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【展覧会】書道博物館|東京国立博物館/台東区立書道博物館 連携企画20周年|王羲之 と 蘭亭序|’23年1月31日-4月23日|終了

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書道博物館
東京国立博物館/台東区立書道博物館 連携企画20周年
王羲之と蘭亭序
会  期  2023年1月31日[火]- 4月23日[日]
      会期中、一部展示替えがあります。
        前  期  1月31日[火]- 3月12日[日]
        後  期  3月14日[火]- 4月23日[日]
会  場  台東区立書道博物館
      110-0003 台東区根岸2丁目10番4号 電話 03-3872-2645
観  覧  料  一  般・大学生 500円、 高、中、小学生 250円
開館時間  午前9時30分-午後4時30分(入館は4時まで)
休  館  日  月曜日
主  催  (公財)台東区芸術文化財団
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魏晋時代は書が芸術として自覚され、多<の能書が輩出しました。なかでも東晋時代に活躍した王羲之(303-361)は、その最晩年に伝統の束縛から離れ、普遍的な美しさを備えた先進的な書法を獲得し、のちに 書聖 と崇められています。
永和9年(353)3月3日、王羲之は会稽山陰(浙江省紹興市)の 蘭亭 に、名士を招いて 流觴曲水 (りゅうしょう きょくすい)の雅宴を催し、宴で詠まれた詩集の序文を揮毫しました。これが世に名高い「 蘭亭序 」です。人生への深い洞察を吐露した 蘭亭序 は、詩酒に興じた序文の草稿でしたが、王羲之も認める最高傑作となりました。

王義之の書をこよな<愛した唐太宗は、苦心惨憺の末に入手した 蘭亭序 を、崩御に際して副葬させました。そのため 蘭亭序 の真跡は現存しませんが、太宗が作らせた模本や拓本によって、王羲之の書法は後世に受け継がれました。
このたび20周年を迎える連携企画では、原点に回帰して、改めて王羲之と蘭亭序に焦点を当てます。両館の展示を通して、王羲之書法 や 蘭亭文化 のひろがりなど、文人たちの憧れの世界を存分にご堪能ください。

※ 新型感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上観覧を。
[ 詳 細 : 台東区立書道博物館 ] [ 詳 細 : 東京国立博物館 東洋館  第8室 ]
[ 参 考:花筏  朗文堂 ― 好日録011 吃驚仰天 中国西游記Ⅰ
[ 参 考:花筏【新・文字百景】004 願真卿生誕1300年祭|真筆が伝承しない王羲之の書

【展覧会】書道博物館|企画展 中村不折コレクション|美しい楷書 ─ 中国と日本 ─|’22年6月28日-10月23日

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台東区立書道博物館
企画展 中村不折コレクション
美しい楷書 ── 中国と日本 ──
会  期  2022年6月28日[火]-10月23日[日]
      会期中、一部展示替えがあります。
        前  期  6月28日[火]-  8月14日[日]
        後  期  8月16日[火]-10月23日[日]
会  場  台東区立書道博物館
      110-0003 台東区根岸2丁目10番4号 電話 03-3872-2645
入  館  料  一 般・大学生 500円、小、中、高校生 250円
開館時間  午前9時30分-午後4時30分(入館は4時まで)
休  館  日  月曜日(祝休日と重なる場合は翌平日)
      * 今後の諸事情により、会期、展示期間、展示作品が変更になることがあります。
       あらかじめご了承ください。
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楷書のはじまりは3世紀頃と考えられ、隷書の波打つような筆づかいから、やがて一点一画が独立した構成をみせるようになります。隋時代には南北の書風が融合し、洗練された楷書へと発展します。そして、その美しさを誰にでもわかりやすく法則化したのが、唐時代の楷書です。
今回の展示では中村不折(なかむら ふせつ 1866-1943)のコレクションから楷書に焦点をあて、楷書が完成するまでの過程を時代ごとに紹介いたします、また、日本の書における楷書作品もあわせて展示いたします。
美しさの頂点を極める唐時代の楷書、敦煌やトルファンなどから出土した貴重な肉筆の楷書など、惚れ惚れするような美しい楷書の数々を、たっぷりとご堪能ください。

