月別アーカイブ: 2015年8月

【Viva la 活版-すばらしき活版】 Viva la 活版 Let’s 豪農の館 Ⅳ

20150817161515133_0002 20150817161515133_0001Web02豪農の館DSCN8766《 ことしの夏は暑かった・・・・・・Viva la 活版 Let’s 豪農の館 告知はがき印刷 》
ひとしお暑さがきびしかったことしの夏。口にしても詮無きことながら、ついついこぼれる愚痴。だから昨秋におとづれた<北方文化博物館 清水園>の錦繡なぞをしのぶ。

云ふまいと おもへど きょうの 暑さかな

アダナ・プレス倶楽部のさまざまなイベントにつきものの<イベント告知はがき 活版印刷>は、そんな猛暑・酷暑のさなかに数度にわたって実施された。
作業開始前に「まずは暑気ばらい」と、2013年<Viva la 活版 Viva 美唄>でお世話になった、かくれた農園主<風の猫・ゴリ>がいる<まるほり野菜園>から取りよせたばかりの「トレトレ ミニトマト」にくわえて、ちかくの八百屋さんで購入して、冷え冷えのおおきなスイカが<活版カレッジ アッパークラス>の皆さんに供された。
IMG_7025_convert_20150728083511.jpgDSCN0654 DSCN0662 DSCN066508月11日、宛名面の印刷が終了し、乾燥をおえたはがき5,000枚ほどが机上にならんだ。
きょうからの二日間、『活版カレッジ/アッパークラス』のメンバーによる、 絵柄面の印刷作業が実施される。
まず登場したのは「松尾 A 」さんと上條さん。「松尾 A 」さんとしたのは、アダナ・プレス倶楽部には、その部門創設以前から AD バッカス松尾(ふつうはマッチャン)がいたために、あとから活版カレッジに登場した「松尾愛子」さんを「松尾 A 」と呼びならわしているためである。
DSCN0677 DSCN0680DSCN4360「松尾 A 」がこのように奮闘しているのに、 AD バッカス松尾はあたらしい勤務先の出版社が蓼科高原に農場を所有しているそうで、そこでジャガイモの収穫作業。
まぁこのへっぴり腰ですから、イベントロゴの製作と、はがきのデザインは担当してもらいましたが、印刷作業はハナから期待されていなかったようです。

つづいて登場したのは<活版カレッジ>花の一期生、日吉洋人さん、森田恭平さんのふたり。このふたり、伊達に一期生を誇るのではなく、印刷作業のはやいこと、はやいこと。しかも口八丁、手八丁で、ちょうどメガネの買い換えときだった日吉さんをからかいながら、また、久しぶりの出会いを楽しみながらの作業でした。
そして加久本さん、千星さんが登場し、作業速度はますますアップ。5,000枚のはがき印刷が酷暑のなかで完了しました。DSCN0696 DSCN0702 DSCN0703 DSCN0699 DSCN0727 DSCN0724 DSCN0730 DSCN0718
豪農の館_ロゴViva la 活版 Let’s 豪農の館
【 イベント名 】  Viva la 活版 Let’s 豪農の館
【 展示 期間 】  2015年10月10日[土]-12日[月・祝] 09:00-17:00
【 会       場 】  「北方文化博物館 豪農の館」 内 「吉ヶ平古民家」(登録有形文化財)
           新潟県新潟市江南区沢海 2丁目15-25
【 主       催 】  朗文堂  アダナ・プレス倶楽部
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越後平野を貫流するふたつの大河、信濃川と阿賀野川の水利にめぐまれ、会期のころには越後平野のあちことでは実りの秋をむかえているころです。
皆さまのご来場をお待ちしております。

《虚弱体質 !?  サラマンダー/ウパシロウ》
海外からの出展をふくめ、<Viva la 活版 Let’s 豪農の館>の作品が徐徐にあつまってきています。
アダナ・プレス倶楽部がなにかとあわただしくなっているそんなとき、相も変わらず悠然としているのがアダナ・プレス倶楽部のペット、「サラマンダー/ウパシロウ」です。

