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【展覧会】 宇都宮美術館 美術館狂詩曲 ―― 20世紀の痴愚神礼讃

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美術館狂詩曲――20世紀の痴愚神礼讃

Rhapsody in the Museum ― Praise of Folly in the 20th century
◯ 会       期 : 2017年5月21日[日]-6月25日[日]  * 月曜休館
◯ 開館時間 : 午前9時30分-午後5時 (入館は午後4時30分まで)
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20世紀の痴愚神礼讃 チグシン-ライサン
合理的精神に根差して発展を遂げた西欧諸国に学ぶなかで、日本では彼らを真似るかたちで美術館制度が整えられてきました。
けれども、そこで展示される作品たちがそうした「健全な」精神の表現ばかりでないことは、わたしたちが大好きなシャガールやクレーらのすばらしい作品たちを見ても明らかです。人類の歩みに可能性を提示し続ける知的探求の数〻を、近代的精神のトップランナーたるエラスムスの変奏で紹介します。

ゲスト・キュレイター

痴愚女神モーリアさんのお話
500年ほど前にアルプスの山道にてちょっとした演説をやりましたところ、伝わり伝わって、宇都宮のある学芸員の目に留まりまして、このたび美術館キュレイターとしてのお仕事をいただいた次第であります。
この美術館というところは世にも稀な痴愚の宝庫でして、ここで見られるような作品たちが生まれてこられたのも、まさにこの私のおかげなのです。

展覧会ではパラロジスモス(不条理)、パトス(情動)、トリュペ(情欲)といった、私の妹や侍女たちとともに作品をご紹介しましょう。
みなさまの大好きな、空に浮かんだり頭がひっくり返ったりする人物をシャガールが描けたのは、全<もってパラロジスモスのおかげであります。また、ご存じの通り、トリュペはいつの時代も人びとを魅了し、彼女ほど多くの芸術家たちの助けとなった者はいないでしょう。
私こと痴愚女神モーリアは、別名「狂気」と申しますが、私好みの谷中安規も多数出品します。

20世紀には合理主義や科学が蔓延し、それらを盲信する賢い先生方も大勢いらっしゃいました。私を褒めてくださる方などなかなかおりませんでしたが、この時代にも美の喜びが絶えることなく続いていたのは、何を隠そう、この私のおかげなのです…。

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