※ 新型感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上参観を。
[ 詳細 : 書道博物館

【展覧会】書道博物館|企画展 みんなが見たい優品展 パート18|中村不折コレクションから ── 清朝碑学派の書|’ 22年3月15日-6月12日

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台東区立書道博物館
企画展 みんなが見たい優品展 パート18
中村不折コレクションから ── 清朝碑学派の書
会  期  2022年3月15日[火]-6月12日[日]
      会期中、一部展示替えがあります。
        第 1 期   3月15日[火]-4月24日[日]
        第 2 期   4月26日[火]-6月12日[日]
会  場  台東区立書道博物館
      110-0003 台東区根岸2丁目10番4号 電話 03-3872-2645
入  館  料  一 般 500円、小、中、高校生 250円
開館時間  午前9時30分-午後4時30分(入館は4時まで)
休  館  日  月曜日(祝休日と重なる場合は翌平日)
      * 今後の諸事情により、会期、展示期間、展示作品が変更になることがあります。
       あらかじめご了承ください。
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中村不折(なかむら ふせつ 1866-1943)のコレクションから、清時代に碑学を学んだ人たちの書、そしてその原点となった石碑や青銅器の拓本などを展示します。また、碑学の影響を受けた中村不折の書や研究の足跡をたどり、日中の文化交流を紹介します。

※ 新型感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上参観を。
[ 詳細 : 書道博物館

【展覧会】書道博物館|東京国立博物館・台東区立書道博物館 連携企画|特別展 没後700年 趙孟頫とその時代 ― 復古と伝承|’22年1月4日-2月27日

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書道博物館
東京国立博物館・台東区立書道博物館 連携企画
特別展 没後700年 趙孟頫とその時代 ― 復古と伝承 ―
会  期  令和4年1月4日[火]-2月27日[日]
      * 期間中、下記の日程で展示替えを行います。
      前 期:1月4日[火]-30日[日]  後 期:2月1日[火]-27日[日]
入  館  料  一 般 500円、小、中、高校生 250円
開館時間  午前9時30分-午後4時30分(入館は午後4時まで)
休  館  日  月曜日(祝休日と重なる場合は翌平日)、12月29日-1月3日
所  在  地  110-0003  台東区根岸 2 丁目 10 番 4 号 電 話  03-3872-2645
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2022年は、中国書画史に燦然と輝く巨星、趙孟頫(ちょうもうふ、字 – あざな:子昂 すごう、1254-1322)の没後700年にあたります。
趙孟頫は、南宋(1127-1279年)時代の末期に、宋の太祖:趙匡胤 の 11 代目の子孫として浙江省呉興-ごこう-に生まれましたが、26 歳で故国の滅亡に遭遇しました。33 歳でモンゴル人が統治する元王朝に仕えて要職を歴任し、その名声は内外にとどろき、最晩年には従一品の高官に任ぜられました。
しかし、宋の宗室・趙家の一員でありながら、異民族王朝の元に仕えたために、非難も受け、高位を授けられましたが閑職でした。趙孟頫はそんな複雑な境遇と忸怩たる想いから、全精力を翰墨-かんぼく-に注ぐことで、書画史に偉大な業績を打ち立て、漢民族の伝統文化の素晴らしさを世に知らしめました。

書画においては、王羲之を主とする晋唐-しんとう-の書法と、唐宋の画法を規範として、復古主義を唱導し、文人の新たな在り方を示しました。その作品は、元朝末期の四大家や、明清時代の諸家にも大きな影響を与え、日本でも早くから趙孟頫の書画が尊ばれてきました。趙孟頫の出現によって、書画の歴史は大きな変化を遂げたのです。
連携企画第19弾にあたる本展では、趙孟頫をはじめとする元時代の書画に焦点をあて、その魅力と後世における受容を紹介します。両館の展示を通して、趙孟頫の世界をお楽しみください。

趙孟頫図録

図 録
『没後700年 趙孟頫とその時代 ― 復古と伝承 ―』
編  集:台東区立書道博物館
編集協力:東京国立博物館
発  行:公益財団法人 台東区芸術文化財団
定  価:1,200円(税込)
* ミュージアムショップにて販売中。

 

 

 

* 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上参観を。
* 国立博物館での展示紹介は、両館での混同を避けるため{NOTES ON TYPOGRAPHY}にて 別途紹介 します。
[ 詳細 : 書道博物館

