月別アーカイブ: 2013年12月

アダナ・プレス倶楽部会報誌 第23号

アダナ・プレス倶楽部の会報誌 『Adana Press Club NewsLetter Vol.23』(Winter 2013)を
刊行し、会員の皆さまへ配布いたしました。

会報誌23号

『Adana Press Club NewsLetter Vol.23』 (Winter 2013)
表紙使用活字 : 36pt. Albertus Titling
           12pt. 記号活字 各種 
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 主な内容(目次) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・レポート   明治産業近代化のパイオニア『平野富二伝』
         刊行記念 展示・講演会 イベントレポート
・掲載情報  森永乳業PARM Website
         11月の連載担当のお知らせ
・新規商品  輸入欧文活字 サン・セリフ体
         「トゥエンティ・センチュリー」
・豆知識23  活版印刷 人物伝① 《11世紀》
・会員便り   解版糸のつなぎ方
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『Adana Press Club NewsLetter』の定期購読をご希望の方は、
会員登録 と年間登録費の納入をお願いします。

なお、毎号バックナンバーの在庫がございませんため、
会報誌の配布はお申込みの次号からとなります。ご了承ください。

アダナ・プレス倶楽部のエプロンを染め直しました。

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皆さまにご愛用いただいてまいりました「アダナ・プレス倶楽部 特製エプロン」、「愛称:ケロンパ・エプロン」です。アダナ・プレス倶楽部の発足時から長年使用してきましため、クリーニングに出してもインキ汚れが目立つようになりました。

このごろは安い衣類が出回り、買いなおしたほうが安くなることもあり、衣類もすっかり使い捨ての風潮となりました。
それでもこのエプロンには愛着があって、今回は買い換えではなく、染め直しをすることにいたしました。こうして再生したエプロンを、できるだけ長く、大切に使っていきたいと思います。
撮影が「やつがれさん」で、写真の構図が妙なものになりましたが、上掲の《活版カレッジ》の皆さんが着用していたものと、色の違いだけでもご確認ください。
また、下部にこの「ケロンパ・エプロン導入のいきさつ」を、ふるいデータにリンクするとともに、一部を再掲しましたのでご笑覧ください。

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アダナ・プレス倶楽部特製エプロン 余話 ── 初出:アダナプレス倶楽部 コラムNo.011

そうでした ! 海外からのお便りの中には変わったリクエストもありました。

アダナ・プレス倶楽部の発足時に、作業用のエプロンを Website を通じて発注しました。そこには、たまたまアダナ・プレス倶楽部のイメージ・カラー「ブリティッシュ・グリーン」に近い色調のサンプルが掲載されていました。
胸の中央に「アダナ・プレス倶楽部」のカログラムのプリントを入れて発注したところ、
「この色は現在品切れで,、つぎの入荷予定は数ヶ月先になります。似たような色のエプロンがほかにありますので、そちらにプリントをしてもよろしいでしょうか」
という電話が販売店からはいりました。

「直接お店にお伺いさせていただいて、エプロンの仕様を見比べてから決めることはできますか ?」
「うちはプリント加工を請け負っておりまして、申しわけありませんが、プリント前の商品の在庫や、サンプルを店頭に置いてはおりません。ご希望の商品と代替の商品とでは、布の厚みや丈の長さに若干の違いはありますが、大きな差は無いとおもいます」

こんなやりとりのあと、しばらくして「アダナ・プレス倶楽部特製エプロン」がドッサリ届きました。オリジナル・アイテムの到着にワクワクしながら開梱しましたが、すぐに、悲鳴に近い叫び声が社内に響き渡りました。
「キャーッ、なにこれー !? 青ガエルみたいな色じゃない !??? 」
「イャー、これはこれでいいんじゃないの。機械と同色だと紛らわしいし……。明るいし、夢があるよ」
「そうですよ。軽快で、なかなかいいとおもいますよ」
「そうかなぁ……」
「だまされたと思って、着てみなよ」

