月別アーカイブ: 2013年2月

【展覧会】金閣・銀閣の寺宝展 雪舟、東伯、宗達、そして若冲ー正調明朝体 金陵をご使用いただきました。


現在福岡県久留米市の、石橋美術館(第一会場)と、有馬美術館(第二会場)では、京都の寺院、大本山相国寺・鹿苑寺(金閣)・慈照寺(銀閣)・大光明寺の所蔵品による展覧会を開催中です。

この展覧会には相国寺のコレクションを代表する伊藤若冲の絵画「釈迦三尊像」をはじめ、室町時代から江戸時代の日本絵画を代表する、雪舟、狩野派、長谷川東伯、俵屋宗達、円山応挙といった巨匠の絵画が展示されています。

展示は、会期を2013年1月12日-3月10日として、二部、二館にわかれて開催されています。
【絵  画】
第一部 「色彩の魔術師 若冲」(2013年1月12日-2月8日)
第二部 「日本美術の立役者 集結」(2013年2月9日-3月10日)
【工芸品】
第一部・第二部共通 「悠久の美 器を愛でる」

★ 特別展 金閣・銀閣の寺宝展 雪舟、等伯、宗達、そして若冲

石橋美術館
839-0862  福岡県久留米市野中町1015(石橋文化センター内)
Telephone 0942-39-1131  Facsimile 0942-39-3134

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【特別展 金閣・銀閣の寺宝展 雪舟、等伯、宗達、そして若冲】の、ポスター、フライヤー、展示解説などには、「正調明朝体 金陵」をご使用いただきました。

★  作品目録(PDF データー。少し読み込みに時間がかかります)

『南齋書  一』大明南京国子監「正調明朝体 金陵」の参考資料となった、木版刊本『南斉書』

まだ四角四面が好きですか?

 「正調明朝体」とはすこしおおげさな名前かもしれません。このあたらしい書体はべつに古拙感を演出した筆写体でも、奇をてらった装飾体でもありません。
正調明朝体「金陵」は中国・南京の雅称から名づけられ、その金陵にあった大明南京国子監刊行の木版刊本『南斉書』にみられる端正な明朝体字様を現代に再生したものです。

明王朝(1368-1644)は、漢民族の朱元璋・太祖が蒙古族の元王朝をたおして南京に建朝しましたが、4代目の皇帝・成祖のときから都を北京に移しました。
また国子監とはもともとは隋王朝のころに設立された大学のことですが、明王朝になってからは中央官僚を養成する大学の機能とともに、国家によるすべての学問を統括する中央官庁となりました。
都が北方の北京に移転してからも、王朝による出版活動は「南監本」とされて、南京を中心に展開されました。その明王朝によるもっとも典型的な官刊本、すなわち正調明朝体字様がうかがえる書物のひとつが『南斉書』といってよいでしょう。

「現代明朝体」には、近代化の名のもとに、機械メスや電子メスが自在にはいって直線化がすすみ、水平線と垂直線ばかりが目立って、すっかり四角四面の硬直した活字書体になってしまいました。
そんな「現代明朝体」から人間味をとりもどしたいあなたに、あるいは奇形や媚態をみせるデザイン書体にはすでに飽いたとおっしゃるあなたのために、明朝体の端正にして、もっとも原型にちかい木版字様を復刻した、正調明朝体「金陵」をおすすめします。
「金陵」には伝統のたかみにある和字書体(ひら仮名とカタ仮名)3書体が標準でセットされており、用途に応じた選択ができます。

