも呼ばれる。
フェンネルの鱗茎(葉柄基部が肥大したもの)はフィノッキオ (finocchio) とも呼ばれ、野菜としてタマネギなどのようにサラダや煮物、スープなどに用いられる。茎・葉は生食されるが、そのほかにも佃煮、シチューなど肉料理の香味野菜として使用される。

kazari-upper

バウハウス+ディスティル-2明治百五十年祭をはじめ、周年事業が盛んである。
オランダの新造詣運動<DE STIJL>は1917-1931、同名の雑誌『DE STIJL』に結集した造形者によって展開された。
<BAUHAUS> はデザイン教育機関で、第一次・第二次世界大戦の狭間にあって設けられた。

どちらも創刊100年であり、学校開設100年を迎えている。
2019年もなかばを過ぎたいま、小規模な展示会や講演会の話題はチラホラしているが、かつてのように大型展開催の情報は管見に入らない。上掲二冊の図書は、二十世紀初頭の混乱期にありながらも熱かった造形界の記録である。この忘れ去られたような二冊の図書をみていると、梅雨寒の昨今の陽気と似て、どこか造形界のモチベーションが低下しているようでさびしいおもいもある。

[画像データー作製:青葉水竜]

【特別催事】なら旅ネット ── 奈良観光公式サイト|第47回かぎろひを観る会|自然公園かぎろひの丘万葉公園|2018年12月23日 早朝4時-7時

582cbf475c5e17e5269423c53f1d3d41例年の「かぎろひを観る会」の様子

なら旅ネット ── 奈良観光公式サイト
第47回かぎろひを観る会
開催施設  自然公園かぎろひの丘万葉公園
開催日時  2018年12月23日[日・祝] 04:00-07:00
所 在 地  〒633-2166 宇陀市大宇陀迫間25番地
      入園無料  事前申し込み不要
問い合せ  0745-82-3674(宇陀市役所 公園課)
アクセス  最寄り駅からの交通
      近鉄 榛原駅より 大宇陀行きバス「大宇陀高校前」下車 徒歩3分
────────────────
「かぎろひを観る会」は今年で47回目を数える歴史ある催し。
柿本人麻呂が詠んだ秀歌にちなみ、かがり火を囲みながらかぎろひの出現を待ちます。
かぎろひとは厳寒の晴れた早朝、夜明けの一時間前に空を染め上げる陽光のことと、宇陀市観光協会では考えています。
時を越えて記紀万葉のロマンに浸ることができるひと時をお楽しみください。万葉のさとⓒ Yahoo  Japan  ⓒ ZENRIN

【 詳細: なら旅ネット ── 奈良観光公式サイト 特設コーナー 】

{ 新 宿 餘 談 }

本コーナーでは、記紀万葉ロマンのさととされる、奈良県北東部 ── 山の辺・飛鳥・橿原・宇陀エリア、とりわけ宇陀市をしばしば取りあげてきた。

このあたりに「宇陀-うだ・安騎-あき」という地名自体はふるくから存在したが、その表記に関しては揺れが大きい。すなわち『日本書紀』天武天皇元年六月二四日条には、「莵田の吾城 ── うだのあき」とあらわされている。
歌人・柿本人麻呂が現在の大宇陀の阿騎野(吾城・安騎野)で、

東-ひむかし-の野に炎-かぎろひ-の立つ見へて返り見すれば月傾きぬ

という秀歌を詠んだことは有名である。

「かぎろひを観る会」は、師走の夜明けの東の空にに立ちあらわれるという「かげろひ」を、阿騎野(吾城・安騎野)の吹きさらしの寒風のなかで、東の方向をむいて、ただただ黙って待ち続ける会らしい。そして「かぎろひ」があらわれたとき、西の空にはよろぼいた月がみられるという。
まさに万葉 ── 柿本人麻呂の世界であるが、それの何がおもしろく、ひとびとの関心をよぶのか、<Notes on Typography>をステージに、のんびりとしるしたい。
ご関心のあるかたはリンク先にお引っ越しをどうぞ。

【2018年10月壁紙】国立科学博物館|特製壁紙プレゼント|チュウシンフウ(中新世のフウの意)の実物化石標本

国立科学博物館10月壁紙国立科学博物館
メールマガジン特製壁紙 2018年10月
チュウシンフウ(中新世のフウの意)の実物化石標本

10月の壁紙は、現在開催中の企画展「標本づくりの技-わざ」-職人たちが支える科博-」より、チュウシンフウ(中新世のフウの意)の実物化石標本です。
この化石の隣には、比較のため、現生のフウの腊葉-さくよう-標本と、葉脈観察のために薬品処理した葉脈標本が展示されています。植物の葉は、種類により、形だけでなく葉脈や縁のギザギザ(鋸歯)などが異なるので、このように現生種と比べることで、葉化石の種類を調べることができます。
会期は11月25日[日]までです。ぜひ会場で実物をご覧ください。

【 詳細: 国立科学博物館

【艸木風信帖】GOOGLE 青年20歳に教えていただきました|きょうはやつがれの誕生日|若いタイポグラフィの同志にお祝いしていただきました|ありがとう!

◯◯さん、誕生日おめでとう! IMG_1132感慨はありますが感想はありません。ただ馬齢をかさねたな …… とだけ。
ほかの会員からも写メールをいただきました。皆さんありがとう!
20180928_194033 20180928_194444同世代の友人からも …… 。
WebSite を拝見すると誕生日のようすが。
遅ればせながらオメデトウゴザイマス! 老爺心ながら …….
気は長く 勤めは強く 色薄く 食細くして 心広かれ
ありがとうございます。

【花こよみ】やまと花ごよみ2018|第8回 馬見フラワーフェスタ|10月6日-14日

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やまと花ごよみ2018
第8回 馬見フラワーフェスタ
日  時  平成30年10月6日[土]-10月14日[日] 10時-17時  * 荒天中止
場  所  奈良県営馬見丘陵公園(奈良県北葛城郡河合町佐味田2202)* 入園無料
問合せ先  奈良県中和公園事務所(馬見丘陵公園館) TEL:0745-56-3851

※上記のイベント期間外もコスモスなどの花〻はご覧いただけます
※期間中は周辺道路および公園駐車場の混雑が予想されますので、ご来園は公共交通機関をご利用ください
※ペットを連れてのご入園はできません

→ 花の詳しい様子や開花状況は馬見丘陵公園ホームページ「馬見花だより」でご確認ください
→ 公園内のマップはリンクのPDFデーターからダウンロードできます 【PDF:4.4MB】

【 詳細: 奈良県 2018年 馬見フラワーフェスタ

【艸木風信帖】{朗文堂ちいさな勉強会『紙』講座}|9月12日[水]第六回最終講座を開講 ─|来春に向けてトロロアオイとフラックス[亜麻]の種子を再配布

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原 啓志 さんを講師にお迎えしての{朗文堂ちいさな勉強会『紙』講座}は、毎月第二水曜日・連続六回の開催が予定されました。
受講者は19名の多数を数え、4月11日に第一回講座が開催され、5月9日には第二回講座が、6月6日には第三回講座が開催されました。ひきつづき7月11日には第四回講座が開催され、8月8日は台風のため翌〻週に第五回講座が開講され、9月12日に第六回最終講座が予定されています。
受講者のほとんどは打ち合わせ段階から参画されていた{活版カレッジ}の修了生で、実践に役立つ貴重な紙情報が語られています。

講師:原 啓志 さんは、「子供のころの遊び場は王子の紙の博物館だった」とされるほどの、根っからの紙博士です。当然同所で開催中のミニ展示『紙漉重宝記』が話題となりました。
『紙漉重宝記』は紙業界では世界的に知られる図書で、英語・仏語・独語による翻訳書も刊行されているほどの貴重な資料です。また現代語通行文になおした資料もありますが、ここでは国立国会図書館所蔵の原資料から、古谷昌二氏による釈読、原 啓志氏による技術解説を加えて、参加者のあいだに配布されました。

炎暑もようやく収束をみた昨今、王子の紙の博物館に本資料を片手に参観出かける参加者もふえてきたと仄聞します。
ここに講座参加を希望されながら、定員満員ということで受講を断念されたかたのために、本資料の一部を公開いたします。

そして朗報! はじめての挑戦となった「フラックス 亜麻」は、寒冷地に生育する植物ですので、ことしのあまりの猛暑で生育に失敗したひとが多かったようです。そこであらためて古澤氏より来春「フラックス 亜麻」の種子をお分けいただくことができるようになりました。あわせてトロロアオイの種子も希望者にお分けいたします。

『紙漉重宝記』資料_1 『紙漉重宝記』資料_3 『紙漉重宝記』資料_2DSCN8725
トロロアオイ/黄蜀葵

アオイ科の一年草。中国原産。草丈は本来2メートル近くになるが、最近は0.5-1メートルの丈の低い品種が多く栽培されている。葉は互生し、葉柄が長く、掌状に深く裂ける。
夏から秋、淡黄色で中心部が濃赤紫色、径15-20センチメートルのおおきな五弁花をつける。花は1日でしぼむが、茎の下位から上位へと順に次〻と開く。植物体全体、とくに根に粘質物を多く含み、これを手漉き紙を漉くときの粘剤(ネリ)*01 として利用する。また花を観賞用・食用ともする。粘剤原料をとるための栽培では、開花・結実させないために、つぼみがついたら先端部を刈り取って根に養分をたくわえる。

粘剤(ネリ)*01
手漉き紙(和紙)の流し漉きのため、紙料に混ぜる植物粘液。繊維を水中に均等に分散させて漂浮させ、美しく強い紙をつくるのに有効に作用する。粘剤(ネリ)を抽出する植物は、おもにトロロアオイとノリウツギである。[参考『広辞苑』]

【関連:活版アラカルト 原 啓志さん 既出情報 】   {『紙漉重宝記』抜粋 PDF

【2018年09月壁紙】国立科学博物館|特製壁紙プレゼント|タマゴダケ

img_1024_768国立科学博物館メールマガジン第802号 特製壁紙プレゼント

9月の壁紙は、筑波実験植物園で撮影したきのこ、タマゴタケの写真です。真っ赤なカサの色を見ると、いかにも毒々しいきのこです。さらに、このタマゴタケは猛毒きのこを数多く含むテングタケ科に属します。しかし、タマゴタケは無毒でとても美味しい食用きのこなのです。

