月別アーカイブ: 2019年12月

【News Release】千代田区|まちの記憶保存プレート|1872年 明治五年 活字を用いた近代印刷の起点|千代田区神田和泉町1和泉小学校地先 植栽帯内に設置

千代田区「まちの記憶保存プレート」
設  置  者:東京都千代田区
設置場所:東京都千代田区神田和泉町1和泉小学校地先 区道植栽帯内
設置年月:2019年12月24日

◉ JR中央線・総武線「秋葉原」駅 昭和通り口より徒歩5分

まちの記憶
1872年
明治五年
活字を用いた近代印刷の起点
鋳造活字製造の事業化を果たした平野富二は、津藩主藤
堂和泉守屋敷の門長屋を再活用した活版製造・販売所を
開設し、これを機に全国的な規模で活版印刷が普及した。


[ 詳細: 平野富二の会 ]
[ 参考:活版 à la carte【平野富二の会】日本近代医学とタイポグラフィ揺籃の地|東京都千代田区神田和泉町 1 資料|「江戸名所道外盡 外神田佐久間町 廣景画」安政六年(1858年)披露 ]

【展覧会】樂美術館|新春展 ことのは の 宴|2020年1月5日-3月8日

樂美術館
新春展 ことのは の 宴
会  期  2020年1月5日[日]-3月8日[日]
休  館  日  月曜日(祝日は開館)
時  間  10:00-16:30(入館は16:00まで)
料  金  一般 900円、大学生 700円、高校生 400円、中学生以下 無料
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茶道具に欠かせない「銘」。
「銘」のほとんどは、和歌や俳句から引用されてきました。
日本の元号「令和」も、日本最古の歌集といわれている萬葉集の「第五巻 梅花の歌三十二首并せて序」より、新年に梅花を愛でながら宴会を催した一説が典拠とされております。

萬葉集が成立した頃、日本は、「言霊の幸はふ国-ことだまのさきわうくに」といわれており、美しい和歌や言の葉には国を安泰にする力があるとされました。人の一生に起こる出来事を、自然の美しさとともに豊かに表現し、自然の恵みに感謝し、生きることへの祈りや願いを込めた言の葉を「うた」に散りばめたのです。それは、萬葉という名にもみることができます。よろずの言の葉を集め、万代-よろずよ-まで伝わるようにと祝賀が込められており、今でも時代を超えて読み継がれながら後世の芸能、文学作品などに深く影響を与えています。

今回の展覧会では、そのような和歌や俳句などから「銘」が付けられた作品を中心に展示しております。土から捏ねられ、火によって誕生した茶碗に言の葉が与えられることによって、観る者の感じ方が変わる面白さと、言の葉に込められた人〻の祈りや願いを感じていただけたらと存じます。

[ 詳細: 樂美術館 ]

【展覧会予告】東京国立博物館|特別展「法隆寺金堂壁画と百済観音」|’20年3月13日-5月10日

東京国立博物館
特別展「法隆寺金堂壁画と百済観音」
会  期  2020年3月13日[金]-5月10日[日]
会  場  東京国立博物館 本館特別 4 室・特別 5 室(上野公園)
開館時間  9:30ー17:00
      (入館は閉館の30分前まで、会期中の金曜・土曜は21:00まで開館)
休  館  日  月曜日
      (ただし3月30日[月]、5月4日[月・祝]は開館)
観覧料金  一般 1,200円、大学生 600円、高校生 400円、中学生以下無料
       * 割引前売り券発売中
主  催  東京国立博物館、法隆寺、朝日新聞社、
      N H K、 N H K プロモーション、文化庁、日本芸術文化振興会
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世界遺産・法隆寺。その西院伽藍の中心をなし、世界最古の木造建築である金堂には、およそ1300年前の飛鳥時代に描かれた壁画がありました。2020年は、法隆寺金堂の火災をきっかけに、1950年に文化財保護法が成立してから70年となる節目の年です。
本展では、「法隆寺金堂壁画」の優れた模写や、焼損後に再現された現在の壁画、そして日本古代彫刻の最高傑作の一つである国宝・百済観音など金堂ゆかりの諸仏を展示します。
法隆寺金堂の美の世界を体感していただくとともに、文化財を保護し継承することの大切さを伝えていきます。

[ 詳細: 東京国立博物館  展覧会公式サイト ]

【展覧会】江戸東京博物館|特別展「江戸ものづくり列伝-ニッポンの美は職人の技と心に宿る-」|’20年2月8日-4月5日

江戸東京博物館
特別展「江戸ものづくり列伝-ニッポンの美は職人の技と心に宿る-」
会  期  2020年2月8日[土]-4月5日[日]
会  場  東京都江戸東京博物館 1 階特別展示室
開館時間  午前9時30分-午後5時30分(土曜日は午後7時30分まで)* 入館は閉館の30分前まで
休  館  日  毎週月曜日(ただし2月24日は開館)、2月25日[火]
観  覧  料  一般 1,100円、大学生・専門学校生 880円
      * 前売り券発売中・各種割引制度有り

