月別アーカイブ: 2012年7月

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15 politypographien
Helmut Schmid

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2012年 7月6日-22日

お知らせが遅くなりました。
主催者から展覧会案内をご送付いただき
新宿私塾 塾生の皆さんに告知しているうちに、すっかり
もう皆さんにもお知らせしたとものと勘違いしていました。

ヘルムート・シュミット氏の理念に “Design is Attitude”  が
あります。すなわち「デザインは姿勢である」ということです。
この理念にもとづいてシュミット氏は、個人的・社会的・
政治的なテーマで、多くの実験的なタイポグラフィ作品を
発表されてきました。

つい先頃も『FUKUSHIMA』と題した作品を拝見しました。
地震・津波・そして原子力発電所の暴走に苦しむ福島への
ふかいおもいを綴った作品で、こころをうたれました。
「FUKUSHIMA って Happy Island ってことでしょう」
という発言に、ことばを失うしかないやつがれでした。

今回の展覧会のテーマは “15 politypographien”。
「ポリティポグラフィエン」とは、政治=ポリティクスと
タイポグラフィの、ふたつのことばからなる造語だそうです。
15編におよぶシュミット氏の政治的な主張は、いま
なお時代性を失わず、つよい迫力をもって
かたりかけ、素朴なタイプライターから打ちだされた
ことばは、緊迫感をもった画面構成で、タイポグラファの
役割を再確認させるに十分なものでした。

新宿私塾 製本講座 +


新宿私塾第20期 第18回講座
2012年7月21日[土]
特別演習 製本術入門
特別講師:西尾 彩 さん
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梅雨も明け、爽やかな風が吹いていました。
土曜日、特別演習、きょうはすこし長丁場になる。
午後1時、たれも遅刻無く、全員集合。
新宿私塾 第1期から担当していただいている
西尾彩さんによる特別演習「製本術入門」。


右端が講師の西尾 彩さん。
新宿私塾はタイポグラフィを中核として、造形・形成に関する多彩な
講座を設けています。通常は2コマ、都合3時間の夜間講座ですが
フィールドワークや、ここに紹介するような 5 時間にわたる特別講座もあります。
「製本術入門」は、講師の西尾  彩さんの指導をうけながら
手づくり洋式製本を体験する講座です。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 西尾さんは通算4年余におよぶ英国留学のあいだ、その居を
19世紀世紀末 アーツ&クラフツ運動の発信地のひとつ
ロンドンのテムズ河畔のハマースミス通りにおかれていました。
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講座が進行するのにつれ、西洋製本術の基本とは
16世紀ドイツの書物、いわゆる『西洋職人づくし』、
『Eygentliche Beschreibung aller Ständeauff Erden』
(詩:ハンス・ザックス、木版画:ヨースト・アマン、フランクフルト、1568年)
に描かれた製本士とも、19世紀世紀末の英国、アーツ&クラフツ運動の
造形家たちとも通底する、身体性をともなった造形であることに気づかされます。
そして、そのおもしろさに次第に惹かれていきます。
特別演習は全員が製作を完了して、夕方6時に終了。
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ところで塾生諸君、演習でのここちよい達成感が醒めぬまま、
「懇親会」と称して、夕暮れの街に、連れ立ってきえていきました。

活版凸凹フェスタ2012 レポート 再開

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遅くなりましたが《活版凸凹フェスタ 2912》レポートを再開します。
ください。五月の薫風にのせて、五感を駆使した造形活動、
参加型の活字版印刷の祭典《活版凸凹フェスタ 2012》 は
たくさんのご来場者をお迎えして、終了しました。
ご来場たまわりました皆さま、
ありがとうございました。
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【レポートの中断と、ご報告遅延のお詫び】
《活版凸凹フェスタ2012》は、5月の連休のさなか、5月3日-6日にかけて開催されました。事前準備・途中経過の報告は、朗文堂 タイポグラフィ・ブログロール『花 筏 』に《活版凸凹フェスタ2012*01-11》として掲載されています。
来年こそ《活版凸凹フェスタ》に出展しよう、来年こそ来場しようという関心のあるかたは、ご面倒でも『花 筏 』のアーカイブ・ページを繰ってご覧ください。

また、なにかとイベントがかさなるGW中のことでもあり、ご遠方のかた、家族サービスなど、さまざまなご事情で来場できなかったお客さまから、寸描でもよいから、会場やイベント内容を報告してほしいとのご要望がありました。

ところが、アダナ・プレス倶楽部は、5-6月と、さまざまなゼミナール、イベント、出荷、取材に追われ、 報告が遅滞してご不便をおかけしていました。

また今回の《活版凸凹フェスタ2012》は、スタッフが接客や活版ゼミナールの対応に追われ、撮影担当者を特定していなかったという失敗がありました。そのために写真資料をアダナ・プレス倶楽部会員の皆さんからご提供をもとめ、ようやく準備が整った次第です。

ここに『花筏』から、本来のステージ『アダナ・プレス倶楽部NEWS』に舞台をもどして、なにかと多忙な大石にかわり、やつがれ(片塩)が《活版凸凹フェスタ2012》レポートを継続します。