筑波実験植物園では、9月29日[土]-10月8日[月・祝]の期間に企画展「きのこ展~みんなでさぐるきのこのふしぎ~」を開催します。タマゴタケは毎年夏-秋にかけて、植物園内の冷温帯落葉広葉樹林帯から暖温帯落葉広葉樹林帯に大量に発生します。きのこ展期間中にも見事な群生を見ることができるかもしれません。

【詳細: 国立科学博物館 筑波実験植物園きのこ展2018 】

【新宿私塾】第12期修了生:岩本慶子さんから残暑見舞いのカードをいただきました

岩本02 岩本01岩本慶子さんから残暑見舞いが到着

新宿私塾第12期:岩本慶子(旧姓・大神)さんから爽やかな残暑見舞いをいただきました。
新宿私塾第12期生の皆さんはとても活発で、修了後も「新潟山〻会:山下さん」を中心として、毎年1ー2度集まっては、楽しいかたらいの場をもうけているようです。
岩本さんは新宿私塾修了後に結婚され、現在は山口市にお住まいです。
最近、おもな発表メディアを「Instagram」に変えられたようですが、ここでは下掲のウェブサイトをご紹介いたします。

【詳細: Oogami.com

【艸木風信帖】暑中お見舞い申しあげそうろう 百日紅とあせ知らず

谷中天王寺 日吉洋人撮影連日の暑さが続いています。皆さんご壮健でいらっしゃいますか。

あす08月07日は「立秋」、暦のうえでは、あすからは「残暑」となる。だからここで「暑中お見舞い」を。
迷走・逆走台風12号につづき、今週は台風13号が週央あたりに日本列島上陸の予報が発表されている。しかも気象庁の予想進路では、日本列島のうえで、ひら仮名「く」の字を、下から描くようにして、急激に北東方向に向かうらしい。まったく筆順を無視していますな。
すでに猛暑と熱波でさんざんな目にあっているのに、もうご勘弁を、といいたいところだが、自然が相手では如何ともなしがたい。大過なく過ぎることを祈るばかりである。

台風13号進路予想 気象庁

《 夏を彩る さるすべり-百日紅 紫薇 》
冒頭に紹介した植物は「谷中の天王寺」にある「さるすべり-百日紅 紫薇」である。撮影は 日吉洋人 さん。

徳川幕府の庇護をうけ、宏大な寺域と、幸田露伴『五重塔』にしるされた巨塔を有していた天王寺に関しては、この活版アラカルトに【[イベント] メディア・ルネサンス 平野富二生誕170年祭-05 明治産業人掃苔会訪問予定地 戸塚文海塋域に吉田晩稼の書、三島 毅・石黒忠悳の撰文をみる】としてあらかたしるした。

「谷中の天王寺」は戊辰戦争に際して、徳川方の彰義隊の営所となって被弾し、太平洋戦争では伽藍の大部分を焼失するなど、数奇な歴史をへてきたが、その次第は、
天台宗 東京教区 護国山尊重院 天王寺】に詳しく記録されている。

花のすくないこの季節、淡黄色の大輪の花をつける「トロロアオイ」とならんで、文字どおり三ヶ月、百日ほどのあいだ、紅色の花をつけている「さるすべり 百日紅」に関しても、しばしば{活版アラカルト}にしるしてきた。
小社近辺の新宿御苑にそった道にも「さるすべり 百日紅」が植えられ、開花の盛りであるが、まだ植樹から数年ばかりで、樹皮の脱落もさほどみられず、「谷中の天王寺」のそれに及ぶべくも無い。

《 むか~し ばなし ── 郷里の祖母による DDT の散布と あせ知らずの塗布 》
ほんとうに昔のはなしである。生家が開業医で、ながらく土日も無く患者さんが押しかけていた。そのため週末は、兄・妹と三人そろって、田舎のバスにゆられて母の実家に行かされることがおおかった。
バスで小一時間(いまなら車で20分ほど)かけて到着すると、祖母か伯母のどちらかが玄関先で、
「まぁまぁ、みんな頭がシラミだらけ。DDT を噴霧するからね」
と、頭髪に向けてシュパシュパと、頭がまっ白になるまで DDT を散布された。続けて、
「ホラホラ、三人とも躰じゅうあせもだらけ。あせ知らず、あせ知らず」
と、今度は全裸にされて、パタパタとおしろいをたたくように、全身が DDT とあせ知らずでまっ白になるまで大騒ぎをしてから入室を許された。
つまり戦後まもなく、わが国が貧しかった時代のはなしである。

あせ知らずたまたま洗面所に「あせ知らず」が置かれていた。家人によると、アセモ(汗疹)予防に良く、香りも爽やかだということで、若者の人気アイテムだそうで使用をすすめられた。
この齢になって、湯上がりにパタパタと「ベビー・パウダー」もどうかな? とおもっていたので、恐る恐る使ってみた。たしかに爽快だし、むかしとおなじようなパッケージで、懐かしい香りがした。

おもえば DDT は、発癌性がうたがわれ、環境ホルモンとして機能するとされて随分批判されたが、「てんか粉 あせ知らず」は話題にもならず、ただただ黙って忘れられていたような気がする。
この狂気にみちた夏は、「あせ知らず」で乗りきることにしようとおもった次第。

【艸木風信帖】{朗文堂ちいさな勉強会『紙』講座}8月8日[水]第五回を開講 ── 受講者のあいだで「フラックス 亜麻/トロロアオイ 黄蜀葵」が開花中

!cid_CCF74AAA-0228-4CFC-BA15-338977D21FD5DSCN7681DSCN7684DSCN7689原 啓志 さんを講師にお迎えしての{朗文堂ちいさな勉強会『紙』講座}は、毎月第二水曜日・連続六回の開催が予定されています。受講者は19名の多数を数え、4月11日に第一回講座が開催され、5月9日には第二回講座が、6月6日には第三回講座が開催されました。ひきつづき7月11日には第四回講座が開催され、8月8日には第五回講座が予定されています。

受講者のほとんどは{活版カレッジ}の修了生で、実践に役立つ貴重な紙情報が語られています。受講者のなかに 商事会社「エヌ・ビー・アール」を営まれている古澤省吾さんがおられ、参加者有志に「フラックス・亜麻」の種子が少量配布されました。

《 フラックス 亜麻の開花報告 第一号 ── 田中智子さん ゟ 》
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{朗文堂ちいさな勉強会『紙』講座}第一回、4月11日に古澤省吾さんに配布していただいた、「フラックス 亜麻」の種子。その開花報告を、会員:田中智子さんからいただきました。まだ咲きかけで、これから次〻と咲きそうで楽しみです …… とされます。
来週、7月11日[水]には{朗文堂ちいさな勉強会『紙』講座}第四回講座が開講します。このグループの周辺からは、ケナフ、トロロアオイにつづき、「フラックス 亜麻」という、「紙」に関連する植物のうれしい話題がまたひとつ増えました。

フラックスはうす青紫の可憐な花をつけ、その茎が亜麻色に変化したころに収穫して「亜麻パルプ」とし、そこから高級筆記用紙、書簡用紙、高級ボンド紙、特殊薄葉紙、たばこ用巻紙、脂取り紙などに使用されているとされます。
原 啓志さんと受講生の皆さんによる、熱い講座がつづきます。
DSCN8231DSCN8232五月第二回講座 原啓志さんの講義終了後の歓談会になっても、質問や討議があいつぎます

{朗文堂ちいさな勉強会『紙』講座}── 第三回 06月13日開講
DSCN8691DSCN8689DSCN8694「トイレットペーパーやキッチンペーパーには、なぜミシン目の切りとり線がはいっているのでしょう?」
講師:原 啓志さんからおもわぬ問題提起 …… 。

さっそくトイレットペーパーの実物が配布され、ミニワークショップ。講義がおわり懇話会の時間になっても質問が相次ぎ、原啓志講師は席のあたたまらないあわただしさが続きます。

DSCN8725トロロアオイ/黄蜀葵
アオイ科の一年草。中国原産。草丈は本来2メートル近くになるが、最近は0.5-1メートルの丈の低い品種が多く栽培されている。葉は互生し、葉柄が長く、掌状に深く裂ける。
夏から秋、淡黄色で中心部が濃赤紫色、径15-20センチメートルのおおきな五弁花をつける。花は1日でしぼむが、茎の下位から上位へと順に次〻と開く。植物体全体、とくに根に粘質物を多く含み、これを手漉き紙を漉くときの糊剤(ネリ)として利用する。また花を観賞用・食用ともする。糊原料をとるための栽培では、開花・結実させないために、つぼみがついたら先端部を刈り取って根に養分をたくわえる。

【展覧会】紙の博物館 ─ 王子|ミニ展示「紙漉重宝記」|+新宿餘談

紙の博物館 ── 王子
ミニ展示「紙漉重宝記
会  期  2018年06月16日[土]-2019年03月03日[日]
休  館  日  月曜日(9/17、9/24、10/8、12/24、1/14、2/11は開館)
紙博図版『紙漉重宝記』は、江戸時代後期に石見(現 島根県)の紙問屋、国東治兵衛によって刊行された初の紙漉き解説書です。図絵を用いて分かりやすく説明され、英語、ドイツ語、フランス語などにも翻訳されています。
今回は『紙漉重宝記』の内容を、パネルで分かりやすくご紹介いたします。
* 当展はパネルのみで構成し、現物資料の展示はございません。

【詳細: 紙の博物館 】

{ 新 宿 餘 談 }

「王子の<紙の博物館>が子供のころからの遊び場だった」とされる、原啓志さんによる講演会{朗文堂ちいさな勉強会『紙』講座}が続いている。
また紙の博物館では、7月20日-8月31日「夏休み図書室自由研究フェア」が開催され、また、すこしさびしくはあるが、特別展や企画展ではなく、ミニ展示「紙漉重宝記」がおよそ八ヶ月間の長期にわたって開催されている。こんな時こそ普段は見過ごしている常設展や図書室をじっくり観る機会としてとらえたい。

そこで炎暑をものともせず、国立国会図書館が公開している『紙漉重宝記』(請求番号 特1-3415)を読んでみたくなった。ところがなにぶん例の江戸期通行体「お家流書風」でしるされているために、判読に難航することになり、畏兄の古谷昌二氏に釈読をお願いした。

