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【展覧会】東京工芸大学 写大ギャラリー|東京工芸大学創立100 周年記念展|吉田志穂展「この窓から見えるものが変わったとしても」|’23年11月10日-’24年1月31日|

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東京工芸大学 写大ギャラリー
東京工芸大学創立100 周年記念展
吉田志穂展「この窓から見えるものが変わったとしても」
会  期  2023年11月10日[金]- 2024年1月31日[水]
開館時間  10:00 - 19:00
休  館  日  木曜日、日曜日、祝日 2023年12月27日[水]- 2024年1月4日[木]
      2024年1月12日[金]- 1月14日[日]
入  場  料  無 料
会  場  東京工芸大学 写大ギャラリー
      164-8678 東京都中野区本町2-4-7 5号館(芸術情報館)2F
      TEL 03-3372-1321 (代)
展示作品  モノクロ・カラー写真作品 約30点
企画担当  勝倉 崚太 写大ギャラリー運営委員
協  力  Yumiko Chiba Associates
主  催  東京工芸大学 芸術学部
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写大ギャラリーでは、東京工芸大学創立100 周年を記念して、本学の卒業生でもある写真家・吉田志穂写真展「この窓から見えるものが変わったとしても」を開催いたします。
吉田志穂は本学在学中(4年次)の2014年に、数多の著名な写真家を輩出した写真コンテスト「第11回写真 1_WALL」にてグランプリを受賞して、華々しくデビューしました。2017年には、写真作品が選ばれることは稀である現代美術コンテスト「第11回shiseido art egg」に入選を果たしました。その後も、数々の個展や国内外の美術館での企画展、写真フェスティバルに招聘され、2022年、写真界の芥川賞と言われる第46回木村伊兵衛賞を受賞しました。今では、写真界のみならずアート界からも注目される若手を代表する写真家です。
吉田はアナログとデジタル両方のプロセスを融合した制作方法が特徴的です。また展示空間を含めて作品とみなす手法、インスタレーションを得意としています。代表作「測量|山」では、インターネットにて撮影する場所を探して、その過程にて見つけた地図や航空写真などのイメージを撮影します。その写真を持って実際の場所に向かいます。その場に降り立った時の感情や感覚を元に、眼前の光景と持参した写真などを様々な方法で組み合わせていきます。そして、アナログとデジタル両方のプロセスを融合することでしか生まれない、実際には存在しない風景を作り上げます。

「この窓から見えるものが変わったとしても」は 解像度をキーワードにした新作です。解像度とは画像を構成する密度のことで、その密度が高いほど高画質になります。最近では、物事の理解や思考が明確な人に対して、あの人は解像度が高い、といった使い方もされています。あらゆる機器は高解像度を目指して開発されており、多くの人はそれを望みます。
しかしデジタル全盛の現在において、フィルム写真に独特な味を感じたり、わざと低解像度の古いコンパクトデジタルカメラを使用したりする若者も多く見受けられます。高解像度のものに違和感を覚える、または低解像度のものに愛着を感じる人も少なくありません。

本作では、まず、高解像度のデジタルカメラで撮影した写真を数メートルの大きなプリントにします。それをあらゆる解像度、機種のカメラで再度撮影しました。使用したカメラは、8×10inchのシートフィルムを使用する大型カメラから、「写ルンです」や、2005年製造のコンパクトデジタルカメラなど多岐に渡ります。同じ写真を撮影しているのにも関わらず、カメラの機種によって完成する写真は大きく異なります。カメラによってファインダーという窓は異なり、そこから見えるものも変化します。そのどれにも個性と魅力があると吉田は考えます。
本展は、「この窓から見えるものが変わったとしても」を中心に、「測量|山」などの代表作をご覧いただきます。木村伊兵衛賞受賞後、初の新作を交えた個展です。
                                (企画担当 勝倉崚太)

吉田 志穂(よしだ しほ 1992− )
千葉県に生まれる。東京都を拠点に活動。2015年東京工芸大学芸術学部写真学科卒業。2022年第46回木村伊兵衛賞受賞。主な展覧会に、2021年「記憶は地に沁み、風を越え 日本の新進作家 vol.18」(東京都写真美術館)、2021年「あざみ野フォト・アニュアル とどまってみえるもの」(横浜市民ギャラリーあざみ野、神奈川)、2020年「TOKAS-Emerging 2020」(トーキョーアーツアンドスペース本郷、東京)、2018年「Quarry / ある石の話」(ユミコチバアソシエイツ、東京)など。2014年「第11回写真 1_WALL」グランプリ受賞、2017年「第11回 shiseido art egg」入選、「Prix Pictet Japan Award 2017」ファイナリスト。

