タグ別アーカイブ: アダナプレス倶楽部

越年企画となりました。新春早早にアップいたします。

毎+水=?朗文堂 NEWS:2013年03月11日】にこんな質問を投げかけました。

上記の「字 ≒ 文字」は、ひとつの「字」です。
漢の字(漢字)というより、国字(わが国でつくられた漢風の字)、もしかしたら個人の創意、あるいはわずかなテライ、もしくは軽い諧謔ユーモアをこめてつくられた「字」かもしれません。
図版でおわかりのように、上部に「毎」をおいて、下部に「水」をおき、ひとつの「字」としたものです。

この「字 or 文・紋?」の読みかたと、ふつうの「字」の紹介は、「朗文堂タイポグラフィ・ブルグロール 花筏」に掲載するとしてきましたが、忙しさにかまけてご紹介が越年いたしました。
そのご紹介遅延のささやかなお詫びに、最近の朗文堂関連の画像情報が良くまとまっている【朗文堂花筏 画像集】をご紹介しますので、よろしければお楽しみください。
──────
もしお正月休暇を、炬燵に蜜柑でのんびりとお過ごしになるというかたは、森永チョコレートアイスクリームPARM ブランドサイト《平日のちょっと贅沢なライフスタイルマガジン Daily Premium Calendar》をのぞいてみてください。
ここに2013年11月、15回にわたるタイポグラフィ・エッセイをしるしました。その連載5回目、11月12日掲載分 「ちょっと贅沢お作法」 が下掲の図版です。中国安陽市『文字博物館』これは「甲骨文」出土地、中国安陽市に新設された「文字博物館」です。ここでの「文字」にはちょっと注意が必要です。たしかに「文字」そのものは、中国漢代にも使用例があります。ところがその意味するところは現代日本語の「文字」とはおおきくかけはなれています。

やっかいなことですが、わたしたちはいつのまにかすっかり「文字」ということばに馴れてしまい、相当な専門書にも、「甲骨文」にかえて「甲骨文字」などとしるされています。これでよければ、青銅器などにみる「金文」は「金文字」となり、つづみ形の石に刻まれた「石鼓文セッコブン」は「石鼓文字」となるはずですね。
ですから、わたしたちにとっては、この施設は「文モン or 紋モン and 字 の博物館 ≒ もん と じ の博物館」としてとらえたほうが誤解が少ないようです。
そんな予習のためにも、炬燵・蜜柑にアイスクリームを加えていただき、下記情報をご笑覧ください。
平日のちょっと贅沢なライフスタイルマガジン Daily Premium Calendar 2013年11月12日

活版カレッジ 冬期生募集終了いたしました。

活版カレッジ

朗文堂 アダナ・プレス倶楽部の直接指導により
本格的な活字版印刷術の
知・技・美の三領域をバランス良く学べます。

活版カレッジでは、科学と学術的根拠にもとづいた実践を基盤としながら、活版印刷機 Adana-21J によるケーススタディ・メソッドをふんだんに駆使し、あたらしい時代の活版印刷の現場での、現実的な課題の解決方法を学ぶことを目的とします。
────
「活字版印刷術 Typographic Printing」は、印刷による視覚伝達技術のなかでも、文字情報の主要な複製・伝達の手段として、ひろく「活版印刷・活版・カッパン」などと呼ばれて親しまれてきました。
そして今、印刷複製技術の原点として560年余におよぶ長い歴史を有し、メディアの変遷とともにさまざまな浮沈を経た「活版」が、ふたたび熱く注目され、関心をあつめています。
活版カレッジは、あたらしい活版ユーザーに向けた活字版印刷機 Adana-21J の製造・発売をおこなっているアダナ・プレス倶楽部が開講する活版講座です。

DSCN1832uu活版カレッジ前期の講座風景

────
活版カレッジ  2014年冬期講座 《募集終了》

◎ 3 ヶ月 木曜日 全9回(毎月3回) 14:00-17:00
※ 各コース定員4名(お申込先着順)
※ 毎月第1-3週木曜日の開講。
   第4-5週は基本的にお休みです。
※ 年末年始・GW・夏期休暇などに際して若干の変動があります。