こんな経緯があって、「アダナ・プレス倶楽部特製エプロン」は様様なイベントで着用され、どう少なく見積もっても、およそ 20 万人のひとの目に触れてきました。そのほかにも Website の写真にしばしば掲載しましたので、どのくらいのかたの目に触れたのかはわかりません。それでも「JANPS 第 19 回新聞製作技術展」の展示賞審査員の皆さまの講評に、
「キリリとしたエプロン姿が、印刷人として真摯である」
との講評をいただき、大手企業の、NEC、パナソニックとならんで、おもわぬ展示賞をいただきました。

また「馴れ」とは怖ろしいもので、いつのまにかこのエプロンの着用にスタッフは馴れてしまって、たれもが疑問をもたなくなりました。
つまりアダナ・プレス倶楽部では、これをひそかに「ケロンパ・エプロン」と呼び、みんなが「愛用」しているこのごろなのです。
それがナント、近頃では、海外の印刷マニアの方からも「エプロンがとっても可愛いので、ぜひ購入したい」というお申し出が来るようになりました。
「これって、シャレや冗談じゃないよねぇ」
「はるばるイギリスから、そんな冗談をいってくる訳はないでしょう」

しかしまぁ、いまとなっては怪我の功名、
「鮮やかな黄緑色が、イベント会場や Website の画面上では映えるから良かったね」
「撮影の際にはレフ板よろしく顔色が良くみえる」
などと大活躍の「ケロンパ・エプロン」なのです。

活版カレッジ 2014年冬期 募集終了

活版カレッジ朗文堂 アダナ・プレス倶楽部の直接指導により
本格的な活字版印刷術の
知・技・美の三領域をバランス良く学べます。

活版カレッジでは、科学と学術的根拠にもとづいた実践を基盤としながら、活版印刷機 Adana-21J によるケーススタディ・メソッドをふんだんに駆使し、あたらしい時代の活版印刷の現場での、現実的な課題の解決方法を学ぶことを目的とします。
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「活字版印刷術 Typographic Printing」は、印刷による視覚伝達技術のなかでも、文字情報の主要な複製・伝達の手段として、ひろく「活版印刷・活版・カッパン」などと呼ばれて親しまれてきました。
そして今、印刷複製技術の原点として560年余におよぶ長い歴史を有し、メディアの変遷とともにさまざまな浮沈を経た「活版」が、ふたたび熱く注目され、関心をあつめています。
活版カレッジは、あたらしい活版ユーザーに向けた活字版印刷機 Adana-21J の製造・発売をおこなっているアダナ・プレス倶楽部が開講する活版講座です。

DSCN1832uu活版カレッジ前期の講座風景
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活版カレッジ  2014年冬期講座 《募集終了》
◎ 3 ヶ月 木曜日 全9回(毎月3回) 14:00-17:00
※ 各コース定員4名(お申込先着順)
※ 毎月第1-3週木曜日の開講。
   第4-5週は基本的にお休みです。
※ 年末年始・GW・夏期休暇などに際して若干の変動があります。

◎ 徹底した少人数講座のため、お申込先着順とさせていただきます。
◎ 受講希望者多数の場合には、次期講座への予約をお勧めする場合がございますのでご了承ください。
◎ 次期の開催日時と募集の開始は、この アダナ・プレス倶楽部ニュース にて随時お知らせいたします。
◎ 《活版カレッジ》受講をご希望の方は、お気軽に、できるだけ事前に、アダナ・プレス倶楽部の@メールまで受講希望の意向をご連絡ください。一般公募に先だって、あらためてご案内をさしあげます。

  • 木曜日コース(昼間部)14:00 ─ 17:00 
    2014年 冬
    01月09日(木) 活字版印刷概論
    01月16日(木) 和文端物組版
    01月23日(木) 文選
    02月06日(木) 和文ページ物組版
    02月13日(木) 和文と欧文の違い
    02月20日(木) 欧文書体の歴史
    03月06日(木) 欧文スペーシング
    03月13日(木) 多色刷り1
    03月20日(木) 多色刷り2

【講座教室】 東京都新宿区新宿 2-4-9 中江ビル
                      4FB 朗文堂内(通学制)
【講   師】 朗文堂 アダナ・プレス倶楽部
【受  講  料】 66,000円(税込・教材費込)
【支払い期日】 開講2週間前まで
               (中途退講の場合でも受講料の返却はいたしません)

