月別アーカイブ: 2015年1月

【講演会の報告】 日本女子大学VOD講座 教養特別講座 2  タイポグラフィに関わる仕事と私事-活版ルネサンスと造形活動- 大石 薫

日本女子大学_講義 1日本女子大学生涯学習センター
日本女子大学VOD講座 教養特別講義 2
大石01

 ◯ タイトル
   タイポグラフィに関わる仕事と私事
    ~活版ルネサンスと造形活動~
◯ 講  師
   朗文堂 アダナ ・ プレス倶楽部  大 石  薫
◯ 実施日
2014年12月04日[木]、11日[木]

 


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アダナ ・ プレス倶楽部 : 大石 薫が、日本女子大学(東京都文京区)にお招きいただき、現役大学生を対象に、各回とも90分、500名ずつ、二回にわたる講演を実施しました。
その動画による全記録が、<日本女子大学生涯学習センター 日本女子大学VOD講座 教養特別講義 2 > に掲載されました。

この動画コーナーは、同大学生のみなさんと、卒業生などの校友を対象としたもので、一般の閲覧にはログインが必要ですが、さほど面倒な手続きではなくて登録できます。
大石本人は、テレているのか紹介に積極的ではありませんが、同大学ではこうした講演内容を、充実した講演記録として、シリーズ化した冊子での刊行もおこなっており、この冊子型の講演記録も間もなく完成のようです。
成瀬記念講堂
講演会場となった 「 成瀬記念講堂 」 は、日本女子大学創立者 ・ 初代学長/成瀬仁一氏を記念する建物で、アール ・ デコ の建築様式なのでしょうか……、 風格のある、おおきな会場だったようです。
このひろい会場に、二階席までいっっぱいの女子大生が勢揃いするとなると……、チトおそろしくもなります。  ですから今回は大石がひとりで Salama-21A をかかえて会場に乗りこみ、小社社員はほかのたれも会場をみておりません。

また情報管理に配慮して、会場に学生がいっぱいの写真は控えさせていただきますが、以下の簡便な写真から、会場のふんいきだけでもご覧いただき、ご関心のあるかたは、ログインして、<日本女子大学生涯学習センター 日本女子大学VOD講座 教養特別講義 2 >をご笑覧ください
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【お知らせ】 進藤洋子さん 三冊目の作品集が完成しました。

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profile[1]
<新書道>を標榜し、<デザイン室 墨のかおり>を主宰されている

進藤洋子さんの三冊目の作品集、『進藤洋子作品集』が完成披露されました。

《 目 次 》 より
進藤洋子のプロフィール/ご挨拶
心象の花文字 ・ 彩花/川のほとり/日本の四季/墨象の花/墨象の四季/
詩のカレンダー/花あそび/ロゴタイプ

進藤洋子作品集
2015年01月15日 発行
発行者   進藤洋子作品集編集委員会
代   表  進藤洋子
デザイン ・ 制作  吉田佳広
頒価   2,000円 税別
お問い合わせ
sumiiro@kde.biglobe.ne.jp

【 詳細情報 : 新書道 進藤洋子のカリグラフィ

【朗文堂 ブックコスミイク】 ドイツ国立図書館が Helmut Schmid 『 japan japanese 』を収蔵。

ジャケット書 名    japan japanese
著 者    ヘルムート ・ シュミット
装 本         250 × 255 mm 上製本 108ページ
独 ・ 英 ・ 日本語表記
発 売          2012年4月
定 価          本体 3,619円 + 税
ISBN978-4-947613-83-7
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ヘルムート ・ シュミット著 『 japan japanese 』 は、発売開始後の講演会、展覧会などをつうじて、順調な販売が継続しております。

また、ここのところの通貨、円安傾向などがあって、国外諸国からの引き合いも増加しております。 円安や円高と国外図書販売の成果などは無関係だとおもっていると、意外な落とし穴が待ちかまえています。

今回の報告は、『 japan japanese 』 が、ドイツ国立図書館の蔵書になったことのご報告となりました。
ドイツ国立図書館 ( Deutsche Nationalbibliothek ) は、分断されていた東西ドイツの再統一後に、ドイツの国立図書館の機能を果たすために統合された、以下の03館の統一名称で、略称はDNBです。

  1. 旧東ドイツ時代の国立図書館を継承したライプツィヒ館 ( 旧 Deutsche Bücherei 、1912年創立。 蔵書数およそ1,300万点 )
  2. 旧西ドイツ時代の国立図書館を継承したフランクフルト ・ アム ・ マイン館 ( 旧 Deutsche Bibliothek 、1947年創立。 蔵書数およそ800万点 )
  3. 音楽資料のベルリン館 ( Deutsches Musikarchiv、蔵書数およそ100万点 )