【展覧会】台東区立書道博物館|企画展 書でみる日本の歴史と文化|令和3年6月22日-9月12日

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台東区立書道博物館
企画展 書でみる日本の歴史と文化
会  期  令和3年6月22日[火]-9月12日[日]
      会期中、一部展示替えがあります。
        第1期 6月22日[火]-8月01日[日]
        第2期 8月03日[火]-9月12日[日]
会  場  台東区立書道博物館
110-0003 台東区根岸2丁目10番4号 電話 03-3872-2645

入  館  料  一 般 500円、小、中、高校生 250円
開館時間  午前9時30分-午後4時30分(入館は4時まで)
休  館  日  月曜日(祝休日と重なる場合は翌平日)
      * 今後の諸事情により、会期、展示期間、展示作品が変更になることがあります。
       あらかじめご了承ください。
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書道博物館の創設者中村不折(なかむら-ふせつ 1866-1943)のコレクションには、日本の歴史を彩る貴重な作品があります。古代の貨幣や石碑の書、日本史に名を残した人たちの書など、文字の伝来から昭和初期までの作品を一堂に展示いたします。
書き手の人柄に思いを馳せながら、書道博物館の所蔵品で日本の歴史を探る旅、ご堪能ください。

※ 新型感染症「COVID-19」予防対応実施中。下掲詳細を確認の上展観を。
[ 詳細 : 書道博物館

【展覧会】台東区立書道博物館 |企画特別展 中村不折の世界|2020年6月26日-12月13日

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台東区立書道博物館
企画特別展 中村不折の世界
会  期  2020年6月26日[金]-12月13日[日]まで
      ※会期等は、今後の諸事情により変更の可能性があります。
開館時間  9:30-16:30(入館は閉館の30分前まで)
休  館  日  月曜日、9月23日[水]、11月24日[火]
      ※9月21日[月・祝]、11月23日[月・祝]は開館
観  覧  料  一般・大学生 500円、高・中・小学生 250円
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中村不折(1866-1943)は画家であり書家でした。新聞挿絵をはじめ、明治の文豪たちが主催する雑誌のブックデザイナーとして手がけた装丁や挿絵、財界や教育界で活躍した人の記念碑、商店の看板やロゴマークなど、今でも身近なところに息づいている不折作品がたくさんあります。
本展では、不折の作品を中心に、不折と交流のあった文豪や、不折が影響を受けた江戸の書画などを交えて、不折の世界を館蔵品のなかから一挙に公開いたします。

◉「COVID – 19」による紆余曲折を経ての本格開催です。下記をご確認のうえご参観を。
[ 詳細 : 書道博物館

【展覧会】書道博物館 企画展|みんなが見たい優品展 パート14|歴史に名を残した日本人の書|3月12日-6月16日

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企画展 歴史に名を残した日本人の書
展示期間  3月12日[火]-6月16日[日]
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14回目を迎える恒例のリクエスト展。アンケートでリクエストの多かった作品を、可能なかぎり組み込んで展示を構成します。

【展覧会】東京国立博物館・台東区立書道博物館 連携企画|王羲之書法の残影 ― 唐時代への道程 ― |東京国立博物館 東洋館8室|書道博物館

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東京国立博物館・台東区立書道博物館 連携企画
王羲之書法の残影―唐時代への道程―

東京国立博物館 東洋館8室

開催期間  2019年1月2日[水]-3月3日[日]
開館時間  9:30-17:00 * 金・土曜日は21:00まで開館
休  館  日  月曜日(1月14日、2月11日は開館。1月15日[火]、2月11日は休館)
観  覧  料  一般 620円、大学生 410円

台東区立書道博物館
開催期間  2019年1月4日[金]-3月3日[日]
開館時間  9:30-16:30 * 入館は閉館の30分前まで
休  館  日  月曜日(1月14日、2月11日は開館。1月15日[火]、2月11日は休館)
観  覧  料  一般・大学生 500円、高・中・小学生 250円
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王羲之-おうぎし-が活躍した東晋時代と、顔真卿-がんしんけい-が活躍した唐時代は書法が最高潮に到達した時代でした。ここでは、両者の架け橋となる南北朝時代と隋時代の書に注目します。
時代を先取りした王羲之の前衛的な書は、南北朝の書に深い影響を与えました。東晋の後、貴族の勢力が強い南朝では、強大な王朝は出現せず、宋・斉・梁・陳の4王朝が数十年間で次々と交替しました。その全盛期は、48年にわたって君臨した梁の初代皇帝・武帝-ぶてい-の時代です。南朝には、王羲之・王献之-おうけんし-による洗練された書が脈々と継承されていました。

