「三浦しをん」さんの『ふむふむ』

箱根駅伝を題材とした小説『風が強く吹いている』や、下町の心あたたまる人間模様を描いた『まほろ駅前多田便利軒』で知られる直木賞作家の三浦しをんさんが、新刊『ふむふむ おしえて、お仕事!」を上梓されました。三浦さんがさまざまな分野の女性職人を訪問して記したインタビュー集で、新潮社の文芸誌「yom yom」の創刊号から4年にわたって連載されたものをまとめたものです。
アダナ・プレス倶楽部の大石薫(おおいしかおり)も「活版技師」として登場しています。月日の経つのは早いもので、「yom yom」創刊まもない時期に取り上げていただきましたため、もう4年も前のインタビュー記事となり、写真も掲載年齢も現在より若く、少々気恥ずかしい思いもございますが、現在も当時も私の活版印刷に対する思いはまったく変わっておりませんし、何といっても三浦さんが、ご多用ななかの限られたインタビュー時間でありながらも、その独特な鋭い感性で活版印刷というものと私の考えを瞬時に読み取ってくださり、文筆のプロならではの筆致で私の取りとめのない話を巧みにまとめてくださったことは、何度読み直しても驚嘆です。


三浦しをん著
『ふむふむ おしえて、お仕事!』
新潮社 定価1,365円

なお、扉ページのタイトル文字などに、Adana-21Jで印刷した活字の清刷りが採用されていますので、ぜひそちらも合わせてご覧ください。