ドイツ国立図書館がわが国の国立国会図書館とおおきく異なるのは、その蔵書の範疇を1913年以降の刊行図書としており、詳細にはいたりませんが、図書館と博物館の機能を明確に分離 ・ 独立させる意図があるようにおもわれました。 詳細はできのよいウィキペディアがありますのでご覧ください。
【 ウィキペディア : ドイツ国立図書館 日本語版  ドイツ国立図書館  ドイツ語版
ドイツ・レターDSCF5640ジャケット本文ページ1本文ページ2本文ページ3
関連情報 : 朗文堂ブックコスミイク 『 japan japanese 』
【 関連情報 : ヘルムート・シュミットさん 『japan japanese』、 2014年版 ISTD 国際タイポグラフィック賞 premier award を受賞 2014年10月28日

以下の情報は『 japan japanese 』に関して2011年12月14日-13年03月21日まで、都合09回にわたって掲載された関連記事を、降順に並べ替えて掲示しました。
【 関連情報 : 『 japan japanese 』 刊行記念 ヘルムート・シュミット氏の講演会+展覧会のお知らせ

【特別展】 紙幣と官報 2 つの書体とその世界/お札と切手の博物館

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特別展示

平成26年度 第 2 回特別展
紙幣と官報 2 つの書体とその世界

書体とは文字の姿のことです。
活字印刷技術の誕生以来、これまでに多くの書体が生み出されてきました。
印刷局でも、独自の書体をつくっています。
印刷局の独自書体
は 2 種類あり、ひとつはかつて活版印刷物用として開発され、官報に用いられたもの、もうひとつはお札などの偽造防止対策が必要な印刷物用につくられたものです。
本展は、これらの書体が、官報が法令を伝えるために、あるいは、お札がお金としての信頼を得るためにどのような役割を担ったのか、その誕生背景などから探ります。

◯ 開 催  日
平成26年12月16日[火]-平成27年03月08日[日]
◯ 
開催時間
09 : 30 -17 : 00
◯ 
休 館  日
月曜日 ( 祝日の場合は翌平日 )
◯ 
開催場所
お札と切手の博物館 2 階展示室
◯ 
入 場  料
無  料

【 展示詳細 : お札と切手の博物館 特別展示
【 展示詳細 : お札と切手の博物館 特別展示 見どころ解説 】

ご報告が遅くなりました。 SALAMA が商標登録されています。

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《 ご報告がおそくなりました。 小型活版印刷機 SALAMA が登録商標となりました 》

昨2014年(平成26)02月20日に出願しておりました < SALAMA > の名称が、同年07月04日に特許庁より登録商標として認可されました。

もとより、朗文堂 アダナ ・ プレス倶楽部では、ユーザーの皆さまには < SALAMA > の名称を今後ともご自由にお使いいただきますし、現在製造 ・ 販売中の < Salama-21A > を、「サラマちゃん」、「サラマくん」とでもご自由にお呼びいただき、ご愛用いただきたいと存じます。

これからもより一層 < Salama-21A > の安定供給をはかり、周辺機器、関連資材の持続的な供給をふくめ、活版ルネサンスの実現のために精進いたします。
また将来の可能性としては、< Salama-21A > の兄弟姉妹機なども開発したく、日日技術陣との研究と協議をかさねてまいります。

《 なぜ Adana-21J を商標登録しなかったのか 》
アダナ型印刷機は 1922 年、イギリスの Donald A. Aspinall によって考案された、木製の素朴なセルフインキング印刷機を発祥とします。
また「 ADANA 」の社名と機械名称は、考案者 Donald A. Aspinall の頭文字をとってアナグラムとしたものとされています。

わが国には1960年代中葉から、旧株式会社晃文堂を通じて輸入・ 販売されていました。
ところが主力機 ADANA8×5 の主要駆体の鋳型が老朽化し、また活版印刷全体の衰勢がみられた1980年代後半に、アダナ社は鋳型を売却して閉鎖されました。

2007年の朗文堂 アダナ ・ プレス倶楽部の発足に際しては、小型活版印刷機の新規購入の需要の高まりに応えるために、セルフインキング式アダナ型小型活版印刷機の歴史を踏まえ、法律の専門家に依頼して、先行企業による、特許 ・ 工業意匠権 ・ 商標権などの消滅を確認し、国産活版印刷機の設計 ・ 製造 ・ 販売に着手しました。