また事前に、「石見産紙の祖神」とされ地元で尊崇され、『紙漉重宝記』の冒頭部に登場する歌人:柿本人麻呂と柿本神社に関して、手元資料から調査した。
詳細は紙の博物館での紹介にゆずり、ここでは冒頭部の「柿本人麻呂」の歌(二ページ目)と、十一ページ目「とろろ草の種類」を、国立国会図書館蔵書による元版と、古谷昌二氏による釈読挿入版とで紹介し、紙の博物館での観覧の予習として、{朗文堂ちいさな勉強会『紙』講座}受講者に配布し、あわせてその一部をここに紹介したい。

!cid_540FBA32A4D2415B9A2FC7EA3D6710B3@robundoPC『紙漉重宝記』(国立国会図書館 請求番号 特1‐3415)
釈読/「平野富二生誕の地」碑建立有志会代表:古谷昌二氏
!cid_83663A8C-A6C2-4CDA-AFD9-F1F6BFB47E5C

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【特別催事】駐日チェコ共和国大使館、チェコ政府観光局、チェコセンター東京|チェコフェスティバル 2018|9月28日-30日|終了企画

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駐日チェコ共和国大使館、チェコ政府観光局、チェコセンター東京
チェコフェスティバル2018
開催日時  2018年9月28日[金]-9月30日[日] 11:00-20:00
会  場  原宿クエストホール
      東京都渋谷区神宮前1-13-14 3F(JR原宿駅/東京メトロ明治神宮駅ゟ徒歩1分)
主  催  駐日チェコ共和国大使館、チェコ政府観光局、チェコセンター東京
共  催  チェコ共和国農業省、ブルノ市、南モラヴィア州
協  賛  ザ・プレミアム・モルツ
協  力  アイコン・ユーロパブ株式会社、日本小水力発電株式会社、Novesta Japan Office
──────────────────
チェコフェスティバルが今年もやってきます! 第3回目となる今年は、これまでの約3倍の広さとなる原宿クエストホールに会場で開催いたします。チェコ関連の雑貨やお酒・飲食物が販売されるほか、ステージプログラムやワークショップも予定されています。
チェコスロバキア建国100周年である今年は、スロバキア大使館との特別協同プログラムも予定しています。チェコの魅力が詰まった3日間となりますので、皆さまお誘いあわせの上、ぜひお越しください。

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 最新情報は Facebook イベントページ で発信されていますので、確認の上ご覧ください。

【詳細: チェコセンター

【映画祭】第34回 あきる野映画祭 7月21日、7月27-29日+技藝家:高橋敏彦氏のことども|終了

!cid_84CADA52-690B-42AF-A27E-6B124E9D2C88第34回 あきる野映画祭    34th Theme〔 kaikan ! 〕
1. あきる野映画祭 映像市 ’18
2018年7月21日[土] @まほろばホール(無料)
2. あきる野映画祭[メインスクリーン]
7月27日[金]-29日[日] @五日市会館(有料)
────────────────
今年で34回目となる、あきる野映画祭は「kaikan!」をテーマに、映画祭発祥の地である「五日市会館」をメイン会場として開催します。大スクリーンと臨場感溢れる音響、温かみある手作りの会場で、ほかにはない映画体験を楽しんでみませんか。

あきる野映画祭公式ホームページはこちらをご覧ください!(別ウインドウで開く)

映像市【無料上映】

期 日  平成30年7月21日[土]午後0時30分から午後5時
場 所  まほろばホール(五日市地域交流センター3階)
内 容  西多摩地区にゆかりのある方が関わった作品と西多摩地区の映像が含まれた作品を
     上映します。

映画祭メインスクリーン【有料上映】

期 日  平成30年7月27日[金]-29日[日曜日] 
場 所  五日市会館
内 容  澤登翠さん(活動弁士)による活弁付無声映画の上映や

     ゲストによるトークなど、上映作品に関連したイベントが予定されています。 

【詳細: あきる野市 あきる野映画祭公式ホームページ 】

{ 新 宿 餘 談 }

〔 あきる野映画祭公式ホームページ ゟ 〕
あきる野映画祭のポスター・チラシのデザインは、市内のデザイナー高橋敏彦さんによるものです。下記のような思いを込めて作成されました。

秋川渓谷の自然環境の中で映画を守りつづけるそんな夢のある街がこのあきる野。
今も若者がこの芸術・文化を守り続けるために活動する恵まれたこの大地とここに集う人々。

☆     ☆     ☆

【 花筏 朗文堂-好日録015 五日市ランドスケープ 2011年11月23日 ゟ一部抜粋
ことしも「あきる野映画祭」のときがきた。34回目にもなるというそのポスターをみて
高橋敏彦翁と喫茶むべ、映画『五日市物語』(主演:遠藤久美子、プロデュース:高橋敏彦)
をおもいだした。ここに「花筏」からの記録を再紹介したい。

《茶房 むべと、高橋敏彦氏》
東京都あきる野市、とりわけ五日町一帯では、ある種のおだやかなデザインの統一がみられ、それがふしぎな「景観」をかもしだしている。

たとえば、秋川谷口にある料理屋「黒茶屋」併設されている「茶房糸屋」の看板や各種の印刷物、あきる野市と第三セクターが開発した「瀬音の湯」のカログラムなど数えきれない。
そこにもちいられている、てらいのない飄逸な書と、ほのぼのとした絵とが、CI とも町おこしともバナキュラともいわず、たくまずしてこのあたりの「景観」を形成していることに驚かされる。

これらの書藝や絵画を精力的に製作しているのは高橋敏彦氏という。1942年(昭和17)うまれ、御年69歳(本稿初出から7年余。いまは76歳ほどか)。ごま塩まじりの白髪で、美鬚の技藝家である。
高橋氏はかつて都心部、渋谷区青山にデザイン事務所を構えたこともあったが、30年ほど前から、檜原村との境にちかい、五日市の高台の地に住まい、地元密着のデザインをねばり強く展開してきた。さらに自宅離れを増改築して、自作の「ミニ・ギャラリー」と、「茶房 むべ」を開設した。

「むべ」とはこのあたりでは「アケビ、木通、通艸」のことである。むべは蔓状をなして山地に自生する。春たけなわのころ、あわい紅紫のちいさな花をつける。晩秋のころ、果実が紫に熟して縦に割れる。果肉は厚く、半透明の白色で、たくさんの黒色の種子を含んでおり、とろりとした甘味があり食用になる。蔓は強靱で「アケビ蔓細工」として籠やザルなどの各種細工にもちいられる。

やつがれ、五日市に出かける楽しみのひとつが、「茶房 むべ」の香味のつよい珈琲を味わい、高橋翁とのくさぐさのかたらいのひとときである。こんかいは、庭先に「むべ アケビ」がブラリとさがっていた。それがなんともいえずよかった。
店内は禁煙なので、いつも(たとえ少少寒くとも)庭先の四阿アズマヤに腰をおろし、秋川渓谷の清澄な川面をわたる薫風や、山颪ヤマオロシの木の香を愉しむ。そして鳥や蟲の聲、かそけき渓谷の瀬音に耳をかたむけながら、一杯の珈琲を味わい、紫煙をくゆらすのを無上のよろこびとする。

2011年11月19日[土]、折からの雨だったが、フトおもいたって五日市にでかけた。雨はきらいではない。むしろ人混みがすくなく、景観が落ちつき、しっとりしていてよいとおもう。
itsukaishi-dvd町のあちこちに、映画『五日市物語』のポスターが貼られていた。タイトルの書はあきらかに高橋敏彦氏の手になるもの。サブタイトルに、

「五日市、それは時が止まったような、東京のふしぎなまち」
とあった。
そのフライヤーを四阿アズマヤでよくみたら、「プロデューサー:高橋敏彦」とあった。もちろん「茶房 むべ」のあるじにして、高橋敏彦氏のことである。

映画「五日市物語」製作概要
1 映画製作に至った経緯
五日市は、かつて江戸の暮らしを支えるエネルギーや材木の供給基地として発展しながら、文化人をはじめ商人や知識人など多くの人を惹きつける魅力があり、豊かな文化圏を形成していました。
幕末から明治初期には、五日市憲法草案を起草した千葉卓三郎や、看護師として国内外で活躍し、世界初のナイチンゲール記章を受けた萩原タケを輩出しました。また、五日市には、歴史的価値のある寺社も多く、森林や里山に抱かれた四季折々の美しい装いは私たちの宝です。

このように、豊な歴史や自然に恵まれた私たちのまち五日市は、まさに「東京のふるさと」といえます。
ふるさとの先人が刻んできた歩みを絶えることなく未来へと受け継ぐことが今を生きる私たちの使命であり、そして古き良き時代の風情が残るまちの素晴らしさを発信すると共に、自然愛や郷土愛を育んでもらうため「市制15周年記念事業」として、東京のふるさと「五日市物語」を映画製作することにしました。

2 映画のあらすじ
渋谷の情報収集会社に勤める主人公友里(遠藤久美子)は、「五日市は今・・・平成の大合併のさきがけの街から」というテレビ番組の情報収集のため、あきる野市にやって来た。取材を進めていくにしたがって、五日市の歴史、自然、そこに住む人のパワーに惹かれていく友里であったが、番組が延期になり取材は中止となってしまう。

しかし、五日市に強い魅力を感じていた友里は、退職してまで夢だったルポライターとして五日市の素晴らしさを多くの人に伝えようと、泊り込みで取材活動を始めた。その中でさまざまな人との出会い、興味深い歴史などに引き込まれていき、やがて友里は、五日市が自分にとっての“ふるさと”ではと思うようになっていく・・・。
あきる野市 映画『五日市物語』関連事業]ゟ

高橋氏は字も書くし(書藝をまったく誇らないが良い字だ!)、ほっこりした絵も描く。そして陶芸もこなすらしい。
つまりひと世代前の、図案屋さんとよんでいたような、本物のデザイナーであり、なんでもかんでも造形家であり、技藝家でもある。すなわち誇り高きアルチザンである。

そして、その技倆と、知性が卓越していることが、このひとを特徴づけ、地元・地域の信頼をあつめている。今回は映画『五日市物語』のプロデューサーをつとめていた。
〔補記:現在はあきる野市役所ほかで DVD 発売中。 YouTube予告編 2:01

主演女優は遠藤久美子であるが、フライヤーにもちいられた写真では、マグカップを両の手で抱えていた。この写真におもわず視線が釘づけ! これは高橋氏の製作に違いないとおもった。
やつがれ、10年ほど愛用していたお気に入りのマグカップ──信濃追分・堀達雄記念館入り口のカフェ車屋で買ったもので、立原道造モデルとして愛着があった──をわってしまって、さびしいおもいをしていた。