【詳細 : 正調明朝体 金陵 Combination 3】

新宿私塾 第22期生募集終了

新宿私塾 第22期生募集は定員に達しましたので
募集を締め切りました。
お申し込みありがとうございました。

新宿私塾第23期生(2013年9月開講予定)は
本年7月中旬頃に募集の予定です。
入塾相談・ご見学・入塾予約などは随時受け付けております。
ご遠慮なくご相談ください。

http://robundo.com/shinjuku-shijuku/index.html

新宿私塾 第22期生募集開始

「新宿私塾」はタイポグラフィの知・技・美の領域をバランス良くまなぶための、少数先鋭によるちいさな教育機関です。
書物と活字づくり、すなわち「タイポグラフィ」の550年におよぶ魅力的な歴史をまなび、本格的なタイポグラフィの教育と演習を通じて、あたらしい時代の要請に柔軟に対処する能力を身につけた、タイポグラフィの前衛を養成します。
「新宿私塾」は設立から11年の歴史を有し、現在は第21期生が意欲的な学習を続けています。
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今回募集する第22期生は、
2013年4月2日―9月までの、半年間、24回の講座を予定しております。
基本的に毎週火曜日、午後6時30分-9時40分が講座開設日時です。
また24回の講座のうち、土曜日に設定される、フィールドワーク、特別講座が数回予定されています。

新宿私塾は少数先鋭をモットーとし、現役の第一線の造形者による講師陣と塾生が、また塾生同士がたがいに切磋琢磨しながら向上をめざす私塾であり、定員は最大10名で、お申し込み先着順に受付させていただきます。

講義内容、スケジュールなどの詳細は現在調整中ですが、講義内容は現在開講中の第21期とほぼ同様となります。新宿私塾のウェブでご覧いただけます。
http://robundo.com/shinjuku-shijuku/

受講料30万円のうち、申込金3万円を指定口座に振り込んでいただき受付終了となります。
残金の27万円は、開講日(2013年3月末日)までに指定口座に振り込んでいただきます。なお申込金3万円は、お支払い後のキャンセルの場合も返還はできません。
また、ご事情があり分割支払いをご希望の方は担当の鈴木までご相談ください。

振込先:みずほ銀行  新宿中央支店
普通1319675 株式会社 朗文堂(ロウブンドウ)

先ずはメールにて入塾の有無をご連絡ください。
件名/新宿私塾22期申し込み
お名前、住所、電話(携帯可)そして簡単な略歴を必ずお書きください。講義の際に参考とさせていただきます(この情報は新宿私塾だけでの限定といたします)。
受信後、返信をさせていただきます。
より詳しく新宿私塾に関して知りたいというかたは電話連絡をしてください。担当の鈴木か片塩が対応させていただきます。
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株式会社 朗  文  堂
鈴木 孝
160-0022 東京都新宿区新宿2-4-9
電  話 03-3352-5070
Telefax 03-3352-5160
@ mail  robundo@ops.dti.ne.jp
http://www.ops.dti.ne.jp/~robundo/
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新宿私塾 製本講座 +新年懇親会;咸亨酒店 !?

新宿私塾第21期 第19回講座
2013年2月6日[土]
特別演習 製本術入門
特別講師:西尾 彩 さん
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2月初旬というのに、穏やかでぬくもりのある日射しの日でした。
土曜日、新宿私塾 特別演習、きょうはすこし長丁場になります。
午後1時、みなさん遅刻無く集合。
新宿私塾 第1期から担当していただいている
西尾彩さんによる特別演習「製本術入門」。



中央で立っているかたが講師の西尾 彩さん。
新宿私塾はタイポグラフィを中核として、造形・形成に関する多彩な
講座を設けています。通常は2コマ、都合3時間の夜間講座ですが
フィールドワークや、ここに紹介する4時間にわたる特別講座もあります。
「製本術入門」は、講師の西尾  彩さんの指導をうけながら
本格的手づくり洋式製本を体験する講座です。

 西尾さんは通算4年余におよぶ英国留学のあいだ、その居を
19世紀世紀末 アーツ&クラフツ運動の発信地のひとつ
ロンドンのテムズ河畔のハマースミス通りにおかれていました。
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講座が進行するのにつれ、西洋製本術の基本とは
16世紀ドイツの書物、いわゆる『西洋職人づくし』、
『Eygentliche Beschreibung aller Ständeauff Erden』
(詩:ハンス・ザックス、木版画:ヨースト・アマン、フランクフルト、1568年)
に描かれた製本士とも、19世紀世紀末、英国アーツ&クラフツ運動の
造形家とも通底する、身体性をともなった造形であることに気づかされます。
そして、そのおもしろさに次第に惹かれていきます。
特別演習は全員が製作を完了して、夕方5時半に終了。


