月別アーカイブ: 2013年9月

【ブックコスミイク】普及版 欧文書体百花事典 好評販売中!

普及版 欧文書体百花事典普及版 欧文書体百花事典 表紙

現代タイポグラフィにもっとも重要な役割をはたす欧文書体を
26章・300書体にわたって一挙紹介!

工芸大学・藝術大学・美術大学
工芸・藝術・美術専門学校の教科書に、副読本に
情報関連教育機関、情報産業のオフィスに
そして、アルファベット活字をつかうすべてのかたのために
絶好かつ必備の、わが国における
「欧文活字書体」研究資料の定番書が、
第4刷り以降から、オンデマンド印刷方式での
切れめのない、安定供給態勢となりました!



普及版 欧文書体百花事典 フライヤー PDF

ご好評をいただいてまいりました
『欧文書体百花事典』を
『普及版 欧文書体百花事典』として
装本と価格を変更して新発売!

・書 名    『普及版 欧文書体百花事典』
・編 集   組版工学研究会
・装 本  A4判 並製本 572ページ 図版多数
・発 売  2013年5月23日
・定 価  本体8,800円 + 税
       ISBN978-4-947613-87-5 C1070

【おもな内容──目次より】
◎ Trajan Roman
    時空を超えたローマ大文字 ── 活字に影響を与えたイタリアの碑文書体
◎  Black Letter
    ブラック・レター、ことばの林、文字の森 ── はじめての活字書体
◎  Jenson Roman
    揺りかごのなかの活字 ── ローマン体の成立
◎  Aldine Roman
        イタリア・ルネサンスの活字 ──オールド・ローマン体の成立
◎  Italics
    書字から印刷用活字へ ── イタリック体の成立
◎  Garamond Types
    大陸を横断したフランス活字 ── ギャラモン活字の行方
◎  Printers Flower
    活字箱のなかの可憐な装飾 ── プリンターズ・オーナメントとヴィネット
◎  Dutch Roman
    オランダ活字の潮流 ── 17世紀と20世紀のダッチ・ローマン体
◎  Caslon Roman
    イギリス活字の強固な地盤形成 ── オールド・ローマン体の最後の華
◎  Script Types
    手書きから銅版へ、銅版から活字へ ── スクリプト体の変遷
◎  Baskerville Types
    モダン・ローマン体へのかけ橋 ── トランジショナル・ローマン体の成立
◎  Fournier
    華麗なるロココの活字組版を支えた合理精神 ── ピエール・シモン・フールニエ
◎  Bodoni Roman
    モダン・ローマン体の開花 ── タイポグラフィの王者と呼ばれたひと
◎  English Modern Roman
    大量生産時代の活字と印刷産業 ── モダン・ローマン体の拡散
◎  America Type Foundery
    栄光を背負ったアメリカの活字 ── ベントン父子の挑戦を追って
◎  Fredric Goudy
    多作な活字制作者の活字 ── ガウディ活字のその後
◎  Eric Gill
    石彫り職人エリック・ギルの活字 ── 近代産業と手工業のせめぎあいのなかで
◎  Futura
    近代を夢みたドイツの活字 ──セリフレス・ローマン、フツーラ
◎  Times New Roman
    20世紀のタイポグラフィを開いたひと ──スタンリー・モリスン
◎  Optima Antiqua
    ローマン体のあらたなカテゴリー ── セリフレス・ローマン体の誕生
◎  Sans Serif
    誘目性からから出発し、可読性をめざして── サン・セリフ体の潮流
◎  Univers
    宇宙に子午線をみたひと ── アドリアン・フルティガー
◎  Sabon Antiqua
    サボン ── もっともモダンなオールド・フェイス・ローマン体
◎  Berthold Fototypes
    写植活字の盛衰とその継承 ── タイプディレクター、ギュンター・ランゲ
◎  Rotis
    市民社会の融和をめざした活字書体 ── ローティスのこれから
◎  Emigre
    コンピュータ・アヴァンギャルドからの転身 ── エミグレ、伝統への回帰
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※   『普及版 欧文書体百花事典』フライヤーができております。
  教育機関などで御入用の節は、必要部数を明記して
  朗文堂ブックコスミイクまでご用命ください。 
※ 詳細は 朗文堂 book cosmique 新刊ページ をご覧ください。

新宿私塾第23期 スタートしました!

