【朗文堂好日録】 梅雨があけた。夏が来る ― ごて〳〵と 草花植ゑし 小庭かな 正岡子規

ごて〳〵と 草花植ゑし 小庭かな―この小園は余が大地にして 草花は余が唯一の詩料となりぬ―子規「小園の記」
もとより子規にくらぶべくもないが、吾が「空中花壇」はけなげに花をつけている。『園芸家12カ月』の作者ボヘミアンのカレル・チャペックは豪雨の庭園を手入れしたため肺炎となり逝去。プラハを占領したナチドイツのゲシュタポがチャペック邸に逮捕すべく踏みこんだとき夫人は夫カレルが四ヶ月前に没したことを冷たく伝えたという。
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