タグ別アーカイブ: トロロアオイ

【艸木風信帖】空中庭園とその付属庭園|梅雨の長雨・夏の炎暑に負けず秋の艸花が開花|志茂太郎没後40年

デュランタ2【デュランタ】
デュランタは藤色や白の小花が集まって房状に垂れ下がって咲く人気の熱帯花木で、夏の鉢物としてよく流通しています。丈夫で開花期間が長く、楽しめる花木です。
[ 参考 : NHK みんなの趣味の園芸
黄色いリコリス【彼岸花/曼珠沙華】
中国原産で、彼岸花、曼珠沙華といった名前で昔からわが国でも知られていますが、これは栽培種でリコリス。開花期を迎えると、葉もなく、またたれ
に知られることもなく地中から突然に花芽が姿を現します。 その先端は見る見るうちに天に向かってまっすぐ伸び、大胆に反り返った花弁、突き出した雄しべ雌しべの神秘的な花姿とともに私たちを驚かせます。

[ 参考 : ウィキペディア 彼岸花DSCN0716 DSCN0719 下のトロロアオイ【 吾が空中庭園の秋の女王|トロロアオイ 】

歩きゐて  日暮るる  黄蜀葵かな  澄雄

吾が空中庭園の女王 : トロロアオイが次〻に大輪の花をつけている。
寝起きに「ロダンの椅子」に腰をおろしてこの花をみるのが最大の朝のよろこびである。
空中花壇にはトロロアオイを二鉢植えてあるが、ひとつは五年物、ひとつは四年物で、ときおりみる一年草という紹介とはすこし違うようである。

もうすこし秋がふかまると、蒴果-サクカ(種子)は黒ずんで硬くなり、風に吹かれておもく揺れる。中にはごま粒ほどの種がみっしりと入っている。今回もみずからの復習と整理をかねて、辞典的な説明をさせていただいた。
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トロロアオイは中国原産のアオイ科の多年草で、漢名を「黄蜀葵 オウショクキ」と呼ぶ。
その根は胃腸炎・喉頭炎などの薬用となり、また手漉き紙の流し漉き用の「ねり 粘剤」の原料、あるいは観賞用に栽培される。
「ねり」は楮 コウゾ や 雁皮 ガンピ などの紙料の繊維を、水中に均等に分散して漂浮させ、均等な厚みと強靭な紙をつくるのに利用する。工業用には化成品もあるが、手漉き紙にはトロロアオイかノリウツギの根から抽出する粘液が好適とされる。

矮性種もあるが、ふつう茎は高さ 1-2m。葉は長い柄があり、手のひら状にヤツデのように 5-9 に深裂する。
夏から秋にかけて直径10cmほどのおおきな花を、茎の上部にまばらな穂状につける。花は朝顔のように短命で、朝方に開花し、午後には下掲写真のようにしぼむ一日花で、淡い黄色。中心部に鮮やかな赤紫色の目が入り美しい。おしべは多数、花柱は5本に分かれ青紫色。蒴果サクカは角ツノで5稜あり、剛毛があって熟すと硬くなる。
根部は長さ20cmほどの紡錘形に肥大する。根は粘液を多量に含み、打ち砕いて(叩解)水につけたものを手漉き紙の「ねり」とする。本来は多年草であるが、「ねり」にもちいるためには蕾をとり、根に養分をたくわえる。したがって農家での栽培上は一年草として扱う。
[ 参考 : ウィキペディア トロロアオイ ]{ 活版 à la carte  トロロアオイ 既出まとめ

kazari-upper20201006183115_00001志茂太郎  1900年(明治33)8月23日-1980年(昭和55)9月2日
岡山県久米南町山の城-くめなんちょうやまのじょう-の豪農兼酒造家にうまれ、東洋大学卒。
東京中野区に伊勢元酒店を営むかたわら「アオイ書房」を設立。愛書誌『書窓』ほか多くの図書を刊行。活字の一部を兵器に転用するとした政府の施策に異を唱え、それがもととなって1945年東京を追われ。帰郷して「日本書票協会」などを設立。そのまま岡山に歿す。山の城の志茂家専用墓地には、志茂太郎が植えたとされるトロロアオイが無数に自生しており、秋には大輪の花をつける。

[ 参考:『活字に憑かれた男たち』「変体活字廃棄運動と志茂太郎」PDF ]

【艸木風信帖】吾が空中花壇の女王|トロロアオイとウィキョウ|ことしも元気に開花です

トロロアオイ写真

ごてごてと 草花植ゑし 小庭かな

正岡子規(俳人・歌人 1867-1902)「小園の記」ゟ

吾が空中庭園 ── 失礼千万ながら、ひとにより「ベランダ鉢植え雑艸園」ともいう ── の女王「トロロアオイ」が花をつけている。もともと晩夏のころに咲いていたが、徐徐に開花時期がはやくなり、ことしの開花のはじめは6月6日で、それからほぼ毎日、一輪から三輪ほどのおおきな花をつけている。
この種子のもとは2009年05月に、都下あきる野市五日市町の軍道紙-ぐんどうがみ-工房からわけていただいた数株の苗にはじまった。あれから10年にもなるのかと驚くばかりである。もちろん中途に種子から育苗したので、これが何代目かわからないが、すくなくとも越冬年越しすること三回の古株である。

