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【展覧会】野村美術館|2023年秋季特別展 茶 碗 -茶を飲む器の変遷と多様性-|’23年10月21日ー12月10日|

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野村美術館
2023年秋季特別展
茶 碗 -茶を飲む器の変遷と多様性-  
開催期間  2023年8月26日[土]- 12月10日[日]  
         前 期: 8 月26日[土]- 10月 9 日[月・祝]
         後 期:10月21日[土]- 12月10日[日]
      * 10月10日[火]- 20日[金]は展示替のため休館
会  場  公益財団法人 野村文華財団 野村美術館
      606-8434 京都府京都市左京区南禅寺下河原町61 TEL:075-751-0374  
開館時間  10:00-16:30(16:00 最終入館)
休  館  日  月曜日 (月曜が祝日の場合は翌日)
入  館  料  一 般 800 円、 高 大 生 300 円、 中学生以下 無 料
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20230807185144_00040◆ 野村美術館|2023年秋季特別展|茶 碗-茶を飲む器の変遷と多様性-◆

抹茶を飲用する茶文化が日本に伝来してから約八百年、茶の湯が成立してからほぼ五百年が経過しており、その間抹茶を飲用した器にはかなりの変遷があり、多様性があります。
抹茶を飲用する茶文化が宋時代の中国から伝来した当初は、もっぱら禅宗寺院の中で行われる仏儀において茶碗が使用されていました。その多くは中国福建省建窯で生産され、日本ではそれらを天目と称していたのですが、その当時「茶碗」の語句が意味したのは茶を飲む器ではなく、磁器とくに青花(日本では染付と称した)を指していました。
また天目は日本における名称であり、それらを生産した中国では建盞と称していました。

やがて抹茶を飲用する風習が禅宗寺院だけにとどまらず武家や僧侶の間にも広まり、嗜好飲料として飲用される一方で、「本非茶」と称された茶葉の産地を当てるゲームが盛んに行われるようになり、さらにいろいろな方法が試みられた結果「四種十服茶」方式に落ち着きました。
十四世紀にはそれを行う集まりを茶寄合と称するようになり、そこで使用された茶碗の多くは、やはり天目であったと考えられています。
そして十六世紀初頭になると、茶寄合が茶の湯へと発展するのですが、茶の湯成立後しばらくの間も、天目が茶を飲む器として主に用いられ、そのほか中国産の青磁や染付の茶碗も、比率としては少ないながらも用いられていました。
十六世紀の後半になり、茶の湯の理念である侘数寄が確立するとともに、それまで使用されてきた茶道具の再検討が行われ、唐物の多くは退けられ、それに代わって高麗物や和物が多く用いられるようになります。

茶碗においてもその例外ではなく、それまで高い比率で使用されてきた天目も、十六世紀中ごろから使用比率が減少し、十七世紀に入るとほぼゼロになってしまいます。
それ以後茶碗としては時期により若干の変化はあるとはいえ、おおまかには高麗物と和物がそれぞれ約半分ずつを占め、わずかに中国産やその他の地域で生産された茶碗が茶会記に見られる状況が続きながら、高麗物・和物自体も変化していきます。
十八世紀になると日本各地でやきもの生産が活発化し、各地で作られた茶碗が使用されるようになるのに加えて、茶の湯では家元の存在が意識されるようになり、家元が「好み」の茶碗を始めとする茶道具を選定し、あるいは手造り茶碗を手がけたりするようになります。手造り茶碗は歴代の家元だけでなく大名や僧侶、茶人たちもこぞって手がけ、少なからぬ作品が伝存しています。

十九世紀後半、江戸幕府が崩壊し明治政府が成立して以降、近代化が図られるなか、茶の湯などの伝統芸能は苦難の時代を迎え、茶人たちの活動も停滞しますが、近代数寄者と称される人物たちが台頭して、消沈していた茶の湯に活気を与えます。
彼らは手造り茶碗も手がけるかたわら、それ以前には茶の湯で用いられることのなかった、仏具や外国製品も取り入れ、新しい感覚で選ばれた茶碗も用いられるとともに、かつて侘数寄の理念の確立で、茶の湯から退けられた天目をはじめとする唐物茶碗もふたたび脚光を浴びるようになり、茶会の場でも使われることがしばしばありました。

二十世紀後半になると、家元制度が急拡大し、茶の湯人口がそれまでになかったほど増大し、かつ女性が大半を占めるようになりました。その結果茶会などで用いられる茶碗も、従来のようにわびを感じさせたり、堂々とした大きな茶碗は敬遠され、小ぶりでかわいらしい絵付けが施された茶碗が人気を博するようになります。
このように一口に茶碗といっても、時間の経過や、茶の湯を担う階層の変化に伴いさまざまに変化し、多様性に富んだものとなっていることに留意する必要があるでしょう。さらに付言すれば、茶碗は抹茶を飲むための器であり、その目的に適した「なり・ころ・ようす」が常に求められていることをも念頭に置かなければなりません。