同時に斯界の権威、牛木理一弁理士を通じて < アダナ  Adana > の登録商標の申請をしました。 特許庁からの回答は意外なものでした。
すなわち、アダナ ( Adana ) はトルコ中南部の都市であり、アダナ県の県都。 トルコで 4 番目に大きな都市でもある。 こういう著名な都市名は商標には使用できない ―― とするものでした。
【 参考資料 : ウィキペディア アダナ(Adana)

即刻異議申し立てをおこない、印刷関連機器名での限定使用であり、1970年代にはこの名称を商標とした企業があったことなどを列挙しましたが、裁定はくつがえりませんでした。
1960-70年代ならともかく、近年では検索が容易になり、こうした都市-わが国でいえば、人口04番目の都市は名古屋であり、トルコのアダナ市は人口113万人ほどであり、それは広島市や仙台市にちかい存在で、これ以上の異議申し立ては無理があり、それだけに印刷機の名称にアダナの名称の使用はさし支えないという説明をうけました。

こんな経緯があり、また牛木弁理士の指導もあって、小型活版印刷機の考案者 Donald A. Aspinall 氏へのオマージュ ( 敬意と尊敬 ) のこころをもって、アダナ ・ プレス倶楽部、 Adana-21J の部門名と、商品名をもちいることとなりました。
ご理解いただけましたでしょうか。
朗文堂 アダナ ・ プレス倶楽部では、こんごとも部門名としてのアダナ ・ プレス倶楽部の名称を使用いたします。

【 参考資料 : アダナ ・ プレス倶楽部  Adana-21J のご紹介

北京の友人:邢 立 さんの愛蔵品紹介 <毛主席特別版図書><毛 沢 東 初号角活字母型>

DSCN0487 DSCN0476 DSCN0477 DSCN0471修復なった紫禁城(故宮)武英殿前で。 写真左から : 邢 立 ( Xing Li )氏、紫禁城内紫禁城図書館長 : 翁 連渓氏、やつがれ、朱 有福氏(2013年11月)
プリント
故宮博物院 ( 旧紫禁城 ) 概念図。
武英殿聚珍版でしられる 「 武英殿 」 は、天安門、端門をすぎ、正門にあたる午門から入場してまもなく、左手にある。 ここは2010年に修復工事をおえて公開された。 かつては官人(宮廷官僚)がつめた堂宇であり、ここで刻版や印刷の作業がなされたわけではない。 当然ながら作業場は城外にあった。
その東側、武英殿と東西に
正対する位置にある 「 文華殿 ・ 文淵閣 」 は宮廷図書館であるが、蔵書はすべて台湾故宮博物院に持ち去られており、この一帯はながらく復元工事中である。

南の午門と、北の神武門は、皇族か、きわめて限定された高級官僚しか利用できず、一般官僚は東西の 「 東華門 」、「 西華門 」 を利用した。
現在の故宮博物院は、観光客が激増したため、北京オリンピックのころから、南の午門で入場料を支払い、北の神武門から出る一方通行となっていて、逆行はできない。 東西の 「 東華門 」、「 西華門 」 は関係者だけの利用に限定されている。
以下に述べる沢園酒家(泽园酒家)は、「 西華門 」を出て、筒子河(堀)をわたって、すぐ左側(南)にある。

DSCN7776 DSCN7780DSCN7799 DSCN7846 DSCN7804いくつかの用件があって、2015年正月早早、01月09日-12日にかけて北京を訪問しました。
中国の正月元旦は01月01日(新暦)ですが、休暇は01-02日までの02日間だけであり、02日[金]を休日としたために、04日[日]は出勤日となっていました。

中国でのお正月「春節」はむしろ旧暦で祝い、困ったことに毎年すこしずつずれています。2015年は02月18日が大晦日で、18日[水]-24日[火]までの07連休となります。 いくつかの企業では02月18日[水]-03月01日[日]までの12日間を特別休暇としています。
ともかく「春節」の前後一ヶ月ほどは、いかに勤勉な中国人といえども特別で、物流も滞りがちになり、注意が必要な時期となります。

その期間を避けての中国訪問でしたが、11日[日]だけを休日として、沢園酒家(泽园酒家 北京市西城区南長街20号)を再度訪れました。
沢園酒家は紫禁城西華門からすぐちかく、政府要人が執務 ・ 居住(一般人は立ち入り禁止)する「中南海」に面した、ちいさな中国湖南省料理を中心としたレストランです。
ここで一昨年、2013年の訪中時に、紫禁城図書館長 : 翁 連渓氏に昼食をご馳走になりました。

