『和字ますらおFamily9』は欣喜堂・今田欣一氏による、和字［ひら仮名・カタ仮名］のハイブリッド版OpenTypeの製品です。和字書体「ますらお」の初登場は、欣喜堂和字シリーズ第1弾として発売された『和字 Revision 9』に収録されて好評を博しました。「ますらお」は表情の変化に乏しいゴシック系の仮名書体の中では珍しく、表情が素直で豊かな書体、すなわち和字の伝統の高みにある書体群を紹介した、東京・民有社活版製造所『活字見本帳』（1936年）に紹介をみる、勇壮ながらも暖かみのある形象をもった「五号ゴチック体活字、9ポイントゴチック体」を源流としたいます。その詳細は『ヴィネット五号』（今田欣一　朗文堂）に報告があります。

『和字ますらおFamily9』の制作にあたっては、もう一度原点に立ち帰り、キャラクター個々の形象を検討して整合性を持たせるとともに、より一層汎用性を高めるために字面を大きめに設定し、ウェイトを「ライト、メディウム、シック、デミボールド、ボールド、エクストラボールド、ウルトラボールド、ブラック、ヘヴィ」の9ウェイトとしてファミリーを構築しました。