※ 下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご観覧を。
[ 詳細 : 野村美術館

【展覧会】野村美術館|2022年秋季特別展|千利休生誕500年 利休茶の湯の継承|’9月10日-12月11日|春秋年に二回だけ開催 前後期二部制

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野村美術館
2022年秋季特別展
千利休生誕500年 利休茶の湯の継承
開催期間  9月10日[土]-12月11日[日]
         前 期:2022年09月10日[土]-10月23日[日]
         後 期:2022年10月25日[火]-12月11日[日]
      * 前期と後期で全面的に展示替をおこないます
会  場  野村美術館
      606-8434  京都府京都市左京区南禅寺下河原町61      
開館時間  10:00-16:30(16:00最終入館)
休  館  日  月曜日 (月曜が祝日の場合は翌日)
入  館  料  一 般 800円、 学 生 300円、障がい者 300円、 中学生以下 無 料
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十六世紀初頭に成立したと考えられる茶の湯は、その後も発展を続け千利休の活躍した時代、すなわち十六世紀末期になり「侘数寄」の理念が確立され、現在まで続く礎を築き上げます。
利休没後十七世紀になると、古田織部をはじめ、小堀遠州、金森宗和・片桐石州など後世「茶匠」と称される人物がきら星の如く出現し、それぞれの茶の湯を展開していきます。その多くは前世紀とは異なり、より多くの人々に茶の湯を理解してもらい、また楽しんでもらうためにさまざまな工夫をします。
今回の展示ではこれらの茶匠たちの茶の湯を、遺された茶会記によって復元することを試みました。もっとも特定の茶会そのものを完全に復元することは困難ですので、それぞれの茶匠たちの茶会記を通じて、よく使われた類似の茶道具や、かれら自身の手になる、あるいは指導して作らせた茶道具を組み合わせて濃茶または薄茶の席を構成しています。

《主な展示作品》
* 美術品の状態などの事情により、展示を変更する場合がございます。何卒ご了承下さい。
○ 前   期
古田織部宛 伊達政宗書状・近衛信尹筆 慧遠法師画賛・千宗旦作 瓢花入 銘不倒翁・菊桐秋草蒔絵雪吹・千宗旦作茶杓 銘道成寺・小堀遠州共筒茶杓 銘日吉・丹波 南蛮頭巾水指・織部 暦絵茶碗・御本立鶴茶碗・高取茶碗 銘香久山・古田織部在判蓋置 等

○ 後   期
宗峰妙超筆 白雲偈頌・片桐石州筆 春日同詠夕鶯和歌懐紙・胡銅立鼓花入・仁清 羽子板香合・芦屋三光三如釜・古瀬戸 藤四郎肩衝茶入・盛阿弥作 尾長鳥蒔絵棗・仁清 菊花文水指・小堀遠州・權十郎作 二本入茶杓・千宗旦共筒茶杓 銘東山・宗和呉器茶碗 等

※ 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上参観を。
[ 詳細 : 野村美術館 ]

【展覧会】野村美術館|2021年 秋季特別展|深まりゆく秋 ── 初秋・晩秋の取り合せ ──|’21年9月11日-12月5日

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野村美術館
2021年 秋季特別展
深まりゆく秋 ── 初秋・晩秋の取り合せ ── 
開催期間  2021年9月11日[土]-12月5日[日]
      [前期:9月11日-10月24日 後期:10月26日-12月5日]
      * 前期と後期で全面的な展示替を行います
開館時間  10:00-16:30(16:00 最終入館)
休  館  日  月曜日(月曜が祝日の場合は翌日)
入  館  料  一 般 800円、学 生 300円、障がい者 300円
会  場  野村美術館 606-8434 京都府京都市左京区南禅寺下河原町61 
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日本人は季節のうつろいに敏感であるといわれますが、茶の湯もまたことのほか、季節感を重要視します。
茶道具だけなく、茶料理や茶菓子にもその季節にふさわしい物を用い、意匠を凝らし、また茶席で身に付ける着物も季節に応じて替えていきます。

今回の展示ではそのような茶道具における季節感に焦点をあて、「深まりゆく秋」をテーマに、
前期では残暑のなか涼をよぶ一陣の風にのって届く虫の声、長寿を願って菊の花をくるむ着せ綿の故事などに思いを馳せる初秋の取り合せ、
後期では夜長の無聊を慰める月の満ち欠け、川面をはしる楓や山を錦に染める紅葉などを思い描く晩秋の取り合せを試みてみました。
秋の茶の湯の雰囲気を存分にお楽しみください。

のむら01のむら02 * 感染症予防対応実施中。下掲詳細を確認の上展観を。
[ 詳細 : 野村美術館

相互割引
〔京都東山 美術館さんぽ〕
本展の半券提示で下記展覧会の一般入館料800円が700円になります。
※ほかの割引との併用はできません。

泉屋博古館おもて野村美術館
「深まりゆく秋 -初秋・晩秋の取り合せ-」
後期:10月26日[火]-12月5日[日]