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【展覧会】相国寺承天閣美術館|伊藤若冲生誕三〇〇年記念展|[後期]2016年5月21日まで and more|終了企画

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相国寺承天閣美術館

伊藤若冲生誕300年記念展〔後期〕
2016年12月15日-2017年5月21日[日]
会期中無休
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伊藤若冲(1716-1800)は、18世紀の京都で活躍したことで知られる画家である。
繊細な描写技法によって動植物を美しく鮮やかに描く一方、即興的な筆遣いとユーモラスな表現による水墨画を数多く手掛けるなど、85歳で没するまで精力的に制作を続けた。

20160424142155830_0005resize2016年4月22日-5月24日にかけて東京都美術館で開催された 『生誕300年記念 若冲展』 では、若冲の生誕300年を記念して初期から晩年までの代表作、 すなわち若冲が京都・相国寺に寄進した「釈迦三尊像」三幅と、「動植綵絵」30幅など89点が紹介された。
東京でこれらの作品が一堂に会すのは初めてのことであり、40万余の来館者をむかえて会場は連日大混雑がつづいた。
このように相国寺とふかい関係をもつ若冲は、 近年多くの人に愛され、日本美術の中でもきら星のごとく輝きを増している。

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ところで、臨済宗相国寺 のことは知らなくとも、その塔頭(たっちゅう 寺内・寺外寺院)の鹿苑寺(金閣寺)・銀閣寺はひろく知られている。
相国寺は室町幕府三代将軍 足利義満により創建され、金閣寺もほぼ時を同じくして義満により創建された。金閣寺の正式名称を鹿苑寺といい、寺外ではあるが相国寺の塔頭寺院のひとつである。鹿苑寺は舎利殿の「金閣」が有名なためにふつうは金閣寺と呼ばれている。
銀閣寺はその後年、同じく室町幕府八代将軍である足利義政により創建された。
このように鹿苑寺(金閣寺)・銀閣寺ともに、足利歴代将軍が創建した禅宗寺院として、本山である相国寺の山外塔頭となり今に至っている。
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《『活版小本』の製作者 ぢゃむ・杉本昭生さんと・・・・・・》
東京都美術館の若冲展は、ともかくひとが多すぎてゆっくり鑑賞できなかった。それでも何点かの作品の前で鳥肌がたった。
DSCN9362 DSCN9364たまたま京都行きの用件があったので、一日前に入洛して相国寺墓地の「禁門の変 長州藩殉難者墓所」に詣でることにした。相国寺の墓地は禅宗寺院らしく狭小ではあるが、ここには伊藤若冲の墓所のひとつと、足利義政の墓所もあるときいていた。

そののち、刻限を区切り、同寺山内の承天閣美術館で 『活版小本』の製作者 ぢゃむ・杉本昭生さん とほぼ一年ぶりでお会いすることにした。
畏友:杉本昭生さんとのはなしは、いずれ、また。
若冲の作品では「鹿苑寺大書院旧障壁画五十面」(重要文化財)が俳味のあるよい作品であった。なによりゆっくり静かに鑑賞できた。上掲図版は同館市販の絵はがきより。
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【会員情報】ぢゃむ 杉本昭生さん 活版小本新作 中島敦『狐憑』製作発表

冬の月[1]

IMG_2522[1] IMG_2523[1] IMG_2528[1] - コピー IMG_2527[1]{ぢゃむ 杉本昭生 一筆箋}
中島敦『狐憑』をつくりました。
平凡な若者であったネウリ部落のシャクは、
弟の無惨な死をきっかけに譫言(うわごと)をいうようになりました。
はじめは弟を失った悲しみを語っていた彼でしたが、
やがて自分の望んだものになった時の哀しさや楽しさを語るようになりました。
異色な題材を巧みにあつかう作者の才能に感服しました。

正直に云いますと、この本を作りながら、
「いまは自分だけがこの小説の面白さを知っている。
だから完成するまでそのことに誰も気がつかないでいて欲しい」
こんな屈折した思いがありました。
そのぶん以前のものより少し丁寧に作ったつもりです。
製作後のなんとなく気が抜けた感じはその反動かもしれません。
ぜひご一読ください。

【 詳細 : ぢゃむ 活版小本

【会員情報】 ぢゃむ 杉本昭生さん、活版小本 小川未明『橋の上』を製作・発表

活版小本京都の吉田山のほとり、ちいさな活版印刷機で小型本の製作をつづけておられる
ぢゃむ 杉本昭生さんは、製作のピッチも順調ですし、そのブログ<活版小本 コホン>
意欲的な更新が継続しています。
とても瀟洒で、すっきりとした画面構成ですし、テキストも丁寧に書きこまれています。
皆さまのご愛読と、ブログへのご訪問をおすすめいたします。    [やつがれ wrote]

ブログ<活版小本 コホン>のアドレスはこちらです。
杉 本   昭 生
【 ぢゃむ 杉本昭生  活版小本 http://kappan-kohon.blogspot.jp/ 】
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小川未明 「橋の上」は『青白む都会』(春陽堂、1918年)に掲載されている短編です。
家へ帰る途中、機嫌の悪い幼子が妻の背中で泣き止みません。すれ違う人たちが眉をひそめるなか、夫婦は子どもの気をそらそうと橋の上へ連れていくのですが……。
人の心に生まれる「魔」の瞬間を描いた小品です。本文の印刷はちょっと頑張って2色二度刷りにしました。  [杉本昭生 ]