私塾23期終了
新宿私塾23期生新宿私塾第23期生の皆さん(2013年09月17日)

《新宿私塾第23期、澄みきった青空のもとでスタートしました》
暑い夏でした。07月前半から猛暑が襲い、すこし涼風をみたとおもったのに、立秋から残暑をこえた、熱波がまた繰りかえし襲来しました。

とどめは09月の中旬に襲来した颱風18号でした。
09月13日-16日にかけて、颱風18号は日本列島をまっぷたつに断ち割るようにして駈けぬけました。各地で豪雨、洪水、山崩れなどの情報も飛びかいました。
皆さまご健勝でいらっしゃいましょうか。お見舞いもうしあげます。
────────
颱風一過、抜けるように碧い空のもと、新宿私塾第23期がスタートしました。
ウェブデザイナーの男性が多かった22期にくらべ、23期はどちらかというと企画立案やグラフィックデザインを職とするかたが多く、男女比も5人と5人でバランスがとれました。
新宿私塾第23期生は、これまでの塾生諸君とおなじように、とても意欲的で、向上心と個性のつよい若者がたくさんあつまりました。

まだ昨週の09月10日に修了したばかりの、きわめて活発かつ賑やかだった22期生のむくもりが、あちこちにのこっているような教場でした。
それでも早速、新宿私塾第23期、第1回目の講座では、カリキュラムの説明につづいて、塾生の皆さんの自己紹介があって、ここに集まった塾生同士が、出身地や年齢も経歴も、職場・学校環境などがさまざまなことに、塾生諸君はあらためて驚いたようです。これが新宿私塾の魅力のひとつでもあります。

すなわちここには、現役の藝術大学・美術大学の学生もいます。もちろんすでに造形者としての職業人も、異分野で活躍する職業人もいます。
それでも造形者、タイポグラファとして、いっそうの向上をめざすという一点において、こころざしをおなじくする仲間であることを確認します。
ですから短い開塾セレモニーのあいだに、次第に緊張がゆるみ、笑い声ももれるようになりました。
────────
みじかい開塾式のあとは、いきなり、たくさんの資料が机上にならび、パソコン映像を併用しながら「タイポグラフィをまなぶこととは」の講義がはじまりました。
「文と字:形而上の文と、形而下の字」「コミュニティとコミュニケーション」……。
一見むずかしそうなテーマも、実例と資料をもとに諄諄ととかれていきました。

新宿私塾では、タイポグラフィにおける「知・技・美」のみっつの領域で、バランスのよい学習をモットーとしています。それはまた「知に溺れず、技を傲らず、美に耽らず」という、つよい自戒をともないます。

 新宿私塾第23期は、爽秋の2013年09月17日にスタートし、早春の2014年03月11日に修了します。
この半年のあいだ、塾生の皆さんがおおきな収穫が得られるように、講師陣はもとより、200名をこえた「新宿私塾修了生」の皆さんも、精一杯の努力と応援をいたします。

《恒例 新宿私塾第23期カリキュラムの表紙デザインの紹介》
私塾23期カリキュラム表紙uu新宿私塾第23期カリキュラム 表紙  (Design : 講師 杉下城司さん) 

新宿私塾第23期カリキュラムの表紙はデジタルタイプの「Amor」によります。
新宿私塾では受講期間のあいだに、和文活字でも欧文活字でも、どちらでもかまわないのですが、できるだけ「My Favorite Type ── わたしのお気に入りの活字書体」を獲得することが勧められます。