遠藤久美子はいかにもいとおしいという手つきで、木肌色のマグカップを両のてのひらに抱えていた。大きさといい、色味といい、質感といい、これは好みだ! もちろん遠藤久美子ではなく、マグカップ。
リンクを貼っておいたので『五日市物語』の公式サイトをぜひみていただきたい。
おもわず奪いとりたくなる逸品ではないか。
ウ~ン、映画鑑賞の前に、まずは高橋氏にこのマグカップをねだらなくてはならないようだ。

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【特別催事】平城宮あかりの夕べ (朱雀門ひろば)|8月10日-26日|終了企画

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平城宮あかりの夕べ (朱雀門ひろば)
朱雀門を眺めるテラス席を開放。夜の平城宮跡で幻想的にライトアップされた大極殿や朱雀門とともに、行灯などで装飾された特別な夜の平城宮いざない館を楽しんでください。灯り作品の展示や体験教室、ミニ歴史講座なども開かれます。
* 土日限定で軽飲食ブース出展予定。
────────────
開催期間  2018年8月10日(金)-23日(木) 18:30-20:00
      2018年8月24日(金)-26日(日) 18:30-21:00 
      * 雨天決行・荒天中止(雨天時は屋内のみ実施)
開催場所  平城宮跡歴史公園・平城宮いざない館
問合せ先  0742-36-8780 (平城宮跡歴史公園 平城宮跡管理センター) 

【詳細: 平城京天平祭     なら旅ネット

【催事】奈良県観光公式サイト-なら旅ネット|明日香村| 飛鳥 光の回廊2018 ~こころに咲く花 灯る華~ 飛鳥 彼岸花祭り 2018|9月22・23日|終了企画

1f47243cf996604c3d3c67bd4b20e457<飛鳥光の廻廊> 奈良県観光公式サイト-なら旅ネット ゟ
42e87c756923889f67a1ef4ca9f7ae96<彼岸花祭り 2018> 奈良県観光公式サイト-なら旅ネット ゟ

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奈良県観光公式サイト-なら旅ネット
山の辺・飛鳥・橿原・宇陀エリア|明日香村|
~こころに咲く花 灯る華~

飛鳥 光の回廊 2018
飛鳥 彼岸花祭り 2018

開催期間  2018年9月22日[土]-9月23日[日・祝]
点灯時間  18:00 点 灯-21:00 消 灯(予定)

開催場所  明日香村村内各所  http://asukamura.com/
問合せ先  0744-54-4577 (明日香村観光交流活性化事業実行委員会)
────────────
古の都 飛鳥 がろうそくの優しい灯りに包まれます。
飛鳥寺・岡寺・石舞台古墳などがライトアップされ、ろうそくの光の回廊で繋ぎます。
幻想的なイルミネーションに彩られた飛鳥の秋夜をお楽しみ下さい。

【詳細: 奈良県観光公式サイト-なら旅ネット 明日香村

【万灯供養】奈良 元 興 寺|地蔵会万灯供養-じぞうえ まんとう くよう|8月23・24日|終了企画 

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元 興 寺
地蔵会万灯供養-じぞうえまんとうくよう
地蔵信仰の伝統を受けつぎ、追善供養と家内安全と子供達の健やかな成長と世界平和を地蔵大菩薩に祈願する万灯供養。
開催期間  2018年8月23日[木]-8月24日[金] 
      17:00-21:00
開催場所  元 興 寺
問合せ先  0742-23-1377(元興寺) 
拝  観  料  無 料

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万灯供養 灯明皿

祈願を墨書した灯明皿に、菜種油を注ぎ藺草芯の灯芯に点火します。
灯明皿は、土に還るように低火度で焼成したものです。
(23日・24日灯明皿作りを体験していただけます)
藺草芯の灯芯は、奈良県安堵町歴史民俗資料館灯芯保存会から献納されたものです。
また菜種油の一部は、菜の花プロジェクトより献納されています。

一口 千円。
(23日・24日灯明皿作りを体験していただけます)

【詳細: なら旅ネット

{ 行 事 予 定 }
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【あきる野市イベント・講座情報】☆河川の生き物調査「ガサガサで生き物調べ」|8月12日|終了企画

akiruno あきるのガサガサあきる野市イベント・講座情報
☆河川の生き物調査「ガサガサで生き物調べ」
日  時  8月12日[日]午前9時30分-12時30分
対  象  市内在住・在勤・在学の方(小学生以下の子どもは保護者同伴)
申  込  み  7月31日[火]までに環境政策係(042-595-1110)電話で申し込んでください。
────────────
あきる野市内の川にすんでいる生き物の状況を調べるために、調査を行います。
平井川に入り、網を使って魚やエビなどの生き物を捕まえ、種類や数の記録を取る調査です。生き物は、主催者の調査員が解説します。生き物に興味のある方や、親子で川遊びがしたい方など、調査にご協力いただける方を募集します。

※詳しくは、広報あきる野7月15日号か、市のホームページをご覧ください。
【詳細: あきる野市役所 】

【奈良の鹿愛護会】 特別公開 子 鹿 公 開 赤ちゃん鹿大集合! 6月1日-30日 終了企画

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一般社団法人 奈良の鹿愛護会
特別公開  子鹿公開 赤ちゃん鹿大集合!
開催期間  2018年6月1日[金]-6月30日[土]
開催時間  11:00-14:00(入場13:30まで) * 小雨決行・荒天中止
開催場所  鹿苑会場(春日大社境内)
問合わせ  電 話 0742-22-2388 (奈良の鹿愛護会)
料  金  一般300円、高校生以下 無 料
      * 子鹿の体調などを考慮して、予告なく中止することがあります。
      * 場内はバリアフリーではありませんのでご了承ください。
──────────────────
奈良公園には雌鹿が約 700 頭生息し、毎年5月中旬から7月頃まで赤ちゃん鹿が誕生するシーズンを迎えます。人と鹿とのトラブル防止策として、毎年4月から妊娠しているお母さん鹿、およそ200頭を、赤ちゃん鹿がお母さん鹿と一緒に行動できるようになる7月中旬までの期間中に、特別イベント「子鹿公開」を開催し、可愛らしい子鹿を公開しています。

【詳細: 一般社団法人 奈良の鹿愛護会

< 鹿 か ら の お 願 い >
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【なら旅ネット】奈良県宇陀郡 曽爾村-ほたるまつり/ 御杖村-蛍 鑑賞会 6月中旬-下旬 終了企画

ポスター

山の辺・飛鳥・橿原・宇陀エリア | 曽爾村 |[公園・自然公園]
ほたるまつり [蛍公園] 
開  催  名  ほたるまつり
開催期間  6月16日[土]、23日[土]2 日間   19:00-21:00 雨天中止
開催場所  蛍公園(ファームガーデン駐車場よりシャトルバス運行)
問合わせ  電話 0745-94-2106 (曽爾村観光協会) 
料  金  無 料
──────────
曽爾村-そにむら-は奈良県の北東部、奈良県宇陀-うだ-郡の東部に位置し、下掲紹介の御杖村-みつえむら-とは隣接している。人口およそ1,500人。
冷涼多雨の気候で、集落は北流する青蓮寺川沿いの谷底平野や、山腹緩斜面を中心に分布している。 渓谷の両側には屏風岩、鎧岳、兜岳などの岩壁がある。

「日本で最も美しい村」連合に加盟している。同連合で認定された登録地域資源は、ススキの名所として知られる曽爾高原と、曽爾の獅子舞である。 また、三重県名張市にある香落渓とは北に接している。

今年も「ほたるまつり」を実施します。
駐車場のファームガーデンで整理券を配布しますので
無料シャトルバスをご利用ください。
蛍公園付近では模擬店もあり、美味しいものを食べながら曽爾村の
蛍を満喫してください。

同村を貫流する曽爾川には、6月中旬からゲンジボタル、下旬からはヘイケホタルが舞い飛びます。20時頃からが見頃とされています。祈! 好天

【詳細: 曽爾村観光協会

☆    ☆    ☆    ☆

御杖村ほたる

s_48山の辺・飛鳥・橿原・宇陀エリア | 御杖村 | [イベント会場]御杖村 
御杖村-みつえむら-蛍鑑賞会
開  催  名  御杖村 蛍鑑賞会
開催期間  2018年6月22日[金]-6月23日[土]小雨決行、荒天中止 
開催場所  御杖村観光案内所 道の駅「伊勢本街道 御杖」内
      奈良県宇陀郡御杖村神末6330番地
観  賞  会  午後8時ゟ 専用バスで順次蛍観賞地までご案内します。
      午後10時頃 終了(観賞時間は20分程度です)
問合わせ  電話 0745-95-6226(御杖ふるさと交流公社) 
料  金  無 料
申  込  み  当日受付のみ 午後5時30分- 先着200名様
──────────
初夏の夕べを幻想的に彩る蛍の光をご覧に、ぜひ御杖村までお越しください。参加費は無料、蛍観賞ポイントまでは専用バスでご案内します。
参加された方には、みつえ温泉「姫石の湯」入浴割引券をプレゼント!(※大人限定)
さらに道の駅内各施設も営業時間を延長いたしますので、ゆっくりとおくつろぎいただけます。
また、観光案内所前には、たこ焼き屋などの屋台も出店されるので、蛍観賞会と共にお楽しみください。祈! 好天

【詳細: 御杖村観光協会

【歌舞伎座催し物】催し物 第五回 花篭でまなぶ、歌舞伎アートセミナー もっと知りたい! お香の世界とオリジナル匂い袋を作る! 終了企画

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第五回 花篭でまなぶ、歌舞伎アートセミナー
もっと知りたい! お香の世界とオリジナル匂い袋を作る!
【第1部】知られざる「お香の世界」
【第2部】オリジナル匂い袋を作ろう!
日  時  平成30年6月30日[土]14時ゟ * 受付13時30分ゟ
会  費  大人:3,800円(税込)
場  所  歌舞伎座3階『お食事処 花篭』
お申込み  歌舞伎座サービス株式会社 担当:本多・高野
      電話:03-3545-6820(午前10時-午後5時)
       こちら の用紙をダウンロードしてご利用いただけます。
      * ※事前予約をされた方には「ウェルカムドリンク」をプレゼント
      歌舞伎座 × 山田松香木店によるコラボイベント。70名様限定
──────────
仏教の伝来とともに日本に伝わったお香。
古くは日本書紀にも記載のある「香木」、平安時代には「薫物」として教養と趣味の分野にも広がります。
創業、江戸・享保年間、今も京都に店を構える老舗「山田松香木店」の大杉直司氏を講師に迎え、6月30日[土]歌舞伎座 3 階お食事処「花篭」にて、「もっと知りたい!お香の世界とオリジナル匂い袋を作る!」を開催します。

【第1部】は、知られざる「お香の世界」
日本の香りの源「香木」、様々な「香木や香製品」、お香が歩んできた「歴史」、様々な種類の「香製品」などを紹介。貴重な原木や、お香を香炉で焚くなど、「お香」の楽しみかたを分かりやすく学んでいただきます。

【第2部】は、オリジナル匂い袋を作ろう!
様々な香りを実際に楽しみながら「匂い袋」を作ります。
8種類の香りから選んで調合!〝自分好み〟の世界に一つの匂い袋を作ってみませんか?