今期の募集は終了いたしました。
次回講座(春期を予定)のご参加お待ちしております。

活字よ 永遠に-サラマンダーと活版印刷のふしぎな関係

新タイトル《フランス国立印刷所 Imprimerie Nationale の新ロゴの紹介 YouTube 1:42》
フランス国立印刷所では、先般シンボルロゴを近代化して、Website に動画をアップしました。同所のあたらしいシンボルロゴのモチーフは、創立以来変わらずにもちいられてきた「サラマンダー」です。

アダナプレス倶楽部では、2008年の年賀状で「活版印刷術とサラマンダーのふしぎな関係」をご紹介してきました。ここにあらためてフランス国立印刷所で、あたらしく再生されたシンボルロゴをご紹介いたします。
[取材・翻訳協力:磯田敏雄氏]。

このサラマンダーにはウーパールーパーという愛称がありますが、正式には メキシコサラマンダー(Ambystoma mexicanum)とされ、もともとはメキシコの湖沼に棲む、両生綱有尾目トラフサンショウウオ科トラフサンショウウオ属に分類される有尾類だそうです。その愛称ないしは流通名がウーパールーパーとされます。

わが家の怪獣・サラマンダーⅠ世
03[1]
DSCN2165uu[1]DSCN1880uu[1]わが家の怪獣!? サラマンダーです。 
上ⅠⅡ) アルビノ種のウパルンⅠ世。飼育に未熟で夏の猛暑対策が不十分で短命におわりました。 
中・下) 水槽が空になってさびしかったので、9月にウパルンⅡ世(雄らしい)を、10月にウパランⅠ世(雌らしい)を購入しました。ともに旺盛な食欲ですが、給餌のとき以外はいつもドテッとしていて運動不足が心配です。体躯は写真の倍以上になりました。無邪気であいらしいいきものです。

フランス国立印刷所 新ロゴ
Viva la 活版 Viva 美唄タイトルデザイン04 墨+ローシェンナサラマンダーとは、欧州で錬金術が盛んだったころに神聖化され、パラケルスス によって「四大精霊」とされたものです。
四大精霊とは、地の精霊・ノーム/水の精霊・オンディーヌ/火の精霊・サラマンダー/風の精霊・シルフです。


このことは欧州ではひろく知られ、アドリアン・フルティガーは、パリのドベルニ&ペイニョ活字鋳造所での活字人としてのスタートのときに、「水の精霊/オンディーヌ Ondine」と名づけたエレガントな活字を製作していました。
この欧文活字「オンディーヌ」と、和文電子活字「銘石B」をイベントサインとしてもちいたのが《Viva la 活版 Viva 美唄》でした。

【リンク:花筏 朗文堂-好日録032 火の精霊サラマンダーウーパールーパーと、わが家のいきものたち

《Toute la vérité sur la Salamandre —— サラマンダーの事実のすべて》
わが家の怪獣・サラマンダーⅠ世フランス国立印刷所公開フライヤーより抜粋       
       考古学事典と紋章学の説明からの引用 
       1901年 ケリー・ド・ガルレー(Kelley de Galurey)
空想上のトカゲ、サラマンダーは、いつも激しい火焔と、高い火柱に囲まれている。その形姿は、背が丸く、首と尻尾は長く、先は尖って、背中は持ち上がっていると想像されている。そして四足の足は、ギリシャ神話の グリフォン(Griffon, Gryphon) に似せて描かれている。
Griffin ウキペディアよりすなわち紋章に登場する多くのサラマンダーは、その実態とはかけ離れ、むしろ神話に描かれたサラマンダーと多くの関係がある。
神話でのサラマンダーは、怪奇な姿で、体長がながく、尖った尾を有している。四本の足は横から見るとおなじ長さになっていて、水かきはついていなく、爪も四本の指についていない。
体はくすんだ黒色で、生生しい黄色の斑点がちりばめられている。両脇は結節で、蛇にも似た粘り気のある体液が染み出ている。
【リンク:サラマンダーのアルビノ種、ウーパールーパー画像集 —— こちらは可愛い】
【リンク:サラマンダーの画像集 —— こちらはすこし不気味なものがあります】