もちろん、世上の評価がたかい活字書体でも、まったく無名の活字書体でも、「はやり書体」でも一向にかまいません。むしろどんな活字書体にも、避けがたく付着している「長所と短所」をみつけだして、「長所をいかし、短所を制御する能力」がとわれます。

──────── 杉下城司さんのコメント
書体は「 Amor 」Sans & Serif,読みは「アモー」でしょうか。
碑文系書体のセリフとサンセリフ。
チェコ共和国、プラハに本拠をおく Storm Type Foundry  のデジタルタイプです。
碑文大文字の解釈をもととして、小文字、イタリック、サンセリフなどへの展開、カーブの付け方などが興味深いですね。

ストーム社では、バスカヴィル、ジャノン、ワルバウムなどの復刻、およびそれらのサンセリフを出していたりと、意欲的で面白いタイプファウンドリーです。

タイポグラフィ学会誌06 刊行披露講演会を開催

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タイポグラフィ学会は、2013年09月08日(日曜日)に『タイポグラフィ学会誌06』刊行披露講演会を、学校法人専門学校東洋美術学校にて開催しました。
今回の刊行披露講演会では、先般発行された『タイポグラフィ学会誌06』に収録された論文と研究ノートより、ふたつの講演がおこなわれました。
上)内田明氏、下)板倉雅宣氏
上) 内田 明会員
論文「活字史研究書としての徳永直『光をかかぐる人々』に見られる達成」
下) 板倉雅宜会員
研究ノート「教育書肆 集英堂 山中八郎・橋本源七について 栃木県特有の活字を尋ねて」

タイポグラフィ学会はタイポグラフィ Typography という技芸に学問的な基盤を与え、その成果を実技・実践に生かし、有効で豊かな展開を通して社会に貢献することを目的に設立いたしました。
その活動の成果を学会の枠を超えて、ひろく一般のみなさまに発表することで、より良いタイポグラフィを実現する契機となるよう、多くの方々の講演会へのご参加を心よりお待ちしております。
タイポグラフィ学会会長 山本太郎
─────
『タイポグラフィ学会誌06』 刊行披露講演会
【日 時】 2013年9月8日[日曜日]
【会 場】 学校法人専門学校 東洋美術学校  D棟1階 学生ホール
       161-0067 東京都新宿区富久町 2-6
【講演者】 内田明氏、板倉雅宣氏

【タイポグラフィ学会誌の購入申込み先:朗文堂 ブックコスミイク

活版ルネサンスフェア開催!

終了いたしました!

たくさんのご来場、ありがとうございました。


とき * 2013年09月27日[金]28日[土] 13:30―19:00
ところ * 朗文堂4F-B
160-0022  新宿区新宿2-4-9 中江ビル4F
Telephone : 03-3352-5070
[来場ご案内マップ]

暑かった夏もようやく終わり、創作の秋がはじまりました。
皆さまお元気にてご活躍のことと存じます。
《活版ルネサンスフェア》は、通常春と秋の2回にわたって開催される
アダナ・プレス倶楽部会員、活版造形者、活版ファンの皆さまを対象とした
新品・中古品のカッパン関連機材・資材の展示即売会です。
手狭な会場ながら、貴重アイテム、マニアックな商品が溢れています!
秋の創作シーズンに、このチャンスをぜひともお役立てください。
[東京都公安委員会許可 第304380708865号] 

アダナ・プレス倶楽部が製造・販売している新品のカッパン印刷関連機器、独自企画開発商品はもとより、カッパン印刷所で長年の使用に耐えてきた優秀な中古品もドッサリ用意いたしました。これらは現在では生産中止となったカッパン関連機器や、個人では入手しにくい活版専用インキなどの器材・資材を含みます。

カッパン印刷のサポーターとして、アダナ・プレス倶楽部ならではの、懇切丁寧な使用方法の解説もいたしますので、狭い会場ながら魅力溢れる展示販売会となります。秋の創作シーズン、展覧会シーズンの到来に合わせて、創作に活用できそうな機材の補充、実制作での疑問解決・技術の向上に、どうぞこの「活版ルネサンス フェア」をご利用ください。


