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【展覧会】高島屋史料館 TOKYO|企画展 陶の仏 ー 近代常滑の陶彫|’23年9月16日-’24年2月25日|終了

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高島屋史料館 TOKYO
企画展 陶の仏ー近代常滑の陶彫
会  期  2023年9月16日[土]- 2024年2月25日[日]
開館時間  10:30 - 19:30
入  館  料  無料
会  場  高島屋史料館 TOKYO 4F 展示室
      東京都中央区日本橋2-4-1
休  館  日  月・火曜日(祝日の場合は開館)、年末年始(12月30日-1月2日)
主  催  高島屋史料館 TOKYO
監  修  君島彩子(宗教学者, 和光大学講師)
協  力  小栗康寛(とこなめ陶の森資料館)
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本展では、常滑焼という伝統技法の一部が西洋彫刻の近代的技法を取り込み、ハイブリッドな「陶彫-とうちょう」という存在に転換していく興味深い歴史をご紹介いたします。
「陶彫」とは、まさしく字のごとく陶を素材とする彫刻のことです。あまり知られていませんが、平安時代末期から続く常滑焼は、近代に入ると西洋彫刻の技術・知識が伝播・融合した結果として、数多くの陶彫が生み出されました。日本にまだ「彫刻」という概念が浸透する以前、工部美術学校においていち早く専門的な美術教育を受け、西洋彫刻を学んだ内藤鶴嶺や寺内半月らは、西洋彫刻そのものの社会的地位が確立していない困難な時代に、運命の悪戯から縁あってたどり着いた常滑の地で自らの西洋彫刻の技法を広めていくことになります。他方で彼らは常滑で窯芸に出会ったことにより、自らの「彫刻」作品に陶の概念を精力的に取り入れていきました。

今回、そのひとつの到達点として取り上げるのが、「観音像の清風さん」とも呼ばれていた柴山清風と彼の仏像作品です。清風は戦時中に《千体観音》や《弾除け観音》などを多数制作し、無償配布しました。生涯をかけて、常滑の地で陶の仏の創作活動を続けた彼の作品には、「職人」という一言では決して片付けられない作家性と魅力が詰まっています。本展を通して、知られざる「陶彫」の歴史とともに、近代仏像の魅力に触れていただければと思います。

また皆様には、髙島屋大阪で開催中の「万博と仏教」展(2023年8⽉5⽇- 12⽉25⽇)との連動企画として、日本橋髙島屋の屋上に設置している常滑造形集団が制作した《陶製ベンチ-月の椅子》(実際に1970年の大阪万博に出展された椅子)についても、ぜひご覧いただきたく存じます。
このシリーズの作品が、東京でこれほどまとまって鑑賞が可能になるのは初の試みです。椅子に座りながら展示の感想などを語らっていただくとともに、あふれんばかりの熱量により制作された《月の椅子》から、常滑の造形パワーを感じていただければ幸いです。

※ 下掲詳細公式サイトで最新情報を確認の上ご観覧を。
[ 詳 細 : 高島屋史料館 TOKYO ] 
[ 関 連 : 活版 à la carte   髙島屋史料館|企画展 万博と仏教 ― オリエンタリズムか、それとも祈りか?|’23年8⽉5⽇-12⽉25⽇ ] 

【高島屋史料館 TOKYO】モールの想像力-ショッピングモールはユートピアだ|’23年3月4日-8月27日|終了

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高島屋史料館 TOKYO
モールの想像力-ショッピングモールはユートピアだ
展示期間  2023年3月4日[土]- 8月27日[日]
開館時間  11:00 - 19:00
休  館  月・火曜日(祝日の場合は開館)
展示場所  日本橋高島屋史料館 TOKYO 4F 展示室
      (東京都中央区日本橋2-4-1)
入  館  料  無 料
監  修  大山 顕(写真家・ライター)
協  力  速水健朗・座二郎・天本みのり
主  催  高島屋史料館 TOKYO
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ショッピングモールとは、都市であり、宇宙である。
そして、想像力の源泉である。
百貨店展に続く今回のモール展では、ショッピングモールの文化的意義を考察してみたいと思います。これまで文化批評の文脈で、モールは社会を均質化し、古くからある商店街を虐げる存在として批判の対象となってきたことが多いように思います。しかし、私たちは、今日においてモールはむしろカルチャーを育む土壌であり、文化的象徴でさえあるのではないかと考えています。それは即ち、現代の都市における最も重要な公共圏であり、私たちの日々の生活の不可分な一部であることを意味します。

モールという箱に入れば、そこはまるで一つの都市のように、ストリートに沿ってアパレルショップや雑貨店、フードコート、映画館、広場などが展開され、吹き抜けからそれらを一望すると、人々の日常の最大公約数がここに凝縮されていることが再確認できます。こうした空間であることが、多くのアーティストたちの想像力を刺激するのも無理はありません。

本展は「ショッピングモールはユートピアだ」という仮説をもとに、「街」、「内と外の反転」、「ユートピア」、「バックヤード」といったいくつかのテーマを切り口に、モールという消費空間が私たちのイマジネーションにどのように働きかけ、どのような文化的価値を創造してきたのかを読み解いてみようとする試みです。展示室には、膨大なテキストと共に、映画、音楽、コミック、小説、ゲームなど、モールを舞台としたさまざまなジャンルの作品が、あたかも巻物がひもとかれたかのように出現します。
本展サブタイトルに掲げたように、モールこそが私たちの夢見たユートピアであったのかどうか、ぜひみなさまの目で確かめていただきたいと思います。また本展が、ショッピングモールの一考察として、モールの新たな側面に光をあてることができる契機となれたなら幸いです。