◎ 徹底した少人数講座のため、お申込先着順とさせていただきます。
◎ 受講希望者多数の場合には、次期講座への予約をお勧めする場合がございますのでご了承ください。
◎ 次期の開催日時と募集の開始は、この アダナ・プレス倶楽部ニュース にて随時お知らせいたします。
◎ 《活版カレッジ》受講をご希望の方は、お気軽に、できるだけ事前に、アダナ・プレス倶楽部の@メールまで受講希望の意向をご連絡ください。一般公募に先だって、あらためてご案内をさしあげます。

  • 木曜日コース(昼間部)14:00 ─ 17:00 
    2014年 冬
    01月09日(木) 活字版印刷概論
    01月16日(木) 和文端物組版
    01月23日(木) 文選
    02月06日(木) 和文ページ物組版
    02月13日(木) 和文と欧文の違い
    02月20日(木) 欧文書体の歴史
    03月06日(木) 欧文スペーシング
    03月13日(木) 多色刷り1
    03月20日(木) 多色刷り2

【講座教室】 東京都新宿区新宿 2-4-9 中江ビル
                      4FB 朗文堂内(通学制)
【講   師】 朗文堂 アダナ・プレス倶楽部
【受  講  料】 66,000円(税込・教材費込)
【支払い期日】 開講2週間前まで
               (中途退講の場合でも受講料の返却はいたしません)

今期の募集は終了いたしました。
次回講座(春期を予定)のご参加お待ちしております。

活字よ 永遠に-フランス国立印刷所とサラマンダー

新タイトル3フランス国立印刷所 新ロゴ

03[1]わが家の怪獣・サラマンダーⅠ世
DSCN2165uu[1]
DSCN1880uu[1]わが家の怪獣!?  サラマンダーです。 
上ⅠⅡ) アルビノ種のウパルンⅠ世。飼育に未熟で夏の猛暑対策が不十分で短命におわりました。 
中・下) 水槽が空になってさびしかったので、9月にウパルンⅡ世(雄らしい)を、10月にウパランⅠ世(雌らしい)を購入しました。ともに旺盛な食欲ですが、給餌のとき以外はいつもドテッとしていて、運動不足が心配です。体躯は写真の倍以上になりました。無邪気であいらしいいきものです。

《フランス国立印刷所 Imprimerie Nationale の新ロゴの紹介 YouTube 1:42》
フランス国立印刷所では、先般シンボルロゴを近代化して、Websiteに動画をアップしました。同所のあたらしいシンボルロゴのモチーフは、創立以来変わらずにもちいられてきた「サラマンダー」です。

このサラマンダーにはウーパールーパーという愛称がありますが、正式には メキシコサラマンダー(Ambystoma mexicanum)とされ、もともとはメキシコの湖沼に棲む、両生綱有尾目トラフサンショウウオ科トラフサンショウウオ属に分類される有尾類だそうです。その愛称ないしは流通名がウーパールーパーとされます。

ところで、灼熱の焔からうまれるイモノの「鋳造活字」をあつかうタイポグラファとしては、こと「火の精霊 ── サラマンダー or サラマンドラ or サラマンドル」と聞くと、こころおだやかではありません。今回はフランス国立印刷所からのメッセージも届きました。

Viva la 活版 Viva 美唄タイトルデザイン04 墨+ローシェンナ 欧文:ウンディーネ、和文:銘石Buuサラマンダーとは、欧州で錬金術が盛んだった中世のころに神聖化され、パラケルススによって「四大精霊」とされたものです。
四大精霊とは、地の精霊・ノーム/水の精霊・オンディーヌ/火の精霊・サラマンダー/風の精霊・シルフです。このことは欧州ではひろく知られ、アドリアン・フルティガーは、パリのドベルニ&ペイニョ活字鋳造所での活字人としてのスタートのときに、「水の精霊/オンディーヌ Ondine」と名づけた活字を製作していました。
この欧文活字「オンディーヌ」と、和文電子活字「銘石B」 をイベントサインとしてもちいたのが《Viva la 活版 Viva 美唄》でした。
【リンク:花筏 朗文堂-好日録032 火の精霊サラマンダーウーパールーパーと、わが家のいきものたち