主  催  公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都江戸東京博物館、毎日新聞社
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日本の伝統美術は、日本人の暮らしとともにありました。四季折々の生活シーンに応じて配される建具や調度品は、人びとに潤いと彩りを与えました。開国後の日本を訪れた西洋人が一様に驚いたのは、こうした品々に宿る日本人の豊かな遊び心と繊細な美意識でした。その日本の美を作り上げてきたのが、ものづくりに生きる職人たちです。

本展では、特色のある5人の名工たちを取り上げます。江戸が生んだ二人の蒔絵師・原羊遊斎-はら ようゆうさい-と、柴田是真-しばた ぜしん、尾形乾山-おがた けんざん-の陶法を継承し、軍艦の建造も手がけた鬼才の陶工・三浦乾也-みうら けんや、葛飾北斎の弟子で絵師から金工の道に転じた府川一則-ふかわ かずのり、江戸の職人気質を受け継ぎ超細密工芸を究めた小林礫斎-こばやし れきさい。
彼らは江戸東京で活動し、時代の空気を吸いながら、それぞれの道に精進して新たな創造に挑戦し続ける人生を歩みました。

本展では、明治前期に日本を訪れたヨーロッパ貴族バルディ伯爵の日本コレクション(ベニス東洋美術館所蔵)の日本での初公開をはじめ、当館のコレクションを中心に、江戸東京で活躍した職人たちの仕事と人生に光を当て、日本が世界に誇るものづくりの力の源泉を見つめたいと思います。

[ 詳細: 江戸東京博物館 ]

【珍客訪問】有朋自遠方来、不亦楽乎|バウマン&バウマンの愛娘 カルラが訪問|フランスで建築家になっていて吃驚仰天

ドイツのバウマン&バウマンはふるい友人。かぞえてみたら優に30年を越える交際になる。
12月某日、そのバウマン夫妻の愛娘カルラが、トートーバックひとつと、スマートフォンを片手にひょっこりと訪問。少女からすっかりレディーになっていてびっくり。

カルラは現在パリの著名な建築家の事務所に勤務しており、ビジネスで日本にやってきたとのこと。弟のレオンともどもいまだに結婚はしていないそうだ。オヤジは頭が痛くて、頭髪の養生には悪影響があろかと想像する。
ガラスが乱反射しているが、ポスターはバウマン&バウマンによる。この活字書体と、カルラの後方の「NO SMOKING」が気になるひとは初期活字小児病。専門医の治療をうけることをお勧め。

ドイツ中西部にあるシェベービュッシュ・ギュムントの街。ふるい城壁に囲まれた石畳の街。
バウマン家は、街の郊外、小高い丘の中腹にあり、大型の荷物は専用ケーブルカーで運ぶ。

カルラとレオンの姉弟。亡妻と野面で花冠をつくって遊んでいた無邪気な少女がカルラだった。

カルラのスマホ画面でバウマン一家の近影を拝見。即スカイプ接続で日独テレビ電話。ゲアド・バウマンは顎髭までまっ白になって、まるでサンタクロース。おまけにレオンまでオヤジに似て頭髪の大部分を失っていた。不覚ながら懐かしさのあまり涙がにじんだ。

ちょうど移転作業中で社内は散らかっていたが、古い写真もでてきた。あわせて紹介したい。
ふるく中国でいう ──

有 朋 自 遠 方 来、不 亦 楽 乎
朋有り遠方より来る、亦た楽しからずや

バーバラ・バウマン+ゲアド・バウマン b+b WebSite

【 文字壹凜まとめ 】
【 文字百景26  バウマン+バウマンと私たち PDF moji-hyakkei 26 B&B_1 】

バウマン夫妻初来日のとき。1994年10月10日。体育の日とイベントの秋で、講演・展示会会場探しで往生した記憶。 左】中島 安貴輝さん、バウマン、やつがれ。後方は板東孝明さん。早速「逆さダルマ」のあだ名がついた。バウマンも気に入って各地でダルマを買いあさっていた。

【良書紹介】「ミツカン水の文化センター」の機関誌|『水の文化』 第63号発刊|特集「桶・樽のモノ語り」

ミツカン 水の文化センター
『水の文化』63号
桶・樽のモノ語り
水をはじめとする液体を貯蔵、あるいは運ぶために使われてきた桶と樽。桶とは桶側-おけがわ・箍-たが・底板からなる木製の容器のことであり、樽はその桶に蓋を付けて密閉できるようにしたものだ。
江戸期の日本は世界でも有数の桶と樽の生産地であり、昭和初期まで人々の暮らしのみならず産業や経済を支えていたのは桶と樽だ。戦後、桶と樽はあまり使われなくなったが、今でも桶や樽にこだわる人は存在する。
持続可能性が求められる現代において、今なお使いつづけられる桶と樽の価値とはいったい何なのか。大型の貯水・貯蔵装置の視点から考えたい。

木桶がひしめくしょうゆのもろみ蔵。この蔵独特の生態系をつくるのに木桶の果たす役目は大きい(香川県・小豆島のヤマロク醤油にて) ミツカン 水の文化センター WebSiteゟ