昨年秋の《第13回 活版ルネサンスフェア》会場の模様

《今回の主なご紹介アイテム  順不同》
小型活版印刷機 Adana-21J/新開発 圧盤用ラバー・クッション胴張りセット/活版専用ピンセット新旧/ジャッキとジャッキハンドル新旧/KMT全自動活字組版機(日本語モノタイプ)活字母型庫8pt, 9pt, 10pt明朝体/罫線各種/くじら尺/特製組みつけ台/金属インテル各種/活版用強力磁石/特製組版ステッキ、中古組版ステッキ/ファニチュア各種/工具類(ブレース鋏・鳥居鋏・罫切り鋏)/罫切り器/各サイズ込め物セット/活字倍数尺/特製ムラ取りハンマー&ならし木セット/ブロッキング防止パウダー/特白ウェス/無臭洗い油/インキ・ハンド・ローラー/インキべら/インキ・パッド/ゴム・ローラー・メンテナンス剤/オイルベース活版用インキ各色(1キロ缶、特製200グラム缶)/活版用墨青口インキ/ラバー・ベース・レタープレス用インキ/版画用メタルベース(19.68ミリ、19.70ミリ)/樹脂版用メタルベース(21.89ミリ、23.39ミリ)/特製五号サイズメタルベース箱入りセット/特製カタ仮名活字アラタ1209/輸入欧文活字スキームセット/輸入オーナメント活字各種/凸版用スプレーボンド/特製文選箱/中古文選箱新旧各種/文選箱ストッパー/セッテン/特製文選箱立て/特製ミニ組みゲラ/中古組みゲラ/特製ミニ置きゲラ/中古置きゲラ/特製ミニスダレケース棚/活字サイズ照合キット

────  その他掘り出しもの、在庫限りの貴重アイテムがどっさり。皆さま、友人・知人と誘いあわせてのご来場をお待ちしております。

【良書推薦】吉田佳広さん 『文字の絵本 風の又三郎』 出版記念会!

表紙デザイン[1]


22-23ページ-馬が逃げ出します[1]46-47ページ-ラストシーンです[1]2-3ページ-導入部です[1]原作:宮沢賢治  デザイン:吉田佳広

宮沢賢治の名作世界を文字で表現!
グラフィックデザイナー歴50余年
タイポグラフィの先駆者である著者が挑む、実験的絵本。
『文字の絵本 風の又三郎』
原作:宮沢賢治 デザイン:吉田佳広
サイズ(判型)  21cm×21cm
ページ数     48ページ
発売日       2013年 08月
ISBN978-4-03-965110-5
発 売       偕 成 社
定価:¥1,785[税込]

【偕成社:オフィシャルページ
【吉田佳広氏のWebsite:名人のアート塾
【関連記事:花筏 吉田佳広氏の水彩画展
─────
文字の絵本『風の又三郎』出版記念会
 時 :2013年09月11日[水] 17:00-19:00
 所 :ART GALLEY KAGURAZAKA
     新宿区矢来町114 高橋ビルB1F
主 催:画材の森 ル・ポア 

挨拶をされる吉田佳広氏

DSCN1800三種類の『風の又三郎』
DSCN1805サイン会に応じる吉田佳広氏

左より、西野洋さん、伊藤勝一さん、進藤洋子さん、吉田佳広さん、志村守夫さん、やつがれ。───── 以下文責 片塩二朗
原作:宮沢賢治、デザイン:吉田佳広さんによる、文字の絵本『風の又三郎』には異装本が三種あります。