一方、北朝には北魏・東魏・西魏・北斉・北周の5王朝が興亡しました。150年も存続した北魏に対して、他の4王朝はいずれも短命でした。北魏の書は、はじめ魏晋の古風な書に胡人の意趣を盛り込んだものでしたが、洛陽-らくよう-に遷都してからは、当時の南朝の書風に影響を受けた、雄偉で構築性に富んだ書風となりました。
やがて西魏が梁の都の江陵-こうりょう-を陥落すると、南朝の書風が北朝に流入します。そして589年の隋の統一によって、南北で育まれてきた書風はさらに融合し、唐時代の理知的で美しい書が生まれるのです。

この展示は台東区立書道博物館(1月4日-3月3日)との連携企画第16弾です。
特別展「顔真卿 王羲之を超えた名筆」(1月16日-2月24日、東京国立博物館平成館)とあわせて、中国の書の世界をお楽しみ下さい。

【 詳細: 東京国立博物館 東京国立博物館 東洋館8室 台東区立書道博物館 】
{初掲載:2018年12月25日}

【展覧会】書道博物館 企画展|中村不折の し・ご・と|─ 画家として、書家として─|9月26日-12月16日

20180918115742_00001 20180918115742_00002書道博物館 企画展
中村不折の し・ご・と
── 画家として、書家として──
期  間  平成30年9月26日[水]-12月16日[日]
開館時間  9時30分-16時30分(入館は16時まで)
入  館  料  一般・大学生500円、小中高生250円
問  合  せ  電話 03(3872)2645
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中村不折(1866-1943)の職業は、画家であり書家でした。生涯の仕事であった新聞さし絵をはじめ、明治の文士たちのブックデザイナーとして手がけた装丁や本のさし絵、財界や教育界で活躍した人の記念碑、商店の看板やロゴマークなど、今でも身近なところに息づいている作品がたくさんあります。書道研究のコレクション購入費や、書道博物館の建設費を工面するため、南画や書の制作にも励みました。
休館明けの企画展では、画家、書家として、不折が生涯にわたり制作しつづけた作品を、館蔵品の中から一挙公開いたします。
そして、2018年は不折が「千字文」を書いてからちょうど100年。100年後も色あせない不折流のモダンな楷書、行書、草書の千字文を特別展示いたします。

【詳細: 書道博物館 】 {活版アラカルト 過去ログ

【展覧会】台東区立書道博物館 企画展 {みんなが見たい優品展 パート14}3月16日─ 4月15日 終了企画

書道博物館_01 書道博物館_03 書道博物館_02台東区立書道博物館 企画展
みんなが見たい優品展 パート14
期間:平成30年3月16日[金]-4月15日[日]
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休館前の一ヶ月限り! 書道博物館の名品ずらり
年に一度のリクエスト展。
今回は休館前の短期間スペシャル企画として、
書道博物館の名品を1ヶ月限定で特別公開いたします。

【 休館のお知らせ 】
この度、書道博物館は空調機器の更新および館内照明の LED 化に伴う工事のため
下記の期間休館いたします。
平成30年4月16日-平成30年9月25日  休館
ご迷惑をおかけいたしますが、施設保全のため、ご理解・ご協力をお願いいたします。

【詳細: 書道博物館

【長期展覧会 愈〻終了迫る】 書道博物館企画展 あの人、こんな字!-歴史上の人物たち- 前半《日本編》 後半《中国編》

20170619194737_00001 20170619194737_00002 20170620234234_00001台東区立書道博物館は、洋画家であり書家でもあった中村不折(1866-1943)が、その半生40年あまりにわたり独力で蒐集した、中国及び日本の書道史の研究上重要なコレクションを有する専門博物館である。
【企画展】
あの人、こんな字! -歴史上の人物たち-

《日本編》 06月27日[火]-09月18日(月・祝)
《中国編》 09月22日[金]-12月17日(日)
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日本史や中国史に登場する人たちは、どんな字を書いていたのでしょう? 歴史に名を残した人物の文字の姿を、日本編と中国編に分けて館蔵品より紹介いたします。