【 詳細 : ミツカン 水の文化センター 】 { 活版アラカルト まとめ }

【展覧会】東京国立博物館・台東区立書道博物館 連携企画|生誕550年記念 特別展|文徴明とその時代 ─ 天下の書法、蘇州に帰す!|東京国立博物館 東洋館 8 室|書道博物館

東京国立博物館・台東区立書道博物館 連携企画
生誕550年記念 特別展
文徴明とその時代 ── 天下の書法、蘇州に帰す!
◉ 東京国立博物館 東洋館 8 室
会  期  2020年1月2日[木]-3月1日[日]
休  館  日  月曜日、1月14日[火]、2月25日[火]
      * 1月13日[月・祝]、2月24日[月・祝]は開館
観  覧  料  一般 620円、大学生 410円
◉ 台東区立書道博物館
会  期  2020年1月4日[土]-3月1日[日]
休  館  日  月曜日、1月14日[火]、2月25日[火]
      * 1月13日[月・祝]、2月24日[月・祝]は開館
観  覧  料  一般・大学生 500円、高・中・小学生 250円
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明時代の中期に活躍した文徴明(1470-1559)は、蘇州における芸苑の領袖として君臨し、90歳の長寿を全うしました。 文徴明の子や甥も書画を善くしたことから、文一族は後世にも多大な影響を与えました。海を隔てた日本も例外ではなく、江戸時代においても一世を風靡しました。
2020年は、文徴明の生誕550年にあたります。17回目を迎える 東京国立博物館・台東区立書道博物館 連携企画では、国内に現存する文徴明や同時代に活躍した書画に焦点をあて、文徴明の魅力に迫るとともに、後世に与えた影響を紹介します。

[ 詳細: 東京国立博物館   東京国立博物館 東洋館 台東区立書道博物館 ]

【WebSite 紹介】 瞠目せよ諸君!|明治産業近代化のパイオニア 平野富二|{古谷昌二ブログ28}|国内外の博覧会と活字・印刷機の出品(その1)

6e6a366ea0b0db7c02ac72eae004317611-300x75明治産業近代化のパイオニア

平野富二生誕170年を期して結成された
<「平野富二生誕の地」碑建立有志会 ── 平野富二の会>の専用URL
 平野富二  http://hirano-tomiji.jp/ } では、同会代表/古谷昌二氏が
近代活版印刷術発祥の地:長崎と、産業人としての人生を駈けぬけた平野富二関連の
情報を記述しています。

本稿もこれまでの「近代産業史研究・近代印刷史研究」とは相当深度の異なる
充実した内容となっております。読者諸賢の訪問をお勧めいたします。

古谷昌二ブログ ── 国内外の博覧会国内外の博覧会と活字・印刷機の出品(その1)

ab8a2b0e21f54ff5474ba991de0cb37c-300x199-300x199まえがき
(1)1867年のパリ万国博覧会 L’Exposition du Paris, 1889
    博覧会の概要
    清水卯三郎の参加
    清水卯三郎の輸入した印刷機
(2)フィラデルフィア万国博覧会 The Centennial Exposition, Fairmount Park, Philadelphia.USA
    博覧会の概要
    平野富二の出品
    活字見本帳と手引印刷機の出品(考察)
    政府事務官として渡航した吉雄永昌
(3)第一回内国勧業博覧会
    博覧会の概要
    平野富二による鉛版活字の出品
    印刷機の出品
    平野富二が印刷機を出品しなかった理由(考察)

    府下縦覧工場として指定
まとめ

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[ 国内外の博覧会国内外の博覧会と活字・印刷機の出品(その1)  古谷昌二まとめ ゟ ]

幕末から明治期に開催された博覧会に出品された鉛活字と印刷機は、近代化を目指すわが国にとって文明の利器として欠くことのできないものとなった。

1867(慶應3)年4月にフランスでパリ万国博覧会が開催された。これは、わが国が国家として最初に参加した万国博覧会であった。幕府は自らの出品と共に諸藩や江戸商人に呼び掛けて出品を募った結果、薩摩藩、肥前藩と浅草天王町に居住していた清水卯三郎が手を挙げた。
活字と印刷機については時期尚早のため、わが国の出品物の中には無かった。しかし、江戸商人として参加した清水卯三郎の「フランスみやげ」の中に、仮名文字の活字母型、石版印刷機と足踏印刷機があった。
活字母型は宮城玄魚による平仮名の版下を持参してフランスで作製依頼したものであるが、活字鋳造は行われなかったという。石版印刷機と足踏印刷機については清水卯三郎自身では使用せず、販売のため店先に置いてあった。
この足踏印刷機は、後に条野伝平がこれに眼を付け、『東京日日新聞』の創刊に関わることになった。また、別の一台は平野富二による足踏印刷機の国産化対象となった。

