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【会員情報】 世界遺産の地/鹿児島仙巌園・尚古集成館にて Salama-21A 小型活版印刷機いよいよ始動

DSCN7235薩摩藩主・島津家の別邸「仙巌園 センガンエン」(鹿児島市吉野町)は大型連休中の5月5日、活版印刷のイベントをおこなうことを発表しました。
西欧の活版印刷技術とふかいつながりを有する薩摩藩の歴史を知ってもらう。参加者を募集している。

日本の近代活版印刷は明治初期、長崎で実用化されたとされるが、それに先立つ幕末の1864年、薩摩藩主・島津斉彬に依頼された江戸の木版士・木村嘉平が、鉛やろう石活字の鋳造に成功したという。型となる種字や印刷機などは仙巌園の尚古集成館に所蔵され、1998年に国指定重要文化財となっている。
同園では「鹿児島と活版印刷は深いつながりがあることは意外と知られていない。こどもから大人まで楽しめるので試してください」と来園を呼びかけている。
読売新聞 2016年4月28日 鹿児島地域版

ときのたつのははやいもの。久しぶりに薩摩隼人・薩摩おごじょの皆さんと熱い交流

adana トップページつい最近のこととおもっていたのに、もうあれから一年半ほどのときがたちました。
3日間5,000人ほどのお客さまを迎えた活版礼讃イベント<Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO>開催の地、櫻島を至近にあおぐ鹿児島「尚古集成館・仙巌園」に2月13日[土]-14日[日]の週末に、商用もあって一泊二日の日程でいってきました。

【 関連情報 : Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO - Report 15  いまも続く薩摩隼人, 薩摩おごじょとの協働作業 DSCN6311 DSCN6293 DSCN6311 DSCN6293 DSCN6291 DSCN6318 DSCN6320 DSCN6325 DSCN6328 DSCN6329DSCN6333仙巌園の菜の花2014年11月開催の<Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO>以後、おおきな変化は2015年(平成27)7月5日に、尚古集成館(旧集成館・旧集成館機械工場を含む「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」が世界文化遺産に登録)が世界遺産に登録されたことでしょうか。

そのために「尚古集成館」「仙巌園」ともどもサインや施設の一部に変更がみられました。
また二月の初旬に数十年ぶりにみた降雪のため、「尚古集成館」も特別休館を余儀なくされ、植栽にも被害があったそうですが、二月中旬のこのとき、館内庭園には避寒櫻が花をつけ、名をしらぬ大きな鳥が憩っていました。

<Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO>で併催された、尚古集成館 館長 : 田村 省三氏による特別講演会 < 尚古集成館所蔵/重要文化財 『 木村嘉平活字 』 と 薩摩藩集成事業について >で薩摩藩(鹿児島)の、そして長崎の活版印刷事業の嚆矢となった俗称『薩摩辞書』と五代友厚に関しては、NHK 連続ドラマ『朝がきた』が話題となったことで、すっかり著名な存在となっていて、田村館長ともどもすこし笑いました。
【 関連情報 : Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO - Report 11  講演会 : 田村省三館長、 展示紹介 : 加久本真美さん、渡辺 絵弥子さん
DSCN7916 DSCN7912 DSCN7914 DSCN7918 DSCN7926DSCN7927《鹿児島の夜は、いつものところで、いつものメンバーとご一緒しました》
鹿児島にはアダナ・プレス倶楽部の会員がたくさんいらっしゃいます。
今回も六花窯:横山博さんの肝煎りで、鹿児島市役所ちかくの「いつものところ-店主のご希望で店名表示はご容赦を」で、松山先生、前田さんご夫妻、早川さん、稲留さん、橋口さんらの様様な造形者の皆さんとの熱い交流。

お料理いっぱい、薩摩焼酎どっさりのせまい会場では、地元の皆さんでも数年ぶりという再会があったり、前田夫人の詩吟もとびだして、鹿児島の夜はしんしんと更けていきました。
いずれにしても、各所で活版印刷が始動しています。
鹿児島にも一粒の種子がちいさな芽をだしました。こんどまた鹿児島を訪問するのはそう遠くはないようです。 DSCN6286 DSCN6277 DSCN6276

慶祝 集成館事業世界遺産登録なる-尚古集成館と仙巌園

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名 称 】 Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO
【 会 期 】 2014年11月1日[土], 2日[日], 3日[月 ・祝] 3日間
【 時  間 】   開場 8 : 30 ― 閉場 17 : 30
【 会 場 】 仙巌園〔磯庭園〕  尚古集成館本館 展示室 鹿児島県鹿児島市吉野町9700-1
【 主  催 】 朗文堂  アダナ ・ プレス倶楽部
仙岩園マップメーンビジュアル、仙巌園/尚古集成館 MAPデザイン AD : 松尾篤史さん
本稿は【 関連情報 : Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO - Report 05   鹿児島 おすすめ情報Ⅰ 仙巌園/尚古集成館 】を一部増補して再録したものです。