ところがウパシロウは意外と虚弱体質で、水替えには神経をつかいますし、もともとわき水のあたりに棲息していたサラマンダーは水温が25℃をこえるとお腹をうえにしてアップアップ。
密閉空間となるビルの一室、ふつう退勤時にはエアコンはきりますので、室外の気温が夜間でも30℃以上となることもめずらしくない昨今です。
昨夏は温度対策に失敗しましたので、ひときわ暑いことしは退勤後もエアコンを弱くいれたままにして水温対策。だいぶ大きくなり、えらも立派になりましたが、手間ひまがかかります。
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【新宿私塾】 新宿私塾第26期 最後の追い込みにはいりました。―― +次期公募状況のお知らせ

私塾26期順調新宿私塾では、タイポグラフィにおける 「 知 ・ 技 ・ 美 」 の三領域でバランスのよい学習をモットーとしています。 それはまた 「 知に溺れず、技を傲らず、美に耽らず 」 という、つよい自戒をともないます。
この半年のあいだ、塾生の皆さんがおおきな収穫が得られるように、講師陣はもとより、200名を優にこえた 「新宿私塾修了生」 の皆さんも、精一杯の努力と応援をしています。

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<新宿私塾>第26期は、桜花爛漫の春、04月07日に開講し、06月30日には折り返し点となる第13回講座を終了し、講座の後半部にはいりました。

<新宿私塾>は毎回全25講座が開講されますが、折り返し点をすぎて、塾生同士の交流もさかんで、休憩時間の塾生諸君は和気藹藹としていますし、閉講後ともなると、担当講師をつかまえて、終電ちかくになることもしばしばです。

09月開講予定の<新宿私塾>第27期には、すでに定員いっぱいの受講申込者となっているようです。これ以降のお申し込みは、<新宿私塾>28期へのご予約を条件として受けつけさせていただいております。

【 詳細 : 朗文堂 タイポグラフィ・スクール 新宿私塾

講座と講師紹介は、上から順に、鈴木 孝さん/永野有紀さん/櫻井優樹さん/杉下城司さん/有馬トモユキさん/西尾 彩さんです。 このうち三名は新宿私塾修了生です。
最下部は開塾以来の講師 : 山本太郎さん。
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DSCN0666 DSCN0668 DSCN0672《2015年08月18日 新宿私塾第26期21回目 最後の出張講座》
お盆のわずかな休暇明けの08月18日、渋谷区から港区南青山の新事務所に移転したばかりの「 イム ジョンホ Jeong-ho Im 」さんのアトリエ、株式会社マウント mount にでかけての出張講座。
高精細の大型ディスプレイをもちいての熱のこもった講座でしたが、講師のイムさんご自身も「新宿私塾第11期生」とあって、講座は真剣かつ和気藹藹としたものになりました。

新宿私塾第26期ものこすところあと4講座、一ヶ月ほどとなりました。「風立ちぬ」でしょうか、秋の涼風が立つのはうれしいのですが、この百日紅の花がおえるこの時期が、年ごとに寂寥感をおぼえるようになりました。
あと04回、講師・塾生いったいとなって有終の美をむかえるべく奮起いたします。
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《 09月02日 担当講師 : 山本太郎さん 》
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【展示会】 IGAS 2015 (アイガス 国際印刷機材展)開催迫る

IGAS2015_poster-3◯ イベント名称

IGAS 2015 (アイガス 国際総合印刷機材展)
International Graphic Arts Show 2015

◯ 開催趣旨
IGAS 2015は、最新の印刷 ・ 紙工 ・ デジタルグラフィックス関連の機材 ・ 技術 ・ サービスを一堂に会した国際総合印刷機材展です。
最新技術や様々なソリューションを提案するとともに、印刷産業の未来を展望できる場です。
また、人材の国際交流を図り、印刷産業および関連産業の活性化と興隆に貢献します。
◯ 主  催
印刷機材団体協議会 (Japan Graphic Arts Suppliers Committee: JGASC)

〒105-0011 東京都港区芝公園3-5-8 機械振興会館401-2号室
一般社団法人 日本印刷産業機械工業会 内
◯ 開催期間
2015年09月11日[金]-16日[水]
◯ 開場時間
10:00-17:00
◯ 会   場
東京ビッグサイト 東館