1876(明治9)年5月にアメリカのペンシルヴァニア州フィラデルフィアにおいて、アメリカ建国100年を記念した万国博覧会が開催された。この万国博覧会参加のために政府事務官の一人として任命された吉雄永昌(勧業寮十二等出仕、会計)は、平野富二と知己であったことから、平野富二による「活字紙型等の見本各種」の出品がなされたと見られる。
この見本各種の中には、明治9年版活字見本帳『活版様式』と小型手引印刷機が含まれていたと見られる。これらについて考察を加えた。また、吉雄永昌について平野富二、築地活版製造所との関連を参考に述べた。

明治10年(1877)8月に第一回内国勧業博覧会が東京の上野公園で開催された。これはわが国政府主催の最初の博覧会であった。このとき平野富二は築地活版製造所で製造した「楷書・仮名等の鉛版活字」を出品した。しかし、平野富二の名前で出品した印刷機はなかった。
このとき、「鉛版活字」の摺り見本として明治10年版とされる活字見本帳『BOOK OF SPECIMENS MOTOGI & HIRANO』が一緒に出品されたと見られるが、疑問もある。また、国産化した活版印刷機を本格的に製造できる体制を整えたにも拘わらず、平野富二の名前で出品された印刷機はなく、築地活版製造所で造られたとみられる手引印刷機が、出版人である野村長三郎の名前で出品された。これらについて考察を加えた。

引続き第二回内国勧業博覧会(明治14年3月開催)、ロンドン発明品博覧会(明治17年5月)、第三回内国勧業博覧会(明治23年4月開催)などが開催されたが、これらについては、次回ブログ「国内外の博覧会と活字・印刷機の出品(その2)」で紹介する。

【もんじ】京都新聞|今年の漢字は「令」|令和初、京都・清水寺で発表|’19 令和元年12月12日

京都新聞 ゟ 「今年の漢字」を揮ごうする森貫主(12日午後2時5分ごろ、京都市東山区・清水寺)

京都新聞
今年の漢字は「令」 令和初、京都・清水寺で発表

一年の世相を表す「今年の漢字」に「令」が選ばれ、京都市東山区の清水寺で12日、日本漢字能力検定協会(同区)が発表した。
新元号の「令」和や、法「令」改正による消費増税、災害による警報発「令」などの象徴する一字として最多の3万427票を集めた。 

「今年の漢字」は1995年に始まり、令和になって初めてとなる今年で25回目。森清範貫主が奥の院の舞台で大型和紙に揮毫(きごう)した。昨年は西日本豪雨といった自然災害の多発などを受け、2004年に続き2回目の「災」が選ばれた。公益財団法人 日本漢字能力検定協会

公益財団法人 日本漢字能力検定協会について
法人概要
名  称
公益財団法人 日本漢字能力検定協会

所在地
本部 〒605-0074 京都市東山区祇園町南側551番地

  TEL : (075)757-8600 FAX : (075)532-1110
  東京事務局 〒100-0004 東京都千代田区大手町2-1-1 大手町野村ビル
  TEL : (03)5205-0333 FAX : (03)5205-033
代表者
代表理事 会長兼理事長 髙坂 節三

設立年
1992年

理 念
社会生活に必要な日本語・漢字の能力を高め、広く日本語・漢字に対する尊重の念と認識を高めるための普及啓発・支援活動、調査・研究、日本語能力育成活動を本邦及び海外において行い、我が国における生涯学習の振興を通じて日本文化の発展に寄与する。

事業内容
  (1)日本語・漢字に関する普及啓発・支援
  (2)日本語・漢字に関する調査及び研究
  (3)日本語・漢字に関する能力育成
  (4)その他この法人の目的を達成するために必要な事業

{ 新 宿 餘 談 }
歳末風物詩となっている「今年の漢字」が発表された。予想どおり「令」で、最終画は曲げはねで書されていた。
このイベントが公益財団法人 日本漢字能力検定協会の主宰によることは薄〻知っていた。同財団の WebSite を訪問したら「今年の漢字」に「®  登録商標」が表示されていた。
[ 参考:特許庁 商標制度の概要 
感想は …… 格別には無い。

【この一葉】サム・フランシス カレンダー|ジャストシステム / 1989|

サム・フランシス カレンダー(ジャストシステム / 1989)
design : takaaki bando
cooperation : nantenshi gallery, minoru niijima
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{ 新 宿 餘 談 }
目下連日のんびりと事務所移転の作業中。キャビネットの奥からだいぶ莨ヤケした三十年余以前のカレンダーを発掘 !?   表紙厚紙、本体別紙の 7 枚もの、リング綴じ、未使用のものだった。
クライアントはジャストシステム、当時同社の AD だった板東孝明氏のデザイン。南天子画廊と新島 実氏が協力していた。
たまたまお手伝いに来社していた日吉洋人さんが「お気に入りアイテム」で持ち帰った。これで産業廃棄物にならずに済んだ。[この一葉][この一冊]カテゴリーの初掲載となった次第。

撮影:日吉洋人さん [ 参考: 日吉洋人 Facebook ]

