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花こよみ 018

花こよみ 018 

詩のこころ無き吾が身なれば、折りに触れ
古今東西、四季のうた、ご紹介いたしたく。

燃えさかる 夏の散歩に
ぼくは採る
  みどりしたたる 木の葉一枚
いつの日か
  ぼくに語ってくれよう
うぐいすが
  高らかに鳴き
森のみどりに
  萌えるこの日を

作詩/テオドール・シュトルム(Hans Theodor Woldsen Storm   1817-1888)
邦訳/藤原  定 訳 

   

通勤路にあるマンションの脇に、トクサ(木賊・砥草)が花をつけていました。ツクシのようですね。

  《空中庭園 ── すこし手入れをさぼったら、悲惨な状況になっている》
どうやら冬のあいだの手入れ、肥料やり、種蒔きなどが奏功したのか、早春の吾が空中庭園は、菜の花、レンゲをはじめ、いろいろな艸の花が一斉に咲きほこって、それはそれは賑やかなものだった。
その花の宴がおわったあと、八百屋で買った人参や長ネギが花をつけた。これらは花や艸というよりむしろ野菜だが、泥つきのものを買ってきた。その大部分は食して、根っこの食べ残しを適当に植えておいたものだった。
人参も長ネギの花も、いささか鑑賞には適さないが、元気いっぱい、愛嬌たっぷりのネギ坊主になったり、モジャモジャした頭髪のようになる人参の花も悪くなかった。

すこし空間がさびしくなったので、気まぐれに花屋でミニトマトの苗と、フリージアの鉢植えを買ってきた。ついでに朝顔の苗も買った。都合450円の出費。ところがこれが失敗だった。ミニトマトの鉢にナメクジがついていて、アッというまにせまい空中庭園いぱいに繁殖した。しかもナメクジだけではなく、ダンゴ虫も付着していたようで、いろいろ播いた艸花の新芽を食い尽くすという暴挙にでた。

ふつう、やつがれは、空中庭園では「ロダンの椅子──100円ショップで買ったゴミ箱を天地逆にし、そこに人工芝を敷いたもの」に腰をおろし、よしなしごとをかんがえている。それがここのところ、つぎつぎと這いでてくるナメクジと、ダンゴ虫の退治で、いそがしいったらない始末に追いこまれた。なによりも紫煙をくゆらしている間に、つぎつぎと這いでてくるのだから嫌になる。

おまけに、いつの間にか灌木化したクチナシのような木(名は忘れた)がたくさん花をつけ、蜂や揚羽蝶が飛来していた。キャツラ、とくに蝶蝶は、あきらかに花蜜を盗んでいたが、秘めやかに産卵もしていたらしい。フト気づいたら、新芽を蝶の幼虫にすっかり蚕食されていた。

かつて昆虫少年だったので、蝶の幼虫、イモムシはなんとはなく生存を許している。それにしてもキャツラの食欲は旺盛で、灌木の葉をすべて食べつくしそうな勢いで、チョイと悩んでいる。はやく成蝶になって飛翔していってほしいのだが……。
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《花筏 ── すこし更新をさぼったら、非難囂々》
5月の連休のイベント【活版凸凹フェスタ2012】の前後に、ひどい喘息の発作がつづいた。アレルギー源は近所の内装工事のペイントとみなした。いいわけになるが、かなり辛いものだった。
また新年度のさまざまなイベントが重なって多忙でもあった。
【活版凸凹フェスタ2012】の終了後、まもなく2ヶ月になるが、まとまった報告をしていないのが気になっている。そして今年の失敗は撮影担当者をきめていなかったことである。イベントの終了後にアダナ・プレス倶楽部の会員から写真を寄せていただいたが、それが重複しながら2,000枚以上になって、情弱やつがれの手に余っていた。
また、顔真卿生誕1300年を期して、タイポグラファとしてのひとつの見方を工夫をしていた。

そんなことが重なって、このタイポグラフィ・ブログロール『花筏』の更新が滞っていた。それが最近@メールで、
「花筏の更新が止まっていますけど、体調でも悪いのですか?」
といったお便りを頂戴している。もっと直裁に、
「花筏、新情報を楽しみにしています!」
というお便りも頂戴した。いずれも少し年配のかたが中心なのが無念ではあるが……。
ですから、はた迷惑を承知で、このブルグロールの更新に注力いたします。ご愛読をお願いいたします。