平成29年は、正岡子規と夏目漱石の生誕150年にあたります。
《日本編》の特別コーナーにおいては、同館所蔵の子規や漱石の関係資料を一挙公開いたします。

《中国編》では、歴代皇帝の書を紹介する特別コーナー、また歴史上重要な人物が登場する写本として、同館の重要文化財「三国志」を期間限定で特別公開するコーナーを設けます。
《日本編》 第一期・二期の詳細が発表になりました。特設URLからご紹介

【 詳細 : 書道博物館 】  { 文字壹凜 まとめ }

【 次回展予告 : 呉 昌碩とその時代-苦鉄没後90年-呉昌碩とその時代 】

【展覧会】 董其昌とその時代-明末清初の連綿趣味/東京国立博物館・台東区立書道博物館 連携企画

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ぢゃむ 杉本昭生【活版小本】 次の本が出来るまで その41

七十二候(しちじゅうにこう)
「七十二候」とは、「二十四節季」をさらに約五日ごとに分類し気候の変化や動植物の様子を表現したものです。
12月2日より12月31日までを掲載します。
※大雪 次候の虎始交は書家であり画家の中村不折氏の作品です。最後に製作者のリストを掲載しておきます。いつか本にできればと思っています。
しかし印をひとつずつ押すのは大変でしょうね。でも楽しそう。
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書道博物館 施設概要】 冒頭部・部分
書道博物館は、洋画家であり書家でもあった中村不折(1866-1943)が、その半生40年あまりにわたり独力で蒐集した、中国及び日本の書道史研究上重要なコレクションを有する専門博物館である。
殷時代の甲骨に始まり、青銅器、玉器、鏡鑑、瓦当、塼、陶瓶、封泥、璽印、石経、墓券、仏像、碑碣、墓誌、文房具、碑拓法帖、経巻文書、文人法書など、重要文化財12点、重要美術品5点を含む東洋美術史上貴重な文化財がその多くを占めている。

こうしたコレクションと、昭和11年11月に開館した当初の博物館建設に伴う一切の費用は、すべて不折自身の絵画や書作品の潤筆料から捻出した。その偉業は日中書道史上においても特筆されるべきものである。
こうして書道博物館は、開館以来約60年にわたって中村家の手で維持・保存されてきたが、平成7年12月、台東区に寄贈された。そして平成12年4月に再開館したのが現在の台東区立書道博物館である。
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{新宿餘談}
中国明王朝は朱元璋(太祖)がほかの群雄を倒し、蒙古族王朝元を北に追い払って金陵(南京)に建朝した。三代成祖(永楽帝 1402-24)のとき北京(順天府 1421)に遷都。
明代前半期は久しぶりの漢族正統王朝のもとで「文藝復興」の時代とされ、また奇妙なことに西欧の「ルネサンス」の時代ともかさなっている。
ところが後半期は、皇族は奢侈にはしって治世が安定せず、宦官の専権が目立ち、各地で農民の叛乱が勃発し、異民族からの圧迫も多く、国勢は次第に衰微をみた。

董其昌(とう-きしょう 1555-1636)はそんな明朝末期に活躍した文人であり、特に書画に優れた業績を残して「藝林百世の師」とされた。また清朝の康煕帝が董其昌の書を敬慕したことは有名で、その影響で清朝においては正統の書とされた。

ところで、董其昌が活躍した明末清初の時代とは、わが国では徳川時代初期にあたり、徳川幕府の正統の書とは、楷書でも行書でもなく「お家流」とされた連綿体であった。
またここ最近、規矩の明確な明朝体・ゴシック体の使用に「活字ばなれ」と称されるような疲労感がみられ、ひら仮名からはじまり漢字にいたる「連綿体」が世上の関心をあつめている。
この奇妙な符合がどこから発しているのかを考えるのに好適な展覧会が、新春早早から開催される。

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董其昌没後380年
董其昌とその時代一明末清初の連綿趣味-

中国明王朝の時代に文人として活躍した董其昌(とう-きしょう 1555-1636)は、高級官僚として官途を歩むかたわら、書画に妙腕を発揮しました。
書ははじめ唐の顔 真卿を学び、やがて王羲之らの魏晉時代の書に遡ります。さらに当時の形式化した書を否定して、平淡な書風を理想としながら、そこに躍動感あふれる連綿趣味を盛り込みました。
画は元末の四大家から五代宋初の董 源に遡り、宋や元の諸家の作風を広く渉猟して、文人画の伝統を継承しつつ、一方では急進的な描法によって奇想派の先駆けとなる作例も残しています。