【展覧会】無印良品|ATELIER MUJI GINZA|「インドの手仕事、文字になる」展|’19年12月20日-’20年3月8日

無印良品 ATELIER MUJI GINZA
「インドの手仕事、文字になる」展
開催期間  2019年12月20日[金]-2020年3月8日[日]
時  間  10:00-21:00
開催場所  無印良品 銀座 6 F  ATELIER MUJI GINZA Gallery  2
      入場無料
主  催  無印良品
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世界は、文字であふれています。今日のデジタル社会において、書体 (文字の形とスタイル)の重要性はさらに高まりました。表現したい、伝えたい、残したい、わかり合いたい。書体は、私たち人類にとって豊かな表情や物語、美しさを備えた道具であり糧でもあります。
本展では、地域固有の文化とイノベーションが融合し、社会に新しい価値を生み出すデザインについて、インドにおける書体をめぐる挑戦を紹介します。

インドのデザイナーが2011 年に立ち上げたプロジェクト「The Typecraft Initiative -タイプクラフト構想」では、デザイナーとインド各地の工芸や民俗芸術の職人である女性たちが、ワークショップ形式でインド・ラテン語のデジタル書体を共同制作しています。地域の生活に根ざした入れ墨、刺繍、陶芸、絵画など幅広い分野の職人たちと、時間をかけてその特性や個性に合わせたワークショップを実施。
この過程を経て創られた書体をフォントとして製品化することで、デザインの可能性や職人である女性たちの新たな職域を広げる取り組みです。それは、近代化の波に消えゆくインドの手仕事を、未来につなげる活動にも通じています。
さまざまな魅力と背景を持つインド各地の文化が文字になる、この壮大なプロジェクト。女性たち職人の手仕事から生まれる文字は、今日もインドの暮らしの中で育まれています。

The Typecraft Initiative(タイプクラフト構想)
2011年にデザイナーのイシャン・コースラが、インドの無形遺産である伝統の手仕事を伝え、刷新し、その功績を讃えるために設立。多様で異なる手仕事によるプロダクトやプロセスを介した書体を作成していくことを目指している。伝統に新たな息吹を吹き込むコミュニケーションや学びのため、様々な分野の職人たちとのワークショップ形式で、これまで5つの書体を作成。それらをデジタル化して商品に発展させる活動は、職人たちの新しい職域を広げている。

[ 詳細: ATELIER MUJI GINZA ]

【展覧会】ミサワバウハウスコレクション|第30回企画展|「バウハウスの曲線 ─ バイヤー、ブロイヤー、ヴァーゲンフェルト」|’19年11月15日-’20年03月19日

ミサワバウハウスコレクション
第30回企画展「バウハウスの曲線 ── バイヤー、ブロイヤー、ヴァーゲンフェルト」
開催期間  2019年11月15日[月]-2020年03月19日[木]
開館日時  10:00-12:00,  13:30-17:30
      水・土・日・祝祭日および12月25日-1月5日は休館
予約受付  03-3247-5645
      同館は予約制です。休館日を除いた前日までに電話で日時をご指定ください。
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ミサワバウハウスコレクションでは、3年ぶりの企画展「バウハウスの曲線 ── バイヤー、ブロイヤー、ヴァーゲンフェルト」を開催致します。
バウハウスといえば直線や硬質な幾何学形のイメージですが、本展では曲線をテーマに、ヘルベルト・バイヤー、マルセル・ブロイヤー、ヴィルヘルム・ヴァーゲンフェルトを取り上げます。3人ともバウハウスで学び、バイヤーは広告印刷工房、ブロイヤーは家具工房のユングマイスターとして工房を指導し、ヴァーゲンフェルトはワイマールに残って後継校の金属工房を指導しました。
バイヤー、ブロイヤーはアメリカで、ヴァーゲンフェルトはドイツに留まりますが、3人ともその後長く活躍しています。
バウハウスは社会に積極的に関わる新しいタイプの芸術家の養成をめざしました。バウハウスにとって、この3人はまさにバウハウスがめざした理想の実現だったのです。
バウハウス時代の作品から、その後の展開を75点の作品でご覧戴きます。

また、バウハウス100周年を記念し、バイヤーのデザインで世界を巡回したバウハウス50年展と、本年のドイツでの動きを紹介します。
本展は、バウハウス100ジャパンの「バウハウスの星座」39番目の星となります。
全国のバウハウス関連イベントで行なうスタンプラリーに参加し、特製スタンプを用意してご来館をお待ちしています。公式台紙「バウハウス・パスポート(bauhaus100jp 学生証付き)」は渋谷TSUTAYA 7 階で販売中です。

◆ギャラリートーク
同館学芸員による解説をおこないます。
12月6日[金]、 1月10日[金]、 2月14日[金]、 3月6日[金] 
14時より 1時間半程度。有料(詳細はお問い合わせください)

[ 詳細: ミサワバウハウスコレクション ]{活版 à la carte まとめ

【展覧会】お札と切手の博物館|令和元年度 第2回特別展|乙百円-おつひゃくえん-誕生の軌跡 日本人が初めて肖像をデザインしたお札|令和元年12月17日-令和2年3月1日