【詳細: 歌舞伎座 催し物

【なら旅ネット】唐招提寺 鑑真和上-がんじんわじょう-像(国宝)特別公開 6月5日-7日 終了

about_ph1唐招提寺
鑑真和上-がんじんわじょう-像(国宝)特別公開
開  催  名  鑑真和上像(国宝)特別公開
開催期間  2018年6月5日[火]-6月7日[木] 
時  間  09:00-16:00
開催場所  唐招提寺
問合わせ  電話 0742-33-7900(唐招提寺) 
料  金  通常拝観料600円+新宝蔵拝観料500円
──────────
鑑真和上像は新宝蔵にて公開されます。
鑑真和上像が元々安置されておりました「御影堂」は現在修復工事中(2021年頃まで掛かる予定)ですので、それまでは御影堂も東山魁夷の襖絵も、唐招提寺での公開予定はございません。

<唐招提寺とは>
唐招提寺は、南都六宗の一つである律宗の総本山です。
多くの苦難の末、来日をはたされた鑑真大和上は、東大寺で5年を過ごした後、新田部(にたべ)親王の旧宅地(現在の奈良市五条町)を下賜されて、天平宝字3年(759)に戒律を学ぶ人たちのための修行の道場を開きました。
「唐律招提」と名付けられ鑑真和上の私寺としてはじまった当初は、講堂や新田部親王の旧宅を改造した経蔵、宝蔵などがあるだけでした。
金堂は8世紀後半、鑑真和上の弟子の一人であった如宝の尽力により、完成したといわれます。
現在では、奈良時代建立の金堂、講堂が天平の息吹を伝える、貴重な伽藍となっています。

about_ganjinph2<鑑真大和上-がんじんだいわじょう 688-763年>
唐の揚州に生まれ、14歳で出家し、洛陽・長安で修行を積み、713年に故郷の大雲寺に戻り、江南第一の大師と称されました。

天宝元年(742)、第9次遣唐使船で唐を訪れていた留学僧・栄叡(ようえい)、普照(ふしょう)から、朝廷の「伝戒の師」としての招請を受け、渡日を決意。その後の12年間に5回の渡航を試みて失敗、次第に視力を失うこととなりましたが、天平勝宝5年(753)、6回目にして遂に日本の地を踏まれました。
以後、76歳までの10年間のうち5年を東大寺で、残りの5年を唐招提寺で過ごされ、天皇をはじめとする多くの人々に授戒をされました。
その渡航の様子は、「東征伝絵巻」(重文)に描かれています。

【詳細: 唐招提寺 なら旅ネット 】 [写真画像は WebSite 唐招提寺ゟ]

【祭り】なら旅ネット|吉野路エリア|黒滝村| 河分-かわわけ-神社夏祭り 6月3日 終了企画

河別神社夏祭り-なら旅ネット

なら旅ネット|吉野路エリア|黒滝村|
河分-かわわけ-神社夏祭り
開催期間  2018年6月3日[日]
開催場所  河分神社-かわわけじんじゃ-
問合わせ  電 話 0747-62-2031(黒滝村役場)
────────────
黒滝村の村内各所で五穀豊穣を慶び催されます。河分神社(中戸地区)では餅まきなどもおこなわれ、境内にはたくさんの人〻で賑わいます。
* 近鉄下市口駅から笠木・洞川温泉・中庵住行きバス「総合センター前」下車、コミュニティバス乗換「川戸」下車すぐ。

【詳細: なら旅ネット

【祭り】あいさこいさ祭り ── 春の伊勢街道おかげ祭り (奈良県宇陀市)6月3日 終了企画

おかげ祭り

あいさこいさ祭り
── 春の伊勢街道おかげ祭り (奈良県宇陀市)
開催期間  2018年6月3日[日] 午前10時-午後4時まで
開催場所  奈良県宇陀市 会場:近鉄榛原駅南口広場、駅前、新町、東町周辺
問合わせ  電話 0745-82-2211(宇陀商工会 おかげ祭り実行委員会)
      https://www.facebook.com/aisakoisa/
料  金  参加無料

──────────
伊勢街道沿いに栄えた宿場町の風情が残る榛原駅周辺のまちなかを、地元の学生と市民が、お店や楽しいステージイベントで盛り上げます。古刹宗祐寺では毎年恒例の、寺×ロックの融合「寺ロック」も開催。日ごろ静かな境内がライブ会場に!

同日には宇陀のおいしいものが集まる「宇陀マルシェ×産直市場」もすぐ近くで開催!

< 関 連 情 報 >
寺ロック「寺ロック」(注)11時30分開場予定 * 開場前は入山できません。あらかじめご了承ください。

【詳細: 宇陀市 公式ホームページ

【奈良国立博物館】 春の庭園開放 ── 初夏の庭園を散策 4月21日[土]-6月10日[日]終了企画

奈良国博庭園

奈良国立博物館
春の庭園開放
4月21日[土]-6月10日[日]まで
奈良国立博物館の初夏の庭園を散策していただけます。
◇ 開放時間  9:30-17:00(毎週金・土曜日は18:00まで)
  (ただし、当日の観覧券等が必要となります)
 ※ 入場は閉園の30分前まで
 ※ 月曜日休園
 ※ 天候・イベント等で開放中止の場合あり
 ※ 関野ホール は公開しておりません
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写真左上《茶室 八窓庵》
奈良国立博物館の中庭にある八窓庵-はっそうあん-は、もとは興福寺の大乗院庭内にあった茶室で、含翠亭-がんすいてい-ともいい江戸時代中期に建てられた。江戸時代の名茶人、古田織部(ふるたおりべ 1544-1615)好みと伝えられる多窓式茶室として有名。この茶室と、興福寺塔頭慈眼院の六窓庵 (ろくそうあん 現所在:東京国立博物館)、東大寺塔頭四聖坊の隠岐録(おきろく 東京へ移建ののち戦災で消失)と称される茶室とあわせて「大和の三茶室」といわれていた。

この八窓庵は、地元に永久保存されることを望む奈良在住の篤志家数名の努力によって当時の帝国奈良博物館へ献納されたもので、明治25年(1892)に博物館の敷地に移設された。
様式は四畳台目下座床で、草庵風になっており、入母屋造り茅葺で、天井は床前から点前座にかけて蒲天井とし、残りは化粧屋根裏になっている。

 
写真右下《仏教美術資料研究センター》
仏教美術資料研究センターは、仏教美術に関連する調査研究資料の作成・収集・整理・保管と、関係する図書・写真などの公開を目的として昭和55年(1980)に設置された。
建物は、明治35年(1902)竣工、同年奈良県物産陳列所として開館し、県下の殖産興業と物産の展示販売をおこなう施設として利用された。設計者は、建築史学者で当時奈良県技師として古社寺保存修理事業に尽力した関野 貞(せきの ただし 1867-1935)による。「関野ホール」は同館内中央部にあるアトリウム風のホールである。
その左右対称の優美な姿は、宇治の平等院鳳凰堂を彷彿させ、景観ともなじむ和洋折衷の名建築とされ、昭和58年(1983)1月7日に重要文化財の指定を受け、同年奈良国立博物館が管理するところとなった。
現在は同館の仏教美術資料研究センター(平成元年開館)として活用されている。

【詳細: 奈良国立博物館  同 施設案内

{ 新宿餘談 }
興福寺と春日大社にいだかれるように展開する「奈良国立博物館」の庭園は、知られざる名庭園です。寺社めぐりだけでなく、同館「青銅器館-坂本コレクション」も息を呑む迫力です。なら旅のあたらしい楽しみにぜひ。 参考:奈良国立博物館メルマガ No. 155 

〔弥生三月春をまつ〕きょうは冴返る朝だったが 空中庭園にもすこしずつ春が ……

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歳時記でいう ── ようやく暖かくなりかけたのに、また寒さがもどってくることを「冴え返る」という。凍イテ返る・寒戻るともいうし、余寒・春寒ともいう。
ようするに今朝(3月8日)は息が白くなるほど寒かった。

翻然とまた敢然と冴返る  相生垣瓜人

無精で寒がりの「空中庭園造園家」を見るに見かねたのか、ノー学部がヒヤシンスとマーガレットのような、黒ポットにはいった小鉢を(勝手に)花屋から購入してきた。
野面で摘んできた艸花をこのみ、花屋の植木鉢で育った花卉を苦手とするやつがれ、そのまま放っておいた。急速にマーガレットの花勢が衰微してきたので調べたら、ちいさな黒ポットのなかで根がすっかり巻いていた。あわてて大きな鉢に植え替えをしたら、また元気を恢復した。
けさは余寒にも負けず敢然と冴返っていた。

【催事】王子装束稲荷神社 初午 2月7日[水]開催

王子装束ゑの木 大晦日の狐火王子装束ゑの木 大晦日の狐火 国立国会図書館 請求記号:寄別1-8-2-1

〔活版 à la carte 関連既出情報:【催事】{歌川広重 王子装束ゑの木 大晦日の狐火}再現 第25回 王子 狐の行列 大晦日夜九時ゟ
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2-2
北区教育委員会
装束稲荷神社 しょうぞくいなりじんじゃ
東京都北区王子2-30-13

昔は、この辺り一帯は一面の田畑で、とても寂しい場所でした。その中に榎エノキがあり、装束榎と呼ばれていました。
大晦日になると関東一円の狐が榎のもとに集まり装束を整え、近くの王子稲荷神社へ初詣をしたという伝説があり、 広重の浮世絵にも描かれています。榎は現存しませんが、現在は榎のあったそばに装束稲荷神社と装束榎の碑があります。
──────────
名所江戸百景

