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【 SAYOUNARA 】 タイポグラファ:ヘルムート・シュミットさんが逝去されました

DSCF5640ヘルムート・シュミット Helmut Schmid
1942年-2018年07月02日 行年76

タイポグラファのヘルムート・シュミットさんが、去る07月02日早朝午前07時40分、急性心不全のため逝去されました。ここに皆さまに謹んでご報告いたします。
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ご家族のおはなしでは、前日まではまったく平常で、夕食は江坂駅前の馴染みのレストランでスミ夫人とふつうに召しあがり、帰宅後はテレビでサッカー観戦をしていたそうです。スミ夫人は先に就寝されましたが、ヘルムートはサッカー中継を愉しんでいたようです。

07月01日のサッカー中継は深夜から払暁にかけてのもので、23:00 TBS系- スペイン対ロシア(1:1, PK 3-4)、27:00 テレビ朝日系- クロアチア対デンマーク(1-1, PK 3-2)で、ふたつの試合とも PK 戦までもつれこむ熱戦で、ロシアとクロアチアが勝利しました。

朝方物音がしたので、スミ夫人が居間の様子をみにいくと、すでにヘルムートの呼吸がなく、緊急搬送となりましたが、そのまま、苦しむことなく、穏やかに黄泉に旅だったとされます。
かねてからの本人の意思にしたがって、通夜・葬儀はおこなわず、ご遺骨はスミ夫人の郷里に埋葬の予定だそうです。

あまりに突然の訃報であり、また、ご一報をいただいたときから、大げさにしたくないとのご家族のつよいご意向で、近しい友人・知人にもお知らせできず、取りいそぎ07月03日[火]、なにはともあれ大阪府吹田市のご自宅に、お別れに駆けつけました。
本当に眠っているように穏やかなお顔でした。
おもえばタイポグラフィの同志として40年余のおつき合いでした。さびしくなります。合掌

【復活転載】こんな時代だから、金属活字も創っています! コレダ ! カタ仮名専用活字ガ復興シマシタ {アラタ 1209}

こんな時代だから、金属活字も創っています!
コレダ !   カタ仮名専用活字ガ復興シマシタ
アラタ 1209 New Products

本稿は2008年に「朗文堂 type cosmique 」にアップロードされ、いまも存在している記事です。
このたび NECKTIE design office 千星健夫氏による、あたらしい活字母型製造法として、「コンピューター数値制御切り削り加工 ── Computer Numerical Controlled Cutting」(CNC)が一定の成果をあげ、「 NECKTIE design office  Works New Type Matrix 」に報告がなされました。

tsukiji5_02CNC方式活字母型 五号ひら仮名

それを受けて、サラマ・プレス倶楽部/活版アラカルト「【イベント】 メディア・ルネサンス 平野富二生誕170年祭-17{展示報告 ①}[サラマ・プレス倶楽部会員]千星 健夫{新技法による活字母型の試作と活字鋳造}── ちいさな一歩、おおきな成果」と題して、やはり皆さまにお知らせいたしました。

あわせてサラマ・プレス倶楽部では、長年お世話になった「機械式活字父型・母型彫刻機」、いわゆるベントン彫刻法に関する既発表記事をまとめる作業にあたっています。
その一環として、どういうわけか旧アダナ・プレス倶楽部 → サラマ・プレス倶楽部のウェブサイトに詳細報告がなかった本稿を「朗文堂 type cosmique 」から収録し、若干の補整を加えて、サイト内検索に便利な「活版アラカルト」に掲載いたしました。
どうかこうした意のあるところをおくみとりたまわり、ご愛読のほどお願い申しあげます。

アラタ 1209 天地 12 pt., 左右 9 pt.
サラマ・プレス倶楽部 特製文選箱入フォント・スキームセット
arata1209
アラタ 1209 天地 12 pt., 左右 9 pt.
サラマ・プレス倶楽部 特製文選箱入フォント・スキームセット 29,400 円[税別]
fair-card

サラマ・プレス倶楽部は、活字版印刷術のよきルネサンスを願って、意欲ある活字鋳造所と協力しながら、適切なフォント・スキームにもとづいた新鋳造活字を提供しています。
しかし、書体とサイズ毎に膨大な数量となる漢字活字を揃えるためには、やはりユーザーの高負担となります。また、必要のたびに活字をバラ(単品・1 本売り)で購入すると、1 本あたりの単価は無視できないほどの高額になってしまいます。