◎ 尚古集成館 と 仙巌園

【 尚古集成館 】
島津家第28代:幕末の薩摩藩藩主、島津斉彬ナリアキラによってはじめられた「集成館事業」の一環として、1923年に開館した機械工場です。本館は1865年に建てられたもので、国の重要文化財で、日本で初めてアーチを採用した石造洋風建築物となっています。
2014年の <Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO> は、この重要文化財であり、2015年07月には世界遺産となったという、信じられないほど貴重な、また、わが国の近代産業の先駆けとなった、この機械工場跡「尚古集成館」で開催されました。

また 古集成館 別館展示室では、幕末の薩摩藩主:島津斉彬が、江戸の木版彫刻士 「三代目 木村嘉平」 に依頼して、極秘に製造させた 「木村嘉平活字とその関連資料」 のすべてを、<Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO> の会期に合わせて特別展示していただきました。
現在は常設展示となっていますが、タイポグラファなら必見の資料が、この「木村嘉平活字とその関連資料」といえます。こちらもお見逃しなく。

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[ 仙巌園 ]
仙巌園は、1658年(万治元)薩摩藩主 :
19代島津光久によって築かれた別邸です。
錦江湾や桜島を庭園の景観にとりいれた、雄大な景色が仙巌園の最大の魅力です。
幕末の名君、島津家28 代: 島津斉彬ナリアキラがこよなく愛し、徳川将軍家に嫁いだ篤姫アツヒメも、しばしばこの仙巌園に足を運んでいたとされます。
また、南の玄関口といわれた薩摩の歴史と風土にふさわしく、中国文化の影響が色濃く見られることが仙巌園の特色のひとつです。さらに温帯と亜熱帯の境に位置することから、数多くの珍しい植物が植えられています。

幕末から近代にかけて、仙巌園は薩摩藩と鹿児島県の迎賓館のような存在でもありました。
幕末にはオランダ海軍将校、幕臣 : 勝海舟、イギリス公使 : パークスなどが来園しました。
明治以降になると、大正天皇、昭和天皇をはじめとする皇族方、ロシア皇太子ニコライⅡ世、イギリス皇太子エドワードⅦ世など、国内外の数多くの要人が訪れています。

仙巌園の園内の一部と、その隣接地は、島津斉彬と、その遺志を継いだ人びとによって建てられた、日本初の工業地帯「集成館」の跡地でもあります。
ここは近代日本の技術力、工業力の原点ともいえる地でもあり、2009年にはこれらの史跡 ・ 建物を構成資産とする 「九州 ・ 山口の近代化産業遺産群」 が、世界遺産の暫定リストに記載され、2015年07月には世界遺産に登録されました。
仙巌園の広い園内には、見どころもいっぱいあります。

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【 鉄製150ポンド砲 】
仙巌園に入園すると、来場者を最初にお出迎えしてくれるのが、150ポンド(約70Kg)の砲弾を射撃することができたとされる鉄製の巨大な大砲です。
これはレプリカではありますが、28代当主:島津斉彬の富国強兵策の象徴として、また、その背後に鎮座する反射炉の成果品としての意味合いをもつ存在です。
DSCN1312DSCN4169【 反 射 炉 跡 】
反射炉とは金属溶鉱炉の一種です。燃焼室の熱や炎を天井や壁に反射させて溶解室の鉄を溶かす構造から、反射炉と呼ばれていました。
鉄製の大砲を鋳造するために、薩摩藩では1857年(安政04)に反射炉を完成させ、わが国ではじめての近代的な大量の製鉄を行うことに成功しました。

【 錫  門 】
活字の三大合金のひとつである「錫(すず)」ですが、錫はかつて錫鉱山を有した薩摩藩の特産品でもありました。
錫門は、その錫で屋根を葺き、当時は地位の高いひとにしか許されていなかった朱色をもちいた漆塗りの門です。錫瓦葺きの建造物としては、わが国唯一のものとされています。
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【 御  殿 】
本来は島津家の別邸として受け継がれてきた磯庭園ですが、明治時代に29代当主 : 島津忠義が鶴丸城からここに移り住むことによって、この地が本邸となり、現在の御殿の姿へと改築されました。
忠義が本邸として使用したのは、政府の命により東京へ移住するまでのわずか10年あまりのことであり、また現存する建物は往時の半分ほどとなっていますが、当時のお殿様の生活の様子を知ることができます。
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【 石  灯  篭 】
園内にはたくさんの灯篭がありますが、なかでも園内最大で 8 畳分もの大きさを誇る「獅子乗大灯篭」や、28代 : 島津斉彬が1857年(安政04)に日本で最初にガス灯をともした「鶴灯篭」が見どころです。