〒135-0063 東京都江東区有明3-11-1
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アジアのというより、いまやひろくアセアン地域の、二年に一回の印刷の祭典<IGAS 2015>の開催が迫ってきた。 朗文堂にも各国からの問い合わせが増えている。
アセアン地域の印刷の祭典<IGAS>にたいし、世界規模の印刷の祭典としては<drupa  ドルッパ>が知られる。こちらは四年ごとに、ドイツのデュッセルドルフ・メッセ会場で開催されている。

すなわち印刷のオリンピックが<drupa>とすれば、アジア大会に相当するのが<IGAS>ということになる。 前回の<drupa 2012>は、2012年05月03日-16日に開催され、出展者数は52ヵ国1,971社、来場者数は138ヵ国から39万1000人の多くを数えたそうである。

かつて<JANPS2007><IGAS 2007>の両イベントに、朗文堂 アダナ・プレス倶楽部も、 Adana-21J 開発のパートナーであった小池製作所の展示コーナーの一隅に出展した。
このときの来場者は<JANPS2007>20,295人、<IGAS 2007>130,164人と記録されている。
その小池製作所は2008年に閉鎖され、e テクノロジーも、IT メディアも、アッというまに新鮮さを失い、メディア融合時代の印刷機器は混迷を深めている。わが国の印刷関連機器製造企業ならびに印刷企業はおおきな変換期にさしかかっている。

すなわち<IGAS>は、1991(平成03)年の出展社375社、来場者229,000人をピークとして減衰をかさね、前回の<IGAS 2013>では、出展社229社、来場者31,237人というさびしい現状にある【 過去のJANPS 】【 IGAS  過去の開催結果 】。
かつては肩をならべていた<drupa 2012>での、出展者数52ヵ国1,971社、来場者数138ヵ国から39万1000人と比較すると、ずいぶん勢いを失った感がある。
これはパソコンや携帯型電話機などの軽便メディアばかりに関心が移行し、情報産業を根底からささえる、わが国のモノづくりの現場の衰退をあらわしているような気がしてならない。

こんな時代の印刷機器の国際見本市である。急速に変革が進む業界に勢いと弾みを与えるために、新トレンドや新テクノロジーに期待する向きもあるがおそらく期待はできないであろう。したがって外国からのゲストの一部は、小社が出展しないことに失望する向きもある。
もはや活版印刷を、レトロ趣味や滅びの美学で観望したり、ニッチ産業などとはみなさない産業人が、ひとりわが国にとどまらず、アジア諸国でも増えてきたということかもしれない。

すなわち、小型活版印刷機の再開発の開始から、まもなく10年を迎えようとしている小社がおどろくほど、多くの若い経営者による印刷業者が、「新技術、ハイテク」の追求だけでなく、いちど印刷術の原点、ものづくりの技芸者・工芸者の立場にたち帰り、あらたな出発のときを迎えるときだと考える向きが急速に増加している。
それが<活版ルネサンス>である。おもしろい現象といえるかもしれない。
まずは<IGAS 2015 >の成功を祈りたい。
【 詳細情報 :  IGAS 2015 公式ホームページ

【会員情報】 ストリングラフィ・アンサンブル2015 繭の色の演奏会+新塾餘談

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◯ 日   時 : 2015年08月29日[土] 15:00/18:30(二回公演 終了しました)
◯ 会   場 : 全労済ホール/スペース・ゼロ

◯ 出   演 : 水嶋一江/篠原もとこ/KIKU/鈴木モモ/蓮見郁子
◯ 音   楽 : 水嶋一江
◯ 衣   装 : 仲村祐妃子
◯ 料   金 : 大人2,500円

◆「Stringraphy――ストリングラフィ」とは
1992年、作曲家の水嶋一江によって考案されたオリジナル楽器と、その演奏スタイルの総称であり、水嶋によってネーミングされました。
この楽器は、絹糸をもちいた糸電話の原理を応用しており、絹糸の両端に紙コップを取りつけたとてもシンプルなものです。

演奏者が手で擦ったり、はじいたりして音を出し、演奏をおこないます。
ピンと張られた絹糸は、一本ずつドレミファソラシドに調弦されています。一セット15-22本で、ソプラノ、アルト、ベースの三セットが基本となります。