正岡子規の旧宅「子規庵」は、筋向かいの「書道博物館」ともども、鶯谷駅からしばらくの通路の環境はちょっとアレだが、お気に入りの場所でときおり訪れている。子規庵の庭には、いまなら朝顔が咲きはいめているだろうし、晩夏になると糸瓜-へちま-がぶらりと垂れさがっているのもよい。

フェンネル NHK趣味の園芸NHK 趣味の園芸 ゟ

ところでトロロアオイの左うしろでひょろひょろと咲いているのは「フェンネル ウイキョウ・茴香」である。吾が郷里信州では茴香と呼んで、新芽は茎ごとゆがいて食していたし、その根はタマネギにも似て、大きく甘みがあってなかなか良い。実家の庭に茫茫と勝手に生えていたので、野生かとおもっていたら栽培植物だった。もちろん空中庭園では一株だけの栽培である。

【トロロアオイ/黄蜀葵】
アオイ科の一年草。中国原産。草丈は本来2メートル近くになるが、最近は0.5-1メートルの丈の低い品種が多く栽培されている。葉は互生し、葉柄が長く、掌状に深く裂ける。
夏から秋、淡黄色で中心部が濃赤紫色、径15-20センチメートルのおおきな五弁花をつける。花は1日でしぼむが、茎の下位から上位へと順に次〻と開く。植物体全体、とくに根に粘質物を多く含み、これを手漉き紙を漉くときの糊剤(ネリ)として利用する。また花を観賞用・食用ともする。糊原料をとるための栽培では、開花・結実させないために、つぼみがついたら先端部を刈り取って根に養分をたくわえる。
活版 à la carte トロロアオイまとめ

【フェンネル、ウイキョウ(茴香、学名: Foeniculum vulgare)】
セリ科ウイキョウ属の多年生草本である。別名ショウウイキョウ(小茴香)。英語名からフェンネル(Fennel)またはフェネル、仏語名からフヌイユ (fenouil) とも呼ばれる。
フェンネルの鱗茎(葉柄基部が肥大したもの)はフィノッキオ (finocchio) とも呼ばれ、野菜としてタマネギなどのようにサラダや煮物、スープなどに用いられる。茎・葉は生食されるが、そのほかにも佃煮、シチューなど肉料理の香味野菜として使用される。

kazari-upper

バウハウス+ディスティル-2明治百五十年祭をはじめ、周年事業が盛んである。
オランダの新造詣運動<DE STIJL>は1917-1931、同名の雑誌『DE STIJL』に結集した造形者によって展開された。
<BAUHAUS> はデザイン教育機関で、第一次・第二次世界大戦の狭間にあって設けられた。

どちらも創刊100年であり、学校開設100年を迎えている。
2019年もなかばを過ぎたいま、小規模な展示会や講演会の話題はチラホラしているが、かつてのように大型展開催の情報は管見に入らない。上掲二冊の図書は、二十世紀初頭の混乱期にありながらも熱かった造形界の記録である。この忘れ去られたような二冊の図書をみていると、梅雨寒の昨今の陽気と似て、どこか造形界のモチベーションが低下しているようでさびしいおもいもある。

[画像データー作製:青葉水竜]

【花たより】天候不順、炎暑の夏でした|ここにきて各所から嬉しい花たよりを頂戴しています

《鹿児島会員》──── 「亜麻-フラックス
寒冷地を好むとされている「亜麻-フラックス」は、在京会員はこの夏の猛暑でほとんど全滅をみましたが、南国鹿児島から開花たよりをいただきました。ウ~ン、再度古澤さんから種子をわけていただき、来年こそは …… の思いを強くしました。

亜麻の花 鹿児島会員《埼玉会員》──「おかわかめ
ことしも「おかわかめ」が元気に花をつけたと、埼玉県志木市在住の会員からご報告がありました。南に面したベランダでの栽培だそうですが、ことしも可憐な花をたくさんつけたようです。
独身男性陣は、この夏の酷暑でほとんど壊滅をみたようで話題にしたがりません。

わが空中花壇では元気ですが、もはやベランダ空間から脱出して、すっかり手すりの向こう側にいってしまって写真はとれません。下掲写真は昨年10月のものです。
おかわかめの花 埼玉会員 IMG_1129 IMG_1130DSCN3771《空中花壇》────「トロロアオイ」
吾が空中花壇の女王「トロロアオイ」は、ことしは櫻の季節に花をつけたりして妙なぐあいでしたが、咲くときは咲くんだ ── とばかり10月最終週に次〻と花をつけています。

また一年、この花との早朝の語りあいができなくなります。すこし淋しい「晩夏」です。
DSCN9275 DSCN9288《この巨木が近〻みられなくなるそうです …… 》
明治通り(環状六号線)は来たるオリンピックで主要幹線道路になるそうです。そのために伊勢丹のある新宿三丁目の繁華街をさけ、池袋方向から渋谷方向への車が代々木付近まで直進できるように、世界堂と小社の中間にあるこの街路樹のある中央分離帯が撤去され、左右二車線、歩道付きの道路に改装がはじまっています。
夏は木陰を、冬は風よけになっていたこの巨木は、まもなく切り倒されるようです。
その工事予定表が掲出されてから、アッというまにペットボトルや缶コーヒーの空き缶が放置されるようになりました。深夜の帰宅の折り、さびしい思いでそんな光景をながめています。
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【艸木風信帖】 06 新潟県長岡市の会員「紙漉 サトウ工房」さんからトロロアオイと吾亦紅の開花のお便りをいただきました