お札と切手の博物館
令和元年度 第2回特別展
乙百円-おつひゃくえん-誕生の軌跡 日本人が初めて肖像をデザインしたお札
開  催  日  令和元年12月17日[火]-令和2年3月1日[日]
開催時間  9:30-17:00 
休  館  日  月曜日(祝日の場合は開館し、翌平日)、年末年始(12/29-1/3)、2月9日
開催場所  お札と切手の博物館 2 階展示室
入  場  料  無 料
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明治時代初期、日本のお札や切手は、お雇い外国人として来日したキヨッソーネの尽力により近代化を遂げました。図案・原版彫刻・製版といった技術の全てを担っていたキヨッソーネが印刷局を去った後、日本の技師たちは自らの力でお札をつくる道を歩みはじめます。
アメリカで技術を研鑽した工芸官の大山助一-おおやますけいち-が伝えた技法を弟子の森本茂雄-もりもとしげお-らが受け継ぎ、欧米の技術や様式を吸収しながら、印刷局は発展を遂げ、昭和5(1930)年に日本銀行兌換券「乙百円」(以下、乙100円券)が誕生しました。

当時最新の技術と日本独自の図柄を用いた乙100円券は、初めて聖徳太子の肖像が採用されたお札としても知られますが、その肖像は日本人が初めてデザイン・彫刻を手がけたものです。
乙100円券が発行されるまでの日本のお札は、キヨッソーネの残した原版に基づいて肖像が作成されていましたが、初めて聖徳太子の肖像が採用された乙100円券では、人物の描写、考証、文様、図柄などのすべてを一から製作する必要がありました。
また、その図柄には肖像にゆかりのある法隆寺の宝物などを元に図案化したものが多用されていることが特徴で、当時最新の印刷技術を用いることによって実現したものです。

本展では、お雇い外国人から学んだ技術を日本の技術者たちが自ら成熟させ、生粋のお札を生み出すまでの軌跡を辿り、乙100円券が誕生するまでの背景や肖像の下図が完成するまでの過程、当時最新の偽造防止技術などについて、同時代の海外のお札や関連資料と併せてご紹介します。

[ 詳細: お札と切手の博物館 ] {活版 à la carte 既出まとめ

【もん】展覧会|住友コレクション 和泉屋博古館|SEN-OKU HAKUKOKAN MUSEUM 東京分館|企画展 金文-中国古代の文字-|’19年11月9日-12月20日|

住友コレクション
和泉屋博古館  SEN-OKU HAKUKOKAN MUSEUM
東京分館 企画展 金文-中国古代の文字-
主  催  公益財団法人 泉屋博古館
会  場  住友コレクション 泉屋博古館分館
      106-0032 東京都港区六本木1ー5-1
      03-5777-8600(ハロ-ダイヤル)
会  期  2019年11月9日[土]-12月20日[金]
開館時間  10:00-17:00(入館は16時30分まで)
休  館  日  月曜日
入  館  料  一般 800円、高大生 600円、中学生以下無料
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今から三千年前の商周時代、様々な造形をもつ青銅器が盛んに製作されましたが、その表面には古代の文字が鋳込まれていました。金文と呼ばれる、現在の漢字の祖先にあたる中国古代の文字は、平面上に「書かれた」ものではなく、鋳物の技術によって立体的に「造られた」ものでした。
本展では青銅器にあらわされた文字、金文の世界をご紹介するとともに、復元鋳造レプリカやその鋳型を併せて展示することで、鋳物の技術としての文字=金文をわかりやすくお伝えします。

泉屋博古館分館 改修工事による休館のお知らせ
泉屋博古館分館は2020年1月より約2年、改修工事のため休館します。
休館期間中、皆様にはご不便をおかけいたしますが、
ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
* 新宿餘談  さびしいですね。

[ 詳細: 住友コレクション 泉屋博古館分館 ]

【展覧会】奈良国立博物館|特別陳列 重要文化財|─ 文化財写真の軌跡 ─ 法隆寺金堂壁画写真ガラス原板|’19年12月7日-’20年1月13日

奈良国立博物館 特別陳列
重要文化財 ── 文化財写真の軌跡 ──
法隆寺金堂壁画写真ガラス原板
会  期  令和元年12月7日[土]-1月13日[月・祝]
会  場  奈良国立博物館 西新館
休  館  日  毎週月曜日、1月1日 * ただし12月30日、1月13日は開館
開館時間  午前9時30分-午後5時
      * 毎週金・土曜日は午後8時まで(12月28日は除く)
      * 12月17日(春日若宮おん祭お渡り式)は午後7時まで
      * 入館は閉館の30分前まで
観覧料金  一般 520円、大学生 260円
主  催  奈良国立博物館、法隆寺、便利堂、朝日新聞社
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実用的な写真技術は、十九世紀前半にヨーロッパで発明されてからほどなくしてわが国にもたらされ、やがて日本人の写真師が誕生します。明治四年(一八七一)には蜷川式胤の発案により横山松三郎が旧江戸城を撮影し、翌年のいわゆる壬申検査(日本ではじめての本格的な文化財調査で)でも数多くの宝物や建物が写真におさめられました。以来、文化財は主要な被写体であり続けます。写真により記録に残すということは、経年や修理などによる変化を避けられない文化財にとってつねに重要な課題だったのです。また写真は、いまでは常識となっている文化財という概念を社会に定着させ得る契機ともなりました。