基本的に長調の音階にチューニングされていますが、曲によってはこのセットに半音階の「Stringraphy」がプラスされることもあります。糸の長さは一番短いもので約1 m、長いものは 約13 m もあります。
会場本体を巨大な弦楽器のようにセッティングすることもあり、その場合、観客はその楽器の内部で演奏を聴くことになります。
◯ 写真撮影 : 田村   収 ―― この情報は、会員:森 郁男さんから頂戴しました。

【 水嶋一江 プロフィール 】
1964年東京生まれ。桐朋学園大学作曲科卒業。1992年カリフォルニア大学作曲科修士課程修了。帰国後はアコースティックな数多くの実験的現代音楽の作品を発表。
1992年にオリジナル楽器『ストリングラフィ』を考案、八重樫みどりと共にスタジオ・イヴを結成。以来、『ストリングラフィ』を軸とした舞台作品を制作する。1996年から『ストリングラフィ』アンサンブルを結成し、複数の奏者による演奏活動精力的におこなっている。
【 公演詳細情報 : ストリングラフィ
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新 塾 餘 談

ふしぎな音色だった。楽器にあたるものは、ほんとうに絹糸と紙カップだけで、さまざまな演奏をたのしむことができた。
絹糸をこすれば弦楽器のように響き、はじくと打楽器のようになって変幻自在に音色は変化した。ステージの楽器だけでなく、客席にまでのびた絹糸が鳴りひびくと、まるでおおきな繭玉につつまれているような幻覚にとらわれるからおもしろかった。
夏のゆうべ、不可思議なコンサートをたのしんだ。

DSCN1120 DSCN1113 DSCN1121このコンサートは、ふるい友人の森郁男さんから情報をいただき、夜の部の公演にかけつけた。会場のどこかに森郁男さんがいるのではとおもって探したが、見あたらなかった。
ところで森さんは、若くしてデビューした詩人であった。そして80年代のどこかでバイク事故に遭遇し、いっときは生命の危険すらあったひとである。

その詩は、みずからことばを紡ぎだし、そのことばを、縦横に、大胆にコンポジションする作風で、一世を風靡した。すなわち「構成詩」であった。そのことばは、ひとのことばではなく、あくまでみずから紡ぎだしたことばによる「構成詩」であった。
ところで、森郁男さん ―― でパソコン上で検索してみた。まったくヒットしなかった。
そういえば森さんは、電子メールも、ケイタイ電話もつかわれていないようである。
いまはただ、わが国には森郁男という、すごい詩人がいる ―― ということにしておこう。

【会員情報】 ぢゃむ 杉本昭生さん、ブログ<活版小本>に新作発表

活版小本

京都の吉田山のほとり、ちいさな活版印刷機で小型本の製作をつづけておられる
ぢゃむ 杉本昭生さんは、製作のピッチも順調ですし、そのブログ<活版小本 コホン>
意欲的な更新が継続しています。

とても瀟洒で、すっきりとした画面構成ですし、テキストも丁寧に書きこまれています。
皆さまのご愛読と、ブログへのご訪問をおすすめいたします。       やつがれ wrote

ブログ<活版小本 コホン>のアドレスはこちらです。
杉 本   昭 生
【 ぢゃむ 杉本昭生  活版小本 http://kappan-kohon.blogspot.jp/ 】
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芥川龍之介 『 蜜 柑 』

今回の小型本は、芥川龍之介の『蜜柑』です。
自分には聞き慣れた歌のように頭のどこかにずっと残っている作品です。
それをいまさら、という気がしないでもありませんが
今回はまず題字に中村不折の文字を使うことを決めていたので
それに似合った作品として芥川龍之介の『蜜柑』を選びました。

同じ作るなら、芥川の本の装幀をしていた小穴隆一の感性に近づきたいと思って
いましたが、やはり無理でした。
内容についてはご存知の方も多いので説明は省きます。
もし本棚に文庫本でもあれば、久しぶりに読んでみてはいかがですか。