【紙漉 サトウ工房 佐藤徹哉さんからのメール】

サラマ・プレス倶楽部の皆さま
ごぶさたしております。
『 Salama Press Club NewsLetter  Vol. 35 』無事に到着しております。
会報誌35号表紙resized

『 Salama Press Club NewsLetter  Vol. 35 』 (Previous 2017 )
表紙使用活字 : 36 pt.  セントール〔Centaur〕、 18 pt.  花形活字
★ 【会員からのお知らせ】
新潟会員 紙漉き「サトウ工房」佐藤徹哉さんからの「良寛と巻菱湖」展報告レポート

秋のバタバタにとり紛れ、お礼遅くなり申し訳ありませんでした。
ひと月ほど前からでしょうか、種を分けて頂いた背の高い方のトロロアオイ〔東京都あきる野市五日市町由来〕がようやく花を咲かせています。よかったです。
この先が心配になるほど肌寒くなったと思ったら、明日はまた暑くなるとか、ややこしい陽気で勘弁してもらいたいですが、皆さまどうかお体に気をつけてお過ごし下さい。
それではまた!
* 
紙漉 サトウ工房 佐藤徹哉
新潟県長岡市軽井沢
IMG_3086【サラマ・プレス倶楽部から 紙漉 サトウ工房さんへの返信メール】

紙漉 サトウ工房
佐藤 徹哉 様  奥 様

こちらこそご無沙汰いたしております。
このたびはサラマ・プレス倶楽部会報誌に寄稿くださりありがとうございました。
おかげさまで、今号は充実した掲載内容となりました。
 
また今般はトロロアオイの写真を添付くださりありがとうございます。
吾亦紅 ワレモコウ とトロロアオイが一緒に咲いている風景をはじめて見ました。なんと風情があることでしょう。
両方の花の色や質感、大きさの対比も素敵ですね。トロロアオイの花の芯と顎の赤茶色がかった部分の色と、吾亦紅の渋みのある赤との色味に共通するものがあり、とてもおもしろいコラボレーションですね。
 
ご報告が遅れましたが、佐藤さんからいただいた背の低いトロロアオイの種から、田中智子さんが育てた株に、花が咲いた写真と記事を サラマ・プレス倶楽部の website に掲載しておりますのでご覧ください。
このように背の低いトロロアオイを鉢植えにしたものを写真で見ると、なんだか黄色いハイビスカスの鉢植えにも似て見える気がします。
 
気温の変化の激しい時節ですし、これからますます紙漉きのお仕事のお忙しい季節到来
となるのではと思います。
佐藤さんも奥さんも、お身体をおいたいのうえ、どうかお健やかにお過ごしください。
朗文堂 サラマ・プレス倶楽部  大石 薫

{文字壹凜 トロアオイ Summary

鹿児島イベント DSCN7733[1] DSCN7734[1]2014年 Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO  出品作品紹介

【 テーマ 】     コトバと活字
【 作品名 】    連作 『 秋 』 より ― 吾 亦 紅 ―
【 作者名 】    桐島カヲル ( Lingua Florens )
【 版式 ・ 技法 】  文字 : 凸版 ( 活字版印刷 )  図版 : 凸版 ( 樹脂凸版 )

吾 亦 紅 ―― ワレモコウ ――
―― 野辺に咲く すべての紅い花を集めよ ――
と命じた殿様の
帰路を眺める いにしへの女 ひとり
―― ワレも紅ナリ ――

気位という 衣を纏い
乞うことも 恋がれることもなく
古血の味のみぞ知る

さりとて
女は産まれながらにして 女
そしてまた
女は枯れ尽き果てて なおも 女

【艸木風信帖】 04 トロロアオイ 漢名/黄蜀葵 ゆく夏を惜しんで今を盛りと

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 歩きゐて  日暮るる  黄蜀葵かな  澄雄

吾が空中庭園の女王 : トロロアオイが次〻に大輪の花をつけている。
寝起きに「ロダンの椅子」に腰をおろしてこの花をみるのが最大の朝のよろこびである。
空中花壇にはトロロアオイを二鉢植えてあるが、ひとつは三年物、ひとつは二年物で、ときおりみる一年草という紹介はすこし違うようである。

ただし連作をひどく嫌うようで、ことし新潟長岡の「紙漉サトウ工房」からいただいた種子を播いた黒ポットに、迂闊なことにかつてトロロアオイを育てた土をもちいたら、発芽が貧弱で生育に失敗した。来年の再挑戦がいまからたのしみである。
もうすこし秋がふかまると、蒴果サクカ(種子)は黒ずんで硬くなり、風に吹かれておもく揺れる。中にはごま粒ほどの種がみっしりと入っている。
今回はみずからの学習と整理をかねて、辞典的な説明をさせていただいた。
──────────
トロロアオイは中国原産のアオイ科の多年草で、漢名を「黄蜀葵 オウショクキ」と呼ぶ。
その根は胃腸炎・喉頭炎などの薬用となり、また流し漉き用の「ねり 粘剤」の原料、あるいは観賞用に栽培される。
「ねり」は楮 コウゾ や 雁皮 ガンピ などの紙料の繊維を、水中に均等に分散して漂浮させ、均等な厚みと強靭な紙をつくるのに利用する。工業用には化成品もあるが、手漉き紙にはトロロアオイかノリウツギの根から抽出する粘液が好適とされる。

