月別アーカイブ: 2015年8月

【会員情報】 ぢゃむ 杉本昭生さん、ブログ<活版小本>に新作発表

活版小本

京都の吉田山のほとり、ちいさな活版印刷機で小型本の製作をつづけておられる
ぢゃむ 杉本昭生さんは、製作のピッチも順調ですし、そのブログ<活版小本 コホン>
意欲的な更新が継続しています。

とても瀟洒で、すっきりとした画面構成ですし、テキストも丁寧に書きこまれています。
皆さまのご愛読と、ブログへのご訪問をおすすめいたします。
また、ぢゃむ 杉本昭生さんはことしの<Viva la 活版 Let’s 豪農の館>にも出展されます。
やつがれ wrote

ブログ<活版小本 コホン>のアドレスはこちらです。
杉 本   昭 生
【 ぢゃむ 杉本昭生  活版小本 http://kappan-kohon.blogspot.jp/ 】
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芥川龍之介 『 蜜 柑 』

今回の小型本は、芥川龍之介の『蜜柑』です。
自分には聞き慣れた歌のように頭のどこかにずっと残っている作品です。
それをいまさら、という気がしないでもありませんが
今回はまず題字に中村不折の文字を使うことを決めていたので
それに似合った作品として芥川龍之介の『蜜柑』を選びました。

同じ作るなら、芥川の本の装幀をしていた小穴隆一の感性に近づきたいと思って
いましたが、やはり無理でした。
内容についてはご存知の方も多いので説明は省きます。
もし本棚に文庫本でもあれば、久しぶりに読んでみてはいかがですか。

【緊急告知 青年劇場公演】 真珠の首飾り-ジェームス三木作 板倉哲演出 09月11日-20日 紀伊國屋ホール

20150825135534289_000220150825135534289_0001 【 青年劇場 真珠の首飾り フライヤーPDF  seinengekijo-kouen 4.09MB 】

《創立50周年記念・第6弾》第113回公演 ―― ジェームス三木=作 板倉哲=演出

真珠の首飾り

国民主権。
    戦争放棄。
        基本的人権の尊重。

―― 一面焼け野原の東京で、憲法草案づくりが始まった。
彼らはそこに、何をこめたのか ――
演劇が完成する場は、舞台でも稽古場でもない。観客の胸の中である。それぞれの生き方、自由な考え方、独自の想像力によって、客席に色とりどりの花が咲けば、仕掛け人としていうことはない。
憲法改正の是非を問う前に、今の〔日本国憲法〕が、誰の手でどのようにつくられたのかを、みんなに知らせたくて、観客の心の畠に、せっせとタネつけをしたつもりだ。 さァ、花よ咲け。
ジェームス三木

<ものがたり>
1946年2月4日。焼け野原の皇居前に残された第一生命ビルの一室にGHQ(連合軍総司令部)民政局のメンバーが緊急招集された。そこで出された命令は「これからの一週間、民政局は全力を挙げて、憲法草案の作成にとりかかる」。明治憲法とほとんど変わらない日本政府の草案にたまりかね、憲法のモデル案を提示することを決めたのだ。
作成にあたって最も重要なことは、ポツダム宣言の内容に沿っていること。そして「天皇の地位保全」「戦争放棄」「封建制度の廃止」の三原則を入れ、かつ国連憲章の理念をも念頭に置くこと。
人権条項担当になった22歳のベアテ・シロタは、さっそく世界中の憲法を収集し、女性の権利条項作成に取りかかった。ケーディス大佐を中心とした運営委員会、それぞれの条項ごとの委員会メンバーも急ピッチで作業を進める。
やがてこのビルの密室で憲法をめぐる白熱した論議が始まった…… 。