【既刊書再紹介】 戸叶勝也先生、朗文堂刊『ヨーロッパの出版文化史』に続き、朝文社『カール・マイ冒険物語』全12巻第7巻を刊行

ヨーロッパの出版文化史

戸叶勝也 著
B5判 上製本 208ページ 図版多数
定 価 本体4700円 + 税
ISBN4-947613-77-7 C1022

【 詳細情報 : 朗文堂ブックコスミイク    同書目次PDF  】

戸叶先生著 者 : 戸 叶  勝 也 氏

筆者が特に力を入れて叙述した事柄について  著者「あとがき」より 

★ 筆写本の時代と同様に 活字版印刷の時代になっても書体が重視され続けたこと。
★ 活字版印刷術の発明に関する事柄を グーテンベルクの生涯とともに詳述したこと。
★ 新技術の印刷術が ヨーロッパ諸地域に伝播した様子と、代表的な初期印刷者の素描。
★ ルネサンス人文主義と 出版業との密接なつながり。
★ 宗教改革と 印刷物の普及。
★ ヨーロッパ各国語の形成にはたした印刷術の役割。
★ カトリック ・ ルネサンスと出版業の関係。
★ 印刷術と書籍の普及にはたした 書籍見本市のおおきな役割。
★ 17世紀におけるオランダの出版業の発展。
 
【 著 者 紹 介 】
 戸 叶  勝 也 ( とかの  かつや )
1938年  東京都にうまれる
1961年  東京大学文学部西洋史学科卒業
        NHK教育局、国際局(この間ドイツ海外放送勤務)を経て
       現在日本大学経済学部教授。専攻/ドイツ近現代史
 主要著書
『 ドイツ出版の社会史 ~グーテンベルクから現代まで~ 』 ( 三修社 1992年 )
『 レクラム百科文庫 ~ ドイツ近代文化史の一側面 ~ 』 ( 朝文社 1995年 )
『 人と思想 ~ グーテンベルク~ 』 ( 清水書院 1997年 )
『 ハプスブルク家のオーストリア 』 ( 共著  講談社 1982年 )
『 ドイツ啓蒙主義の巨人  フリ-ドリヒ ・ ニコライ 』 ( 朝文社 2001年 )
『 ヨーロッパの出版文化史 』 ( 朗文堂 2004年 )
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現在戸叶勝也氏は、ドイツで百年以上にわたって読み継がれている大作、
『 カール ・ マイ冒険物語 』 全12巻の執筆中です。
このたび『カールマイ冒険物語』第7巻「ブルガリア南部にて」を朝文社より刊行されました。
小社刊行書 『 ヨーロッパの出版文化史 』 とあわせて、ご愛読をお勧めいたします。

20150821162829278_0001発行所 : 朝 文 社
113-0033 東京都文京区本郷3-15-6 秋田ビル
電   話 : 03-3814-5072
メール ・ アドレス :info@chobunsha.co.jp
【 詳細情報 : 朝文社ホームページ

【長崎会員からの情報】 荷札から活版印刷へ ー 東彼杵町歴史民俗資料館

20150817133003887_0001 20150817133003887_0002 【フライヤー PDF  20150817133134564 2.19MB 】

荷札から 活版印刷へ

会  場 : 東彼杵町歴史民俗資料館
主  催 : 東彼杵町教育委員会
長崎県東彼杵郡東彼杵町彼杵宿郷430-5
TEL. 0957-46-1632

協  力 : 佐藤昇一(元 九州荷札印刷株式会社 工場長)
休館日 : 火曜日
入場料 : 無   料
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長崎県東彼杵郡に属する、東彼杵町(ひがし そのぎ ちょう)は、長崎県東部の大村湾に面した町です。この東彼杵町にもアダナ・プレス倶楽部のたいせつな有力会員がいらっしゃいます。
この町で1922年(大正11)に創業された九州荷札印刷株式会社の印刷関連機器を中心に展開するイベント、<荷札から 活版印刷へ>に際し、情報のご提供とフライヤーを若干お送りいただきました。
お近くの方、あるいは世界遺産登録で賑わう長崎旅行をご計画のかたは、ぜひご参観ください。
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<長崎県印刷会館(長崎市出島町10-13)の外観と資料保管室 撮影:2015年05月>
DSCN9325 DSCN9472 20150706212009623_0002 20150817203331502_0001【 『ハンドプレス・手引き印刷機』 PDF  handprss  3MB 】