2008年アダナプレス倶楽部年賀状 表アダナプレス倶楽部年賀状におけるサラマンダー2008年アダナプレス倶楽部年賀状 裏神話のサラマンダーは、また、おおくの寓話につつまれている。サラマンダーは紅蓮の焔の真ん中に棲息しており、もしかまれると、つよい毒に侵されるとするものだ。
サラマンダーは確かに、体表から白っぽいねばねばした体液を分泌する。その量はとても多く、もしサラマンダーを炎のなかに入れても、火の熱から身を守り、なかなか死なない。この体液には、強烈な臭いと、渋い味があるが、少しも毒性はない。
それでも奇っ怪な外観と、柔らかくべとついた躰は、ふつうは有害な生物かとおもわせる。ところが実際のサラマンダーは、害意の無い生物で、弱くて臆病であり、ほとんど耳がきこえず、目も見えないのである。

古代人は、サラマンダーを炎の表象として崇めていた。
詩人たちは、愛の価値と象徴のシンボルにした。
歴史家、考古学者たちは、逆境にあっても誠実な典型の生物と見なしていた。
そしてルーバン・ジェリオ(Louvan Géliot)によれば、サラマンダーは高潔と勇気を表しているのである。

フランス国立印刷所 旧ロゴ吾は火焔をはぐくみ、それを滅ぼす

《国立印刷所の新しいロゴ —— Le nouveau logo de l’Imprimerie Nationale》
フランス国立印刷所 新ロゴフランス国立印刷所は定款を変更して、あたらしいロゴとして「サラマンダー」を採用した。あたらしいロゴとして、神話の生物サラマンダーを選定したのは、フランス国立印刷所のながい歴史と、象徴主義にふかく結びついている。

フランスヴァロワ朝、第9代フランソワ1世(François Ier de France,  1494-1547)は、フランスにルネサンスをもたらし、また1538年にフランス王室で印刷事業をはじめたひとである。フランス国立印刷所は、この年1538の創立をもってその淵源としている。
フランソワ1世は、みずからと、その印刷所の紋章として、フランス王家の伝統としての百合を象徴する王冠 【画像集リンク:フランス王家の紋章】 とともに、火焔のなかに棲息するサラマンダーを取りいれた。
そこにはまた、ギャラモン(Claude Garamond,  1480-1561)の活字父型彫刻による標語を付与した。
「Je me nourris de Feu et je L’éteins   意訳:吾は火焔をはぐくみ、それを滅ぼす」

このサラマンダーは何世紀もの歴史のなかで、すこしずつ意匠をかえて、フランス国立印刷所の紋章としてもちいられてきた。それらの意匠変遷の記録のすべてはフランス国立印刷所にのこされているが、21世紀のはじめに、どれもが幾分古ぼけた存在とみなされ、それを「モダナイズ」する計画がもちあがり、フランス国立印刷所のデザインチームが改変にあたった。

その結果よみがえったサラマンダーは、伝統を継承しつつ、かぎりなく前進をつづける、あたらしいフランス国立印刷所のシンボルとして再生された。

【イベント情報】本の装い百年 明治大学中央図書館ギャラリー

本の装い百年第51回 明治大学中央図書館企画展示
「本の装い百年―近代日本文学にみる装幀表現」

会 期:2013年11月22日[金]-1月19日[日]
会 場:明治大学中央図書館1Fギャラリー
開館時間:中央図書館の開館時間に同じ
       11月26日[火]、12月25日[水]-2014年1月8日[水]は閉廊
主催:明治大学図書館、東京製本倶楽部

◎  講演会「近代日本の装幀表現ーその変遷と魅力」
日時:12月7日[土]  14:00-15:30
講師:岩切信一郎(新渡戸文化短期大学教授)
会場:明治大学中央図書館多目的ホール(中央図書館B1)
入場無料(先着70名様)