2008年アダナプレス倶楽部年賀状 裏2008年アダナプレス倶楽部年賀状 表アダナプレス倶楽部年賀状におけるサラマンダー

アダナプレス倶楽部では、2008年の年賀状で「活版印刷術とサラマンダーのふしぎな関係」をご紹介しました。ここにあらためて、フランス国立印刷所であたらしく再生されたシンボルロゴをご紹介いたします。
[取材・翻訳協力:磯田敏雄氏]

《Toute la vérité sur la Salamandre —— サラマンダーの事実のすべて》
フランス国立印刷所公開フライヤーより抜粋       
       考古学事典と紋章学の説明からの引用 
       1901年 ケリー・ド・ガルレー(Kelley de Galurey)
空想上のトカゲ、サラマンダーは、いつも激しい火焔と、高い火柱に囲まれている。
その形姿は、背が丸く、首と尻尾は長く、先は尖って、背中は持ち上がっていると想像されている。そして四足の足は、ギリシャ神話の グリフォン(Griffon, Gryphon) に似せて描かれている。
Griffin ウキペディアより
すなわち紋章に登場する多くのサラマンダーは、その実態とはかけ離れ、むしろ神話に描かれたサラマンダーと多くの関係がある。
神話でのサラマンダーは、怪奇な姿で、体長がながく、尖った尾を有している。四本の足は、横から見るとおなじ長さになっていて、水かきはついていなく、爪も四本の指についていない。
体はくすんだ黒色で、生生しい黄色の斑点がちりばめられている。両脇は結節で、蛇にも似た粘り気のある体液が染み出ている。
【リンク:サラマンダーのアルビノ種、ウーパールーパー画像集 —— こちらは可愛い!】
【リンク:サラマンダーの画像集 —— こちらはすこし不気味なものもあります】

神話のサラマンダーは、また、おおくの寓話につつまれている。サラマンダーは紅蓮の焔の真ん中に棲息しており、もしかまれると、つよい毒に侵されるとするものだ。
ところが真実は、サラマンダーは確かに、体表から白っぽいねばねばした体液を分泌する。その量はとても多く、もしサラマンダーを炎のなかに入れても、火の熱から身を守り、なかなか死なない。この体液には、強烈な臭いと、渋い味があるが、少しも毒性はない。
それでも奇っ怪な外観と、柔らかくべとついた躰は、ふつうは有害な生物かとおもわせる。ところが実際のサラマンダーは、害意の無い生物で、弱くて臆病であり、ほとんど耳がきこえず、目も見えないのである。

古代人は、サラマンダーを炎の表象として崇めていた。
詩人たちは、愛の価値と象徴のシンボルにした。
歴史家、考古学者たちは、逆境にあっても誠実な典型の生物と見なしていた。そして ルーバン・ジェリオ(Louvan Géliot) によれば、サラマンダーは高潔と勇気を表しているのである。フランス国立印刷所 旧ロゴ《国立印刷所の新しいロゴ —— Le nouveau logo de l’Imprimerie Nationale》
フランス国立印刷所は定款を変更して、あたらしいロゴとしてやはり「サラマンダー」の意匠を採用した。
あたらしいロゴとして、今回も神話の生物サラマンダーを選定したのは、フランス国立印刷所のながい歴史と、象徴主義にふかく結びついている。
フランス国立印刷所 新ロゴフランスヴァロワ朝、第9代フランソワ1世(François Ier de France,  1494-1547)は、フランスにルネサンスをもたらし、また1538年にフランス王室で印刷事業をはじめたひとである。フランス国立印刷所は、この年1538の創立をもってその淵源としている。
フランソワ1世は、みずからと、その印刷所の紋章として、フランス王家の伝統としての百合の花を象徴する王冠 【画像集リンク:フランス王家の紋章】 とともに、火焔のなかに棲息するサラマンダーを取りいれた。
そこにはまた、ギャラモン(Claude Garamond,  1480-1561)の活字父型彫刻による標語を付与した。
「Je me nourris de Feu et je L’éteins   意訳:吾は火焔をはぐくみ、それを滅ぼす」