董其昌は書画の理論や鑑識においても、卓越した見識を持っていました。『画禅窒随筆』は、董其昌の書画に対する深い理解と理念を示すものとして知られています。

明王朝から清王朝への移行は、単なる政権交代ではなく、漢民族が異民族である満州族に覇権を奪われた歴史上の一大事でもありました。
董其昌によって提唱された書画の理念は、明末から清初にかけた激動の時代の書画にも濃厚に反映されました。連綿趣味は、当時の人〻の鬱勃たる心情を吐露する恰好の場となったのです。
ところが満州族である清の康熈帝と乾隆帝が董其昌の書画を愛好したことで、その後三百年に及ぶ清朝においても董其昌は大きな影響を与え続けました。

今年度は、董其昌の没後380年にあたります。このたび14回目を迎える東京国立博物館と台東区立書道博物館の連携企画では、中国書画の流れを大きく変えることとなる董其昌に焦点をあてながら、そのあとさきに活躍した人〻の書画を取りあげます。
両館の展示を通して、魅力あふれる董其昌ワールドをお楽しみください。
【詳細:書道博物館
【詳細:国立博物館 東洋館

【展覧会】 書道博物館 書のスケッチ「臨書」の世界 ―― 手習いのあとさき、王羲之から不折まで

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 書のスケッチ「臨書」の世界
―― 手習いのあとさき、王羲之から不折まで

◯ 会       期  02月16日[火]ー05月29日[日]※期間中一部展示替えあり
◯ 開館時間  09:30-16:30
◯ 休  館  日   毎週月曜日(特別休館日・開館日あり)
◯ 観  覧  料   一般・大学生 500円
【 詳細 : 書道博物館 】

 

【見逃せない展覧会】 書道博物館、東京国立博物館 東洋館八室 連携企画/『顔 真卿と唐時代の書』12 月1日両館同時開始

中国唐朝の「顔 真卿没後1230年」を期して開催される書芸展。本展は書道博物館と、東京国立博物館の連携企画であり、また同時期に開催される、三井記念美術館『三井家伝世の至宝』に展示される、虞世南筆「孔子廟堂碑」(唐拓孤本)、欧陽詢筆「宮成宮醴泉銘」(海内第一本)とも共鳴するものである。

世界史でも有数の国威を誇った唐時代の書は、王羲之らの東晋の書とは異なった美しさが追求された。
唐の四代書家とされる、欧陽 詢・虞世南・褚遂良・顔 真卿(709-85)は、王羲之の書法に基づきながら洗練された気風を盛りこんだ。
唐の時代に完成された最終書体である楷書がいかに完然であったのかは、その後あらたな書体が出現しなかったことからも容易に理解される。 [書道博物館]
20151117114437805_0001 20151117114437805_0002【 詳細 : 台東区立書道博物館 】
【 詳細 : 東京国立博物館 東洋館八室 】

【展覧会】 書道博物館 美しい隷書-中国と日本展 をみる。

 20140404171554707_0001書道博物館企画展
中村不折コレクション 美しい隷書 ──── 中国と日本
【会    期】  2014年04月04日[金]-07月13日[日]
【開館時間】  09時30分-16時30分(入館は閉館の30分前まで)
【休  館  日】   毎週月曜日
【詳     細】  台東区立書道博物館 URL
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隷書とは、篆書を簡略化して日常書体とすることによってうまれました。
篆書は左右対象で、曲線を多く用いた威厳のある形姿でしたが、書くために時間がかかるという不便があったために、徐徐に簡略化がすすみました。
やがて曲線を減らし、水平と垂直線を増やした隷書がもちいられるようになりました。

したがって隷書の「隷」は、篆書に「隷属」するという意からうまれました。
いまだにわが国の辞書の一部には、隷書の紹介を、秦(春秋戦国時代の大国のひとつ。前221-前207年中国史上最初の中央集権国家となる。3世16年で漢の高祖に滅ぼされた)の雲陽のひと 程邈テイバクが、秦朝の公用書体だった小篆の繁雑さを省いてつくったもので、「徒隷」、すなわち卑しい身分のものにも解しやすい漢字書体だとするものがありますが、そろそろ見直しが必要のようです。