【ご あ い さ つ】
明治以来、欧米文化流入の波は、日本の書籍の形を大きく変えました。
和本の伝統的な印刷形態であった整版は活版印刷にとって代わられ、それに伴い、さまざまな綴じの和装本は、現代に続く洋装本へと急速な変貌を遂げたのです。しかし、出版の近代化は、一方で、新たな装飾装幀の実験の場でもありました。和装本から洋装本への構造の変化、印刷術や用紙、クロスなど素材の開発、西洋の美意識やモードの流入、日本語文字デザインの確立と書体の多様化など、近代日本の書籍が経験したさまざまな変化の中から、今回は装飾装幀の愉しみについて考えます。

明治大学和泉図書館が所蔵する「日本近代文学文庫」から約90点の名装飾本を選び、3つの角度から書物装飾・装幀の展示を試みました。ちなみに「日本近代文学文庫」は、明治から昭和戦前期までの文学書の初版本を中心とした約3,700冊のコレクションです。最近では、文学史上重要な作家の戦後の作品も蒐集の対象とし、図書の函や帯なども含め、刊行された当時の姿で保存することに努めています。
この機会に近現代約100年にわたる「装幀表現」をお楽しみいただければ幸いです。

パートⅠ  近代文学作品と現代ルリユール [展示ケースA・B]
「日本近代文学文庫」収蔵の装飾本と東京製本倶楽部有志22人による現代ルリユール作品を並べて展示することで、近代と現代の嗜好の違いに見る装飾本の愉しみに焦点をあてます。

装幀製本家の藤井敬子先生も出展されています。

パートⅡ  明治から大正・昭和へ、装幀表現の変遷 [展示ケースC]
明治期は和装から洋装へ、西洋印刷術や製本術、書物素材などの変わりゆくさまをご覧いただきます。また大正・昭和までの装幀に特色ある作品を展示します。

パートⅢ 夏目漱石と泉鏡花の作品にみる装幀 [展示ケースD]
漱石と鏡花、この二人の作品は、装幀表現としても近代日本の装飾本の中で最も美しいものといえます。ここでは、橋口五葉や小村雪岱、鏑木清方といった明治期の名だたる装幀家、画家の手がけた主要な作品を展示します。


【リンク:明治大学図書館
【リンク:明治大学図書館 オンラインナレッジ検索
【リンク:東京製本倶楽部

たった一枚のカレンダー。師走です-お疲れに森永アイス「パルム」は如何ですか?

日本人の知らない「文字のはなし」 日本で使われている「文字」というコトバ 中国では「文」と「字」は別のものなのです
中国料理店で寄り道 グルメな書家 蘇軾 美味しい、美味しい、トウロンポウ 書にまつわる美味しいおはなし

平日のちょっと贅沢なライフスタイルマガジン
【森永乳業 Daily Premium Calender 】

渋いオジサン-寺尾聡というと、わたしの世代では「ルビーの指輪」が印象的です。
その寺尾聡が TV CM に登場して「ワォ~」と叫んでいるのが森永乳業のアイスクリーム「PARM」です。「PARM」は人気商品で、累計10億本を越える販売実績があるそうです。
─────
森永乳業の巨大な Website のなかに、平日のちょっと贅沢なライフスタイルマガジン
「 Daily Premium Calender 」があります。 
── タイポグラフィと活版印刷 ──
{文字とは文化と歴史の結晶 それは「知」と「技」と「美」の総合技芸} と題して、11月の毎週月曜日-木曜日[祝日はのぞく]、都合15 回にわたって、片塩と朗文堂 アダナプレス倶楽部:大石の共著のかたちで連続エッセイを担当いたしました。

なにしろコンテンツの豊富なWebsiteですし、トップ画面はすでに12月のカレンダーに切りかわっています。11月だけの連載でしたが、スタートの月曜日が祝日で、11月5日[火]からのスタートで、11月28日[木]が最終回となりました。
Website の常で、情報はアーカイブに収納されましたので、そこへのご案内をリンクしました。2013年11月の「 Daily Premium Calender 」をご笑覧たまわりますようお願いいたします。