このサラマンダーは何世紀もの歴史のなかで、すこしずつ意匠をかえて、フランス国立印刷所の紋章としてもちいられてきた。それらの意匠変遷の記録のすべてはフランス国立印刷所にのこされているが、21世紀のはじめに、どれもが幾分古ぼけた存在とみなされ、それを「モダナイズ」する計画がもちあがり、フランス国立印刷所のデザインチームが改変にあたった。

その結果よみがえったサラマンダーは、フランス国立印刷所の伝統を継承しつつ、かぎりなく前進をつづける、あたらしいフランス国立印刷所のシンボルとして再生された。

『平野富二伝』刊行記念 展示・講演会終了いたしました。

《両日とも好天に恵まれ、多くの皆さまにご来場いただきました》
2013年11月30日[土]、12月01日[日]の両日にわたって開催された『明治産業近代化のパイオニア――平野富二伝』刊行記念展示・講演会(主催 平野家、協力:朗文堂、後援:理想社・タイポグラフィ学会・アダナプレス倶楽部)は、多くのご来場者をお迎えして無事に終了いたしました。
ご来場いただきました皆さま、ご協力いただきました皆皆さまのご尽力にふかく感謝いたします。
────────────────
『平野富二伝』著者:古谷昌二氏の講演会は、用意した椅子席がたりなくなるほどの盛況で、講師:古谷さんによって諄諄と説かれていく、明治産業近代化に果たした平野富二の功績の大きさに、ご来場者もあらためて驚かれたというご感想がたくさん寄せられました。

またはじめてひろく公開された平野家所蔵品は、平野富二の逝去後、関東大震災、戦禍などの大きな災禍のなかでも、平野家一門によってたいせつに守りぬかれてきた品品でした。これらの一次資料の数数に、皆さまは熱心にみいっておられました。

『平野富二伝』著者・古谷昌二氏と実兄・古谷圭一氏

『平野富二伝』会場入口 岡田c 『平野富二伝』会場 講演前 『平野富二伝』会場2 岡田C 『平野富二伝』福地・西郷 岡田cご後援いただきました タイポグラフィ学会 は、本木昌造賞平野富二賞 の両賞をもうけており、
「平野富二賞は、タイポグラフィの普及発展に著しく功績のあった個人及び団体に対するもので、その対象者は社会へのタイポグラフィの認識を高める行動及び啓蒙などにおいて、その事績が本学会にとどまらず、広く社会に貢献していると認められるものです」
としており、両賞関連資料の展示と、その活動報告をされました。

理想社 は、今回の展示・講演会にさいし、相当量作製されたパネル類の製作に協力いただき、また搬出入にもご協力いただきました。
平野富二自作短歌【動画:YouTube 3:41 活版印刷〈公版書籍印刷と端物印刷〉端物印刷 Adana-21J 】

アダナプレス倶楽部 は、いつものように「活版オジサン」(明治36年版『活版見本』東京築地活版製造所所収、電気版・ボーダーを使用)を掲げての参加でした。
今回は、平野家にのこされた池原奞(シュン、香穉カワカ)の画幅・書軸・短冊がきわめて多く、平野富二と池原奞シュンが相当親密な関係にあったとみられることにひそみ、本木昌造活字復元プロジェクトで再生した、いわゆる「和様三号活字」をもちいて、平野富二の明治20年自作短歌、
「世の中を 空吹く風に 任せ置き  事を成す身は 國と身のため」
の活字組版を用意し、小型活版印刷機 Adana-21J によってご来場者ご自身での印刷体験をしていただきました。
────────────────
《掃苔会と、通運丸。雑司ヶ谷ダラーイ船渠での進水式》
会場となった日展会館の近くには「谷中霊園」があります。ここには平野富二の巨大な顕彰碑と塋域エイイキがあり、その友人・知人、明治産業近代化に貢献されたひとびとの墓地もたくさんあります。
今回は『平野富二伝』に紹介された、石川島造船所関係のかたがたの資料も多数加わり、また幸いなことに、好天にめぐまれ、平野家ご長老の参加をふくめ、とても意義深い「掃苔会」となりました。