茎は矮性種もあるが、ふつう高さ 1-2m。葉は長い柄があり、手のひら状にヤツデのように 5-9 に深裂する。
夏から秋にかけて直径10cmほどのおおきな花を、茎の上部にまばらな穂状につける。花は朝顔のように短命で、朝方開花し午後にはしぼむ一日花で、淡い黄色。中心部に鮮やかな赤紫色の目が入り美しい。おしべは多数、花柱は5本に分かれ青紫色。
蒴果サクカは角ツノで5稜あり、剛毛があって熟すと硬くなる。
根部は長さ20cmほどの紡錘形に肥大する。根は粘液を多量に含み、打ち砕いて(叩解)水につけたものを手漉き紙の「ねり」とする。本来は多年草であるが、「ねり」にもちいるためには蕾をとり、根に養分をたくわえる。したがって栽培上は一年草として扱う。季語は夏である。


文字壹凜Summary }
 

【艸木風信帖】 03 トロロアオイの開花報告をいただきました。ゆく夏を惜しんで大輪の花があでやかです

田中01 田中02サラマ・プレス倶楽部会員/田中智子さんから、新潟紙漉サトウ工房からお分けいただいた矮性のトロロアオイの開花報告をいただきました。
ことしの天候はどこか不安定でしたが、花のすくない晩夏の時期でも、つぎつぎと大輪の花をつける健気なトロロアオイです。
田中さんは五日市の軍道紙工房由来のトロロアオイの育成経験がおありですが、おなじ品種とはおもえない茎のみじかさにおどろかれていました。
夏、ほんとうに終わるんですね。

【空中花壇】 水も土も凍りはじめる立冬というのに、空中花壇の園芸家はいまだ多忙なり

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《 畏友 杉本昭生[活版小本]によれば 11月07日 水がはじめて凍るとき――立冬とする 》

活版小本そもそもブログや SNS で犬や猫をテーマにするのは禁じ手ではなかろうか。
犬も猫もあまりに、そして無条件にかわいいし、さまざまな愛らしいポーズもとってくれる。
京都吉田山に居住する杉本昭生さんは、季節のうつろいをブログ上にえがきだしてみごとである。今回は画像の一部を拝借した。ここには当然犬猫のたぐいは登場しない。

やつがれは犬も猫もだいすきである。以前は同時に犬も猫も飼っていたが、喘息によくないからと医者に飼育をストップさせられた。その恨みと焼きもちの気分もすくなからずある。
そこでいつもの「空中花壇」の話題に転じよう。

DSCN8651 DSCN8664DSCN7994吾が 「 空中花壇 」 の造園家は迂闊で、しばしば播種のときをはずすし、季節はずれの艸花をムキになって育てたりしている。
また、世間では「雑草」の代表のように唾棄する野草を、わざわざ 鹿児島の五代才助(友厚)生誕地から採取 して 「 才助 」 と名づけて育ててきた。


そもそもやつがれ、「 雑草 」 という名の艸はないと心底おもっているから、懸命に育てていた。やがて 「 才助 」 は野菊に似たちいさな花をつけた。 それはわざわざ鹿児島から持ちかえるまでもなく、東京でもどこの空き地にでも繁茂している、まぎれもない「 雑草 」 だったが、名を調べないまま枯れるまで見まもっていた。

【 花筏 : 朗文堂好日録039-春を待つ日日。わっせクン、才助とかわす朝の挨拶 2015年02月04日

《 そもそも、ハロウィン ・ グッズを花壇に持ちこむ不逞のやからがいるからして…… 》
10月31日は 「 ハロウィン 」 である。
昨今のハロウィン祭りは、アメリカ経由のカラ騒ぎの面がみられるが、本来のハロウィンは、紀元前1000年ころに中央ヨーロッパを席巻した 古代ケルト人 が起源の祭とされ、秋の収穫を祝い、悪霊などを追い出す宗教的な意味合いのある行事である。
ケルトの「 文  ≒ 紋学 」 [ウィキペディア画像集]は、「 字学 」 と同様に興味がつきないが、現代の視点からみると、多くの古代文化の造形と同様に、面妖で怪奇な面もなくはない。

吾が「 空中花壇 」 に、ちいさなカボチャを頭にして、三年ほどまえから鎮座ましましているのが 「 わっせ君 」。 これはバレンタイン モトイ ハロウィンのときに ノ ー学部がなにかのついでに100円ショップで買ってきた。
価格は安いが、ソーラーパワー ( 太陽電池 ) がどこかに内蔵されているらしく、いまでも陽射しがつよい日には 「 わっせ、わっせ 」 と左右に躰をはげしく振動させている。
ただそれだけのものだが、目覚めの一服のさなかは、たったひとりの朋輩であり、見飽きることがない。 だからベランダにでると、まず、勝手に名づけた 「 わっせクン 」 と挨拶、顔合わせをつづけている。


[ノー学部] わたしのガラ携動画で撮ったので画質が悪いのですが、片塩さんのベランダ喫煙の友「わっせ君」の動く様子です。一年365日、ベランダで頑張っている健気なやつです。

ことしはやつがれが丹精している赤と紫のペチュニアふた株の植木鉢に、失敬千万、けしからんことに、いつの間にかコウモリがついた風車のようなハロウィン・グッズが、むかしからいたような顔をして居座っている。これもノー学部の仕業に違いない。
このペチュニアは過酷な夏、それもエアコンの室外機が吐きだす熱風にまけず、花をつけ続けた愛着のある艸花であるのに。