【 詳細情報 : 青年劇場Website   講演日時・場所・チケット申込

【展示会】 IGAS 2015 (アイガス 国際印刷機材展)開催迫る

IGAS2015_poster-3◯ イベント名称

IGAS 2015 (アイガス 国際総合印刷機材展)
International Graphic Arts Show 2015

◯ 開催趣旨
IGAS 2015は、最新の印刷 ・ 紙工 ・ デジタルグラフィックス関連の機材 ・ 技術 ・ サービスを一堂に会した国際総合印刷機材展です。
最新技術や様々なソリューションを提案するとともに、印刷産業の未来を展望できる場です。
また、人材の国際交流を図り、印刷産業および関連産業の活性化と興隆に貢献します。
◯ 主  催
印刷機材団体協議会 (Japan Graphic Arts Suppliers Committee: JGASC)

〒105-0011 東京都港区芝公園3-5-8 機械振興会館401-2号室
一般社団法人 日本印刷産業機械工業会 内
◯ 開催期間
2015年09月11日[金]-16日[水]
◯ 開場時間
10:00-17:00
◯ 会   場
東京ビッグサイト 東館

〒135-0063 東京都江東区有明3-11-1
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アジアのというより、いまやひろくアセアン地域の、二年に一回の印刷の祭典<IGAS 2015>の開催が迫ってきた。 朗文堂にも各国からの問い合わせが増えている。
アセアン地域の印刷の祭典<IGAS>にたいし、世界規模の印刷の祭典としては<drupa  ドルッパ>が知られる。こちらは四年ごとに、ドイツのデュッセルドルフ・メッセ会場で開催されている。

すなわち印刷のオリンピックが<drupa>とすれば、アジア大会に相当するのが<IGAS>ということになる。 前回の<drupa 2012>は、2012年05月03日-16日に開催され、出展者数は52ヵ国1,971社、来場者数は138ヵ国から39万1000人の多くを数えたそうである。

かつて<JANPS2007><IGAS 2007>の両イベントに、朗文堂 アダナ・プレス倶楽部も、 Adana-21J 開発のパートナーであった小池製作所の展示コーナーの一隅に出展した。
このときの来場者は<JANPS2007>20,295人、<IGAS 2007>130,164人と記録されている。
その小池製作所は2008年に閉鎖され、e テクノロジーも、IT メディアも、アッというまに新鮮さを失い、メディア融合時代の印刷機器は混迷を深めている。わが国の印刷関連機器製造企業ならびに印刷企業はおおきな変換期にさしかかっている。

すなわち<IGAS>は、1991(平成03)年の出展社375社、来場者229,000人をピークとして減衰をかさね、前回の<IGAS 2013>では、出展社229社、来場者31,237人というさびしい現状にある【 過去のJANPS 】【 IGAS  過去の開催結果 】。

かつては肩をならべていた<drupa 2012>での、出展者数52ヵ国1,971社、来場者数138ヵ国から39万1000人の隆盛ぶりと比較すると、ずいぶん勢いを失った感がある。
これはパソコンや携帯型電話機などの軽便メディアばかりに関心が移行し、情報産業を根底からささえる、わが国のモノづくりの現場の衰退をあらわしているような気がしてならない。

こんな時代の印刷機器の国際見本市である。急速に変革が進む業界に勢いと弾みを与えるために、新トレンドや新テクノロジーに期待する向きもあるが、おそらく期待薄とみられている。したがって外国からのゲストの一部は、小社が出展しないことに失望する向きもある。
もはや活版印刷を、レトロ趣味や滅びの美学で観望したり、ニッチ産業などとはみなさない産業人が、ひとりわが国にとどまらず、アジア諸国でも増えてきたということかもしれない。

すなわち、小型活版印刷機の再開発の開始から、まもなく10年を迎えようとしている小社がおどろくほど、多くの若い経営者による印刷業者が、「新技術、ハイテク」の追求だけでなく、いちど印刷術の原点にたち帰り、あらたな出発のときを迎えるときだと考える向きが急速に増加している。
それが<活版ルネサンス>である。おもしろい現象といえるかもしれない。
まずは<IGAS 2015 >の成功を祈りたい。
【 詳細情報 :  IGAS 2015 公式ホームページ