金属活字が、ある意味では追いこまれながらも、あらたな意義と役割をもって再興への歩みを進めている現代、若干の窮屈は承知の上で、カナモジ完結書体の金属活字化に着手して、さらに活版ルネサンスを進展させるために、日本語表記をできるだけ効率よく、しかも低予算で組版できる金属活字書体として「アラタ 1209」を開発しました。

カタ仮名とひら仮名の歴史を検証する
カタ仮名は仮名文字のひとつで、ひとまとまりに発音される最小単位の音節(syllable)からなる音節文字(syllabograph, syllabogram)です。阿 → ア、伊 → イ、宇 → ウ、久 → ク、己 → コのように、漢字の一部分(片)をとってつくられた文字記号で、奈良時代から平安時代初期に、漢文読み下しのための「漢文訓点」にもちいられました。
縦組みの漢文の右脇に付与された一種の記号でしたから、多くのキャラクターが左向きなのが片かなの特徴です。当初は流派もあり、さまざまな字体がありましたが、平安末期にはほぼ現行のものにちかい字体となって、こんにちにいたっています。

いっぽう、ひら仮名は、やはり平安初期に漢字の草体の仮名をさらにくずしてつくった音節文字です。おもに女性(おんなで)がもちいたので、女手、草仮名などとよばれ、おおくの異体字がありました。「ひらがな」の称は後世のもので、字音と形象が定まったのも戦後で、文字の歴史からみるとつい最近のことでした。

カタ仮名は、現在ではおもに、外来語の表記や擬音語の表記に多くもちいられていますが、わが国の文字の歴史を振り返り、文字形象をあらためてみると、簡素で、判別性にもすぐれ、独立した音節文字としての長い歴史と体系をもっていることがよくわかります。
katakana

いまから買いそろえると、金属活字はやはり高負担になりがちです。
サラマ・プレス倶楽部は、活字版印刷術のよきルネサンスを願って、意欲のある活字鋳造所と協力しながら、適切なフォント・スキームにもとづいた新鋳造活字を提供しています。しかし、書体とサイズ毎に膨大な数量の漢字活字を揃えるためには、やはりユーザーの高負担となることが避けられません。
また利便性が特徴のパソコン用デジタルタイプをみると、明治以来営々と重ねられてきた、使用頻度の低い漢字使用の抑制や、字体統一への努力が軽視され、異体字を含めて限りない字種の増殖がつづいています。

そんないま、必要のたびに活字をバラ(単品)で購入すると、1 本あたりの単価は無視できないほどの高額になるのも事実です。それではせっかく新芽を吹きだしたわが国のプライヴェート・プレスの進展にとって大きな障害となりかねません。
font-schemeキャラクタ数の少ない欧文活字にくらべ、漢字を中心に圧倒的にキャラクタ数の多い和文活字の新設備は、活版ユーザにとっては高負担になりがちです。

コンピュータの利便性が低かった時代に 最初に採用された日本語活字
I T 時代とよばれ、栄耀栄華をきわめているコンピュータですが、その開発初期はあくまでも演算機能が中心でした。それが次第に機能が拡張され、清打ちタイプライター、あるいは DTP システムの原型ともいうべき IBM72 という、簡便な記憶機能と演算機能を備えたタイプライターが1961 年に発売され、爆発的なヒット商品となりました。

IBM72 にはさまざまな機種が登場し、日本語対応も求められましたが、そこで最初に採用されたのが故 ミキ イサム氏によるカタ仮名活字だったことは画期的でした。ついで旧日本国有鉄道が、新幹線などの指定席用に採用した「日立データタイプライター(通称マルス)」にも、ミキ イサム製作のカタ仮名と、追加文字として、欧文・数字・特定漢字36キャラクターが採用され、長らく「緑の窓口」などで使用されました。

また、かつての高速通信の手段であった電報は、カタ仮名のみの、できるだけ少ないキャラクターで、簡潔に情報を伝える文体が発達していました。「チチキトク ウナ カエレ」のような、「ウナ電」とよばれた至急電報(英語で至急の意を表す urgent のはじめの 2 文字のモールス符号が、仮名の「ウ・ナ」に相当することから名づけられました)や、春の大学入学試験の時期には、正門脇に学生アルバイトによる「電報受付特設コーナー」が設けられて、合格をあらわす「サクラサク」や、不合格をしめす「サクラチル」に、一喜一憂した時代もさほど昔のはなしではありません。
このようにカタ仮名特有のコンパクトで利便性に優れた機能が、かつては多くの用途に利用されていました。森川龍文堂カナモジカイは 1920 年 11 月 1 日、山下芳太郎、伊藤忠兵衛、星野行則らによって「假名文字協会」として大阪市東区に設立されました。その活字鋳造を担ったのは、おもに大阪「モリカワ リョウブンドウ/森川龍文堂」でした。

