わが国最古級の冊子型活字見本帳の口絵に描かれた社屋の図版は、木口木版を印刷版とし活版印刷機で印刷された/笹井祐子

一八七二年(明治五)東京に進出した平野富二が製造した活字見本帳、通称『活版様式』(欠損本、印刷図書館蔵、明治九)、『BOOK OF SPECIMENS  MOTOGI & HIRANO』(活版製造所平野富二、平野家蔵、明治一〇)には、門柱に「長崎新塾出張活版製造所」の表札があり、翌年一二月完成した煉瓦づくりの新社屋の図がのこる。この版式と印刷方式は不詳だったが日大藝術学部教授/笹井祐子氏により、版式は木口木版、印刷方式は活版印刷機使用と判断された。

長崎新塾出張活版製造所uu 小口・板目

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