パルム パッケージ

【 目 次 】
── タイポグラフィと活版印刷 ──
{文字とは文化と歴史の結晶 それは「知」と「技」と「美」の総合技芸} 

  • 11月05日[火] 第01回 スタート 
    新しい活版造形者とともに 『VIVA!! カッパン♥』
      活版ルネサンスと
      身体性をともなった「ものづくり」の歓び 
  • 11月06日[水] 第02回
    活版印刷 水 紀行
      それは河畔の街からはじまった……
      活版印刷術と水にまつわる物語
  • 11月07日[木] 第03回
    こころを豊にする短歌講座
      贅沢短歌  本木昌造(永久 ナガヒサ)、池原 奞(シュン、香穉 カワカ)
  • 11月11日[月] 第04回
    日本近代化のパイオニア 『平野富二伝』
      近代化の影の立役者「活版印刷術」
      平野富二の生涯から明治の男の気骨を知る
  • 11月12日[火] 第05回
    日本人の知らない 「文字のはなし」
      日本で使われている「文字」というコトバ
      中国では「文」と「字」は別のものなのです。
  • 11月13日[水] 第06回
    「豚」+「柿」+「ミカン」=「諸事大吉」
      笑う門には福来たる?
      ユーモアあふれる吉祥文
  •  11月14日[木] 第07回
    ゆっくり急げ!
      イルカと錨。亀と龍。
      相反する事物の意味は?
  • 11月18日[月] 第08回
    彫られた文字  石のエクリチュール
      堅牢な石に彫られた碑文
      その軌跡をたどり、文字の歴史を知る
  • 11月19日[火] 第09回
    グルメな書家 蘇軾ソショク 中国料理店で寄り道
      美味しい、美味しい、トウロンポウ
      書にまつわる美味しいおはなし
  • 11月20日[水] 第10回
      An essay of the typography.
        ところで、タイポグラフィって何でしょう?
  • 11月21日[木] 第11回
    贅沢短歌  心を豊かにする短歌講座
      現代日本人の多くは、残念ながら
      150年以上前の書物をスラスラとは読めません。
  • 11月25日[月] 第12回
    印刷用の書体 明朝体と宋朝体《前編》
      活字書体の「明朝体」って
      中国の文字ではないの?
  • 11月26日[火] 第13回
    印刷用の書体 明朝体と宋朝体《後編》
      活字書体の「明朝体」って
      明の時代の文字ではないの?
  • 11月27日[水] 第14回
    分子生物学からみるメディア論
      DNA と活版印刷術
      実はこのふたつ、とても似ているのです
  • 11月28日[木] 第15回 最終回 
    活字よ 永遠に――――
      ウーパールーパーとサラマンダー
      活版印刷術とのふしぎな関係 

『平野富二伝』刊行記念 展示・講演会終了いたしました

《両日とも好天に恵まれ、多くの皆さまにご来場いただきました》
2013年11月30日[土]、12月01日[日]の両日にわたって開催された『明治産業近代化のパイオニア――平野富二伝』刊行記念展示・講演会(主催 平野家、協力:朗文堂、後援:理想社・タイポグラフィ学会・アダナプレス倶楽部)は、多くのご来場者をお迎えして無事に終了いたしました。
ご来場いただきました皆さま、ご協力いただきました皆皆さまのご尽力にふかく感謝いたします。
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著者:古谷昌二氏の講演会は、用意した椅子席がたりなくなるほどの盛況で、明治産業近代化に果たした平野富二の功績の大きさに、ご来場者もあらためて驚かれたというご感想が多かったようです。またはじめて公開されました平野家所蔵品は、平野富二の逝去後、関東大震災、戦禍などの大きな災禍のなかでも、平野家一門によってたいせつに守りぬかれてきた品品でした。これらの一次資料の数数に、皆さまは熱心にみいっておられました。
『平野富二伝』著者・古谷昌二氏と実兄・古谷圭一氏ご来場いただきました皆さま、ご協力いただきました皆皆さまのご尽力にふかく感謝いたします。
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後援いただきました タイポグラフィ学会 は、本木昌造賞平野富二賞 の両賞をもうけており、
「平野富二賞は、タイポグラフィの普及発展に著しく功績のあった個人及び団体に対するもので、その対象者は社会へのタイポグラフィの認識を高める行動及び啓蒙などにおいて、その事績が本学会にとどまらず、広く社会に貢献していると認められるものです」
としており、両賞関連資料の展示と、その活動報告をされました。

