ちょっとフォーマルな紙面表情が欲しい……。やさしい表情でおだやかな骨格の書体を探したい……。そんなときにピッタリなのが「清朝官刻体」です。「清朝官刻体」は書写系彫刻風楷書体といえる『欽定全唐文』の刊本字様をもとに、欣喜堂・今田欣一氏がデジタル・タイプとして復元・再生したもので、使用範囲の広い、使いやすい書体といえるでしょう。漢字書体名「蛍雪」にセットされた和字（仮名書体）は、近代活字書体の系統として成熟した「さくらぎ」「はなぶさ」「まどか」の三種類を用意してあります。
中国清王朝中期・嘉慶帝の勅命によって、唐王朝─五代の古典を董誥らが編纂した書物に『欽定全唐文』（1814）があります。刊刻にあたったのは曹寅（そういん 1658─1712）の主管による揚州詩局です。
揚州詩局ではその膨大な刊刻事業のため、字様の書写を担当する名手のなかから書風のちかいひとを選抜して、康煕帝の推奨による軟体楷書を統一された表情によって書けるように徹底した訓練が実施されました。このようにある意味では、清王朝前期に盛行した明朝体の制作と同様に「書体の統一概念」にもとづいてつくられた字様が揚州詩局刊本の特徴でした。
したがって『欽定全唐文』は官刊本としてのたかい品格と、均一な書風、統一された表情の字様によって刊行され、その均質で優美な軟体楷書体は清王朝前期に盛行した明朝体を圧倒し、中央政府刊本や民間刊本の手本となったほどでした。
このように「清朝官刻体」は明朝体と同様に彫刻風の性格があるために、一般的に「楷書体」とされる、書写系書写風の字様にもとづく活字書体に較べると、文字の大小・肥痩がすくなく、比較的矩形をなしていて、文字活字としての機能性にすぐれ、また書写の運筆の視覚性も具備しているという特徴があります。

清朝官刻体 Combination 3 パッケージ内容

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• 収容媒体：CD-R

• 製品仕様：Macintosh、Windows対応OpenTypeフォント。 PDFファイルにエンベット（埋め込み）可能・アウトライン化可能。

• 収容字種：JIS X0201（半角片仮名をのぞく）および JIS X0208（第一水準・第二水準）に準拠しており、機種依存文字は含まれていません。和字書体の「さくらぎ」「はなぶさ」「まどか」それぞれに、漢字書体の清朝官刻体「蛍雪」が標準セットになっています。

• 原字制作：今田欣一［欣喜堂］

• 価格／清朝官刻体 Combination 3　10%税込価格 19,800円（本体価格 18,000円）

※記載された会社名・商品名などは各社の商標または登録商標です。

書体見本

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