※ 下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 東京工芸大学 写大ギャラリー

【展覧会】東京工芸大学芸術学部 写大ギャラリー|古屋誠一写真展「第一章 妻 1978.2-1981.11」|写大ギャラリー・コレクションより|’22年6月10日-8月6日

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東京工芸大学芸術学部 写大ギャラリー
古屋誠一写真展「第一章 妻 1978.2-1981.11」
写大ギャラリー・コレクションより
会  期  2022年6月10日[金]-2022年8月6日[土]
開館時間  10:00-19:00
休  館  日  木曜日、日曜日、2022年7月18日[月・祝]
入  場  料  無 料
会  場  東京工芸大学 写大ギャラリー
      164-8678 東京都中野区本町2-4-7  5号館(芸術情報館)2F
      TEL 03-3372-1321
展示作品  カラー・モノクロ写真作品 約50点
主  催  東京工芸大学 芸術学部
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この度、写大ギャラリーでは本学の卒業生である写真家・古屋誠一の作品『Christine Gössler 1978-1985』のシリーズなどを中心に364点をコレクションいたしました。一度の収蔵点数としては非常に多い数になります。
これを記念して、第一章、第二章と 2 回にわけて、古屋誠一の世界をご紹介いたします。第一章では「妻」、第二章(11月開催予定)では「母」をテーマとします。モノクロ作品はすべて古屋自身の手によって1990年代にプリントされたものです。

古屋誠一は東京写真大学短期大学部(現・東京工芸大学)を卒業後、1973年、23歳のときに横浜港からナホトカ号、シベリア鉄道などを乗り継ぎ、ヨーロッパへ向かいました。二度と日本に帰らない、という強い意思をもった旅立ちでした。
ウィーンで数年を過ごしたのち、オーストリア第二の都市グラーツで、クリスティーネ・ゲスラー(Christine Gössler)という一人の女性と出会い、結婚。その後一児をもうけます。古屋はクリスティーネと出会った直後からその姿を撮りはじめ、結婚後も日常的に撮り続けました。やがてクリスティーネは病を患った末に、東ベルリンのアパートの上階から身を投げます。
古屋がクリスティーネと過ごした歳月は7年と8ヶ月ほど。その日々を『Mémoires-メモワール』と題した 5 冊の写真集として上梓。彼女の死後、二人が過ごした 3 倍近い歳月(最初の発刊から21年)をかけて断続的に発行され続けてきたものです。

今回、写大ギャラリーに収蔵された作品は、古屋とクリスティーネが共に過ごした歳月をほぼ完全に網羅する貴重なものです。古屋がクリスティーネに最初にカメラを向けた初々しい一枚、そしてクリスティーネが亡くなる前日に、東ドイツのポツダムで撮られた一枚が含まれています。
それらの作品群から、第一章では息子・光明を出産する直前までのクリスティーネの姿に注目します。夫・古屋との関係を強く感じさせるものとなります。
第二章では息子・光明を出産して母となったクリスティーネの姿を紹介します。こちらは息子・光明と母・クリスティーネの関係、そして父・古屋との関係を感じさせるものとなります。

子供の誕生によって、時に夫婦は大、のかたちやバランスを変えます。クリスティーネと古屋もまさにそれにあてはまります。妻、夫という顔だけでなく、母、父という顔も持たされることになるからです。妻-夫、母-父、母-夫、妻-父といった意外なほど複雑な関係が生まれます。
クリスティーネと古屋は、文化、習慣、宗教、言語といったものが大きく異なる外国人同士の結婚でもあり、夫婦のありようがより際立って感じられる側面も持っています。そのかたちに注目することは、普遍について問うことにもなるはずです。(企画構成 小林紀晴)

古屋 誠一(ふるや せいいち, 1950年-)
1950年、静岡県賀茂郡賀茂村宇久須(現・西伊豆町)に生まれる。東京写真短期大学(現・東京工芸大学)で写真を学んだ後、1973年にヨーロッパへ向かう。1975年からオーストリア第二の都市グラーツを生活の拠点とする。代表作は妻クリスティーネをテーマとした写真集『Mémoires』(5冊刊行)。これまでにヨーロッパ、アメリカ、日本などで多くの展覧会を開催している。最近では『Mémoires』から10年の時を経て、やはりクリスティーネを扱った写真集『Face to Face』(2020年)、『First Trip to Bologna 1978 / Last Trip to Venice 1985』(2022年)などを発刊。また写真専門誌『Camera Austria』 の創刊、編集にも深く関わり、1980年代から日本の写真家、写真文化を広くヨーロッパに紹介した。グラーツ在住。

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上参観を。
[ 詳細 : 東京工芸大学  東京工芸大学 写大ギャラリー