ところで、長岡栃尾の 「 紙漉 サトウ工房 」 でも味わいのある草木染めをみた。とても味わいがあってよかったが、やつがれはだいぶ前から、いつか草木染めに挑戦しようという意図があって、密かにこの花柄を摘んで空き瓶に貯めている。
DSCN8422このごろすこし赤花のパペチュアが元気がないなとおもったら、なんと、
せまい植木鉢から  「 才助 」 がニョキニョキと芽ばえていた。考えてみたらこの植木鉢はかつて 「 才助 」 を育てた鉢だった。
もちろん移植に際して土替えはしたが、なにしろ悪名とどろく 「 雑草 」 のことゆえ、どこかに種子をのこしていたらしい。
それでも隣のピンクのベゴニアの花は、なんとなく草木染めには適さないとおもっていたし、ペチュニアの赤い花も、紫の花にくらべると
すこし力感に欠けると …… 。だからいまは、おそらく 「 才助 」であろうが 、ニョキニョキと伸びるがままにしている。
DSCN8420
すこしうれしいのは、ちいさな苗で買った香草がげんきなこと。「ホットリップス」、「レモン・マリーゴールド」、「セージー」などが次〻に花をつけている。原産地はメキシコ高地の植物だというからこのまま冬を越しそうな勢い。

《 畏友 : 杉本昭生「活版小本」によれば11月12日からは立冬 次候 : 地始凍とするが 》
553[1]11月も半ばとなった。古来の暦法、二十四節季、七十二侯によれば、すでに立冬で、水も土も凍りはじめるときらしい。
ところが「空中花壇」の園芸家は、摘芯のときをわすれ、背丈だけやたらに伸びて、颱風のおり、支柱のさきから半分枝折れしてしまったミニトマトをいまだに育てている。
ミニトマトとしては、夜などは摂氏10度を下まわる寒さのなかで結実するのは、さぞかしたいへんなこととおもわぬでもない。
DSCN8415反対側の壁面には、熱帯植物 : 雲南百薬 {おかわかめ} と、謎の巨大植物 {メキシカーナ} がげんきである。
既報のとおり、最近 {おかわかめ倶楽部} という奇妙な会が誕生し、あちこちの黒ポットにムカゴや挿し芽の{おかわかめ}が寒風に震えながらも育っている。
念のためにしるすが、{おかわかめ}はあくまで熱帯地方の草花である。かような立冬のさなかに増植すべきものではないはずだとおもう。
DSCN8411 DSCN8400 DSCN8397──────────
11月12日[土]、寒い朝だったが陽光がベランダに射していた。
そんな朝、「立冬 地始めて凍る」と京都の畏友が予告しているにもかかわらず、早朝からたたき起こされた。
「たいへん、たいへん、またトロロアオイが咲いてるよ」
冗談ではない。やつがれ今日か明日かと待ち望んでいた、ひこばえから健気に結花しようとしているトロロアオイのことなど十分に知っていた。
せっかくの休日だったが、ともかくこの花の開花時間はみじかい。そこで眠気まなこをこすりながら、間違いなくことし最後であろう「トロロアオイ」の花を観賞した。

嗚呼無情、こののちわずか、朝食の木綿豆腐の上に、長寿の薬草{おかわかめ}と、{トロロアオイ}の花が一輪、ちいさく刻まれて載り、いつの間に採取したのか、赤くなったミニトマトが数個、トーストの脇に転がっていた。
そのとき、椋鳥かなにかのつがいの渡り鳥が{メキシカーナ}にやってきて、ギャーと啼いた。 

【おかわかめ倶楽部】 妙な会が結成されたらしい。活版カレッジ・アッパークラス独身男性中心に食用植物{おかわかめ}の育成をはかる

IMG_7756◯ 2016年10月25日@メール
こんにちは、おかわかめ倶楽部 大石です。
添付の写真は、日吉さんのおかわかめの状況です。もうそろそろ食べられそうですね。
皆さまの{おかわかめ}の生育具合はいかがでしょう?
なお先月の活版カレッジ・アッパークラス月例会の際は、バッカス松尾さん、真田さん、日吉さんには、挿し木の状態の{おかわかめ}をお渡しし、田中さんと千星さんには「ムカゴ」の状態の{おかわかめ}をお渡ししました。部位によっても生育に差があるかもしれません。

◯ 2016年10月27日 バッカス松尾氏携帯メール
げげ、うちのはほとんど育ってないです。。
陽当たりがわるいからかなあ。

◯ 2016年10月27日 大石@メール
私の予想では、バッカス松尾さんより、真田さんの{おかわかめ}が
一番育っていないのではと思います。

なにしろ水を霧吹き程度しか遣っていないそうですから……。
土の渇き具合と生育具合にもよりますが、
この時期なら、毎日コップ1杯程度は水が必要かと思います。
今夜のアッパークラスでもすこし配布するので、
おかわかめ倶楽部のメンバーが増員されます。
──────────
{ 新宿餘談 }
DSCN8259空中花壇園芸家 のやつがれとしてはですね ―― コホン。
{おかわかめ}のようなつる性の植物は、時を見計らって芯芽を摘むこと。さもないと針金のように、ただただ上にのびるだけになる。
適宜芯芽を摘むことによって、脇芽がのびて、枝ぶりがにぎやかになる。