【 望  嶽  楼 】
望嶽楼(ぼうがくろう)は、19代当主 : 島津光久の時代に、琉球王国から薩摩藩に贈られたと伝わる中国風のあずまやで、歴代の薩摩藩主が琉球使節を応接するときに用いられた建物です。
床には秦の始皇帝が建立した阿房宮の敷き瓦を模したとされる273枚の「塼(せん)」と呼ばれるタイルが敷き詰められ、内部には東晋の書家で、
書聖と称される王羲之(おうぎし 303-361)の書を模したとされる額も掲げられています。
幕末には、28代当主島津斉彬が、長崎からヤ―パン号(のちの咸臨丸)に乗船して薩摩を訪れた勝海舟と会談をもった場所としても、歴史的価値のある建造物です。

DSCN9769 DSCN9772【 曲水の庭 】
王羲之の蘭亭序に描かれ、わが国でも平安貴族などの宮中行事としても知られる「曲水の宴」ですが、仙巌園には江戸時代の姿をとどめる、わが国唯一にして最大とされる「曲水の庭」が残されています。
仙巌園の曲水の庭は、中国の浙江省紹興にあったと伝えられる蘭亭を意識して、21代当主:島津吉貴の時代に作庭されたものと考察されています。

DSCN9774 DSCN9773【 江南竹林の碑 】
仙巌園の裏山は、わが国の「孟宗竹」発祥の地とされています。元文元(1736)年21代当主島津吉貴が琉球から江南竹(孟宗竹)を02株取り寄せて繁殖させ、藩内だけでなく、国内各地に移植しました。そのおかげでわが国では美味しい筍(竹の子)を食することができるようになりました。
なおこの碑の文面は、明治の大実業家であり、わが国の活字版印刷術の進展におおきな影響をあたえた五代友厚(通称:才助、1836-85)の父である、儒家 : 五代秀尭(ひでたか)によるものとのことです。
DSCN1340 DSCN1335 DSCN1338 DSCN1337【 猫 神 神 社 】
豊臣秀吉による朝鮮出兵の文禄 ・ 慶長の役に際して、出兵を命じられた17代当主:島津義弘は、時計のかわりに猫を朝鮮に連れて行き、猫の眼の瞳孔の開き具合で時刻を推察したとされます。このとき同行した猫07匹のうち、生きて帰った02匹を祀ったのが猫神神社です。

例年06月10日の「時の記念日」には、時計業者が参列して例祭も執り行われているそうです。また全国の愛猫家から、愛猫の健康と長寿を願う絵馬が寄進され、毎年「ニャン、ニャン、ニャンの日」となる2月22日には「愛猫長寿祈願祭」も開催されています。
DSCN4362DSCN4360DSCN4359【 示現流展示室 】
一撃必殺、「チェストー!」の掛け声で知られる薩摩藩の古流剣術「示現流 じげんりゅう」。
400年の歴史をもつ示現流が薩摩武士に与えた影響を、実際に木刀を振りながら体感することができます。上掲の師範の腰のはいった斬戟とくらべ、わがアダナ・プレス倶楽部 AD 松尾篤史さんの、ちぢこまった腕、へっぴり腰はなんとしたことでしょう。

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【 両  棒  餅 】
武士が刀を二本脇に差している様子になぞらえた餅菓子で、「両棒餅(ぢゃんぼもち)」と呼ばれます。
焼き餅にみたらし団子に似た、タレがかかった郷土菓子で、仙巌園内の茶店のものが有名です。

DSCN9762DSCN9775DSCN9763【 集仙台 トレッキングコース 】
お時間のあるかたには、片道20分、往復40分のショート トレッキングコースがおすすめ。
裏山の中腹にある「千尋巌 せんじんがん」のまわりを巡り、展望台からの眺めも良好です。なお「千尋巌」は、27代当主:島津斉興が03ヶ月をかけて、延べ3,900人の人夫をつかって文字を刻ませた一枚岩で、「千尋巌」の三文字で、およそ11 m の大きさがあり、貝殻を砕いた白い粉である胡粉(ごふん)が塗り固められています。

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【 鶴 嶺 神 社 】
島津家の歴代当主とその家族が祀られている神社で、仙巌園と隣接しています。なかでも、16代当主 : 島津義久の三女であり、のちに18代当主島津家久の正室となる「持明院(じみょういん)/亀寿姫 」ゆかりの神社として、「美人祈願」 にご利益があるとされています。
なお、鹿児島市城山町にある鹿児島市美術館の一角(西郷隆盛銅像の裏手)にも、「じめさぁ(持明院様)」 と呼ばれる石造があり、毎年命日の10月05日には恒例の化粧直しがおこなわれています。
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