※ 新型コロナウイルスの感染拡大状況等を踏まえ、臨時に休館日・開館時間を変更する場合があります。
[ 詳 細 : 高島屋史料館 TOKYO

【展覧会】高島屋史料館 TOKYO|企画展 百貨店展 ―― 夢と憧れの建築史|’22年9月7日-’23年2月12日|会期末

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高島屋史料館 TOKYO
企画展 百貨店展 ―― 夢と憧れの建築史
展示期間  2022年9月7日[水]-2023年2月12日[日]
開館時間  11:00-19:00
休  館  日  月・火曜日(休館日が祝日の場合は開館します)、
      年末年始(12月26日[月]-2023年1月3日[火])
入  館  料  無 料
展示場所  高島屋史料館 TOKYO 4 階展示室(東京都中央区日本橋2-4ー1)
      ※5階旧貴賓室は、セミナー開催時のみ開館します。
セミナー  詳しくは こちら
監  修  浅子 佳英(建築家・編集者/PRINT AND BUILD)、菊地 尊也(建築研究者)
主  催  高島屋史料館 TOKYO
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本展は、近代的な百貨店・デパートメントストアが誕生した20世紀初頭から、大型商業施設が多数出現する現代までを、主に日本の百貨店建築のファサード、あるいはその空間の変遷に注目しながら、年表形式でたどろうとする試みです。
これは、通常は脇役に留まりがちな年表を主役にするという、挑戦的な展示でもあります。さらには、現代のショッピングモールが外観に装飾を持たず、内装に本質がある* ことを鑑みると、示唆に富むアプローチとも言えるでしょう。

特に注目するのは、戦前の実験的な百貨店建築です。当時の百貨店は、人々の憧れを誘うもので、単なるショッピングのための空間を超え、エンターテイメント、ひいては文化装置として機能していました。こうした百貨店の機能と役割は、その建築空間やファサードに色濃く現れました。
例えば、屋上庭園もその一つです。現在もターミナルビルとしてその存在感を放つ松屋浅草店(1931年、久野節設計)には、かつて屋上に本格的な遊園地と動物園が存在しました。
また現存しませんが白木屋日本橋店(1928年、石本喜久治設計)のファサードは、壁面にガラスを用いて、重厚な百貨店建築を脱しようとする非常にモダンなものでした。
2019年にグランドオープンした大丸心斎橋店(1922年心斎橋筋側・1933年御堂筋側、ヴォーリズ建築事務所設計)は、往時の百貨店建築の華やかさを今に伝える貴重なものといえるでしょう。

本展が、商業や消費活動がいかに現代の都市形成に深く関与してきたかを再認識する機会になるとともに、これからの未来の可能性を考える契機になれば幸いです。
* 東浩紀・大山顕『ショッピングモールから考える』幻冬舎,2016

※新型コロナウイルスの感染拡大状況等を踏まえ、臨時に休館日・開館時間を変更する場合があります。
[ 詳 細 : 高島屋史料館 TOKYO

【展覧会】高島屋史料館 TOKYO|まれびとと祝祭 ─ 祈りの神秘、芸術の力 ─|’22年3月2日-8月21日|終了企画

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高島屋史料館 TOKYO
まれびとと祝祭
── 祈りの神秘、芸術の力 ──
展示期間  2022年3月2日[水]-8月21日[日]
開館時間  11:00-19:00
休  館  日  月・火曜日
入  館  料  無 料
展示場所  高島屋史料館 TOKYO   4 階展示室
      東京都中央区日本橋2-4-1
      * 5 階旧貴賓室は、セミナー開催時のみ開館します。
監  修  安藤礼二( 文芸評論家・多摩美術大学教授)
主  催  高島屋史料館 TOKYO
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本展では、まれびとと祝祭を、現在の視点からとらえ直してみたいと思います。
古より人類は、幾度も疫病の脅威にさらされてきましたが、我々は祝祭(祭り)と、その時間的・空間的中心に現れるまれびと(来訪神)を信仰することにより、それらを乗り越える経験を重ねてきました。
感染症パンデミックにより、不可避的に閉ざされた関係を強いられている現在だからこそ、改めてまれびとと祝祭に目を向け、これら根源に立ち返ることが、現状を打ち破るヒントになるのではないかと考えます。

まれびととは、民俗学者であり国文学者でもあった折口信夫(1887-1953)が提唱した概念です。折口はそれを、祭祀などに、超現実の世界から現実の世界を訪れて、またもとの世界にかえってゆくという、人間を超えた存在としています。
そもそも時間や空間を一新する強大な力を持つまれびとは、もたらし/追いはらう、という両義牲を持つ存在でもありますが、それはすなわちまれびとが、異物としてもたらされた病でもあり、そしてその病を彼方へ追いはらって救いをもたらす神でもあるということを意味しています。
こうした一見相矛盾する概念が同居する状況を、古代から私たちの社会が内包してきたことは、コロナ禍によって混迷した状況を、いま一度立ち止まって考察する契機にもなるでしょう。そして同時にそれは、分野を超越して一つにつなぎ合わせるという、これからの芸術表現の可能性をも示すことになるでしょう。

※ 新型コロナウイルスの感染拡大状況等を踏まえ、臨時に休館日・開館時間を変更する場合があります。下掲詳細を確認の上ご参加を。
[ 詳細 : 高島屋史料館 TOKYO