ところで広島市植物公園の島田由紀子氏は、「みんなの趣味の園芸-オカワカメの基本情報」のなかで、{おかわかめ}の原産地は熱帯アメリカや熱帯アジアであって、日本には中国から長寿の薬草として伝わり、雲南百薬(うんなんひゃくやく)とも呼ばれていて、植え付けの時季は五月前半が好適とされている。
それなのにウチのノー学部育種科は、昨夜10月27日の<活版カレッジ>アッパークラスの月例会で、数名の会員に黒ポットの熱帯植物{おかわかめ}の幼芽をわけていた。どんな教育を受けてきたのか不安になった夜だった。

それにしても、つい先日本欄に[【空中花壇】 花のときから種のときへのうつろい 薬草ともされる{おかわかめ}が時季はずれの緑のカーテン]を紹介したばかりである。ふり返ってみると、その頃のノー学部育種科の挙措が不審であった。園芸家には内緒で、{おかわかめ}の移植に励んでいたらしい。

なによりも2010年10月02日、都下あきる野市五日市町の「ふるさと工房・軍道紙」からわけていただいた種子から育った「トロロアオイ」である。この花を吾が空中花壇の女王として丹精込めて育てていた。
DSCN7556ことしは元気で、いちにちに七-八輪の花をつけることもあった。花は短命で、早朝に開花し、午後にはしぼんでしまう。
だから早朝からノー学部はすかさずベランダに出て、お得意かつ唯一の農器具「小ばさみ」をもって、花弁をチョキチョキ切りとってしまう。それを刻んで、だし汁をかけてムシャムシャと食す。そして、
「おいしいね。おいしいでしょう」と無理をしいる。
園芸家としては、せっかくの花を切られ、内心泣くおもいであるし、怒りにふるえてもいる。
ただ口惜しいことに「トロロアオイ」の花は食しても旨いのは事実である。

《 プラハの園芸家 : カレル・チャペックとは 》DSCN0063DSCN0025DSCN0027DSCN0005チェコのプラハ第10区に「チャペック兄弟通り  BRATŘİ ČAPKŮ」と名づけられた小高い丘への通りがある。そこの頂上部に連棟式の二軒住宅がある。
向かって左が、画家にしてイラストレーターの兄 : ヨゼフ・チャペックの住居で、現在は孫が居住しているという。
向かって右が、ジャーナリストにして戯曲家・作家の弟 : カレル・チャペックの住居跡であるが、こちらは現在は無住でプラハ第10区が買収済みだというが、どちらも非公開の建物であり、庭園である。
この兄弟がここに居住していた頃にのこした一冊の図書、邦題『園芸家の一年』、『園芸家の12ヶ月』がある。
20161027164925_00001イラスト : ヨゼフ・チャペック
チャペック01 20161027164925_00002翻訳書も手軽に入手できる。『園芸家12ヶ月』(カレル・チャペック著、小松太郎訳、中公文庫)、『園芸家の一年』(カレル・チャペック著、飯島 周訳、恒文社)、『園芸家の一年』(カレル・チャペック著、飯島 周訳、平凡社)。どの版も工夫を凝らしており楽しいものだ。

本書のなかでカレル・チャペックは「園芸家・栽培家・農業家」の違いをのべて、みずからを園芸家と規定している。すなわち園芸家とは栽培家や農業家とはことなり、食彩や食材をもとめるのにあらず。
したがって、やつがれも空中花壇の園芸家を自負する身なれば(頼りないけど)、丹精こめて育成した「トロロアオイ」の花を食すなどもってのほか、まさしく外道の行為なのである。

それでもあの「トロロアオイ」の花は新鮮でうまかったなぁ。

【空中花壇】 花のときから種のときへのうつろい 薬草ともされる{おかわかめ}が時季はずれの緑のカーテン

DSCN7556 DSCN8261 DSCN8260 DSCN8259吾が空中花壇の女王「とろろあおい」は、ことしは、年越しのふるい株と、五月連休明けにあわてて播種したもの、二鉢五株が育った。
二鉢ともに9月下旬から10月初旬にかけて花をたくさんつけた。そこでノー学部が勝手に摘んできたトロロアオイの花弁をはじめて食した。感想は無い(怒)。いまは種を懸命に育てている。
けなげに紅白の花をつけ続け、蝶や蜂が戯れていた秋桜・コスモスはさすがに疲れてきた。

吾が空中花壇の園芸家はどこか間抜けで、しばしば草花の種苗購入や播種時季をはずす。
したがって空中花壇では、北海道からは雪だよりもきかれる昨今なのに、ここにきて元気に緑のカーテンをつくっているのが「雲南百薬 おかわかめ」(画像集)である。
晩夏に気紛れに買った黒ポット一鉢から、挿し芽・ムカゴでどんどん殖えている。サラダ・味噌汁での食感は、ぬるぬるしてまさにわかめそのもの。「おかわかめ」とはいいえて妙である。来春はトロロアオイの種子とともに、「おかわかめ」の会員配布が増えそうな勢い。

【朗文堂好日録】 梅雨があけた。夏が来る ー ごてごてと 草花植ゑし 小庭かな : 正岡子規

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DSCN9636 DSCN9632昨年の早春、ビルの保守工事で、ベランダに煉瓦をつんでつくった、手づくりの「空中花壇」が、お気に入りの「ロダンの椅子」ともどもそっくり破壊・撤去されてしまった。