昭和十年(一九三五)には文部省の国宝保存事業の一環として、京都の美術印刷会社便利堂が法隆寺金堂壁画十二面を撮影し、巨大壁画の精緻な記録作成に成功しました。昭和二四年(一九四九)の火災により壁画は惜しくも損傷を免れませんでしたが、このときの写真は往時のかがやきを伝える存在として貴重です。平成二七年(二〇一五)にはこれらの写真の歴史的・学術的価値があらためて評価され、国の重要文化財に指定されました。
この展覧会では、法隆寺金堂壁画写真ガラス原板を中心に、近代以降に多くの人びとが文化財の写真撮影に精力を傾けた軌跡を振り返ります。

[ 詳細: 奈良国立博物館  ]

【もんじ】福いっぱい|吉祥如意〝福 百景〟|好 ハオ!

縦11もんじ × 9 行= 99 もんじ、上部の楷書〝福〟とあわせて 都合 百 の〝福〟もんじ。
夜食でちかくの気軽な中国料理店でみかけた。紙にシルク印刷 + U V 加工の簡便なもの。
さりながら、料理の味とボリュームもすごくて 好 ハオ !
<字> 宀 イエ+子=字 家の中でおおくの子供(字)を誕生させる
「字」の造形原理を知悉している漢民族の得意とするところ。よくみると味わいふかい。
それにしても、篆書風〝九十九-つくも-福〟、楷書風大字〝福〟は迫力満点。

撮影:日吉洋人 [ 参考: 日吉洋人 Facebook ]
[ 関連:【もんともんじ】ちょっと不気味ながら 目出度い瑞兆|蛙と招財進寳|端午の節句と鍾馗様の五毒退治 

【ことのは】〝サクラウェーブ〟|活躍が期待される女子ラグビー|’20 東京五輪 7人制/’21 NZ W杯15人制

’19年11月24日〝サクラフィフティーン〟日本女子ラグビーチームとスコットランド戦
WORLD RUGBY ORG. ゟ Photo : Scottish Rugby / S N S

◉ サクラフィフティーン
      日本代表 女子15人制ラグビーチームの愛称
◉ サクラセブン
      日本代表 女子 7人制ラグビーチームの愛称
◉ サクラウエーブ
日本代表 女子ラグビーチームの愛称
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ラグビーが一躍注目されるようになったのは、2015年ラグビー W杯 イングランド大会 で強豪南アフリカを打倒して3勝1敗という成績を残せたから。それでも「ボーナスポイント」を獲得できずに予選リーグで敗退した。

そしてラグビー W杯2019 東京 を迎え、プール戦を四戦全勝で突破、ベストエイトに初進出して、満天下にラグビーの面白さが知られ、ラグビーを語りあえる友人が増えた。

ラグビー7人制 ── あまり知られていないが 男女とも活躍がめだつ7人制ラグビー
ラグビーは2016年のリオデジャネイロ五輪から男女7人制ラグビーが採用された。わが国は7人制への習熟が少なく、手探り状態での参加に終わった。東京五輪には主催国で予選免除で出場する。
’ 20 東京五輪 男子7人制ラグビーでは、すでに参加を表明している福岡堅樹とあわせ、去就は不明ながら松島幸太朗の賢明な快足コンビが揃ったら、メダル獲得もあながち夢では無さそうである。
すでにラグビーシーズン花盛りのいまであるが、今回は女子のラグビーを動画中心で紹介したい。
NOTES ON TYPOGRAPHY  ラグビーまとめ
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Watch LIVE from 1pm on Sun 24 Nov as Scotland face Japan at Scotstoun Stadium in their second Autumn Test.
[ 参考:日本ラグビーフットボール協会 WebSite

試合後の〝サクラフィフティーン〟日本女子ラグビーチームとスコットランド女子チーム
日本ラグビーフットボール協会 WebSite  ゟ

女子日本代表 対 女子スコットランド代表 試合結果
11月25日[日]、女子日本代表と女子スコットランド代表との試合は、24-20(前半10-10)で女子日本代表が勝利した。女子日本代表は女子スコットランド代表との初対戦で初勝利となった。
* これに先立ち11月16日[土]世界ランキング6位の女子イタリア代表を相手にテストマッチ。17対17(前半10-12)で引き分け。これで対イタリア戦の通算対戦成績は、女子日本代表の1分2敗となった。残念ながら動画の公開配信はいまのところみかけ無い。
* これらの二試合後11月25日時点の世界ランキングで、女子日本代表は15位から12位に上昇した。