観光名所、長崎出島のすぐちかく、長崎県印刷会館(長崎市出島町10-13)にも、九州荷札印刷株式会社から譲渡された印刷機器がいくつか保管されています。
なかでも貴重な資料は「アルビオン型手引き活版印刷機」二台です。
その紹介が 『  ハンドプレス・手引き印刷機 』 (板倉雅宣、2011年09月15日、朗文堂、p.58, 59)にありますのでご紹介しましょう。

同書(七)に紹介されたアルビオン型手引き式活版印刷機は、大阪/片田鉄工所製造による明治中期のものと推定される国産機で、上掲写真では右側の機械です。


同書(八)に紹介されたアルビオン型手引き式活版印刷機は、両脇の鳥居型主柱の天板の片面左側に「TYPE FOUNDRY TOKYO 」、右側に「TRADE MARK,  JAPAN」とあり、俗に「◯も に H」とされる東京築地活版製造所の名称と商標があります。
さらに同機において特徴的なのは、天板の反対面には、左側に「TYPE FOUNDRY OSAKA 」、右側に「TRADE MARK,  JAPAN」とあり、俗に「旭日に ◯も」とされる大阪活版製造所の名称と商標があります。
明治中期のものと推定される国産機で、上掲写真では左側の機械です。

東京築地活版製造所は平野富二を初代とする企業であり、大阪活版製造所は大阪財界の雄、五代友厚の懇請をうけ、本木昌造、谷口黙次らが開設した活版製造所であり、いずれも長崎を出自とする、いわば兄弟企業ともいえた存在でした。
こうした貴重な印刷機が東彼杵町にあったということになります。

【クレマチスの丘 ヴァンジ彫刻庭園美術館】 クリスティアーネ・レーア 宙を つつむ

              Christiane Löhr
                  encircling the orbit
クリスティアーネ・レーア  宙を つつむ 

《Little Agglomeration》2015,  Photo : Serge Domingie, © Christiane Löhr

クリスティアーネ・レーア 宙をつつむ
Christiane Löhr : encircling the orbit
会       期 : 2015年4月5日[日]-  8月31日[月]
主       催 : ヴァンジ彫刻庭園美術館
協       力 : タグチファインアート
開館時間 : 10:00-18:00 (入館は閉館の30分前まで)
休  館  日 : 水曜日(祝日の場合は翌日休・4/30は開館)
入  館  料 : 大人1,200円/高・大学生800円/小・中学生500円(400円)
問合わせ : ヴァンジ彫刻庭園美術館  Tel. 055-989-8787

自然から素材を採取し、「空間に生成されるかたち」を探求する作家 クリスティアーネ・レーア
【展覧会概要】
ドイツとイタリアで活躍するクリスティアーネ・レーアの、国内の美術館では初となる展覧会を開催いたします。
レーアは自然から採取してきたタンポポやアザミなど、身近な植物の茎や種子、また馬の毛を素材にし、その特性を活かしたかたちを作りあげていきます。
はかなく細やかな生命の欠片たちが、作家の手作業によって一つ一つ丁寧に組み合わせられた作品は、その小ささの中に普遍的な美しさを感じとることができます。
「空間に生成されるかたち」という彫刻だけでなく平面の作品にも共通するレーアの主要な問題から、かたちは素材の内的な構造に従いながら作られていき、とても軽やかで繊細でありながらも、建築物のような確かな安定を備えています。
作家の身体性と精神が深く根ざしたそれらの作品に対峙するとき、私たちは世界がもつ豊かさに気づくことでしょう。

 本展では、美術館の開放的な空間に広がる彫刻とドローイング作品がご覧いただけます。人と自然、そして環境や物質との関係が問題となり1960年代に起こったアルテ・ポーヴェラやミニマル・アートに影響を受け、幼少期の体験から慣れ親しんだ自然の中に作品の萌芽を見つめるクリスティアーネ・レーア。自然との直接の触れあいから生み出されてきた数々の作品によって、現代に生きる私たちと世界のつながりが、今あらためて問いかけられます。