隷書が誕生した直後は比較的直線がめだちましたが、次第に波のようなうねりをともなうようになり、歯切れのよい、リズミカルな形姿を獲得していきました。その頂点をむかえたのが漢(前207-後220)の時代です。
漢代初期の隷書は、おおらかで動きのある素朴な趣が主流でしたが、その後期になると、鮮やかで美しい隷書として完成をみるにいたりました。
そしてその隷書で書かれた石碑が数多く建立されたのも漢代の特徴のひとつです。 また20世紀の初頭に、西域の敦煌トンコウやトルファンから出土した文書モンジョからも、肉筆で書かれた隷書が発見されています。

中村不折フセツコレクションには、隷書の名品が数多くあります。不折はみずからの書風を形成していく過程において、これらの隷書からも大いに刺激をうけました。したがって不折流とされる独特の書風には隷書の要素が多分に取り込まれ、表情がゆたかで、あかるく、また装飾性にも富んでいます。
ご観覧をお勧めいたします。 [同館フライヤーより。一部追加改変してご紹介しました]。
【関連情報/ウィキペディア:隷書体

<1899年・明治32年に中村不折が築造した「お蔵」が発見され、同館中庭に復原>
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同館の創立者:中村不折(1866-1943 ウィキペディア:中村不折 中村不折画像集)が1899年(明治32)に住居としていた「下谷区根岸町31番地/現・台東区根岸三丁目12番地」の敷地内に作品や収蔵品の収蔵庫として「お蔵」を建てていたことは、のこされた写真などから知られてはいました。
ところがこのあたりは関東大震災、第二次世界大戦の被害が甚大で、いつのころかその存在が忘れられていました。

発見は偶然だったといいます。2011年(平成23)郷土史家で、根岸子規会の会長:奥村雅夫氏が、道路拡張工事で姿を消す街並みの記録をのこそうとしてこの近辺を撮影していたところ、民家の一隅からこの「お蔵」を発見されました。

中村不折はこの「お蔵」があった「下谷区根岸町31番地/現・台東区根岸三丁目12番地」の住居には、1915年(大正04)に現在の書道博物館のある「台東区根岸二丁目10ー4」に転居するまで居住しており、旧宅の「お蔵」の前で撮影した写真ものこされています。
その写真は図録などでたびたび紹介されましたから、もっとおおきなものとおもっていました。実際には上掲写真のように、大谷石とおもわれる石造りの堅牢な蔵ですが、意外にちいさなものでした。

このようないきさつがあって、「お蔵」は書道博物館に復原されました。この明治期の「お蔵」が復原されたことで、同館敷地内には、明治のお蔵、大正のお蔵、昭和の本館、平成の中村不折記念館が、庭園をとりかこむようにして配置されています。 【書道博物館:明治のお蔵が復原されました

<大正のお蔵で『三体石教』をみる>
三体石教

書道博物館はしばしば訪れるが、企画展示の観覧ととあわせて、「大正のお蔵」とされる、正面からはいって左側の収蔵物をよくみる。ここには『熹平石教キヘイセッケイ』、『三体石教サンタイセッケイ』など、信じられないような貴重な収蔵品がある。
上掲図版は『三体石教』(残石・第五石)とされる。建造は三国時代の魏・正始年間(240-48)である。書道博物館販売の「絵はがき」から紹介した。

この『三体石教』は上から、大篆、小篆、隷書の三書体によって石に刻まれた<石の書物>ともいうべき存在である。大篆の絵図記号のような「文」が(この段階ではまだ字とはいいがたい。むしろ文 ≒ 紋)が、小篆になるとようやく絵図記号を脱して「文 ≒ 紋から 文」らしくなり、隷書にいたって、完全に現代でもよめる「字」になっている。
以下にちいさな勉強会の学習『石の書物-開成石教』(グループ昴スバル 朗文堂、p.34 )-から紹介したい。

三国時代、魏王朝の『三体石教』

統一王朝の漢が滅びたのち、中国はふたたび魏晋南北朝とよばれるながい混乱の時代にはいった。最初に三世紀のはじめに、魏ギ(220-265)、蜀ショク(221-263)、呉ゴ(222-280)が鼎立する「三国時代」があった。
そのうち洛陽にみやこをおいた魏王朝は、日本に関するもっともふるい文書記録『魏志倭人伝』をのこした王朝としてわが国では知られている。