ごてごてと 草花植ゑし 小庭かな

― この小園は余が大地にして 草花は余が唯一の詩料となりぬ   子規庵 ―
正岡子規(俳人・歌人 1867-1902) 「小園の記」より

わがベランダにあった「空中花壇」には、「根岸 子規庵」の庭園には比べるべくもないが、それでも雑多の艸〻がそだっており、煉瓦の裏側には野バトの巣もあった。
工事がおわったあと、寒〻としたベランダになったままきょうにいたる。
5ac10d6d67e779732659874f8ba65ff4[1] DSCN7232[1]いまベランダ庭園で妍をきそっているのは、トロロアオイとハイビスカスである。どちらも大輪の花をつぎつぎと開花させ、楽しませてくれる。

ようやくちいさな鉢植えの艸花とはいえ、ベランダ庭園がよみがえりつつあるのは、トロロアオイが衰弱し、わくら葉のまま、なんとかちいさな花をつけたことによる。

トロロアオイの花にはちょっとしたおもいいれがある。
昭和10年代、中野の早稲田通りにあった、アオイ書房社主にして、伊勢辰酒店主人だった志茂太郎に関することどもである。

活字狂を自認していた志茂太郎は、中國での泥沼の戦争から太平洋戦争にむかう時局下に展開された「変体活字廃棄運動 当時の表記:變軆活字廢棄運動」に義憤を感じ、それをみずからの愛書誌『書窓』に発表した。
そのため特別高等警察(特高)によって戦争末期の1945年(昭和20)に強制疎開を命じられ、郷里岡山への帰郷を命じられた。
いまは故郷「山の城」の宏大な志茂家塋域にねむるひととなった。

このことはあらかた『活字に憑かれた男たち』(片塩二朗 朗文堂)にしるしたが、志茂家塋域をたずねたとき、なかば自生化したトロロアオイがたくさん初夏の風にゆれていた。
晩夏になると淡紅色の大輪の花をつけるのだとうかがった。

このトロロアオイの種子のもとは、2009年05月に都下あきる野市五日市町の軍道紙グンドウガミの工房からわけていただいた数株の苗にはじまった。

◯ 活版 à la carte 年越しの古株からトロロアオイの花が咲きました 2016年5月1日
◯ 活版 à la carte 一週間の中国出張。すっかりよみがえったトロロアオイが大輪の花をつけて迎えてくれた 2016年6月7日

チャペック01さきごろ『園芸家12カ月』(カレル・チャペック 小松太郎訳 中公文庫)を読んでいた。
2013年晩夏、三泊四日のあわただしい日程で、はじめてチェコ、プラハにいったことがある。
そのとき、画家にして装本家:兄 ヨゼフ・チャペック と、作家・戯曲家:弟 カレル・チャペック の墓をチェコプラハの市民墓地にたずねた。
カレルの墓標は、まさに現代の多段式ロケットの形態そのものであり、ヨゼフの墓はその背後にひっそりと佇んでいた。

チャペック02弟:カレル・チャペックは、第一次・第二次大戦間のチェコスロバキア(ボヘミア)でもっとも人気のあった国民的作家である。
戯曲『ロボット (R.U.R.)』において、「労働」を意味するチェコ語:robota(もともとは古代教会スラブ語での「隷属」の意)から ロボット ということばを兄と共同でつくった。また趣味をこえた愛園家を自負し『園芸家12カ月』をのこした。

カレル・チャペックは『ロボット』につづき、ロボットを火の精霊サラマンダー(山椒魚)にたとえ、より擬人化した長編小説『山椒魚物語』をのこしたが、そのなかでヒットラーとナチを諧謔をこめて痛烈に批判したため、ゲシュタポは1939年3月15日プラハを占領した際、いちはやくチャペックを逮捕するためにチャペック邸に乗り込んできた。

ところが、その前年12月25日、クリスマスの日にカレル・チャペックは死亡していた。
その死因は真冬の豪雨のなか、愛しぬいた庭園の手入れにあたり、それがもとで肺炎になったためとされている。その後におこったボヘミヤの不幸をおもうとき、『園芸家12カ月』の作者としては、ある意味本懐だったかも知れない。
それを知らず踏みこんで来たゲシュタポに、オルガは夫カレルはすでに四ヶ月前に歿したことを冷たく告げたという。、
そして造形家の兄:ヨゼフ・チャペックはゲシュタポに逮捕され、収容所に歿した。

装本家であり、造形家のヨゼフ・チャペックを中心としたおおきな展覧会がわが国でも開催されたことがある。
◯ 『チャペック兄弟とチェコ・アヴァンギャルド』(神奈川県立美術館 2002年)
◯ 『ブックデザインの源流を探して チェコにみる装丁デザイン』(印刷博物館 2003年)

作家であり弟のカレル・チャペックにとって(わが国では)不幸だったのは、「SF作家」と分類されたことだったかもしれない。
サイエンス・フィクション(英語:Science Fiction、略語:SF、エスエフ)は、わが国では科学小説、空想科学小説とも訳され、科学的な空想にもとづいたフィクションの総称であるが、メディアによってはSF小説、SF漫画、SF映画、SFアニメなどとも分類されている。
そのため20世紀中葉、おなじプラハ出身の フランツ・カフカ(1883-1924) 幽玄的な作品が実存主義的見地から高い評価があるのに比べると、いくぶん軽んじられるふうがあるのは残念である。
ロボットが空想科学ではなく、いまや現実となってさまざまな分野で活躍している現在、カレル・チャペックはもっと評価されても良いのではないかとおもう。