 【作家紹介】
クリスティアーネ・レーア Christiane Löhr
1965年ドイツ ヴィースバーデン生まれ。
ボン大学でエジプト考古学や歴史学、マインツ大学で芸術教育学などを学んだ後、デュッセルドルフ美術アカデミー ヤニス・クネリス教室修了。美術アカデミー在学中から植物や馬の毛を用いた作品を作り始め、注目を集める。

 現在、ケルン(ドイツ)とプラート(イタリア)を拠点に活動。ミラノ近郊のパンザ・ヴィラ・アンド・コレクションでの個展をはじめ、世界各地で展覧会を開催。主なパブリックコレクションにヴァンジ彫刻庭園美術館(静岡)、ボン市立美術館(ドイツ)、パンザ・コレクション(イタリア)ほか多数。

【 企画詳細 : ヴァンジ彫刻庭園美術館 企画展

残暑お見舞い & 新塾餘談 おもかげのはし

2015残暑見舞い
《 新 宿 餘 談 》

七重八重 花は咲けども 山吹の 実の一つだに なきぞ悲しき

新宿区神田川に架かる「 面影橋 」ちかくの空き地に咲いていた、名もしらぬ野艸。
このあたりは、江戸千代田城の築造者とされる 太田道灌 の逸話にちなむ「山吹の里」とされ、江戸時代・明治時代には名所のひとつであったという。
いまは周辺に山吹はみあたらないが、橋のたもとにそれをつたえる記念碑がひっそりとたたずむ。 つよい陽射しをさけ、たそかれときにフラリとでかけので、あたりはほのくらく、写真も鮮明ではないが、「おもかげのはし/俤の橋/姿見の橋」とされる、ちいさな橋を紹介したい。DSCN0022 DSCN0034 DSCN0041 DSCN0030 DSCN0046 DSCN0049 DSCN0052いまではなんの風情もないコンクリートの橋ではあるが、神田川にかかるこの橋は、歌人:在原業平がきよらかな水面にその姿をうつしたことから「姿見の橋」とも、あるいは徳川三代将軍家光がこのあたりで鷹狩りの鷹をみつけて「姿見の橋」と名づけたともされる。
「おもかげのはし/俤の橋」の名は、和田於戸姫なるものが、かずかずの悲劇をなげいて、この水面に身をなげうったときの和歌から名づけられたとする。

いずれにしても、漢字だけの「面影橋」よりも、どれもが風情のある名前ではある。
その「おもかげのはし」のたもとに水稲荷神社があり、そこのおおきなマンションに友人が事務所を開設していた。その友人「松本八郎」が逝って、はやいものでまもなく一年になろうとしている。夏のたそかれとき、「おもかげのはし」をたずね、クレマチスの真っ白な花弁を見ながら、勝手に先に逝った友人を偲んだ。

【会員情報】 恒例 ペンギンパレード2015 日本橋髙島屋で開催

20150804184451316_0001 20150804184451316_0002レッツ ・ ラーン ・ スタジオ/出原 速夫さんとのおつきあいは、かなりの期間になりますが、ともかくペンギンがお好き。ペンギンのことになると、夢中です。
そのいっぽう、出原さんは飄飄と<ターシャ・テューダー展>のADをつとめたりもします。おもしろいかたです。
お盆の時期のイベントです。残暑をさけて髙島屋におでかけになりませんか。

【 詳細情報 : 出原速夫   facebook 】 

【東京都庭園美術館】 東京都庭園美術館/建築をみる2015 + ART DECO COLLECTORS

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アール・デコの邸宅美術館
 建築をみる2015 + ART DECO COLLECTORS

会    期 : 2015年7月18日[土]-9月23日[水・祝]
会    場 : 東京都庭園美術館 (本館 ・ 新館)
休  館  日 : 第2 ・ 第4水曜日 <ただし9月23日[水・祝]は開館>
開館時間 : 10:00–18:00(入館は閉館の30分前まで)
*ただし毎週金曜日は夜間開館のため21:00まで
観  覧 料 : 一般:800円、大学生(専修・各種専門学校含む):640円、中・高校生・65歳以上:400円
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東京都庭園美術館では建物公開事業の一環として「アール・デコの邸宅美術館」展を開催いたします。本展は旧朝香宮邸そのものを鑑賞する「建築をみる2015」とコレクターたちが収集したアール・デコの名品による「ART DECO COLLECTORS ―― アール・デコ・コレクターズ」の2つの企画によって構成されています。