また展示には平野富二設立「石川島平野造船所」に源流を発する企業「株式会社 IHI 」のご協力もいただきました。
そこで展示の一環として「石川島資料館」にある、石川島平野造船所で最初に建造された、外輪式の蒸気船「通運丸」60トンなどの模型を拝借しようとしたところ、模型とはいえやはり活字とちがってそこは船で、とても気軽に移動するわけにはいかず、急遽紙製のちいさな模型を製作・展示することにしました。
通運丸模型 通運丸全体
平野富二の業績のうち、活字製造と活版印刷機器製造の分野には、インキ(英:インク)、ピンセット(英:ツィーザー)などの、オランダ語由来のことばがのこります。
もうひとつの造船・機械製造業の分野でも、やはり江戸期長崎出島からの情報発信のなごりがみられ、ふるい文献には「ダラーイ船渠」などとしるされています。
これは英語ではドライドック、現在でも造船界では乾式船渠ともされるようです。
今回の通運丸製作は、豊島区のマンションの一室「雑司ヶ谷ダラーイ船渠」で進水し、会場で艤装(爪楊枝についた旗2本を艦首と艦尾にさしただけですが)されて、無事に展示されました。

もうすこし整理がすすみましたら、今回の詳細報告の舞台を 《タイポグラフィ・ブログロール 花筏》 に移して順次ご報告いたします。
『平野展』ポスターL明治産業近代化のパイオニア
『平野富二伝』 考察と補遺  古谷昌二編著
刊行記念 展示・講演会
─────────
日 時 : 2013年11月30日[土]-12月01日[日]
      11月30日[土] 展示 観覧  10:00-16:30
                  著者講演会 14:00-16:00
             12月01日[日]  展示 観覧  10:00-15:00
                 掃 苔 会   10:00-12:00
      編著者・古谷昌二氏を囲んでの懇話会、サイン会は、会期中随時開催
会 場 : 日展会館
─────────
主 催 : 平 野 家
協 力 : 朗 文 堂 
後 援 : 理想社/タイポグラフィ学会/アダナ・プレス倶楽部

【イベント開催趣旨】
平野富二没後120年、平野活版製造所(のちの東京築地活版製造所)設立140年、石川島造船所(のちの石川島平野造船所・現 IHI)創業160年という記念すべき年にあたり、古谷昌二氏編著『平野富二伝』が刊行されました。

本展示講演会は『平野富二伝』に詳細にしるされた、明治前期の活字版印刷術の黎明期に、活字製造、活版印刷機器製造ならびに技術基盤の確立に活躍し、ついで、造船、機械製造、土木工事、鉄道敷設、水運開発、鉱山開発など、わが国近代産業技術のパイオニアとして、おおきな業績をのこした平野富二(1846-92)に関して、これまで一般にはあまり知られていなかった事績を発掘し、その全貌を紹介し、再認識していただくことを目的とします。

同時に、明治前期の工業界をリードした、技術系経営者としての平野富二の多彩な事績の紹介が、そのままわが国近代の産業技術発達史の一断面をなすものであるとの認識のもとに、関東大震災や第二次世界大戦の戦禍を乗りこえ、平野家に継承されてきた貴重な資料を中心に、本格的にははじめて資料を整理・展示し、《明治産業近代化のパイオニアとしての平野富二像》を描きだすものです。

『平野展』フライヤー

一枚だけのカレンダー。師走です-お疲れでしょうから、森永アイスクリーム『パルム』は如何ですか

日本人の知らない「文字のはなし」 日本で使われている「文字」というコトバ 中国では「文」と「字」は別のものなのです
中国料理店で寄り道 グルメな書家 蘇軾 美味しい、美味しい、トウロンポウ 書にまつわる美味しいおはなし