  • 第一次 吉田佳広自主制作 文字の絵本『風の又三郎』
               (原作:宮沢賢治、デザイン:吉田佳広、1977年)
    1974-84年にかけて「生活の中にタイポグラフィを」をスローガンとして、意欲的な活動をつづけた「タイポ・アイ」。吉田佳広さんはその設立メンバーであり、中心的存在でした。
    1977年《文字の絵本》と題した展覧会がひらかれ、そこに出品された作品が、第一次『文字の絵本 風の又三郎』でした。
    詳細は『タイポ・アイ 1975-1984 文字デザインのアイデア』(タイポ・アイ編著、ダヴィッド社、1984)に紹介されています。
  • 第二次 朗文堂(書館)発行 文字の絵本『風の又三郎』
               (原作:宮沢賢治、デザイン:吉田佳広)
    「タイポ・アイ」が一応の区切りをつけた1984年、小社朗文堂の最初期の書籍として刊行されたのが、第二次『文字の絵本 風の又三郎』でした。
    「タイポ・アイ」は活動の最後に、ニューヨークでの特別展を開催され、アメリカでも『文字の絵本 風の又三郎』が好感をもって迎えられました。その後しかるべき紹介者を通じて、英語版刊行の申し出があって、アメリカの出版社に「製版フィルム」一式をおくりました。
     

    ところがアメリカから英語版の色校正が送られてきた直後に、この版元は倒産し、その混乱のなかに『文字の絵本 風の又三郎』の「製版フィルム」は没してしまいました。情報を入手してすぐに現地に出かけましたが、すでにビルは空室で、オーナーは所在不明でした。
    これはデュープ(複版)を用意しなかった小社のミスであり、製作者の吉田佳広氏にはお詫びのしようもないほどのことでした。
  • 第三次 偕成社発行       文字の絵本『風の又三郎』
              (原作:宮沢賢治、デザイン:吉田佳広)
    第一次、第二次の『文字の絵本 風の又三郎』は、写真植字、レタリング、紙焼き複写、エアブラシなど、版下が幾重にも重なっていました。
    第三次『文字の絵本 風の又三郎』は、児童書・絵本の大手版元、偕成社からの刊行でした。その帯にはこのようにあります。

    宮澤賢治の言葉のリズムを
    文字とデザインでビジュアル化した
    実験的絵本!
    グラフィックデザイナーとして50年以上デザインの世界に携わり、タイポグラフィ(文字を素材とした印刷デザイン)の可能性を探究しつづけた著者[吉田佳広氏]が挑む「風の又三郎」。
    金属活字時代の1977年に自費出版、写植の時代の1984年に改訂版が刊行され、その新しさ・大胆さが反響を呼んだ『文字の絵本 風の又三郎』。根本のアイデアを生かしながら、さらに現代のデジタル技術を駆使し、全面的にデザインをあらためた最新版。
    ─────
    吉田佳広氏はいまではすっかりパソコンを縦横に駆使され、またまたあたらしい宮沢賢治像を描きだすことに成功されています。

    おもえば、第一次製作、第二次製作は写真植字と紙焼きによる「版下」が出稿データーでした。今回の第三次製作は、デジタルタイプを縦横に駆使し、フル・デジタルデータでの出稿でした。
    その間に36年の時間が経過しています。

    製作者/吉田佳広さんと、花巻の「宮沢賢治記念館」に同行したときのことをおもいだします。吉田さんは、賢治の手稿「春の修羅」の前で、黙って涙をぬぐっておられました。この宮沢賢治へのひたむきな憧憬が、36年という長い期間のモチベーションとなっておられたことと拝察いたしました。
    このあたらしい構想と、あらたな版元からの刊行をこころより祝福すると同時に、吉田佳広氏のますますのご壮健をこころより祈念いたします。