DSCN7850沢園酒家は、毛沢東(Mao Zedong  1893-1976)のもとで長年料理長をつとめたオーナーが開いたちいさな店ですが、故郷の湖南省料理が懐かしかったのか、しばしば毛沢東が訪れ、二階の個室では外国の要人とも会食していたことで知られています。 

この店の二階には個室が04室ありますが、その壁面は毛沢東の写真で埋めつくされています。 そのひとつに油絵があり、晩年になっても読書欲の衰えがなかった毛沢東が、病床で読書をしている姿が描かれていました。
そのとき撮りそびれた絵画の写真を撮りたくて、中国の知人に個室を予約していただき、駆けつけた次第です。
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晩年の毛沢東は、好悪をはっきり表明するようになり、図書に関しても、活字書体、組版様式(誌面設計)、紙質、製本にまで厳格な要求が多かったようです。
その状況の一部、たとえば毛沢東は図書を丸めて読んでいますが、これはハードカバーの重くて堅い装本を嫌い、腰がつよく柔軟な竹紙による製本によります。そんな姿がこの絵画に明確に描かれていました。
そんな1970年代初頭の、いわば < 毛主席特別版図書 > を積極的に収集されているのが友人の邢 立( Xing Li ) さんです。


いずれ邢 立さんのご協力を得て、その周辺の情報もお知らせしますが、今回は、劣悪な写真で恐縮ですが、邢 立さん愛蔵の < 毛主席特別版図書 > のほんの一部と、行草書風のシグネチュア< 毛 沢 東 >の、初号角( 42 pt. )の活字母型(電鋳法)だけをご紹介いたします。
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【 関連情報 : 花筏 宋朝体活字の源流:聚珍倣宋版と倣宋体-01  2014年04月23日 】

【会員情報】 台湾の林 昆範さん、「Red Dot Award : Communication Design 2014」デザイン賞を獲得。

台湾の中原大学文化創意研究センター ( 林 昆範老師 ) が、2014年春のふたつの iF デザイン賞に続き、同年の秋に 「 Red Dot Award : Communication Design 2014 」 デザイン賞を獲得されました。
20100205koenkai-omote過去の講演会の記録 : 林 昆範 宋朝体と明朝体 書写系と彫刻系書体の相剋

この研究は、中国桂林にある観光企業との産学協同による成果で、中国西南地方の民族衣装に用いられた「お守り」のような伝統紋様からヒントを得て、観光地のブランドイメージにも利用されています。
【 関連情報 : 花筏 皆さまの友人、台湾の林 昆範さんが Red Dot 賞を獲得されました

ところで、台湾では伝統的に旧暦で新年を祝います。 わが国でいうところの旧正月です。
台湾での2015年の春節は02月19日。大みそかに当たる02月18日から数えて06連休となります。
なお、2016年以降の旧暦元旦は次のとおりです。
2016年02月08日、2017年01月28日、2018年02月16日。
意外に面倒なものですね。さらに厄介なのは、おなじ旧暦といいながら、中国と台湾では休日の設定などが微妙にずれており、さらに困惑をまねきます。

下掲写真は、旧暦正月にそなえた、林 昆範さん製作の、縁起のよい < お年玉袋 > です。 
列印中国における少数民族とは、中華人民共和国 ( 以下中国 ) 政府が規定した、国民の 92% を占める漢民族 ( 漢族 ) 以外の少数民族政策による分類における「少数民族」のことです。

中国政府は、民族区域自治という少数民族政策を取っています。 国民を漢民族と55の 「 少数民族 」 とに区分し、その民族ごとに、集住地域を 「 区域自治 」 の領域として指定しました。
そこでは 「 民族の文字 ・ 言語を使用する権利 」、「 一定の財産の管理権 」、「 一定規模の警察 ・ 民兵部隊の組織権 」、「 区域内で通用する単行法令の制定権 」 などをおこなうことを認めています。

林 昆範さんの研究手法は、徹底した現地調査を基盤として、その文化の根源をさぐることにあります。 中国の少数民族は、比較的僻遠の地に居住していることが多く、現地調査には困難も多いようです。
今回は、下掲図左から、
01) ヤオ族-瑶族  02) ミャオ族-苗族  03) トン族-佝族  04) チワン族-壮族 です。