【再紹介 朗文堂ブックコスミイク】 鈴木 篤著 『わたくしは日本国憲法です。』

プリント

顔写真鈴木篤氏 『 わたくしは日本国憲法です。』 著者 : 鈴木 篤氏

【 朗文堂 ブックコスミイク : 『わたくしは日本国憲法です。』 フライヤーPDF
【 関連ブログ : 弁護士 鈴木 篤 の つれづれ語り
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わが国『憲法』の周辺がきわめて緊迫してきた。
国会での審議がおこなわれているが、TV 中継を意識するのか、委員会審議なのに選挙運動期間中さながら、躰ごと左右にふり向け、空虚なことばを強弁するわが国の総理大臣の姿に、もの哀しいものを感ぜずにはいられない。
こういう姿勢は、ふるくから「右顧左眄」として卑しまれてきたものであるからして……。

《 出版人として、タイポグラファとして、そして、なによりもひとりの国民として 》
小社刊 『わたくしは日本国憲法です。』 の著者 : 鈴木 篤氏は、なによりも日本国憲法の前文をおもくみている。当然そこには憲法全体をつらぬく精神と理念がしるされているが故である。
2014年09月06日の『わたくしは日本国憲法です。』出版記念パーティでも、掉尾を飾って会場に『日本国憲法』前文の画像がながれ、それを女性参加者が朗朗と朗読されて感銘をよんだ。
そして鈴木 篤氏は、『日本国憲法』をつぎのようにかたる。
「すばらしい憲法ではないでしょうか。私たち日本国民は、こんなすばらしい、世界に誇れる憲法を持っているのです」

もちろん図書『わたくしは日本国憲法です。』のなかにも、憲法の前文をふくめて、全文が紹介されている。
また<花筏 朗文堂好日録-045 卯月 四月がおわり、新緑と薫風の 皐月 五月のはじまり>でも、『MORGEN』誌での書評を紹介するなかで、『日本国憲法』前文を紹介した。

ところが、現状のコンピューター・ディスプレーは、大小を問わず、まだまだ可読性 Readability と 判別性 Legibility に劣るという段階にとどまっている。
それでもタイポグラファとしては、こうした貴重な文書に勝手に段落改行などは設けるべきではないと判断していた。
ところが、デバイスによる差はあるとはいうものの、やはりこれだけの文章量がつづくと、画面ではことばの壁となって、読む意欲を減衰させてしまう結果となっていた。

今回は、段落ごとに一行アキとして、ともかく読んでいただけるようにいささかの工夫をしたものである。筆者の意のあるところをお汲みいただけたら幸いである。
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日 本 国 憲 法

施行  昭和二二年五月三日

日 本 国 憲 法   前 文

日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。

そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。
これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。
われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。

日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。

われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。
われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。

日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。

【長崎会員からの情報】 荷札から活版印刷へ ー 東彼杵町歴史民俗資料館

20150817133003887_0001 20150817133003887_0002 【フライヤー PDF  20150817133134564 2.19MB 】

荷札から 活版印刷へ

会  場 : 東彼杵町歴史民俗資料館
主  催 : 東彼杵町教育委員会
長崎県東彼杵郡東彼杵町彼杵宿郷430-5
TEL. 0957-46-1632

協  力 : 佐藤昇一(元 九州荷札印刷株式会社 工場長)
休館日 : 火曜日
入場料 : 無   料
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長崎県東彼杵郡に属する、東彼杵町(ひがし そのぎ ちょう)は、長崎県東部の大村湾に面した町です。この東彼杵町にもアダナ・プレス倶楽部のたいせつな有力会員がいらっしゃいます。
この町で1922年(大正11)に創業された九州荷札印刷株式会社の印刷関連機器を中心に展開するイベント、<荷札から 活版印刷へ>に際し、情報のご提供とフライヤーを若干お送りいただきました。
お近くの方、あるいは世界遺産登録で賑わう長崎旅行をご計画のかたは、ぜひご参観ください。
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<長崎県印刷会館(長崎市出島町10-13)の外観と資料保管室 撮影:2015年05月>
DSCN9325 DSCN9472 20150706212009623_0002 20150817203331502_0001【 『ハンドプレス・手引き印刷機』 PDF  handprss  3MB 】

