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【さようなら】有限会社東信堂印刷所:桜井孝三さん|ご報告:2019年6月14日 逝去されました|1934-2019

20190710201627_00001桜 井  孝 三
1934年(昭和09)6月22日-2019年(令和元)6月14日 享年84

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【 桜  井  孝  三 】

昭和09年(1934)東京都台東区浅草に生まれた。第二次世界大戦にともなう強制疎開により、長野県埴科郡雨宮縣村(現・千曲市雨宮-あめのみや)の母方の実家で育ち、昭和25年の春中等教育を終えて上京。
浅草一帯は焼亡していたため、印刷会社の見習いをしながら、夜学の都立小石川工業高校印刷科に学ぶ。10年間活版印刷の植字工・印刷工として勤務したのち、昭和35年(1955)04月、26歳で調布市上石原で東信堂印刷所を創業。社名の由来は「東京でうまれ、信州で育った」ことにちなんで有限会社「東信堂」とした。

昭和55年(1980)から四年間、東京都印刷工業組合三多摩支部長を務め、没年まで顧問。また東京都印刷工業組合本部理事を務める。その傍ら、『多摩の印刷史』編纂委員長、『東京の印刷組合百年史』「画像集篇」の史料収集を担当。平成11年(1999)東京都印刷工業組合三多摩支部『創立50周年記念誌』編集長。
この間、幕末・明治初期の洋式活版印刷術の研究に没頭。また近藤勇の生家が東信堂印刷所から至近の地にあったため、新選組の史実の究明に励む。
amenomiya遺著となった『雨宮 アメノミヤ の渡し ─ 詩碑建立の真実』(印刷・発行/有限会社東信堂印刷所  A5判  224ページ  上製本)は、川中島合戦において、上杉陣が千曲川、雨宮の渡しを渡河したのを記念して、賴 山陽-らい さんようーの「鞭声粛々」の詩を石に刻み、後世に残そうと建てられた「鞭声の詩碑」の調査研究書である。
[関連:【会員情報】図書紹介/高松宮殿下御視察の川中島古戦場『雨宮の渡し ── 詩碑建立の真実』 桜 井 孝 三 著 印刷・発行/東信堂印刷所 2018年07月31日

{「平野富二生誕の地」碑建立有志会}には率先して参加、終始協力されていた。また2018年(平成30「平野富二生誕の地建立記念祭」には講演担当を申し出るほどお元気だったが、秋口から躰調を崩され、11月のイベントには訪崎を断念。その後「間質性肺炎」と診断されて入院加療につとめたが、薬石効なく2019年(令和元)6月14日逝去された。
枕もとには完成直後の『平野号』が置かれていた。
葬儀は密葬をもっておこなわれ、有限会社東信堂(182-0035 東京都調布市上石原1-31-10 電話 042-485-2131)は、子息:桜井伸昭氏が社長に就任してその事業を継続中である。

【桜井孝三 執筆作品記録】

◎ 活版印刷関係

9995ff87a10127b11b4daaa0f529bd33 2015.9.19学会レクチャー_ページ_09陽其二陽  其 二 肖像(桜井孝三提供)

  • 「本木活字をたずねて」『印刷雑誌』1988年10月
    (印刷学会出版部刊)
  • 「適塾門下生調査資料(湯浅芳斎)」『適塾』No.21
     1988年11月(適塾記念会刊)
  •  「幕末における本木昌造の書物と活字」(1)『印刷雑誌』
     1989年1月号(印刷学会出版部刊)
  •  「幕末における本木昌造の書物と活字」(2)『印刷雑誌』
     1989年2月号(印刷学会出版部刊)
  •  「『横浜毎日新聞』は木活字で創刊」『印刷雑誌』
     1990年9月号(印刷学会出版部刊)
  • 「横浜活版社の出版活動と陽 其ニ」『印刷雑誌』
     1990年10月号(印刷学会出版部刊)
  •  「幕末・八王子の活字版蘭書」『アステ』No. 9
     1991年11月(リョービイマジクス株式会社刊)
  •  「青木芳斎の鋳造活字と日本の翻刻本」『民権ブックス』No. 5
     1992年3月(自由民権資料館編集・町田市教育委員会発行)
  •  「本木昌造、平野富ニ異聞」『印刷雑誌』1995年7月号
     (印刷学会出版部刊)
  •  「多摩の印刷史を語る」梅津敬・桜井孝三 講 演 録『民権ブックス』No. 9
     1996年3月(自由民権資料館編集・町田市教育委員会発行)

◎ 新選組関係

  • 「土方歳三の写真」を解明する『幕末史研究』No.35 (土方歳三特集)
     1999年2月(三十一人会刊・小島資料館発売)
  • 「『近藤勇の写真』撮影地を確定する」『歴史読本』
     1999年11月号(沖田総司特集)(新人物往来社刊)
  • 「近藤・土方供養塔建立の真実」『歴史読本』
     2000年12月号(新選組全史)(新人物往来社刊)
  • 「高幡不動『殉節両雄之碑』建立秘話」『歴史読本』
     2004年3月号(近藤・土方・沖田の新選組)(新人物往来社刊)

 { 新 塾 餘 談 }

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【図書紹介】高松宮殿下御視察の川中島古戦場『雨宮の渡し ── 詩碑建立の真実』 桜 井 孝 三 著 印刷・発行/東信堂印刷所

20180613155358_00003高松宮殿下御視察の川中島古戦場
『雨宮の渡し ── 詩碑建立の真実』

桜 井  孝 三 著
印刷・発行/東信堂印刷所
A5判 224ページ 上製判 カラー図版多
定価:本体2,000円+税(送料 200円)

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戦国時代の世、第四次川中島合戦において上杉軍勢が千曲川「雨宮ーあめのみや-の渡し」を渡河したのを記念して、跡地に 賴 山陽-らい さんよう-の詩を石に刻み、後世に残そうと建てられた「鞭声の詩碑」。いつ、誰が、どんな想いで、建立事業に携わったのか。
髙松宮殿下のお尋ねの一言など、詩碑完成にいたるまでのさまざまな秘話が、78年ぶりに明るみに出ることになった。
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〔 著者自己紹介 〕
桜井孝三(1934年6月22日生 83歳)
昭和9年浅草に生まれ、強制疎開により長野県更埴市(現・千曲市)で育ち、昭和25年の春上京しました。印刷会社の見習いをしながら、夜学の都立小石川工業高校印刷科に学びました。10年間植字工として勤務した後、昭和35年4月、26歳で調布市上石原で東信堂印刷所を創業しました。

昭和55年から4年間、東京都印刷工業組合三多摩支部長を務め、現在は顧問です。また本部理事を務める傍ら「多摩の印刷史」編纂委員長、「東京の印刷組合100年史」の史料収集を担当、そして平成11年に三多摩支部創立50周年記念誌の編集長をしました。この間、幕末・明治初期の洋式活版印刷術の研究に没頭し、ここ数年は新選組の史実の究明に励んでおります。
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〔 注 文 先 〕
有限会社 東信堂印刷所
182-0035 東京都調布市上石原1-31-10
TEL  042-485-2131  FAX  042-485-2003
Email:info@toshindo.com   http://www.toshindo.com
郵便振替:00100-3-48531 (有)東信堂印刷所
取引銀行:みずほ銀行調布支店・さわやか信用金庫調布支店

【詳細: 東信堂印刷所

『雨宮(あめのみや)の渡し ── 詩碑建立の真実』
amenomiya
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