新宿私塾第22期 終了しました。

私塾24期スタート

開塾式当日の新宿私塾第22期生の皆さん(2013年04月02日)
下に掲載した修了式の表情と比較すると、
開塾式の皆さんの表情はやはり固いものでした。

《2013年04月02日 新宿私塾第22期、スタート》
例年になくはやく櫻が開花した春でした。
おりしも春爛漫、若葉が萌え、花が咲き、鳥が歌い舞い、いのちが輝く、とても良い季節の2013年04月02日[火]、新宿私塾第22期が開講しました。
そしてこれも例年になくはやい梅雨明けをむかえ、猛暑・酷暑の中での講座がつづきました。
新宿私塾第22期生は、これまでの塾生諸君とおなじように、とても意欲的で、向上心と個性のつよい若者、それも珍しく男性がたくさんあつまりました。

早速、新宿私塾第22期、第1回目の講座では、カリキュラムの説明につづいて、塾生の皆さんの自己紹介があって、ここに集まった塾生同士が、年齢も経歴も職場・学校環境などがさまざまなことに、塾生諸君はあらためて驚いたようです。これが新宿私塾の魅力のひとつでもあります。
ここに後半での講座の模様の一部をご紹介します。

イム ジョンホさん講座

山本太郎さん講座板東孝明さん講座新宿私塾では、タイポグラフィにおける「知・技・美」のバランスのよい学習をモットーとしています。それはまた「知に溺れず、技を傲らず、美に耽らず」という、つよい自戒をともないます。

新宿私塾第22期は、早春の2013年04月02日にスタートし、爽秋の2013年09月10日に修了しました。

新宿私塾第22期修了式

終了式当日の新宿私塾第22期生の皆さん(2013年09月10日) 
前掲の開塾式の表情とは異なり、明るく自信に満ちた表情が印象的です。

出会いはうれしく、別れはさびしいものです。それでも半年間、ともにまなび、ともに苦しんできた新宿私塾第22期生の皆さんは、雄雄しく羽ばたき、旅立っていきました。
ここにまた、タイポグラフィの尖鋭としての同志の輪が、おおきくふくらみました。

活版印刷動画 Viva la 活版 Viva 美唄 YouTubeに投稿

美唄コラム緑uu《Viva la 活版 Viva 美唄》
【会  場】 ARTE PIAZZA BIBAI アルテピアッツァ美唄
         アート・ギャラリーおよびアート・ストゥディオ
         北海道美唄市落合町栄町 http://www.artepiazza.jp/
【入場料】  無 料
【主  催】  朗文堂 アダナ・プレス倶楽部
──────
先般開催されました《Viva la 活版 Viva 美唄》の素敵な動画をご提供いただきました。製作者は川崎孝志さん(新宿私塾修了、アダナプレス倶楽部・タイポグラフィ学会会員、徳島在住)。
川崎さんは、後半に美唄入りされ、雄大な北海道の景観と、アルテ ピアッツァ美唄の安田 侃カン氏による彫刻群を楽しまれ、アート・ギャラリー、アート・ストゥディオを中心に撮影されていました。

ご送付いただいたデータは、きわめて鮮明なものでしたが、一般公開画像には容量がおおきすぎたために、元画像はアダナプレス倶楽部が保管して、北美和子さん(新宿私塾・活版カレッジ修了、アダナプレス倶楽部会員)に、公開に適した容量に変更していただきました。両会員のご協力に、ふかく御礼いたします。
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投稿からひと月あまりが経過しましたが、訪問者が300名を越え、また外国からの閲覧もあるようで、情報がさまざまに飛びかっています。
あたらしい時代の、あたらしい活版造形者の祭典と、北海道美唄市「アルテ ピアッツァ美唄」の彫刻と庭園の造形がここちよく融合しています。
ここにあらためて動画掲載のご案内をするとともに、16分19秒とすこし長めの動画ですが、お楽しみいただけましたら幸いです。