このパンフレットは故ミキ イサムから直接提供をうけたもので、1935 — 40 年ころの製作とみられます。収録書体は、平尾善治、猿橋福太郎らのカモノジカイ会員の製作によるカタカナと、稲村俊二の「スミレ」、松坂忠則の「ツル」などです。ミキ イサムは「ツル」を高く評価しており、ミキ イサムのカタカナのエレメント、形象には「ツル」からの影響が顕著です。

もっとも定評ある「アラタ C」をベースに「アラタ 1209」を創りました
このような歴史と現状を踏まえ、さらに活版ルネサンスを進展させるために、日本語表記をできるだけ効率よく、しかも低予算で組版できる金属活字書体としてサラマ・プレス倶楽部が着目したのが、前述したミキ イサムによる「カタ仮名活字 アラタ C」でした。

「カタ仮名活字」は前述のように、長い歴史を有し、多方面の用途を担ってきました。なかでも「アラタ C」は、適度な黒みと、欧文書体のように明確なラインが設定されており、ウエセンから突起したウエエダという突起部をもつことが特徴です。また判別性に優れた書体として評価が高く、さまざまな分野で用いられていました。

arata-c20180409133938_00001金属活字がある意味では追い込まれながらも、あらたな意義と役割をもって再興への歩みを進めている現代、朗文堂 サラマ・プレス倶楽部では、若干の窮屈は承知の上で、カナモジ完結書体の金属活字化に着手いたしました。そしてそのために、まずもっとも定評のあるカナモジ書体である「アラタ C」のライセンスを、朗文堂 サラマ・プレス倶楽部が株式会社モトヤより取得いたしました。

かつてモトヤでは「アラタ・サカエ・アキラ・クレハ・アラタ(ヒラガナ 1962)」などの書体を金属活字で供給していましたが、時代の趨勢によって、金属活字、パターン、活字母型などはすでに処分されていたため、デジタルデーターの支給をうけるという形でした。
それをもとにサラマ・プレス倶楽部で正確な原字版下を作成し、亜鉛凹版による活字パターンの作成を経て、ベントン型彫刻機をもちいて活字母型の彫刻をおこなうという、1950-70年代の金属活字全盛期さながらの技法や、工程そのものを復活・展開させる試みとなりました。

サイズはユーザーの利便性を考慮し、天地 12 ポイント、左右 9 ポイントとして、一部の約物類は既存の 12 ポイントのものを流用できるように配慮しました。

「アラタ 1209」はお求めやすいフォント・スキームでの販売です。
このようにして、21 世紀になってはじめて誕生した本格的な文字セット活字の創造には、それなりの困難と障害がありました。しかしそれらはライセンス供与社の株式会社モトヤをはじめ、協力企業各社の支援を受けながら、ひとつひとつ乗り越えていきました。

そしてここに「アラタ 1209」と名づけられたあらたな金属活字が誕生しました。「アラタ1209」は朗文堂 サラマ・プレス倶楽部の専売品で、使用頻度の高い「ア・イ・カ・ノ」などの字種は多く、「ヰ・ヱ・ヴ・ヮ」などは少ない字種配当表を作成し、1 フォントが文選箱 1 箱に納まるように構成した、独自の「カタ仮名フォント・スキーム」を採用しています。

懐かしいのに新しい、最新の金属活字書体「アラタ 1209」を、皆さまぜひともご愛用ください。
「アラタ 1209」12 ポイント 全キャラクター
character_arata1209miki-isamuありし日のミキ イサムさん
1971 年(昭和 46 年 3 月 10 日)カナ ノ ユウベ ニテ

原字製作者プロフィール:ミキ イサム 1904 — 1985 年
明治 37 年 — 昭和 60 年。旧制和歌山中学校卒。東京美術学校(現東京藝術大学)彫刻科卒。研究科修了。この間財団法人カナモジカイに入会。彫刻家の道を歩みながら、視覚障害者対象のカナ・タイプライターの研究開発に従事する。