観光名所、長崎出島のすぐちかく、長崎県印刷会館(長崎市出島町10-13)にも、九州荷札印刷株式会社から譲渡された印刷機器がいくつか保管されています。
なかでも貴重な資料は「アルビオン型手引き活版印刷機」二台です。
その紹介が 『  ハンドプレス・手引き印刷機 』 (板倉雅宣、2011年09月15日、朗文堂、p.58, 59)にありますのでご紹介しましょう。

同書(七)に紹介されたアルビオン型手引き式活版印刷機は、大阪/片田鉄工所製造による明治中期のものと推定される国産機で、上掲写真では右側の機械です。


同書(八)に紹介されたアルビオン型手引き式活版印刷機は、両脇の鳥居型主柱の天板の片面左側に「TYPE FOUNDRY TOKYO 」、右側に「TRADE MARK,  JAPAN」とあり、俗に「◯も に H」とされる東京築地活版製造所の名称と商標があります。
さらに同機において特徴的なのは、天板の反対面には、左側に「TYPE FOUNDRY OSAKA 」、右側に「TRADE MARK,  JAPAN」とあり、俗に「旭日に ◯も」とされる大阪活版製造所の名称と商標があります。
明治中期のものと推定される国産機で、上掲写真では左側の機械です。

東京築地活版製造所は平野富二を初代とする企業であり、大阪活版製造所は大阪財界の雄、五代友厚の懇請をうけ、本木昌造、谷口黙次らが開設した活版製造所であり、いずれも長崎を出自とする、いわば兄弟企業ともいえた存在でした。
こうした貴重な印刷機が東彼杵町にあったということになります。

【アダナ・プレス倶楽部】 まずはご一報を!<Salama-21A操作指導教室> 随時開催中

アダナタイトル

Salama-21A 操作指導教室<Salama-21A 操作指導教室> は、ふつうの活版印刷体験会や活版ワークショップとはいくぶん異なり、小型活版印刷機 Salama-21A を購入予定のお客様のための操作指導教室です。
ご購入いただいた(ご購入予定の) Salama-21A を、安全かつ快適にご使用していただくために、必要な操作方法の基礎を、短時間で集中的に習得していただくことを目的とします。
そのため、各回最大 4 名様に限定した、完全予約制の教室です。

アダナ ・ プレス倶楽部では、活版印刷関連機器のご購入の前に、ご使用目的にあわせ、無理と無駄のない設備の設定にむけて、十分なおはなし合いをさせていただいております。
そのためにも、これから活版印刷をあらたにはじめられる皆さまに、遠近を問わず、できるだけお客さまのご都合にスケジュールをあわせて<Salama-21A 操作指導教室>の受講をおすすめしております。

もちろん受講に際して印刷機や付帯設備などの購入は義務づけられていません。
詳細は <アダナ ・ プレス倶楽部 教室のご案内 Salama-21A 操作指導教室 >をご覧ください。

残暑お見舞い & 新塾餘談 おもかげのはし

 

2015残暑見舞い
《 新 宿 餘 談 》

七重八重 花は咲けども 山吹の 実の一つだに なきぞ悲しき

新宿区神田川に架かる「 面影橋 」ちかくの空き地に咲いていた、名もしらぬ野艸。
このあたりは、江戸千代田城の築造者とされる 太田道灌 の逸話にちなむ「山吹の里」とされ、江戸時代・明治時代には名所のひとつであったという。
いまは周辺に山吹はみあたらないが、橋のたもとにそれをつたえる記念碑がひっそりとたたずむ。 つよい陽射しをさけ、たそかれときにフラリとでかけので、あたりはほのくらく、写真も鮮明ではないが、「おもかげのはし/俤の橋/姿見の橋」とされる、ちいさな橋を紹介したい。DSCN0022DSCN0034DSCN0041DSCN0030DSCN0046DSCN0049DSCN0052いまではなんの風情もないコンクリートの橋ではあるが、神田川にかかるこの橋は、歌人:在原業平がきよらかな水面にその姿をうつしたことから「姿見の橋」とも、あるいは徳川三代将軍家光がこのあたりで鷹狩りの鷹をみつけて「姿見の橋」と名づけたともされる。
「おもかげのはし/俤の橋」の名は、和田於戸姫なるものが、かずかずの悲劇をなげいて、この水面に身をなげうったときの和歌から名づけられたとする。