【 参考資料 : ウィキペディア 中国の少数民族

列印 02_The Stories of Ornaments 列印

【会員からの情報】 Business Insider が「手書きの日/01月23日」にちなみ、著名人のシグネチュア17人分を紹介。

Business Insider は、全国手書きの日 ( National Handwriting Day )に敬意を表して、2015年01月23日に、世界に残る著名人のシグネチュア(サイン)17人分を紹介しました。
その情報を会員の I 氏から提供いただきましたので紹介いたします。

famous best coolest signatures [ranked]
Skye Gould / Business Insider

全国手書きの日 ( National Handwriting Day )とは、WIMA ( The Writing Instrument Manufacturers Association  筆記具工業会 ) が制定した記念日です。
WIMA は、情報機器の氾濫によって、手書きの習慣が減少したことに警告を発し、手書きの純度と威力を再発見してもらうための日として、毎年01月23日を全国手書きの日 ( National Handwriting Day )としています。

アメリカでも当然現在の情報交換は手書き文書が後退し、コンピューターやEメールが中心となっていますが、いまなおわが国の印鑑のように、小切手 ( パーソナル ・ チェック ) や、公文書などに、ジグネチュア ( サイン ) をする習慣があります。
当然模倣や偽造を防ぐために独特の工夫をこらしますが、そこに味わいや、人間性の発露をみるのもまた当然かもしれません。

01月23日が全国手書きの日 ( National Handwriting Day )とされたのは、アメリカ独立宣言の文書に、最初に、おおきく、ふといシグネチュアをのこしたジョン ・ ハンコック ( John Hancock ) 【 ウィキペディア : ジョン・ハンコック 】 の誕生日にちなんだものとされています。

【 関連記事 : Business Insider 2015年01月23日

【展覧会】 宇都宮美術館 薄久保友司展<光 風 人々 私>

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薄久保友司展
光 風 人々 私
Tomoji Usukubo Exhibition
Light, Wind, Human Being and Myself 

2015年02月08日[日]-03月22日[日]

宇都宮市に生まれ、 新制作協会で活躍する画家、薄久保友司。
森羅万象に主題を求め、 生きとし生けるものに深い愛情を注ぐその画業を、 初期から現在にいたるまで紹介する。
また、彼のもうひとつのライフワークである 絵本、 教科書の仕事も同時に展示する。

【 企画詳細 : 宇都宮美術館  企画展年間スケジュール
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ここのところ意欲的な展覧会がつづく宇都宮美術館である。
同館は、年末 ・ 年始およびメンテナンスのためにしばらく休館しているが、はやくも次回展のポスターとフライヤーが送られてきた。 

本欄でも紹介したが、昨年の掉尾をかざった 『 月映  TSUKUHAÈ 1914-1915 』(終了) は、現在ではたった一部しか残されていない 「 私輯 『 月映 』」 と呼ばれる私家版や、油彩画、ペン画などの貴重な関連作品も多数展示したすばらしい企画で、多くの来館者をよんでいた。
すこし遠いが、新宿から宇都宮までの直通電車もあり、訪館はさほど困難ではない。 宇都宮名物<餃子>もたのしめる。 ぜひともご覧いただきたい企画である。

『 月映 』 1914-1915
TSUKUHAÈ 1914-1915
2014年11月16日[日]-12月28日[日]-終了企画

命を削りながら作品を創り続けた田中恭吉。
死の淵からの希望を掲げた藤森静雄の版画。
抽象的な表現を開拓していく恩地孝四郎。
二十代の若者たちによる詩と版画の雑誌 『 月映 』 は、 近代日本美術史の中で鮮烈な輝きを放っている。 版画を中心に、貴重な油彩画、ペン画などから、刊行100年を迎える 『 月映 』 の世界に迫る。

アダナ・プレス倶楽部 2015年の年賀状

2015年賀状絵柄面 2015年賀状宛名面
アダナ ・ プレス倶楽部の年賀状は、例年、数ある欧文活字を時代性によっていくつかのカテゴリーにわけ、それを歴史順に一書体ずつ選択して製作してきました。