浮世絵師歌川(安藤)広重の最晩年の風景版画のシリーズ。版元は魚栄で、安政三年(一八五六)から同五年にかけて出版された。総数は、二代広重の「赤坂桐畑雨中夕けい」の一枚を加えて、百十九枚である。
広重はこのシリーズの構図構成で、中景を廃して、近景と遠景だけで作画しており、広重ブリューといわれる藍をいかした着彩法を用いて、画趣に富んだ作品としている。また彼の作画上の特性である雪・雨・霧・月などを活用して、情調的な図を多く描いている。

なかでも「大はしあたけの夕立」「王子装束ゑの木大晦日の狐火」「深川洲崎十万坪」は三役物とされ、「日本橋雪晴」「廓中東雲」「墨田河橋場の渡かわら竈」「隅田川水神の森真崎」「真乳山山谷堀夜景」「糀町一丁目山王祭ねり込」「浅草川首尾の松御厩河岸」「昌平橋聖堂神田川」「赤坂桐畑」「駒形堂吾嬬橋」「亀戸天神境内」「佃しま住吉の景」「京橋竹がし」「猿わか町よるの景」「両国花火」「目黒太鼓橋夕日の岡」「御厩河岸」「愛宕下藪小路」「虎の門外あふひ坂」「深川木場」「千住の大はし」「よし原日本堤」などが佳作とされる。全作品は『浮世絵大系』一六・一七に収められている。(参考:『国史大辞典』吉川弘文館)
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王子村
[現]北区王子一-六丁目・王子本町一-三丁目・十条台一丁目・東十条三丁目・岸町一-二丁目

十条村の南にあり、南は王子川(石神井川)を隔て滝野川村。荒川の右岸に臨む地であったので元来は岸村といったが、紀州熊野の若一王子(にやくいちおうじ)宮(現王子神社)を勧請してから王子村に改めたと伝える(風土記稿)。日光御成道が南東から北西に通る。
田園簿には王子村とあり、田-八八石余・畑-三九石余。内訳は王子権現領二〇〇石・江戸芝愛宕権現領一一〇石余・浅草幸龍寺領一八石余。王子権現領は天正一九年(一五九一)、幸龍寺領は寛永二年(一六二五)、芝愛宕権現領は同一三年に与えられており、いずれも朱印地で(寛文朱印留)、幕末まで変わらない(旧高旧領取調帳)。
文化・文政期の家数八六(風土記稿)。安政二年(一八五五)の家数九一・人数五四九、馬二。日光御成道両側に茶屋が並んでいた(「川口・岩淵宿組合地頭姓名其外書上帳」永瀬家文書)〔中略〕。

王子村の鎮守は王子権現。このほかに稲荷社(岸稲荷、現王子稲荷神社)があり、寺院には王子権現・稲荷両社の別当寺として古義真言宗金輪寺(現真言宗霊雲寺派)があった(風土記稿)。
稲荷社は関東所々の稲荷明神の棟梁といわれ、毎年一二月晦日の夜に関八州の狐が集まって狐火をともすといい、地下人らはこの火を見て翌年の作柄の良し悪しを判断した(江戸名所記)。これは狐火会とよばれた(風土記稿)。
飛鳥山の花見などと合わさって一八世紀半ばから参詣者が増加し、周辺に料理屋・茶屋が多くできた。文政七年(一八二四)の江戸買物独案内には王子稲荷前の料理屋海老屋喜左衛門・扇屋安右衛門の店がみえている。参道で土産として売られた狐の紙人形は、江戸時代後期には暫狐などのように歌舞伎役者の舞台姿を写した絵柄となった。(参考資料:『日本歴史地名大系』平凡社)

王子狐

王子装束稲荷

{とどめの蛇足}
はつ‐うま 【初午】
2月の最初の午の日。また、その日に行われる各地の稲荷神社の祭礼。
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というわけで、蛇足がながくなりましたが、

2月7日[水]、装束稲荷神社 初午

2月の午の日は稲荷神社の祭日です。
今年の初午は2月7日(水)、二の午は19日(月)です。
装束稲荷神社では社務所で火防凧をお頒ちします。
甘酒の接待もご用意しています。ぜひお参りください。

【詳細情報: 王子狐の行列 】 ☆初出:01月23日

【研究会】 糸・紙・繊維・布 ─ 原 啓志さん 亜麻の花と亜麻の種

原さん_亜麻01原 啓志さん水彩画  亜麻 ( Flax ; Linum usitatimum

高級リネンが 書簡用紙として
シガレットペーパーとして
コスメテイックペーパーとして生まれ変わる 〔原 啓志〕

亜麻 ( Flax ; Linum usitatimum )は、中央アジアおよびアラビア原産の一年生草本で、直径約 2 mm の茎が真っ直ぐ 1 m 程度まで生長する。
北緯40-50度の地域では、春に播種し、夏から秋にかけて開花、結実する。
暖かいナイル川流域では秋に播種する。
生育には100-120日、降雨量は 700 mm を必要とする。
下部の葉が落ちる頃、刈り取り又は引き抜き、川や池に浸けて精練(レッティング)を行った後、砕茎、打麻(スカッティング)により、長繊維(ライン)さらには亜麻布(リネン)を得る。この時に派生する短繊維(トウ、ウェイスト)の一部を亜麻パルプの原料とする。

エジプトの遺跡から発見された最古の布は亜麻でできていた。この後ピラミッドから発掘された見事な亜麻布は、ニューヨークのメトロポリタン博物館にもたくさん保管されている。
日本への渡来は1690年頃に製薬用の亜麻仁油を採るために栽培されたのが最初であり、明治に入って繊維用の栽培が北海道で初めて成功したが、現在日本ではほとんど栽培されていない。

ところで1100年から1700年頃にかけて、欧米各地に伝播した製紙における最初の原料は襤褸(ボロ)であり、木材パルプが作られるようになるまでは、衣料襤褸がおもな製紙用の原料であった。
中でもリネン襤褸は強度その他の特性から、高級筆記用紙、書簡用紙、高級ボンド紙、特殊薄葉紙、たばこ用巻紙、脂取り紙などに使用されてきた。
日本製紙パピリア株式会社ではこうした亜麻の特性を生かして、高級書簡用紙、印刷用紙のエクロンライティングのほか、旧三島製紙株式会社が創業以来生産している、たばこ用巻紙、脂取り紙などをつくっている。
ベルギーにある国立亜麻博物館に栽培されている亜麻の原種は、あまり背が高くなく、茎も分岐しているが、可憐な美しい花を有史以来咲かせ続けている。

原さんresized【 原 啓志 (はら-ひろし)さん プロフィール 】
・ 1949年  佐賀県生まれ 幼少時より東京北区で育ち、王子の「紙の博物館」が遊び場だった
・ 1973年  東京農工大学卒業  三島製紙株式会社入社
・ 1984年  農学博士(東京大学)
・ 2008年  日本製紙グループの事業再編に伴い、三島製紙株式会社が日本製紙パピリア株式会社となる
・ 2013年  日本製紙パピリア株式会社常務取締役を退任
・ 2014年  高知県製紙工業会紙産業特別技術支援員(2017年3月契約終了)

この間、三島製紙株式会社・日本製紙パピリア株式会社の、開発室長兼開発研究所所長、吹田工場長、原田工場長、本社技術開発本部長、高知工場長を歴任。
1981年と1989年に紙パルプ技術協会賞受賞。

和紙、非木材繊維、パルプ、紙の表面性、吸液挙動等の研究、シガレットペーパー、情報記録用紙、薄葉印刷用紙、ケナフ紙などの特殊印刷用紙、透き入れ紙、特殊紙の開発を手がけるほか、ISO 9000 シリーズ、PL 法対策にも関与。
紙や特殊紙の講演、執筆も多数。
ヨーロッパの手漉き紙に日本の山野草や小動物などを描いた個展を開く。
洋風の食材をモチーフにしたイラストとデザインで、1997全国カレンダー展日本印刷産業連合会会長賞を受賞など趣味も多い。
著書 : 『紙のおはなし』(日本規格協会)、『印刷用紙とのつきあい方』(印刷学会出版部)
共著 : 「最新加エガイド」、「特殊機能紙」、「現代デザイン事典」、「おもしろい繊維のはなし」、「紙パルプ技術便覧」、「紙パルプ事典」ほか

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「十年ひと昔」という。このごろは「うしなわれた20-25年」ともいう。
製紙業界の中枢にながらく勤務された原 啓志さんとの交流は1992年にはじまった。すなわち「ふた昔半」前からのおつき合いであり、「経済一流、政治三流」とみずから嘯き、外国から揶揄されていたわが国が、国勢の下降をはじめた「失われた20-25年」と合致する。

20171012151428_00001 20171012151428_00002中国最古の字書『説文解字』(後漢の許慎著)より <糸 ・ 糸編の字の一部>
『説文解字』(中国紫禁城図書館 黄山書社 2010年 宋版徐本の復刻本)

25年前とは、やつがれが40代後半、原啓志さんが40代前半、まさに元気と勇気と遊気は旺盛だった。それでもいつお会いしても、「昔はよかった …… 」 というようなはなしに堕することがないことがうれしい。
はじめは「草-ケナフから紙をつくりたい」というやつがれの無謀なこころみが縁だった。
’70年代から中国にいくことが多く、宏大な大地における木材資源の枯渇を眼前にし、その地の十数億のひとたちの、印刷用紙・生活用紙・包装用紙の使用が漸増から激増するのをみて危機感をいだいた。
それで木材資源にかえて「草-ケナフから紙をつくりたい」と希望したが、当時はそんな試みは無謀とされ、たれも耳を貸さなかった。ところがそんな逆風のなか、たった一社、ひとり三島製紙の漢 オトコ たちが協力してくれた。

原さんはいかにも技術者らしく冷静にかたられた。
「草の繊維から布や紙をつくっていたのは、木材パルプよりずっと古い歴史があります。できないことはありません」
紆余曲折はあったが、こうして誕生したのが「ケナフ100」であり、その用紙をもちいて『 Y・M・D-モノ・ヒト・デザイン 飛躍する地場産業への提言』(五十嵐威暢企画、マギー・キンザー佐伯著 1993 品切 朗文堂)をつくって、フランクフルトのブックメッセに出展した。
日・英二ヵ国語表記であったが、メッセでは「草からつくった図書」として話題になった。9784947613097DSCN8199 『 Y・M・D-モノ・ヒト・デザイン 飛躍する地場産業への提言』のときは、その用紙を「ケナフ100」と呼び、いわば小社による三島製紙株式会社への特注品ともいえる、別寸特漉き印刷用紙だった。