2013年晩夏のプラハ行きはあまりにも予習不足だったし、ひさしぶりの欧州旅行への不安もあった。したがって前回のプラハ行きに物足りないところがあって、ことしのお盆の休暇に、またまた疲れにいくようなものだが、三泊四日の弾丸旅行でプラハ再訪をねらっている。
DSCN5878 DSCN6107 DSCN6105チェコプラハへの直行便はないので、ロシアのアエロ・フロートでモスクワにいき、そこでプラハ行きにトランジットした。プラハの旧市街は石畳、それもちいさな石をモザイク状に並べたものが多い。パリやウィーン経由でやってくるハイヒールの女性旅行者は、プラハではまずスニーカーの購入が必須となる。

◯ 花筏 朗文堂好日録038-喫煙ボヘミアン、プラハへゆく-01 プロローグ
◯ 花筏 朗文堂好日録046 - 喫煙ボヘミアン、プラハへゆく-02 プラハ城付設「黄金の小径」とフランツ・カフカ

そんなこともあって、また『園芸家12カ月』をのこしたカレル・チャペックに触発されるところがあって、園芸とはいえないが、わが「空中花壇」にもすこしこころ配りをくわえている。気配りといっても水遣りを丹念にやり、10日に一度液肥をあたえるくらいのことである。
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「空中花壇」には名は忘れたが香草もいくつか植えられている。花は可憐でよい。
近所の花屋で160円で購入したミニトマトの苗も、ことしは順調に生長し、実をつけた。
ここで困るのがノー学部。気まぐれで花壇にやってきて、ハイビスカスはこの花壇にふさわしくないと文句をいう、(やつがれも内心では失敗だったとおもうが)抗弁する。
「そんなことはない。花が咲けばスミレでもタンポポでもオレは好きだ」
ノー学部はそれにかまわず、唯一の農具:小型のハサミで香草をチョキチョキやる。ミニトマトもしっかり収穫してしまう。
昨夜、投票終了直後、八時の時報とともに結果が判明した都知事選の開票速報を、幾分しらけた気分でみながらそれを食した。
ミニトマトはとびっきり旨かった。

一週間の中国出張。すっかりよみがえったトロロアオイが大輪の花をつけて迎えてくれた

2,016年5月1日開花情報

DSCN7955 DSCN8519 DSCN8511ここでの{トロロアオイ}の紹介は五回目。
本来なら晩夏に淡紅色の大輪の花をつけるが、
花期をはずした迂闊なものばかり。
とりわけ5月1日報告の、年越しの古株に咲いたものは葉も花もあはれだった。
以来施肥と水やりにつとめ花芽をたくさんみた。
ところが開花目前に折悪しく中国出張となり後ろ髪を引かれるおもいで出かけた。
帰国後まっさきに花鉢をみた。みごとな開花であったし、連日つぎつぎと開花がつづく。
播種した新芽もおおきく成長。やはりなにごとも丹精か。

年越しの古株からトロロアオイの花が咲きました

この種子のもとは2009年05月に、都下あきる野市五日市町の軍道紙グンドウガミの工房からわけていただいた数株の苗にはじまった。
トロロアオイの花。2013.10その年の暮れからアダナプレス倶楽部の会員の皆さんに種子を配布してきたが、何人ものかたが単年に終わらせず、もう3回も同じ茎からトロロアオイの開花をみているそうである。

昨年早春、ビルの保守工事で、煉瓦をつんでつくった手づくりの「空中花壇」が、お気に入りの「ロダンの椅子」ともどもそっくり破壊されてしまった。

ごてごてと 草花植ゑし 小庭かな

正岡子規(俳人・歌人 1867-1902)「小園の記」より

「空中庭園」には、子規庵の庭園さながら、雑多の艸艸がそだっており、煉瓦の裏側には野バトの巣もあった。工事がおわったあと、寒寒としたベランダになったままきょうにいたる。
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例年3月下旬に黒ポットにトロロアオイの種を播き、その2-3本を定植して花を楽しんできた。昨春は黒ポットも無くなっていたので、卵のパックに播種をしたが発芽段間で失敗したので、晩春に植木鉢に種子を直まきして成長をみまもった。
とろろあおい播種 DSCN7232密植しすぎて育ちはわるかった。しかも開花期に国外にでかけていて、報告の機会を失した。
ろくに肥料もやらず、鉢をそのままにしておいたら、04月下旬に花をつけた。例年に比ぶべくもない小ぶりな花だったがうれしかった。ほかにも花芽をつけていたので、あわてて液肥を購入してつぎの開花をまっている。
どうじに種子がたくさん残っているので、もう一鉢にトロロアオイを播いた。どんな花をつけてくれるかたのしみにしている。

【 関連情報 : 花筏 朗文堂-好日録032 火の精霊サラマンダーウーパールーパーと、わが家のいきものたち 2013年10月09日

播種時を失しかわいそうなことをした/晩夏に咲くトロロアオイが初冬のいま、けなげに、可憐に、つぎつぎと開花中

咲きましたよ、ついにトロロアオイの花が。
空中花壇を改装工事で失ってからガーデニングの楽しみが半減。
ことしは鉢から生えてきた 有毒帰化植物イヌホウヅキ を トロロアオイ と勘違いして八月上旬まで育てていた。
ノー学部に間違いを指摘され、お盆あけにあわてて取り置きの種子を密植状態で播いたが、いかんせん遅きに失した。
それでも肥料・水遣りをかさねたら、蝶も蜂もこない一二月中旬ではあるが花をつけた。
仙台・埼玉・鹿児島にもトロロアオイ育成者がいる。これで皆さんも安心してくれそう。

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