『喜平石教』の建立から68年後、三国時代の魏王朝がみずからの正当性を主張するために、明帝正始02年(241)、洛陽の最高学府「太学タイガク」に『尚書』『春秋』『春秋左氏伝』の三種類の儒教教典をしるした石碑を建立した。
この碑は建立の時代から『正始石教』とも呼ばれるが、むしろ『三体石教』として知られるのは、儒教教典のひとつひとつの「字」が、大篆、小篆、隷書の三書体によってしるされているためである。

そもそも漢王朝の末から魏王朝のはじめにかけては、古典をまなぶ必要がとかれ、今文キンブンとしての隷書ではなく、古文としての大篆や小篆でしるされた、ふるい教典を研究することが盛んであった。
そのために今文としての隷書だけでしるされた、後漢(東漢)の『熹平石教』より、68年ののちに建立された『三体石教』は、古典の教典は古文(ふるい時代のもんじ)であらわすと同時に、中国の殷商王朝(甲骨文・金文)、周王朝(大篆)、秦・前漢王朝(小篆)、前漢・後漢王朝(隷書)など、歴代王朝の歴史を継承する、中国正統王朝としての魏王朝の存在を誇示するものでもあった。

『三体石教』はのちに洛陽をはなれて、西安や案用に移転された。それでもその存在は拓本や文書記録によって知られていたが、黄河の洪水や戦乱に巻きこまれてながらく所在不明となっていた。
それが清王朝の末期に洛陽で『尚書』編の一部の残石が発見され、ついで1957年(昭和32)西安市北大街青年路西段での下水道工事のさいに、偶然地中から大量に残石が発見されておおきな話題となった。
しかしながらこの石碑は1700年以上の流転のあいだに相当破損がすすみ、書写人の名前なども判明しない。現在残石は各所に所蔵されるが、そのほとんどは西安碑林博物館に収蔵されている。
<初出は展覧会案内として 2014年4月7日に投稿したものに加筆修整した>

【展覧会】 書道博物館 美しい隷書-中国と日本

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書道博物館企画展 中村不折コレクション
美しい隷書 ──── 中国と日本
【会    期】  2014年04月04日[金]-07月13日[日]
【開館時間】  9時30分-16時30分(入館は閉館の30分前まで)
【休  館  日】  毎週月曜日(5月5日は会館。5月7日は展示替えのため休館)
【詳     細】  台東区立書道博物館 URL
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隷書は、篆書を簡略化して、日常書体とすることによってうまれました。 篆書は左右対象で、曲線を多く用いた威厳のある形姿でしたが、書くために時間がかかるという不便があったために、徐徐に簡略化がすすみました。やがて曲線を減らし、水平と垂直線を増やした隷書がもちいられるようになりました。

したがって隷書の「隷」は、篆書に「隷属」するという意からうまれました。
いまだにわが国の辞書の一部には、隷書の紹介を、秦(春秋戦国時代の大国のひとつ。前221-前207年中国史上最初の中央集権国家となる。3世16年で漢の高祖に滅ぼされた)の雲陽のひと 程邈テイバクが、秦朝の公用書体だった小篆の繁雑さを省いてつくったもので、「徒隷」、すなわち卑しい身分のものにも解しやすい漢字書体だとするものがありますが、そろそろ見直しが必要のようです。

隷書が誕生した直後は比較的直線がめだちましたが、次第に波のようなうねりをともなうようになり、歯切れのよい、リズミカルな形姿を獲得していきました。その頂点をむかえたのが漢(前207-後220)の時代です。

漢代初期の隷書は、おおらかで動きのある素朴な趣が主流でしたが、その後期になると、鮮やかで美しい隷書として完成をみるにいたりました。そしてその隷書で書かれた石碑が数多く建立されたのも漢代の特徴のひとつです。 また20世紀の初頭に、西域の敦煌トンコウやトルファンから出土した文書モンジョからも、肉筆で書かれた隷書が発見されています。

中村不折フセツコレクションには、隷書の名品が数多くあります。不折はみずからの書風を形成していく過程において、これらの隷書からも大いに刺激をうけました。したがって、不折流とされる独特の書風には隷書の要素が多分に取り込まれ、表情がゆたかで、あかるく、また装飾性にも富んでいます。 ご観覧をお勧めいたします。 [同館フライヤーより。一部追加改変してご紹介しました]。 【関連情報/ウィキペディア:隷書体