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【映画上映】原作:フランツ・カフカ『審 判』にちなんで── 6月30日ゟ上映開始+カフカの墓地を紹介

プラハ[1]

5317183b8e979c2d28ba03fb44bf5b30[1]Kafkasd2[1]Franz Kafka  1883-1924
プラハうまれの小説家。実存主義の先駆者で
20世紀後半の文学におおきな影響をおよぼした。
小説『変身』『審判』『城』『アメリカ』など。

DSCN0428DSCN0430DSCN0436DSCN0439DSCN9831 DSCN9785 DSCN9795 DSCN9797 DSCN9810 DSCN9846Franz Kafka  1883-1924 と親族の墓標
プラハ市内 オルシャニ墓地に隣接する「ジューイッシュ・セメタリー」(ユダヤ教徒墓地)
キリスト教徒とユダヤ教徒では祝祭日がちがうので、オルシャニ墓地には簡便な仕切りがもうけられている。ユダヤ教徒墓地にはドイツ軍によるナチ収容所で逝去したひとの墓もおおく、生年月日の記載はあるが、没年の記載がない墓標がおおくて胸をうつ。もっとていねいに紹介したかったが、この「審判」公開の機会に稚拙な写真ながら紹介した。
墓地入口の花屋のまえで、カフカもまなんだカレル大学に当時留学中だった山崎洋介さん(現日本大学歯学部准教授)と二年ぶりの再会をはたす

チェコの首都プラハは「モザイクのまち」「文明の十字路」「塔と黄金と革命の都市」「建築様式の宝庫」とも評される。わが国の京都と姉妹都市でもあり、まちの規模や歴史の重厚な蓄積には共通点が多い。
このプラハに2014年09月、2016年08月と二度にわたる旅行をこころみた。いずれもモスクワ経由で、機中泊をふくむ三泊五日のあわただしい弾丸旅行であった。

《 プラハ城場内 : 黄金の小径 22番 フランツ・カフカ作品執筆地のひとつ
やつがれは、いなかの高校生のころ、ユダヤ系プラハのひと、フランツ・カフカの作品にはまったことがある。当時はまさかその生家のすぐ近くのホテルに宿泊し、生家跡のカフェをたずね、その執筆場所のひとつを訪問し、墓参ができるなどとは考えたこともなかった。

また京都の友人「ぢゃむ 杉本昭生」氏はそんな機微を知ってか、ブログ{活版小本}に
活版アラカルト ぢゃむ 杉本昭生さん 活版小本新作 フランツ・カフカ『あるじの気がかり』
活版アラカルト フランツ・カフカ 『道理の前で』 (別題 『掟の門前』)京都活版小本 ぢやむ 杉本昭生氏が新作発表
などの小品作品を鮮やかに切りとって紹介してくるからもう降参だ。
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《映画『審判』関連情報が、チェコセンターと歌舞伎美人の双方から送付されてきた》
600X849__shinpan_posterカフカ原作・映画『審 判』は、おもにチェコセンターからの情報をもとに、チェコ大使館映写ホールでの試写会のころから紹介してきた。
そしていよいよ2018年6月30日[土]ゟ、渋谷・ユーロスペース(東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 3 階 電話:03-3461-0211)にて公開が開始される。
あわせて【映画 審判 特設ページ】サイトも開設され、 YouTube による120秒の「予告編」動画もみることができる。

【詳細:チェコセンター プログラム 】

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ところが「歌舞伎座総合公式サイト 歌舞伎美人-かぶきびと」のメールマガジンに、おもいがけない記事が紹介され、同サイトにも「ニュース 彌十郎が映画『審判』出演」としてアップロードされている。画像は紹介できないがその一部を紹介したい。

歌舞伎座総合公式サイト 歌舞伎美人-かぶきびと-
ニュース 彌十郎が映画『審判』出演
6月30日[土]より、渋谷ユーロスペースほかで公開の映画『審判』に、坂東彌十郎が出演します。

カフカの『審判』を、イギリス出身で日本在住の監督が、日本を舞台に日本人キャストで映画化。30歳になった朝、目覚めたら身にまったく覚えもないのに逮捕された男、木村陽介(原作のヨーゼフ・K)が、何か見えないものに巻き込まれるように翻弄される日常が描かれます。

坂東彌十郎は、これまでシネマ歌舞伎には登場していますが、スクリーンのための演技は『やじきた道中 てれすこ』(2007年)以来で、現代劇としてははじめてとなります。彌十郎が演じるのは殴る男、原作では鞭打つ笞刑吏-ちけいり-の役です。木村が訴えたからと、鋲付きのグローブで二人の監視人を殴り、木村に書類にサインするよう強要します。ひと言ひと言含みのあるせりふが、耳を引き付けます。

このシーンに限らず、物語は不可解な空気に包まれています。そして、何にも拘束されていないのに、徐々に道を断たれ、身動きのとれない状況へと追い込まれていく木村。作品が醸し出す空気は、確かにカフカの世界感につながっていて、殴る男もその中の住人の一人として存在感を放ちます。

歌舞伎とはまるで異なる表現で、坂東彌十郎がこの物語世界を体現するひとりとなる『審判』の世界。彌十郎は出演にあたり、
「私の父(坂東好太郎)は若い頃映画の世界に身を置いておりましたし、私も還暦を過ぎて舞台以外の経験もしてみたくなりました。今回の “ 殴る男 ” という役にとても興味を持ったので、はじめての現代劇に挑戦してみることにしました」
とコメントを寄せました。ぜひ劇場でたっぷりとその作品に、映像に浸ってください。

【詳細: 歌舞伎美人-かぶきびと 】