第二次世界大戦終結後、凸版印刷株式会社に入社。板橋工場ベントン彫刻部に 1959 年(昭和 34)定年退職時まで在職。その後モトヤの古門正夫前社長の委嘱により、1949 年にご子息の名前を冠した「アラタ(カタカナ)」を発表。同社には「アラタ・サカエ・アキラ・クレハ・アラタ(ヒラガナ 1962)」などの金属活字書体をのこした。

1967 年(昭和 42)に写真植字機研究所(現:株式会社写研)の依頼を受けて「アラタ・ホシ・クレハ・サカエ」などの書体を写植文字盤書体とした。

その間、財団法人カナモジカイ理事、美術部長を歴任した。それ以降も IBM72 用カナ書体、国鉄乗車券用に日立データタイプライター書体などの開発に従事した。
なお、カナモジカイの精神に則り、ご本人はその使用を避けられていたが、本名の漢字表記は「三木凱歌」であった。

ライセンス供与・監修/株式会社モトヤ 原字製作/ミキ イサム 資料協力/ミキ アラタ
プリント用 PDF (1MB 別ウインドウが開きます

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{源氏物語絵巻をめぐって} 五島美術館所蔵 国宝「源氏物語絵巻」+モリサワ2018カレンダー+二千円紙幣

☆ 本稿は2018年4月30日{活版アラカルト}に掲載した。{活版アラカルト}は更新があわただしく、また五島美術館の会期が終了したため、5月07日に{花筏}に収録した。
五島美術館

20180510211832_00007 20180510211832_00008五島美術館
[館蔵]春の優品展 ── 詩歌と物語のかたち  ──展示期間終了しました   
期  間   2018年3月31日[土]─ 5月6日[日]
休  館  日   毎月曜日(4月30日は開館)、5月1日[火]
開館時間   午前10時─午後5時(入館は午後4時30分まで)
入  館  料   一般1000円/高・大学生700円/中学生以下無料
──────────
館蔵品の中から、詩歌や物語を題材とした書画の名品約五十点を選び展示(会期中一部展示替あり)。
名歌を書した平安時代の古筆、歌人の代表歌と姿を描いた歌仙絵のほか、物語絵、琳派作品など、絵画と書そして言葉がもつイメージが響きあう美の世界を展観します。

* 特別展示予定/国宝「源氏物語絵巻」
4月28日[土]─ 5月6日[日](5月1日[火]は休館)
【 特設サイト:五島美術館コレクション 源氏物語絵巻 】
画像をクリックすると解説画面に移動します。

【詳細情報: 五島美術館 】
{既発表関連記事:【展覧会】五島美術館 館蔵春の優品展 ── 詩歌と物語のかたち 3月31日[土]─ 5月6日[日]}2018年3月20日

☆     ☆     ☆

モリサワカレンダー二〇一八「かな語り」

国宝「源氏物語絵巻」(五島美術館)より
企画・発行 ───────────  株式会社モリサワ
制作 ─────────────── 株式会社 DNP アートコミュニケーションズ
監修・解説 ─────────── 名児耶 明
アートディレクション ──── 勝井三雄
企画協力 ────────────  四辻秀紀・西岡康宏 

DSCN7669DSCN7663◎モリサワカレンダー二〇一八 睦月・一月
 「源氏物語絵巻」五十四帖のうち「鈴虫 一」の詞書き第一紙
  この詞書きは監修者と企画協力者のお名前をみると空恐ろしくなるが、
  蛮勇をふるって{続きを読む}に稿者による釈読をしるした。
◎モリサワカレンダー二〇一八 卯月・四月
 「源氏物語絵巻」五十四帖のうち「鈴虫 一」の詞書き第三紙左側の詞書きは、
 「おほかたの秋をはうしとしりにしを ふりすてかたきすゝむしのこゑ」
  と詠んでみた。もとより自信はない。
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◎モリサワカレンダー二〇一八 睦月・一月 部分
アートディレクションにあたられた勝井三雄氏は「の」にこだわりがあるのかも知れない。
既刊書『日本の近代活字 本木昌造とその周辺』でも、装本部に「の」を効果的に用いていた。
万葉仮名では左から順に「能 → の」、「乃 → の」、「農 → の」とあらわされた。
万葉仮名が「変体仮名」という奇妙な名称で呼ばれるようになって久しいものがある。
稿者はできるだけ「ひら仮名異体字」とあらわすようにしている。そして、できるだけ万葉仮名の釈読の労をいとわぬつもりでいるが …… 。