平日のちょっと贅沢なライフスタイルマガジン
【森永乳業 Daily Premium Calender 】

渋いオジサン-寺尾聡というと、わたしの世代では「ルビーの指輪」が印象的です。
その寺尾聡が TV CM に登場して「ワォ~」と叫んでいるのが森永乳業のアイスクリーム「PARM」です。「PARM」は人気商品で、累計10億本を越える販売実績があるそうです。
─────
森永乳業の巨大な Website のなかに、平日のちょっと贅沢なライフスタイルマガジン
「 Daily Premium Calender 」があります。 
── タイポグラフィと活版印刷 ──
{文字とは文化と歴史の結晶 それは「知」と「技」と「美」の総合技芸} と題して、11月の毎週月曜日-木曜日[祝日はのぞく]、都合15 回にわたって、片塩と朗文堂 アダナプレス倶楽部:大石の共著のかたちで連続エッセイを担当いたしました。

なにしろコンテンツの豊富なWebsiteですし、トップ画面はすでに12月のカレンダーに切りかわっています。11月だけの連載でしたが、スタートの月曜日が祝日で、11月5日[火]からのスタートで、11月28日[木]が最終回となりました。
Websiteの常で、情報はアーカイブに収納されましたので、そこへのご案内をリンクしました。2013年11月の「 Daily Premium Calender 」をご笑覧たまわりますようお願いいたします。
パルムuu

【 目 次 】
── タイポグラフィと活版印刷 ──
{文字とは文化と歴史の結晶 それは「知」と「技」と「美」の総合技芸} 

  • 11月05日[火] 第01回 スタート 
    新しい活版造形者とともに 『VIVA!! カッパン♥』
      活版ルネサンスと
      身体性をともなった「ものづくり」の歓び 
  • 11月06日[水] 第02回
    活版印刷 水 紀行
      それは河畔の街からはじまった……
      活版印刷術と水にまつわる物語
  • 11月07日[木] 第03回
    こころを豊にする短歌講座
      贅沢短歌  本木昌造(永久 ナガヒサ)、池原 奞(シュン、香穉 カワカ)
  • 11月11日[月] 第04回
    日本近代化のパイオニア 『平野富二伝』
      近代化の影の立役者「活版印刷術」
      平野富二の生涯から明治の男の気骨を知る
  • 11月12日[火] 第05回
    日本人の知らない 「文字のはなし」
      日本で使われている「文字」というコトバ
      中国では「文」と「字」は別のものなのです。
  • 11月13日[水] 第06回
    「豚」+「柿」+「ミカン」=「諸事大吉」
      笑う門には福来たる?
      ユーモアあふれる吉祥文
  •  11月14日[木] 第07回
    ゆっくり急げ!
      イルカと錨。亀と龍。
      相反する事物の意味は?
  • 11月18日[月] 第08回
    彫られた文字  石のエクリチュール
      堅牢な石に彫られた碑文
      その軌跡をたどり、文字の歴史を知る
  • 11月19日[火] 第09回
    グルメな書家 蘇軾ソショク 中国料理店で寄り道
      美味しい、美味しい、トウロンポウ
      書にまつわる美味しいおはなし
  • 11月20日[水] 第10回
      An essay of the typography.
        ところで、タイポグラフィって何でしょう?
  • 11月21日[木] 第11回
    贅沢短歌  心を豊かにする短歌講座
      現代日本人の多くは、残念ながら
      150年以上前の書物をスラスラとは読めません。
  • 11月25日[月] 第12回
    印刷用の書体 明朝体と宋朝体《前編》
      活字書体の「明朝体」って
      中国の文字ではないの?
  • 11月26日[火] 第13回
    印刷用の書体 明朝体と宋朝体《後編》
      活字書体の「明朝体」って
      明の時代の文字ではないの?
  • 11月27日[水] 第14回
    分子生物学からみるメディア論
      DNA と活版印刷術
      実はこのふたつ、とても似ているのです
  • 11月28日[木] 第15回 最終回 
    活字よ 永遠に――――
      ウーパールーパーとサラマンダー
      活版印刷術とのふしぎな関係 

新宿私塾第23期 順調に進行中です。

 

《11月16日[土] 第 9 回 フィールドワーク 公版書籍印刷所  理想社の実際》
新宿私塾開講のときからお世話になっている「理想社」。同社に出向いて公版印刷とはなにか、公版印刷の使命を現場で学びます。
前半の一時間は、同社社長・田中宏明氏による「書籍印刷概論」の講義があります。そこではデザインの現場では知ることができない、印刷工程の構築法と、実践的な管理知識が説かれていきます。
今回はめずらしく、理想社の新入社員のおふたりも、「印刷概論講座」ということで一緒に受講されました。