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ところで塾生諸君、演習でのここちよい達成感が醒めぬまま、
「新年懇親会」と称して、夕暮れの街に、連れ立ってきえていきました。
行き先は朗文堂Websiteでも再再紹介している、神田神保町「咸亨酒店」。
「酒店」とはいいながら、本物の「中国料理店」です。
「咸亨酒店」の紹興酒と、名物のおかゆ料理に、みなさん満足のようす。
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新宿私塾第21期もいよいよ後半戦。各講座はいっそう熱を帯びてきました。
そして塾生同期生だけでなく、期を越えたあたらしいタイポグラフィの仲間も
次第にふえて、皆さんの顔つきも入塾直後とはだいぶ変わって、
タイポグラファらしい顔立ちにかわってきました。
下に紹介する写真、1枚目はお店の従業員さんに撮影していただいたもの。
おおきな鉢は名物おかゆです。少少ピンボケはご容赦を。

【東京国立博物館】書聖王羲之 特別展の紹介


《きさらぎの月、2月に入りました。皆さまお元気ですか》
カラタチが寒風の中で、けなげに深紅の花をつけています。プロ野球もいよいよキャンプ・イン。そして南国からは、早くも梅だよりがチラホラ寄せられています。
皆さまお元気でご活躍のこととお喜びもうしあげます。

2013年01月22日-03月03日、東京国立博物館 平成館で、『書聖王羲之 特別展』が開催されています。
さっそく01月26日[土]にでかけました。とても寒い日だったのですが、館内は「王羲之ファン」でいっぱいでした。早めのご観覧をお勧めいたします。



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東京国立博物館『書聖王羲之 特別展』には、朗文堂ともしたしくおつき合いさせていただいている  台東区立書道博物館 の所蔵品がたくさん展示されていました。同館はまた、国立博物館と呼応するかたちで、
『中村不折コレクションから ── 不折が学んだ書聖 王羲之 企画展』(2012年12月07 日-2013年03月03日)を開催しています。時間の許すかたは、ぜひとも台東区立書道博物館にも足をお運びください。
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東京国立博物館では、ことし夏の企画展のフライヤーを配布しています。
『特別展  和様の書』(2013年07月13日-09月08日)。
同展には国宝をふくむ、わが国の名筆がたくさん展示されるようです。これも楽しみな企画展です。
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ただしこの時期、7月中旬には、小社アダナ・プレス倶楽部も、あたらしい、相当大胆なイベントを企画しています。
国立博物館とちがって、まだ詳細をつめるにいたっていませんので公示はしていませんが、あたらしい飛躍の地をもとめて、北海道にでかけて、その地のタイポグラファとの熱い交流ができたらと、鋭意企画が進行中です。
もうしばらくの時間をいただきます。



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昨2012年に、2度にわたって王羲之にちなむ蘭亭のまち、そして王羲之が晩年を過ごしたまち、中国・紹興にいきました。その詳細な報告は時間がかかりそうですが、
★  新・文字百景*004  顔 真卿生誕1300年+王羲之
★  朗文堂-好日録024  禹王、王羲之、魯迅、孔乙己、咸亨酒店、茴香豆、臭豆腐
の、それぞれ後半部に、王羲之紹介を断片的に記述してきました。
そして、これまでは王羲之と顔真卿とを比較しながら紹介しようと苦吟していましたが、やはり、まずはステレオタイプといわれても王羲之を通過しないと……、と覚悟をきめて、

 と題して、タイポグラフィ・ブログロール『花筏』に近近まとめる予定です。こちらはご笑覧たまわれば、ということで……。