当館は、1933年に竣工したアール・デコ様式の建築を活用し、美術館として現在にいたります。その造形的な美しさは国内外の専門家から高い評価を受けており、このたび国の重要文化財の答申が出されました。
「建築をみる2015」では、当館所蔵のオリジナルの家具や調度品等を用いて、本来の邸宅としての空間の再現を試みます。
また、同時開催の「ART DECO COLLECTORS」では、アール・デコに魅せられた国内個人コレクターたちに焦点を当て、ポスター、ポショワール、ガラス、銀器、彫刻、家具等多分野に渡る特徴あるコレクションをご紹介いたします。

 本展は、当館の建築とアール・デコに対する理解を深め、旧朝香宮邸を後世へとつないでいく一助となることを期待するものです。[東京都庭園美術館サイトより]

<旧朝香宮邸の重要文化財指定について>
2015年5月15日[金]に開催された文化審議会文化財分科会の答申により、旧朝香宮邸は重要文化財(建造物)に指定されることとなりました。
この建物は、朝香宮家の本邸として1933年に竣工した建築であり、戦後は外相公邸や、迎賓館として使用され、1983年に美術館として公開され現在にいたっています。竣工から80余年が経った今も大きな改変が加えられることなく当時の姿を保っており、宮内省内匠寮による邸宅建築の頂点のひとつとして意匠的に優れている点などが高く評価されました。

 〇重要文化財 指定部分
 旧朝香宮邸 四棟一基 本館、茶室、倉庫、自動車庫、正門、土地

【 詳細情報 : 東京都庭園美術館 アール・デコの邸宅美術館 建築をみる2015 + ART DECO COLLECTORS

【岡山県立美術館】 微笑みに込められた祈り  円空・木喰展

円空・木喰展バナー
展示物写真1展示物写真2

岡山県立美術館-微笑みに込められた祈り
円空・木喰展

◯ 会   期
2015年7月17日[金]-8月23日[日]
◯ 開館時間

9 時から17時(入館は閉館の30分前まで)
◯ 休  館 日

8月3日[月]、10日[月]、17日[月]
◯ 観  覧 料

一般 : 1,200円、65歳以上 :  1,000円*、高校・大学生 : 700円*、小中学生 : 400円*
*年齢が証明できるものをご提示ください。
◯ 会   場

岡山県立美術館 地下 1F 展示室
◯ 主   催

岡山県立美術館、山陽新聞社、テレビせとうち
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円空(1632-95)は、江戸時代のはじめの寛永9(1632)年に美濃国(岐阜県)に生まれました。

生涯で12万体彫るとの誓願を立てた円空は、32歳で像を彫りはじめてから、元禄8(1695)年に64歳で亡くなるまでの30年余りの間に、全国各地を旅しながら膨大な数の神像や仏像を残しました。
一般的に「円空仏」と呼ばれるそれらの像は、木の形や質感といった素材の魅力が最大限いかされ、鉈(なた)や鑿(のみ)の跡が荒々しく残る力強く鋭いもので、これまでにおよそ5400体が確認されています。

いっぽう木喰(1718-1810)は、享保3(1718)年に甲斐国(山梨県)に生まれ、22歳で得度して仏門に入った後、穀物を断ち木の実や草のみを食べる木食戒の修業を積み、56歳で日本廻国の旅に出ました。
61歳ではじめて像を彫って以来、80歳で一千体、90歳で二千体造像の誓願を立て、文化7(1810)年に93歳でその生涯を閉じるまで彫り続けました。
 「微笑仏」と呼ばれる柔らかな笑みを湛えた丸みのある木喰の神仏像は、これまでに720体余りが確認されています。

本展覧会では、新発見・初公開を含む、円空と木喰の木彫像や関連資料およそ270点を展示することで、祈りを込めて彫り続けた二人の生きざまを紹介し、微笑みを湛えた個性的な円空像・木喰像の魅力に迫ります。[岡山県立美術館サイトより]

【 詳細情報 : 岡山県立美術館 特別展