《 文字百景 1995年6月-1999年12月 印刷用紙にケナフ100を全冊採用 》
B6 判中綴じの小冊子『文字百景』(組版工学研究会 朗文堂)百冊を、1995年6月-1999年12月、四年半ほどのときをかけて発行した。
印刷用紙は当時の三島製紙「ケナフ100グリーンエイド 四六判横目70kg」、題字製作 : 美登英利さん、フォーマット製作 : 白井敬尚さんであった。
「文字百景と謳ったんだから、百冊だすぞ」、と威勢はよかったが、当初は20-30冊も発行できれば……と内心はおもっていた。幸いおおくの協力者を得て百冊の刊行を終えた。
上掲写真は合本で、国立国会図書館、印刷図書館などが所蔵している。
20171030115826_00001 20171030115826_00002 20171030115826_00003「草からつくった紙-ケナフ」のことはあらかたここにしるした。関心のあるかたは PDFデーターからお読みいただきたい。『文字百景 022』 紙をつくってみました(1996年6月)

〔参考 PDF データー made of kenahupaper 18.70MB 〕 

《朗文堂愛着版『花あしび』(堀 辰雄著)に透かし紋様を入れた特注図書用紙を製造》

Bashibi[1]花あしびによすタイポグラフィつれづれ艸  花あしびによす

あえて朗文堂愛着版と謳った。この図書『花あしび』(堀 辰雄著 2000年 朗文堂)にはつよいおもいいれがあり、また故堀辰雄の夫人:堀多恵子氏の支援もいただいていた。
『花あしび』(堀 辰雄著)の本文用紙は三島製紙「オークバルキーオペーク グリーム」を選択した。
この用紙の原材料はカナダ産の広葉樹を中心としたパルプ材からつくられるもので、図書としての保存性を重視し安定した品質の「中性紙」で、わたしたちの要求にもっともちかい、すぐれた性質を有しており、また小社では書物用紙として普段から使いなれていた。

基本的な用紙の品質や印刷適性は安定していたのでなんの問題もなかったが、それでも市販品としての「オークバルキーオペーク クリーム」をそのまま使用したわけではなかった。
当時は「花あしびスペシャル」とよんでいたが、汎用性のたかい書物用紙を、『花あしび』専用に三島製紙に依頼して、「別寸特抄き」によって、透かし紋様(Water mark)をいれて抄造することにした。

書物としての風合いと重厚感をねらって、すこし厚くて重めの斤量、一平方メートルあたり104.7 g、すなわち四六判千枚あたりの重量が 90 キログラムで、一枚あたりの紙厚が 0.125 mm になる用紙を特別に注文した。
そして原材料のパルプ材には、「なにも足さない、なにも塗らない」を基本として、スーパーカレンダーにつよい圧力をくわえず、やわらかくて、やさしい、しなやかな風合いをねらってつくられた。

書簡用紙とは異なり、書物の本文用紙に透かし紋様をいれるばあいは、あくまでも印刷適性を損なわず、平滑性がある用紙にしあげることがもとめられた。またこの用紙が、印刷、製本などの工程をへて一冊の書物となったときに、あらかじめ指定した基本位置にマークが配置されるように工夫することももとめられた。
そもそも透かし紋様とは、全体が均一で平滑性のあることを目指す印刷用紙に、あえて不均一な部分を加えることになる。この二律背反した要求にこたえるために、すべての抄造工程や、寸法誤差や、紙の収縮を考慮したうえで、マークの形状や、おおきさをきめることがもとめられた。

そのために三島製紙株式会社の力づよいバックアップをいただき、何度か朝四時起きで東名高速道をはしり、三島製紙の主力工場:原田工場に出向いた。朝八時に三島に到着、当然そこには開発室長兼開発研究所所長の原 啓志さんがにこやかに出迎えてくれた。
ともかく巨大で精緻な、用紙の抄造機をみるとわかるが、恣意的で独断的な紋様を工場側に押しつけるだけでは、透かし紋様の抄造には困難をきたすことになる。

『花あしび』の企画では、透かし紋様自体が目的ではなく、堀辰雄先生へのオマージュがもともとのねらいだったから、多恵子夫人から拝借した、故堀辰雄氏愛用の印鑑「堀」の印影をもとに、極力抄造の作業が容易になるように、開発担当者:原 啓志さんの意見をうかがいながらマークの形象に検討をくわえた。
透かし紋様の技術には、用紙にたいして、マークの部分が凸状になる「黒透かし」と、マークの部分が凹状になる「白透かし」と呼ばれる技術がある。
『花あしび』には、マークは凹状の「白透かし」が実施されている。
これらの詳細は<『花あしび』制作ノート>にしるされ、『花あしび』と同梱で販売された。
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《共通の友人:古澤省吾さんから 亜麻 の種子をお分けいただいた》
古澤省吾さん2017.08.15resized古澤省吾さんは神田駿河台で商事会社「株式会社 エヌ・ビー・アール」を営まれている。
きわめて行動力のあるかたで、いずれ本欄でも紹介したい魅力的なかたである。

たまたま同社の事業に「亜麻」があり、種子をすこしお分けいただいた。古澤さんは亜麻のやわらかい種子(仁)から、「亜麻仁油」を製造販売されている。
亜麻は冒頭の原 啓志さんの水彩画のように可憐な花が咲くらしい。そして糸ができ、布ができ、紙ができ、種子からは油ができるらしい。小社のノー学部育種科が夢中になるのもむべなるかなである。公開画像によれば下掲写真のようになる。
いまから播種のとき、春の到来と、「艸木風信帖」への報告がまたれるこのごろである。
亜麻の花

【艸木風信帖】 07 10月上旬「おかわかめ」が開花。どうかこのあいらしい姿を見て欲しい

DSCN3774 DSCN8259-627x470[1]《吾らが おかわかめ は愛称で、正しくはアカザカズラというらしい》
小社に「おかわかめ倶楽部」なるふしぎな会があって、数名の会員が存在している。
おそらくノー学部が気まぐれに、どこかから一鉢の「おかわかめ」を入手して、その挿し芽やムカゴをあちこちに配布したものらしい。{文字壹凜 おかわかめ Summary

吾が「空中庭園」にもすこしだけ植えてみた。はじめは緑のカーテンになることを期待していたが、かなり暴れもののつる性植物で、いつのまにかベランダの手すりに巻きついて繁茂していた。それと水遣りの難しい場所に鉢を移動したので、施肥もままならず、そのまま放っておいた。
九月上旬に東京でかなりの降雹があって、「おかわかめ倶楽部」会員からの被害報告がつづいた。幸い空中庭園での被害は軽微だった。
IMG_7756-627x627[1]ちょうどその頃、いつも莨(艹+良い → タバコ・莨は個人の意見にあらず。辞書にあたっていただきたい。Tabaco ポルトガル語、ひとにより煙草ともしるす)を買いにいく食材店の店頭に、沖縄食材のゴーヤとならんで、「おかわかめ」がパックいっぱいに入って売られていた。葉は肉厚でおおきく、周縁部にいくぶんうねりがある迫力あるものだった。悔しいが、吾が「空中庭園」のそれとは比較にもならない質量感があった。

食材店の店頭からゴーヤとおかわかめが消えてしばらくときが経過した。10月初旬、吾が空中庭園のおかわかめが花をつけた。開花はほとんど期待していなかったのでうれしかった。この花から種子ができるのかを調べようと手許の辞典にあたった。

そもそも「おかわかめ」は近年の愛称らしく、専門的にはアカザカズラ(学名: Anredera cordifolia)とされ、ツルムラサキ科のつる性多年草である。
南アメリカ原産の野菜で、観賞用にも栽培される。 多肉質の葉とムカゴを持ち、ながいつるとなって繁茂する。食用植物としては、生ではとても苦いので、ゆがいておひたしにしたり、味噌汁の具などに供される。このときの食感がぬるぬるとした粘りがあって、海のワカメに似た食感となる。これがして「オカヒジキ」と同様に「おかわかめ」とされたようである。

その栄養価は、葉物野菜の中では高く、葉酸、カルシウム、ビタミンA、ミネラルが豊富とされ、地下茎から葉、茎までのすべてが食用になる。こうした効用があるために近年では薬用植物として注目され、雲南百薬、琉球百薬とも呼ばれている。

「おかわかめ」の花はちいさな花弁ではあるが、淡黄色で房状をなし、ブドウの房のようにどんどん垂れさがってくる。そしてわずかな香りがあって、「紫蘇の花に似ている」と家人はいう。この花が種子となるのかはまだわからないが、ムカゴをドンドンつけるので繁殖には問題はなさそうである。

おもしろいことにグーグルの画像集には「おかわかめ」の画像が相当量紹介されていたが、食材としての葉の紹介や、調理後の写真がおおおく、開花報告は少なかった{グーグル おかわかめ画像集}。
考えてみれば、食用として栽培していれば、開花前に食してしまうことになるし、緑のカーテンのように観賞用としての栽培でも、10月中旬ともなればもはやその役割をおえているためとおもわれた。

つる草で観賞用の花としては春の藤が知られるが、「おかわかめ」は花の観賞用とはされていなかったので、たれもその開花に関心をむけなかったのかもしれない。
したがってモデルさんとしての「おかわかめの花」は写真映えはあまりないが、ここにご報告した次第である。
DSCN3771

【艸木風信帖】 06 新潟県長岡市の会員「紙漉 サトウ工房」さんからトロロアオイと吾亦紅の開花のお便りをいただきました

【紙漉 サトウ工房 佐藤徹哉さんからのメール】

サラマ・プレス倶楽部の皆さま
ごぶさたしております。
『 Salama Press Club NewsLetter  Vol. 35 』無事に到着しております。
会報誌35号表紙resized

『 Salama Press Club NewsLetter  Vol. 35 』 (Previous 2017 )
表紙使用活字 : 36 pt.  セントール〔Centaur〕、 18 pt.  花形活字
★ 【会員からのお知らせ】
新潟会員 紙漉き「サトウ工房」佐藤徹哉さんからの「良寛と巻菱湖」展報告レポート