いずれにしても、漢字だけの「面影橋」よりも、どれもが風情のある名前ではある。
その「おもかげのはし」のたもとに水稲荷神社があり、そこのおおきなマンションに友人が事務所を開設していた。その友人「松本八郎」が逝って、はやいものでまもなく一年になろうとしている。夏のたそかれとき、「おもかげのはし」をたずね、クレマチスの真っ白な花弁を見ながら、勝手に先に逝った友人を偲んだ。

【クレマチスの丘 ヴァンジ彫刻庭園美術館】 クリスティアーネ・レーア 宙を つつむ

              Christiane Löhr
                  encircling the orbit
クリスティアーネ・レーア  宙を つつむ 

《Little Agglomeration》2015,  Photo : Serge Domingie, © Christiane Löhr

クリスティアーネ・レーア 宙をつつむ
Christiane Löhr : encircling the orbit
会       期 : 2015年4月5日[日]-  8月31日[月]
主       催 : ヴァンジ彫刻庭園美術館
協       力 : タグチファインアート
開館時間 : 10:00-18:00 (入館は閉館の30分前まで)
休  館  日 : 水曜日(祝日の場合は翌日休・4/30は開館)
入  館  料 : 大人1,200円/高・大学生800円/小・中学生500円(400円)
問合わせ : ヴァンジ彫刻庭園美術館  Tel. 055-989-8787

自然から素材を採取し、「空間に生成されるかたち」を探求する作家 クリスティアーネ・レーア
【展覧会概要】
ドイツとイタリアで活躍するクリスティアーネ・レーアの、国内の美術館では初となる展覧会を開催いたします。
レーアは自然から採取してきたタンポポやアザミなど、身近な植物の茎や種子、また馬の毛を素材にし、その特性を活かしたかたちを作りあげていきます。
はかなく細やかな生命の欠片たちが、作家の手作業によって一つ一つ丁寧に組み合わせられた作品は、その小ささの中に普遍的な美しさを感じとることができます。
「空間に生成されるかたち」という彫刻だけでなく平面の作品にも共通するレーアの主要な問題から、かたちは素材の内的な構造に従いながら作られていき、とても軽やかで繊細でありながらも、建築物のような確かな安定を備えています。
作家の身体性と精神が深く根ざしたそれらの作品に対峙するとき、私たちは世界がもつ豊かさに気づくことでしょう。

 本展では、美術館の開放的な空間に広がる彫刻とドローイング作品がご覧いただけます。人と自然、そして環境や物質との関係が問題となり1960年代に起こったアルテ・ポーヴェラやミニマル・アートに影響を受け、幼少期の体験から慣れ親しんだ自然の中に作品の萌芽を見つめるクリスティアーネ・レーア。自然との直接の触れあいから生み出されてきた数々の作品によって、現代に生きる私たちと世界のつながりが、今あらためて問いかけられます。

 【作家紹介】
クリスティアーネ・レーア Christiane Löhr
1965年ドイツ ヴィースバーデン生まれ。
ボン大学でエジプト考古学や歴史学、マインツ大学で芸術教育学などを学んだ後、デュッセルドルフ美術アカデミー ヤニス・クネリス教室修了。美術アカデミー在学中から植物や馬の毛を用いた作品を作り始め、注目を集める。

 現在、ケルン(ドイツ)とプラート(イタリア)を拠点に活動。ミラノ近郊のパンザ・ヴィラ・アンド・コレクションでの個展をはじめ、世界各地で展覧会を開催。主なパブリックコレクションにヴァンジ彫刻庭園美術館(静岡)、ボン市立美術館(ドイツ)、パンザ・コレクション(イタリア)ほか多数。

【 企画詳細 : ヴァンジ彫刻庭園美術館 企画展