【詳細: 株式会社 モリサワ 】

☆     ☆     ☆

二千円紙幣にみる『源氏物語絵巻』
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二千円紙幣
二千円紙幣は、現在も流通している日本銀行券のひとつであるが、印刷製造は中断している。
第26回主要国首脳会議(沖縄サミット)と、西暦2000年(ミレニアム)をきっかけとして、1999年(平成11)当時の小渕恵三内閣総理大臣の発案によるが、同氏の急逝のため、2000年(平成12年)7月19日に森内閣の元で発行された。

二千円紙幣が発行されていた期間のうち、2000年(平成12年)から2004年(平成16年)の間に、製造元が「大蔵省印刷局」から「財務省印刷局」になり、さらに「独立行政法人 国立印刷局」に変わっているが、二千円紙幣は大蔵省時代にだけ製造されたため「大蔵省印刷局製造」のものしか存在しない。

二千円紙幣の表面には、沖縄の守礼門が描かれ、裏面には『源氏物語絵巻』第38帖「鈴虫」の絵図と詞書、および作者の紫式部の肖像、光源氏、冷泉院が描かれている。
紙幣の偽造防止の見地からみると、二千円紙幣は深い彫りこみのある凹版印刷で、紙幣に転写されたインキを触って凹凸が分かるほど分厚くインキが盛り上げられている、凹版印刷の傑作である。
詞書の読みくだしをふくめ、ウィキペディア 「二千円紙幣」に丁寧な解説がある。そちらをご参照たまわりたい。

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【上映】チェコセンター プログラム 映画『 イカリエ-XB1 』(5月19日より全国順次公開)+ S T O R Y

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チェコセンター プログラム
映画『 イカリエ-XB1 』(5月19日より全国順次公開)
1963年にチェコスロヴァキアではじめてつくられた本格的SF映画『 イカリエ-XB1 』(インドゥジヒ・ポラーク監督)のデジタル・リマスター版が5月より全国で順次公開予定です。

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『 イカリエ-XB1 』デジタル・リマスター版
2018年5月19日(土)新宿シネマカリテ ほか全国順次公開予定
最新情報は公式ウェブサイトをご確認ください。
http://ikarie-jp.com/
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【展覧会】 東京大学総合研究博物館 特別展示「赤門」— 溶姫御殿から東京大学へ+新宿餘談

東大総研赤門展東京大学総合研究博物館
特別展示 「赤門」— 溶姫御殿から東京大学へ」
2017年3月18日-5月28日[日]
入館無料  お問い合わせ:ハローダイヤル 03-5777-8600
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東京大学本郷キャンパスの大半は加賀百万石、前田家本郷邸跡地と重なっている。
したがって、数〻の加賀前田家ゆかりの歴史的遺構が本郷キャンパスの景観をいろどっている。中でも最も著名なのは旧加賀屋敷御守殿門、すなわち赤門であろう。

現在ある赤門は文政10年(1827)、徳川家斉の息女溶姫が前田家13代藩主、斉泰へ輿入れするにあたって建立された。以来、190年、本郷邸の歴史の半分近くもの間、赤門は、江戸の終焉から東京大学の創設、発展の歴史を見守ってきた。
加えて、2017年は本郷邸開設400年の節目の年にあたり、かつ、東京大学設立140周年の節目の年にあたる。これらを機に、赤門という国指定重要文化財が語る本郷邸の歴史を提示するのが本展である。

近年著しく進展した本郷キャンパス埋蔵文化財の発掘、歴史文書の集成、そして本学施設部記録の調査。それらの成果をあわせ、赤門の由来を本郷邸開設にまでさかのぼって知る機会としたい。

【 詳細 : 東京大学総合研究博物館

{ 新宿餘談 }
800px-University_of_Tokyo_Tetsumon東京大学には正門・赤門などのほかにも、いくつかの著名な門がある。森鷗外や夏目漱石の時代、帝国大学(現:東京大学)の正門は<鉄門>であった。
この門は同大の源流のひとつ、神田和泉町「種痘所・西洋医学所・医学所」の遺構を移築したのであった。
(「医学部付属病院〔鉄門〕再見記念式典」
『東大病院だより No.54』 PDF 1.50 MB)。

東大医学部は安政5年(1858年)に、長崎や大阪でオランダ医学を学んだ伊東玄朴を中心とする82名の者の寄附金で設立された〝お玉ヶ池種痘所〟をルーツとする(中略)。すでに種痘は全国で実施されていたが、江戸では江戸城の将軍の御典医の漢方学派の多紀グループが反対したためにそれまで実施できなかった。