【展覧会】向井周太郎 世界プロセスとしての身振り

向井展チラシ表1

向井展フライヤーウラ[資料提供:武蔵野美術大学教授、新宿私塾講師、板東孝明氏]
【詳細情報:武蔵野美術大学美術館 図書館

向井周太郎 世界プロセスとしての身振り
Shutaro Mukai
Gesture -Miburi- as World process

会  期|2013年9月17日[火]-11月16日[土]
休館日|日曜日、祝日
              *9/23[月]、10/27[日]、11/4[月]は特別開館
時  間|10:00-18:00
              *土曜日、特別開館日は17:00閉館
入館料|無 料
会  場|武蔵野美術大学美術館 アトリウム2
主  催|武蔵野美術大学 美術館・図書館
共  催|武蔵野美術大学 造形研究センター
協  力|武蔵野美術大学 基礎デザイン学科研究室
助  成|公益財団法人 野村財団
監  修|向井周太郎(同学名誉教授)
共同監修|ミヒャエル・エールホフ
                 (ケルン・インターナショナル・スクール・オブ・デザイン教授)
────────
2000年にドイツ・ボンの国際展に出品された作品「世界プロセスとしての身振り」を展示。古今東西の「身振り」にまつわる図像で構成された本作によって、向井周太郎名誉教授のデザイン哲学を視覚的に紹介する。

【展覧会概要】
このたび武蔵野美術大学 美術館・図書館では、同学名誉教授である向井周太郎氏のデザイン哲学が凝縮された作品「世界プロセスとしての身振り」を紹介する展覧会を開催いたします。

本作品は、2000年、ドイツで行われたハノーファー万国博覧会の併設事業として、ボンのドイツ連邦共和国アート&エキジビションホールで開催された「今日は明日-経験と構成の未来」展に出品されました。

シルクスクリーンプリント30点から成る本作は、向井氏自身の手によって集められた古今東西の図像が、その論考とともにテーマ毎に構成されています。人間身体(ミクロコスモス)の「身振り」と、大自然(マクロコスモス)の「身振り」を探る内容となっており、向井氏のデザイン学の基盤を形成する「形態学(モルフォロギー)思考」が凝縮されています。

本展では、向井氏の監修に加えて、ドイツでの展覧会においてキュレーションを務めたケルン・インターナショナル・スクール・オブ・デザイン教授のミヒャエル・エールホフ氏を共同監修に迎え、当時と同様に書物に見立てられた空間として当館アトリウムに作品を設置します。

「中空に吊られた30枚のパネルが、空間のなかにひとつのパサージュとして本宇宙を形成する」というドイツ展での向井氏のコンセプトは、本展においても吹き抜けの、まさにパサージュといえる空間に展示されることで、より明確に体感できることでしょう。

現在も活躍する両氏の監修による本展は、2000年の再現にとどまることなく、現在の問いかけとして発信されます。さらに、作品への理解を深めるために評論家やデザイナーなど10名以上の著者による論考を収録した図録の刊行やトークイベントを予定しており、向井氏を中心としたデザイン学の対話を活発に行われるでしょう。
────────
……デザイン……それは、「生」の全体性としての生活世界の形成であり、世界プロセスの新しい身振りとしての生態美(das Öko-Schöne)の形成であるともいえる。まさに、ここに新世紀におけるデザインという行為の新たな課題の地平が開かれている。
この「身振り」は、すでに見てきたように、人間のさまざまな表現運動や、動物の行動や、自然や世界の生成リズムを包含可能な概念である。しかもこの概念は、世界のさまざまな現象や専門性を横断し、私たちの原記憶や自己と世界の再生への想像力を喚起してくれるものである。
―― 向井周太郎

【出展作家紹介】
向井周太郎
1932年生まれ。インダストリアル・デザイナー。早稲田大学商学部卒業後、ドイツ・ウルム造形大学でデザインを専攻。
同大学およびハノーファー大学インダストリアル・デザイン研究所のフェローなどを経て、武蔵野美術大学に基礎デザイン学科を設立し、新しいタイプの人材の育成と、デザイン学の形成に力を注ぐ。
現在、武蔵野美術大学名誉教授、国際デザイン研究評議会(BIRD)委員、基礎デザイン学会会長、日本記号学会理事など。