秋のバタバタにとり紛れ、お礼遅くなり申し訳ありませんでした。
ひと月ほど前からでしょうか、種を分けて頂いた背の高い方のトロロアオイ〔東京都あきる野市五日市町由来〕がようやく花を咲かせています。よかったです。
この先が心配になるほど肌寒くなったと思ったら、明日はまた暑くなるとか、ややこしい陽気で勘弁してもらいたいですが、皆さまどうかお体に気をつけてお過ごし下さい。
それではまた!
* 
紙漉 サトウ工房 佐藤徹哉
新潟県長岡市軽井沢
IMG_3086【サラマ・プレス倶楽部から 紙漉 サトウ工房さんへの返信メール】

紙漉 サトウ工房
佐藤 徹哉 様  奥 様

こちらこそご無沙汰いたしております。
このたびはサラマ・プレス倶楽部会報誌に寄稿くださりありがとうございました。
おかげさまで、今号は充実した掲載内容となりました。
 
また今般はトロロアオイの写真を添付くださりありがとうございます。
吾亦紅 ワレモコウ とトロロアオイが一緒に咲いている風景をはじめて見ました。なんと風情があることでしょう。
両方の花の色や質感、大きさの対比も素敵ですね。トロロアオイの花の芯と顎の赤茶色がかった部分の色と、吾亦紅の渋みのある赤との色味に共通するものがあり、とてもおもしろいコラボレーションですね。
 
ご報告が遅れましたが、佐藤さんからいただいた背の低いトロロアオイの種から、田中智子さんが育てた株に、花が咲いた写真と記事を サラマ・プレス倶楽部の website に掲載しておりますのでご覧ください。
このように背の低いトロロアオイを鉢植えにしたものを写真で見ると、なんだか黄色いハイビスカスの鉢植えにも似て見える気がします。
 
気温の変化の激しい時節ですし、これからますます紙漉きのお仕事のお忙しい季節到来
となるのではと思います。
佐藤さんも奥さんも、お身体をおいたいのうえ、どうかお健やかにお過ごしください。
朗文堂 サラマ・プレス倶楽部  大石 薫

{文字壹凜 トロアオイ Summary

鹿児島イベント DSCN7733[1] DSCN7734[1]2014年 Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO  出品作品紹介

【 テーマ 】     コトバと活字
【 作品名 】    連作 『 秋 』 より ― 吾 亦 紅 ―
【 作者名 】    桐島カヲル ( Lingua Florens )
【 版式 ・ 技法 】  文字 : 凸版 ( 活字版印刷 )  図版 : 凸版 ( 樹脂凸版 )

吾 亦 紅 ―― ワレモコウ ――
―― 野辺に咲く すべての紅い花を集めよ ――
と命じた殿様の
帰路を眺める いにしへの女 ひとり
―― ワレも紅ナリ ――

気位という 衣を纏い
乞うことも 恋がれることもなく
古血の味のみぞ知る

さりとて
女は産まれながらにして 女
そしてまた
女は枯れ尽き果てて なおも 女

【艸木風信帖】 05 晩夏を彩る〝さるすべり 百日紅 漢名:紫薇 シビ〟と 安立院戒壇石〝葷酒山内に入るを許さず〟

谷中サルスベリ0909夏の気候が不順だった。夏のあいだに啼き足りなかったのか、気息奄奄たる蟬が一匹、とぎれとぎれに鳴いていた。あしもとの草叢からはすだく蟲の音が聞こえていた。
09月09日[土]、蒼空は抜けるように晴れわたっていた。

<平野富二生誕170年祭>のもろもろの準備のため、日吉、玉井、時盛さんらと谷中一円を散策した。道中サルスベリの古木に紅の小花が群がり咲いていた。最近の街路樹用に品種改良されたものとは違って、幹はうねりながら平滑で、瘤も多く、まさしく猿も滑りそうな「さるすべり 百日紅」であった。漢名は「紫薇 シビ」としるす。
谷中掃苔会170909谷中霊園の平野家塋域で、三時間ほどをかけていくつかの刻字を採取した。写真右端の玉井玉文堂は、日頃の寝不足と拓本採取作業で疲れてほぼ半睡状態だった。
採拓に立ちあいながら、もっぱら「石に字をきざむ」ことを考えていた。このごろは「彫る」とすることが多いが、明治期の石工はこうしたことば乃至は字をほとんど石にのこしていない。

石工がのこした字は「刻 コク ・ 鐫 セン ・ 雕 チョウ」である。
「鐫」は字音はセン、意読はのみ・えるであるが。名詞は木石をうがつための金属ののみで、動詞では鋭い刃物で木石に深くうがち、ほりさげるの意となる。
白居易・青石にこんな用例がある。「不鐫実録鐫虚辞 → 実録を鐫らず虚辞を鐫る」
類字語に「鑿」がある。すなわち「鐫・鑿」は、金属ののみで木石を深く掘りさげ、うがつことであり、「ほる」ことではない。

「雕・彫 チョウ」はきわめてちかしい字音と字義ではあるが、やはり「雕と彫」では意味領域が異なる。「雕」は名詞では猛鳥わしの名で、動詞では「きざむ。える」の意となる。
台湾ではいまだに手技によって版木に字をきざむ工匠がいて、その作業状景を見ればおよそ「彫る」という字ではあらわせないことが明白となる。当然雕字ないしは刻字とあらわす。

雕字や刻字が、手技にかえて「機械彫刻」となり、サンドブラスト技法となった現代では、いかにも雕刻機ではすわりがわるく、わが国では「雕」の字が次第にもちいられなくなりつつあるのかもしれない。技術の変化は、ときとしてことばと字を滅ぼすことがある。
こんな時代背景がある故に「雕チョウ と 彫 チョウ」というふたつの字画があり、それは異体字とはされないのである。
「彫刻」という、これらの字義を包摂する、あまりにも便利な字句を創出したのは、わが国の近世においてであるようである。

01_DSCN362707_DSCN3632このときも、いくつかの刻字をながめながら、「石に字をきざむ」ことを考えていた。
ふるい資料で、恥ずかしながら、まだ「彫刻」ということばにもたれかかっている部分があるが、このURLの片隅に<石のエクリチュール>と題した PDF 8.41MB がある。リンクを設定しておいたので、秋の夜長にご笑覧賜れば幸甚である。 
石のエクリチュール長養山安立院山門170909 _安立院戒壇石170909谷中めぐりと採拓作業を終えて、日暮里駅に向かう途中、安立院の近くの木陰で水分補給を兼ねて一服した。
山門前の戒壇石に、お定まりの「葷酒山内に入る許さず」とあった。「葷 クン」はネギやニラなどの臭気のつよい野菜で、「酒」はいわずと知れたサケ。

友人に曹洞宗の僧侶がいるが、酒豪かつ愛煙家でもある。禁酒を強いられた僧侶の隠語では、サケを「般若湯」とする。したがって葱(ネギ)や韮(ニラ)、そして酒は禁止でも、莨(たばこ)と般若湯(さけ)なら許されるらしい。
ちなみに「草冠 艹 に 良し」とする「莨」は、字音は「ロウ」であるが、意読では「たばこ」であり、煙草(えんそう・たばこ)と同義でもある。ふつうに変換するから試していただきたい。
字とことばとは、玄妙であり、また便利かつ危ういものでもある。
「不許葷酒入門内」の戒壇石は秋のやわらかい陽光をあびて重かった。

艸木風信帖 文字壹凜Summary } 

【艸木風信帖】 03 トロロアオイの開花報告をいただきました。ゆく夏を惜しんで大輪の花があでやかです

田中01 田中02サラマ・プレス倶楽部会員/田中智子さんから、新潟紙漉サトウ工房からお分けいただいた矮性のトロロアオイの開花報告をいただきました。
ことしの天候はどこか不安定でしたが、花のすくない晩夏の時期でも、つぎつぎと大輪の花をつける健気なトロロアオイです。
田中さんは五日市の軍道紙工房由来のトロロアオイの育成経験がおありですが、おなじ品種とはおもえない茎のみじかさにおどろかれていました。
夏、ほんとうに終わるんですね。

【艸木風信帖】 02 長崎中島川と1982年長崎大水害の記憶

中島川桃渓橋から上流方向をのぞむ

長崎中島川桃渓橋 桃渓橋解説 宮川雅一氏と平野の会《35年前のあの日、長崎大水害が発生した ときの長崎市助役:宮川雅一氏を訪ねた》
蝉が啼いていた。
長崎の夏は、照葉樹「樟の樹」照りかえしもあって、ひときわ暑く、汗が滴りおちる。

平野富二生誕170年とあわせ、<「平野富二生誕の地」碑建立有志会>の古谷昌二さん、平野正一さんと長崎を訪問。
いまから35年前、1982年(昭和57)7月23日かつてない驟雨が長崎を襲い、おおきな被害をもたらした。世にいう{長崎大水害}である。
そのとき長崎市の助役であったのが宮川雅一氏。現在は長崎都市経営研究所所長・長崎市史談会顧問。{ 文字壹凜 Summary
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あれから35年、半壊状態となった眼鏡橋も再建されて、長崎の町は力づよく復興した。中島川と西島川の合流地点を中心に河川整備もすすんだ。
それでもことしは福岡県と大分県の県境付近に集中豪雨が発生し、甚大な被害をもたらしたばかりであり、複数のメディアから宮川雅一氏へ、復興をめぐる体験の取材が続いているということであった。
桃渓橋は観光名所「眼鏡橋」からほんのすこし上流にある。西道仙揮毫になる橋名碑も健在だった。川面をわたる一陣の涼風が心地良かった。

【艸木風信帖】 01 梅雨があけました 日本の夏のはじまりです

DSCN285607月19日、例年よりふつかはやく関東地方に梅雨明けが発表されました。
ことしの梅雨は不安定で、九州での集中豪雨があり、全国各地で低気圧の影響で颱風なみのおお荒れの天候の日もありました。
被災地の皆さまに心からお見舞い申しあげますとともに、皆〻様はご健勝にて梅雨を乗りきられましたでしょうか。
DSCN2854 DSCN2835 DSCN2831吾が「空中庭園」では、梅雨明けをむかえて矮性の「百日紅 サルスベリ」が薄紫の花をつけ、日ごとに色を濃くしています。
またうっかりすると見落としてしまいますが、観葉植物として知られる「ワイヤー・プランツ」もあえかな花をたくさんつけ、蜜蜂のお気に入りのようです。
これから「日本の夏」です。暑さにまけず、カラッと元気におすごしください。