タグ別アーカイブ: 高浜利也

【展覧会】高浜利也展|TAKAHAMA Toshiya Exhibition -いえあつめ-|’22年12月5日-12月24日

takahama toshiya_DM_uratakahama toshiya_DM_omote

高浜利也展
TAKAHAMA Toshiya Exhibition
-いえあつめ-
2022年12月5日[月]- 12月24日[土]
会 場:ギャラリーなつか & Cross View Arts * 日曜休廊
東京都中央区京橋3-4-2 フォーチュンビル 1F Phone 03-6265-1889
開廊時間
月-金:11:00 am – 6:30 pm
土  :11:00 am – 5:00 pm
日  : Closed
────────────────────────
《いえあつめ》
毎夏継続してきたものの、コロナ禍以降、実現できていない落石(おちいし)計画でのサイトスペシフィックなインスタレーション、『対話空間(=銅版の茶室)』の現地制作で積み上げられるはずであった石膏刷り銅版画(10cm角の立方体)を、紙に刷るという通常の手法で制作したうえで、ギャラリー空間に構成、展示する。

今回、北海道根室市落石岬の現地に石膏キューブを積み上げて朽ちさせるのではなく、ギャラリーというホワイトキューブにそれらの銅版画を展開するにあたって、多色刷りによるイリュージョンに依拠し、辺境の霧の中で銅が豊かに朽ちていくありさまを版画工房で想像、感応しながら制作した。来夏、落石計画は再開予定であり、これら紙に刷った銅版画作品も現地に展示する予定。
モチーフとなるイメージは “ Community on the move ” というタイトルで、各地で継続してきた現地調達の木片による積み木のワークショップで参加者たちが残していった家々のかたち、記憶を収集したものであり、その土地、土地でのエピソードを織り交ぜて様々な銅版画をシリーズ制作している。

高浜利也 プロフィール
 1966 兵庫県姫路市生まれ
1988 武蔵野美術大学卒業(造形学部油絵学科)
1990 武蔵野美術大学大学院修士課程修了(造形研究科美術専攻版画コース)
1997 長沢アートパーク・アーティスト・イン・レジデンスプログラムに参加
(兵庫県津名郡津名町長沢、文化庁、国際交流基金)
1998 タイ国立シラパコーン大学客員研究員(国際交流基金)(~ ’99)
1999 タイ国立シラパコーン大学客員研究員(ポーラ美術振興財団)(~ ’00)
2004 文化庁国内研修員
2005 タイ国立シラパコーン大学および同チュラロンコーン大学客員研究員(~ ’06)
(日本財団APIアジアフェローシップ)
2011~ 武蔵野美術大学教授

[ 詳 細 : ギャラリーなつか & Cross View Arts

【展覧会】武蔵野美術大学 美術館・図書館|ART-BOOK:絵画性と複製性 ── MAU M&L 貴重書コレクション × Lubokの試み|’21年9月6日-11月13日

むさび03 むさび04

武蔵野美術大学 美術館・図書館
ART-BOOK: 絵画性と複製性——MAU M&L貴重書コレクション × Lubokの試み
会  期  2021年09月06日[月]-2021年10月02日[土]
2021年10月18日[月]-2021年11月13日[土]

時  間  10:00-18:00(土曜日・特別開館日は17:00閉館)
休  館  日  日曜・祝日 * 9月20日[月・祝]・23日[木・祝]・10月31日[日]は特別開館日
入  館  料  無 料
会  場  武蔵野美術大学 美術館展示室 1・2、アトリウム 1・2
主催・企画 武蔵野美術大学 美術館・図書館
監  修  高浜利也(武蔵野美術大学 造形学部油絵学科版画専攻教授)
──────────────
本展では、書物における版画に焦点を当て、当館の貴重書コレクションを体系的に展観するとともに、現代の版表現の可能性を拡張するライプツィヒの出版社ルボーク・フェアラーグ(Lubok Verlag)の活動を紹介し、書物における「絵画性」の在りかを版画というメディウムの技術的、表現的側面から紐解きます。

第一部:貴重書コレクション

書物の長い歴史のなかで、版画はその視覚的表象の中枢を担ってきました。活版印刷術の発明により書物が容易に複製されるようになると、それまで人の手により書き写されてきた挿絵や図版も版画により複製され、時代思潮や社会的背景、技術の発展とも結びつきながら、多様な表現を見せ始めます。
第一部では、当館が所蔵する貴重書コレクションの中から、版画による挿絵や図版表現の優れた書物を厳選し、三章に分けてご紹介します。絵画や複製との関連も視野に入れながら、版画というメディウムに固有の技法と表現を、いま一度捉え直すことを試みます。

第一章では、15世紀後半から16世紀の書物に見られる挿絵や図版を取り上げます。この頃の主要な技法である板目木版は、表現上の制約が多い反面、版刻が比較的容易であることや活字組版と同時に印刷できる利便性から多用され、素朴ながら味わい深い挿絵や内容の補足を旨とする図版がテキストの傍を彩りました。
第二章では、17世紀から19世紀の書物における図版の再現性に焦点を当てます。エングレービングやエッチング、リトグラフ、木口木版等、あらゆる版画技法が出揃うこの時代、彫版や印刷の技術は飛躍的な発展を遂げ、現実の事物や絵画そのものと見紛うほどの、精緻な図版表現が可能となりました。
第三章では、19世紀後半から20世紀中葉にかけて変容した版画の在り方を再考します。この頃、写真製版技術の普及に伴い、従来の版画技法を用いた挿絵や図版は衰退の一途を辿ります。他方、芸術家のイデーを直接的に表現する手段として、書物や版画に新たな光が当てられます。近代美術の実践と並走するかのような、絵画性を全面に打ち出した版表現や、書物の装飾や壁紙のデザイン等、応用的側面への探求が試みられ、版画の持つ可能性が見直されることとなりました。

第二部:Lubokの試み
現代の版表現の可能性を拡張するドイツ・ライプツィヒの出版社ルボーク・フェアラーグ(Lubok Verlag)の活動を、主宰者であるクリストフ・ルックへバーレの作品群と共に紹介します。
ルックへバーレは、リノリウム版を用いたアートブックを出版するいっぽう、アーティストとしては絵画を軸に置きながら、版画や立体作品、インスタレーションなどさまざまな形式で表現を展開しています。版表現を通して自由に領域を横断する制作姿勢は、広くグラフィックアーツとしての版画がもつ今日的可能性を示しています。

※ 感染症「COVID – 19」対応実施中。下掲詳細を確認の上展観を。
[ 詳細 : 武蔵野美術大学 美術館・図書館 ]