これまでの年賀状では、ブラック ・ レター、ヴェネチアン ・ ローマン、オールド ・ ローマン、トランジショナル ・ ローマン、モダン ・ ローマン、クラレンドンを経て、昨年からはサンセリフのカテゴリーに入りました。
昨年は 「 グロテスク ・ サンセリフ 」 の 「 フランクリン ・ ゴシック 」 を使用しましたが、今年は 「 ネオ ・ グロテスク 」 の 「 ヘルベチカ 」 の登場です。
今年の年賀状の活字は 絵柄面に 24pt. と 18pt. のヘルベチカ、二号と三号のゴシック体の和文活字を使用しました。
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これまでは毎年、書体の歴史順に、さまざまな欧文活字書体を順繰りに愉しく使用してきましたが、サンセリフのカテゴリーに入った途端に、正直なところあまりおもしろさがなくなってきました。
ちょうど 『 いきなり黄金伝説 』 というテレビ番組の 「 ◯ ◯ のメニューを全部食べつくす 」 という企画で、「 デザート 」 のジャンルに突入した状況といえば、おわかりいただけますでしょうか。

一点一点は美味しいデザートでも、甘いものが何点も続くと食傷気味となってしまう、あの感じに近いものがあります。
しかし、サンセリフのカテゴリーには、まだ 「 ジオメトリック ・ サンセリフ 」 と 「 ヒューマニスティック ・ サンセリフ 」 のジャンルも残っています。 パフェとチーズケーキの後に、まだホットケーキとお汁粉が待っている有様のようです……。

さて、『 いきなり黄金伝説 』 といえば、よゐこの濱口氏の 「 捕ったど~!」 の雄叫びがこだまする 「 無人島生活 」 も人気のテレビ企画です。
このコーナーにおいて、濱口氏と有野氏が、お米の代わりに、小麦粉を練った物を、ちいさくちぎり、丸めて、米粒状にする作業を夜通しおこなう 「 チネリ米 」 をつくるのも番組の恒例となっています。
中国の北部では、この 「 チネリ米 」 が盛んにおこなわれていることを近年知りました。

中国南部、おおむね淮河ワイガ、揚子江(長江)あたりより南の地方は、温暖な気候でお米が採れますが、北部は寒冷な気候でお米が採れないために、主食はお米ではなく、小麦粉が中心となります。
そのため、淮河や黄河より北の地方では、小麦粉をもちいた麺や餃子や饅頭(マントウ)などが発達しており、「 チネリ米 」 のようなパスタ状の食品も存在します。

この中国のチネリ米は、本来は家族や仲間が食卓に集まって、前菜を食べながら、にぎやかに会話をしながら、ワイワイと愉しくチネッて作るものだそうです。
最近は時間や労力を惜しんで、飲食店であらかじめ準備されたものが出されることも多くなっていて、西安で羊肉が入った麺料理の店に入ったとき、店の従業員と家族が、お客さんに出すための 「 チネリ米 」 を総出でチネッている光景を見て微笑ましくなりました。

下掲の写真は、今年の01月10日に、中国北京の陝西省 ・ 西安料理のお店に入ったときに食べた 「 羊肉泡馍 」 という料理で、羊の肉とチネリ米が入っています。 安史の乱―― 唐の玄宗の末年755-63年に起こった叛乱で、安禄山父子・史思明父子が中心。叛乱の鎮圧後に各地に強大な権限をもった節度使がおかれ、それが軍閥化するなどして唐は衰退に向かった ―― にまつわる料理だそうです。
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写真上) さまざまな前菜のあとに、メインの「羊肉泡馍」。チネッた小麦粉と、羊肉が中心で、付けあわせに豆板醤、ニンニクの酢漬け、青菜などが登場します。
写真下) 陝西省料理ですので、北京市民にわかりやすく「羊肉泡馍」の特徴を解説したパネル。

2015年アダナ・プレス倶楽部の年賀状の絵柄面には、
子 曰 過 猶 不 及 ―― 『論語』先進篇
Less is more, More is Less ―― ミース・ファンダー・ローエ
のよく似たことばを組版しました。つまりなにごとも「過ぎたるは及ばざるが如し」です。
しかしながら、決して 「 引き算のデザイン 」 を賛美するわけではありません。「 侘 ・ 寂 」 といえば聞こえが良いですが、近年のわが国のデザインは、すこし 「 引き算 」 ばかりに偏り過ぎてきたように思います。 「 引き算 」 のデザインも 「 過ぎたるは及ばざるが如し 」 です。

「 引き算のデザイン 」 と 「 足し算のデザイン 」 双方のバランスが俯瞰できてこそ、いまだ 「 1920年代モダン 」 の影響が色濃いわが国のデザインが、幼いモダニズムから脱却し、デザインの未来への扉を開く力となることでしょう。
そのようなことを考えながら、20世紀モダンの落とし子たるサンセリフ群と格闘する日日がまだまだ続きそうです……。