理想社 は、今回の展示・講演会にさいし、相当量作製されたパネル類の製作に協力いただき、また搬出入にもご協力いただきました。
平野富二自作短歌わが アダナプレス倶楽部 は、平野家にのこされた池原香穉カワカの画幅・書軸・短冊の多いことにひそみ、本木昌造活字復元プロジェクトで再生した、いわゆる「和様三号活字」をもちいて、平野富二の明治20年自作短歌、
「世の中を 空吹く風に 任せ置き  事を成す身は 國と身のため」
の活字組版を用意して、小型活版印刷機 Adana-21J によってご来場者ご自身での印刷体験をしていただきました。
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《掃苔会と、通運丸雑司ヶ谷ダラーイドックでの進水式》
会場となった日展会館の近くには「谷中霊園」があります。ここには平野富二の巨大な顕彰碑と塋域があり、その友人・知人の墓地もたくさんあります。幸い好天にめぐまれ、平野家ご長老の参加をふくめ、意義深い「掃苔会」となりました。

また展示には平野富二設立「石川島平野造船所」に源流を発する企業「株式会社 IHI 」のご協力もいただきました。
展示の一環として船の模型を拝借しようとしたこころ、模型とはいえやはりそこは船で、とても気軽に移動するわけにはいかず、急遽紙製のちいさな模型を製作・展示することとしました。

平野富二の業績のうち、活字製造と活版印刷機器製造の分野には、インキ(英:インク)、ピンセット(英:ツィーザー)などのオランダ語由来はことばがのこります。
もうひとつの造船・機械製造業の分野でも、やはり江戸期長崎出島からの情報発信のなごりがみられ、「ダラーイドック」などとしるされています。
これは英語ではドライドック、現在でも乾式船渠とされるようですが、今回の通運丸の製作は、雑司ヶ谷のマンションの一室「雑司ヶ谷ダラーイドック」で進水・艤装されて、無事に展示されました。

もうすこし整理がすすみましたら、詳細報告の舞台を 《朗文堂  タイポグラフィ・ブログロール 花筏》 に移して順次ご報告いたします。

『平野展』ポスターL

明治産業近代化のパイオニア
『平野富二伝』 考察と補遺  古谷昌二編著
刊行記念 展示・講演会
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日 時 : 2013年11月30日[土]-12月01日[日]
      11月30日[土] 展示 観覧  10:00-16:30
                  著者講演会 14:00-16:00
             12月01日[日]  展示 観覧  10:00-15:00
                 掃 苔 会   10:00-12:00
      編著者・古谷昌二氏を囲んでの懇話会、サイン会は、会期中随時開催
会 場 : 日展会館
             東京都台東区上野桜木2-4-1 電話 03-3821-0453
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主 催 : 平 野 家
協 力 : 朗 文 堂
             東京都新宿区新宿2-4-9 電話 03-3352-5070 
後 援 : 理想社/タイポグラフィ学会/アダナ・プレス倶楽部

【イベント開催趣旨】
平野富二没後120年、平野活版製造所(のちの東京築地活版製造所)設立140年、石川島造船所(のちの石川島平野造船所・現 IHI)創業160年という記念すべき年にあたり、古谷昌二氏編著『平野富二伝』が刊行されました。

本展示講演会は『平野富二伝』に詳細にしるされた、明治前期の活字版印刷術の黎明期に、活字製造、活版印刷機器製造ならびに技術基盤の確立に活躍し、ついで、造船、機械製造、土木工事、鉄道敷設、水運開発、鉱山開発など、わが国近代産業技術のパイオニアとして、おおきな業績をのこした平野富二(1846-92)に関して、これまで一般にはあまり知られていなかった事績を発掘し、その全貌を紹介し、再認識していただくことを目的とします。

同時に、明治前期の工業界をリードした、技術系経営者としての平野富二の多彩な事績の紹介が、そのままわが国近代の産業技術発達史の一断面をなすものであるとの認識のもとに、関東大震災や第二次世界大戦の戦禍を乗りこえ、平野家に継承されてきた貴重な資料を中心に、本格的にははじめて資料を整理・展示し、《明治産業近代化のパイオニアとしての平野富二像》を描きだすものです。

『平野展』フライヤー