◯ 南早紀キャプテンのコメント
ラグビー W杯2019 東京 での男子に続き、スコットランドに勝てたことを大変うれしく思います。試合を通してたび重なるペナルティによって自分たちで苦しい状況をつくってしまいましたが、後半ラスト10分からアタックを継続し、2トライ2ゴールを得ることができました。これはチームのメンバー全員で戦うことができた結果だと思っています。
欧州遠征でイタリアとスコットランドと戦ったことで、ワルドラグビー女子ワールドカップ2021の予選前にチームとしてレベルアップすることができました。

日  時 : 11月24日[日] 13:00(現地時間)キックオフ
会  場 : スコッツタウン・スタジアム(スコットランド・グラスゴー)
結  果 : 女子日本代表  ○ 24 - 20 ●  女子スコットランド代表

2019年11月24日[日]、〝サクラフィフティーン〟こと、日本代表女子15人制ラグビーチームとスコットランドが初対戦。緊迫のテストマッチは最終盤に日本が逆転に成功、24 対 20 で勝利。
詳細はスポーツライターに任せるが、日本女子チームはタックルで勝り、スクラムは互角なのに、ラインアウトからのモール展開に、もうひと工夫が欲しいというのが新宿餘談。

YouTube は 2時間余の長時間のプログラムであり、観客もおよそ 2,000 人と少ないが、冒頭部と前後半の中間にスコットランドチームの練習風景がある。
なによりも面白いのは、逆転にいたる後半10分ほどから(01:30:00)。日本チーム・スクラムハーフ:津久井 萌: No 9(青山学院大学2年) の俊敏な球さばきと、相手 No 8 への潰しがみもの。これで大柄なスコットランド女子チームは、前に後ろに、右に左にはげしく振り回されてヘトヘトになり、とどのつまり、最終盤に 2 トライ 2 ゴールを許して敗退した。
拡大画面で閲覧希望のかたは、画面 YouTube の文字部をクリックすると別ウインドウが開く。

【 YouTube LIVE | Scotland Women  v  Japan Women 音が出〼 2:04:31 】

 ラグビー女子15人制日本代表 マッケンジー 新 HC〝サクラウェーブ〟で 2021 WRWC へWORLD RUGBY ORG. ゟ
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【展覧会】国立西洋美術館|内藤コレクション展|「ゴシック写本の小宇宙 ─ 文字に棲まう絵、言葉を超えてゆく絵」|’19年10月19日-’20年1月26日

国立西洋美術館
内藤コレクション展「ゴシック写本の小宇宙 ── 文字に棲まう絵、言葉を超えてゆく絵」
会  期  2019年10月19日[土]-2020年1月26日[日]
開館時間  9:30-17:30
      毎週金・土曜日は 9:30-20:00、12月27日[金]は9:30-21:00
      * 入館は閉館の30分前まで
休  館  日  月曜日 *’19年12月28日[土]-’20年1月1日[水・祝]、1月14日[火]は休館
会  場  国立西洋美術館 版画素描展示室
主  催  国立西洋美術館
観覧料金  一般 500円、大学生 250円
      * 本展は常設展の観覧券、「ハプスブルク展」の観覧券でもご覧いただけます。
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いまだ印刷技術がなかった西欧中世のキリスト教世界においては、修道院を中心に制作された手写本が、ひとびとの信仰と知を担う特権的なメディアでした。ただしそれは、もっぱら言葉だけを保存し、運搬する媒体ではありませんでした。
獣皮紙に書かれた中世の写本には、さまざまな挿絵が描かれ、テクストの頭文字やページの余白は、しばしば豊かな装飾なり紋様で彩られたからです。写本ページの小さな平面は、より大きな画面を備えた壁画や板絵に劣ることのない、中世の絵画芸術のまぎれもなく最重要な舞台でした。

そんな中世の彩飾写本に強く魅せられた日本人のひとりに、中毒学を専門とする学者/医師として知られる内藤裕史氏(筑波大学・茨城県立医療大学名誉教授)がいます。数十年にわたって一枚ものの写本零葉を蒐集してこられた氏は、ご自身のコレクション約150点を、2016年春に一括で当館にご寄贈くださいました。日本のミュージアムには、西欧中世のコレクションが欠けているとの思いからでした。
以降、当館では館外の研究者のかたがたに多大なご協力をいただきつつ、従来のコレクションの範囲を押し拡げるそれら寄贈作品の調査をしてきました。またその後も、内藤氏に賛同なさった長沼昭夫氏から寄付金を頂戴し、写本葉のさらなる蒐集をおこなってもきました。

このたびの小企画展は、その内藤コレクションをまとまったかたちでお披露目する最初の機会となります。内藤氏が蒐集した作品は、制作地域/制作年代ともに多岐におよびますが、中核となるのは13世紀以降のゴシック写本です。
この時代の彩飾写本では、絵が文字のなかに寄生するようにして物語や空間をつくりだしたり、欄外の余白へと居場所をもとめながらテクストを注釈したり逸脱したりしてゆきました。そうしたゴシック写本の小宇宙の一端を開示してくれる内藤コレクションの作品群を、東京藝術大学附属図書館からお借りするファクシミリ版の写本とともにご紹介します。

[ 詳細: 国立西洋美術館 ]