講義中の田中宏明社長 活版印刷、フィルム整版などの資料もたくさんいただいた。 


工場内部組版室での小林工場長
《理想社を理解するために》
理想社は秀英舎(現大日本印刷)出身の、初代田中末吉によって1921年(大正10)に創業されました。当初は活字組版専業者でしたが、次第に印刷機器を導入し、90年余の伝統を誇る印刷所です。
現在は CTP 室に改造されている現場は、かつては歴史にのこる多くの名著をうんだ「四六全判活版印刷機」がうなりをあげて稼働していました。なお時折お問い合わせがありますが、動画のなかでピンクの紙片を圧胴に貼っているのは「ムラ取り」作業です。
【リンク:タイポグラフィあのねのね*20 創業90周年を迎えた印刷会社
【YouTube:活版印刷 <公版書籍印刷と端物印刷> 公版書籍印刷2  2:51】

こんにちの理想社は、ゆっっくりと業態変更を実施しているようです。CTP, オンデマンド印刷システムといった最新鋭機器もならびますが、同社の組版部は、やはりいまなお版元からの絶対の評価をえているようです。

《北海道美唄出身です。名前は「でんすけ」。ぜひとも仲間にいれてください》
新宿私塾の教場の片隅にひっそりと棲息しています。名前はでんでん虫の「でんすけ」、北海道美唄の出身です。趣味は水浴び、好物は人参とキャベツです。ぜひとも皆さまのお仲間に入れてください。
北海道美唄出身、名前は「でんすけ」です。仲間にいれてください。わたしの出身地は、下記にリンクした アダナプレス倶楽部のコラム欄 か、 動画 YouTube  でご覧いただけます。
アダナプレス倶楽部:コラム
【Viva la 活版 Viva 美唄  YouTube  16:19】

森永乳業 PARM Daily Premium Calender 11月の連載

パルム パッケージ 

平日のちょっと贅沢なライフスタイルマガジン
【森永乳業 Daily Premium Calender 】

渋いオジサン-寺尾聡というと、わたしの世代では「ルビーの指輪」が印象的です。
寺尾聡が TV CM に登場して「ワォ~」と叫んでいるのが森永乳業のアイスクリーム
「PARM」です。「PARM」は人気商品で、累計10億本を越える販売実績があるそうです。
─────
森永乳業の巨大な Website のなかに、平日のちょっと贅沢なライフスタイルマガジン
Daily Premium Calender 」があります。 
その担当者から、「知ると面白いけれど、気に留めたことがない」、タイポグラフィに関する
ことがらを
ひと月担当せよとのご下命が。
テーマは入門編とするが、ひと月まるごと読みすすめば、マニアも納得するコンテンツを。
しかも主たるターゲットは女性とのことでした。 ウ~ンなかなかに難しい。
─────
「らしくない」のは承知ですから、最初は辞退したのですが、担当者のご熱意に負けて

── タイポグラフィと活版印刷 ──
{文字とは文化と歴史の結晶 それは「知」と「技」と「美」の総合技芸} と題して
11月の毎週月曜日-木曜日[祝日はのぞく]、都合15 回にわたって
わたくし片塩と朗文堂 アダナプレス倶楽部:大石の共著のかたちで
連続エッセイを担当することになりました。

なにしろコンテンツの豊富なWebsiteですから、まずはリンクから入ってご覧ください。
11月だけの連載ですが、スタートの月曜日が祝日で、11月5日[火]からとなります。
ぜひとも「 Daily Premium Calender 」をご覧いただき、友人・知人にもご紹介
たまわりますようお願いいたします。

2013年11月

【アダナプレス倶楽部】第15回 活版ルネサンスフェア 終了しました!


とき * 2013年09月27日[金]28日[土] 13:30―19:00
ところ * 朗文堂4F-B
160-0022  新宿区新宿2-4-9 中江ビル4F
Telephone : 03-3352-5070
[来場ご案内マップ]

DSCN1932uu

抜けるような青空と、吹きわたる涼風のもと、2013年09月27日[金]28日[土]の両日にわたって開催されました《第15回 活版ルネサンスフェア》が終了いたしました。
ご来場たまわりました多くの皆さま、ありがとうございました。

両日とも、開場直後からお客さまの足が途切れることなくつづき、うれしい悲鳴の両日でした。
撮影担当者が接客に追われ、調子が悪い写真でのご紹介となりましたがご容赦を。
アダナプレス倶楽部では、ことしは恒例の5月の都内でのイベント《活版凸凹フェスタ》を一旦中止し、あたらしい舞台としての《Viva la 活版 ―― すばらしき活版》が、まず北海道美唄市でスタートしました。

そのために昨年秋のほぼ同時期の《第14回 活版ルネサンスフェア》以来、一年ぶりにお会いするアダナプレス倶楽部会員と、お客さまもたくさんご来場され、
「お元気でしたか? ことしの夏は暑かったけど、活版印刷はつづけていますか?」
と、あちこちで歓談の輪ができていました。

《2020年東京オリンピック開催も決定しました! 
      あたらしい時代の、あたらしい活版造形をめざす旅がはじまりました》
2020年、夏季オリンピックの開催都市に東京が決定しました。久しぶりの明るいニュースでした。
皆さまの力つよいご支援をいただきながら、アダナプレス倶楽部は意欲をあらたに、あたらしい活版造形者の増加をめざす地道な活動をつづけてまいります。
次回の《活版ルネサンスフェア》は、2014年春の開催を予定しております。
ご支援、ご協力ありがとうございました。

【アダナプレス倶楽部】活版カレッジ秋季講座スタート!

活版カレッジ

朗文堂 アダナ・プレス倶楽部の直接指導により
本格的な活字版印刷術の
知・技・美の三領域をバランス良く学べます。

活版カレッジでは、科学と学術的根拠にもとづいた実践を基盤としながら、活版印刷機 Adana-21J によるケーススタディ・メソッドをふんだんに駆使し、あたらしい時代の活版印刷の現場での、現実的な課題の解決方法を学ぶことを目的とします。
DSCN1832uu

「活字版印刷術 Typographic Printing」は、印刷による視覚伝達技術のなかでも、文字情報の主要な複製・伝達の手段として、ひろく「活版印刷・活版・カッパン」などと呼ばれて親しまれてきました。

そして今、印刷複製技術の原点として560年余におよぶ長い歴史を有し、メディアの変遷とともにさまざまな浮沈を経た「活版」が、ふたたび熱く注目され、関心をあつめています。
活版カレッジは、あたらしい活版ユーザーに向けた活字版印刷機 Adana-21J の製造・発売をおこなっているアダナ・プレス倶楽部が開講する活版講座です。
────

  • 活版カレッジ2013年秋季講座 木曜日コース(夜間部)19:00 ─ 22:00 
    【講座教室】 東京都新宿区新宿 2-4-9 中江ビル
                          4FB 朗文堂内(通学制)
    【講   師】 朗文堂 アダナ・プレス倶楽部

◎ 3 ヶ月 木曜日 全9回(毎月3回) 19:00-22:00
   ※ 各コース定員4名(お申込先着順)
   ※ 毎月第1-3週木曜日の開講。
      第4-5週は基本的にお休みです。
   ※ GW・夏期休暇などに際して若干の変動があります。
◎ 徹底した少人数講座のため、お申込先着順とさせていただきます。
◎ 受講希望者多数の場合には、次期講座への予約をお勧めする場合がございますのでご了承ください。
◎ 次期の開催日時と募集の開始は、 アダナ・プレス倶楽部ニュース にて随時お知らせいたします。
◎ 《活版カレッジ》受講をご希望の方は、お気軽に、できるだけ事前に、アダナ・プレス倶楽部の@メールまで受講希望の意向をご連絡ください。一般公募に先だって、あらためてご案内をさしあげます。
◎ 次回は昼間部も開講の予定です。積極的なご参加をお待ちしております。