これはジェンナーの種痘のことで、日本中に猛威を振るった天然痘の予防ワクチンのことである。伊東玄朴らは拒否され続けた種痘所が遂に設立が認められた年である。しかし〔お玉ヶ池種痘所は設立後〕たった6ヶ月で火事で類焼した。
佐倉の豪商の援助で、すぐに現在の三井記念病院のある下谷の和泉橋通りに再建され、〝西洋医学所〔種痘所・医学所〕〟と名称を変えた。医学所は教育・診療をかねた医学校の前身であった。医学所には鉄の門扉が取り付けられていたので、江戸町民はこの医学所そのものを鉄門と呼んだ。

明治10年に東京大学が10万坪もある加賀藩のお屋敷跡に設立された。しかしすべての学部が同時に出来たのではない。一番目にやってきたのが医学部である。
大学構内の南側に医学部本館、病院、教室が置かれた。無縁坂寄りに第4通用門があって、ここから入ると富山藩の御殿があった。この門は明治12年医学部の開業式が行われたときには表門と呼ばれた。この表門は鉄製の美しいデザインで鉄門と呼ばれるようになった。
(上掲『東大病院だより No.54』より抜粋。同資料は豊富な図版も掲載されている)

したがって鷗外や漱石がのこした作品には、しばしば無縁坂とあわせて<鉄門>が登場する。現在は改装されて昔日の面影は少ないが、不忍池から上野へとくだる無縁坂にそって、東大医学部中央診料棟 2 の前にある。
「赤門展」とあわせて、ぜひおたずねいただきたいものである。

活版凸凹フェスタ*レポート08

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本情報のオフィシャルサイトは アダナ・プレス倶楽部ニュース です。
ここ、タイポグラフィ・ブログロール《花筏》では、肩の力をぬいて、
タイポグラフィのおもしろさ、ダイナミズムなどを綴れたらとおもいます。
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5月の連休は活版三昧
作家展示:25コーナー
学校法人:5大学
企業団体展示:11企業・団体
特別企画展示 

5月3日[木・祝]-6日[日]まで全力投球 !
ご来場日が決まったら 活版ゼミナールへのご予約を !!

★毎日開催 

◆特別企画展示◆
活字版印刷術の知と技と美をご紹介いたします。
    活字版印刷術の知と技と美をご紹介いたします。
  ◎ 江川活版製造所、ハワイ MānoaPress:江川次之進関連資料の展示。
  ◎ アルビオン型手引き印刷機とアーツ&クラフツ運動
                     ──身体性をともなった造形の歓びとは
  ◎ 朗文堂 ブック・コスミイク──話題の新刊書、活版印刷実践者の定番書籍
  ◎ 朗文堂 タイプ・コスミイク──欣喜堂シリーズ、杉明朝体のデジタルタイプも                         
              樹脂凸版印刷を使用すると ─アレッ  思わぬ効果が!   

★毎日開催 

◆活版ゼミナール◆
会期中は、毎日、各種の楽しい活版ゼミナールを開催いたします。
一部に予約が必要なゼミナールもございます。ご予約のうえ、ご来場ください。
また「日展会館」は時間管理に厳格な施設ですので、定刻終了にご協力ください。

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【アルビオン型手引き活版印刷機による印刷実演】
会期中連日 適宜開催
事前予約不要 
参加費:印刷体験希望者は  1回1,800円(税込)。
見学はご自由にどうぞ。

19世紀に、英国で製造された鉄製の「アルビオン型手引き印刷機」を会場に搬入し、
写真の印刷機をもちいて、欧文大型活字(Albertus を予定)による印刷実演をおこないます。
印刷された作品はお持ち帰りいただきます。


英国/フィギンズ社、1875年製造「アルビオン型手引き印刷機」
「手引き印刷機 Hand press 」は手動で操作する印刷機の総称で、一般にはグーテンベルクらがもちいた印刷機のかたちを継承して、水平に置いた印刷版面に、上から平らな圧盤を押しつけて印刷する「平圧式」の活版印刷機です。

アルビオン型印刷機は、重い圧盤を引き上げるための、バネを内蔵した突起を頭頂部に有することが特徴で、すでに動力機が主流となった19世紀世紀末にも、ウィリアム・モリス工房や、エリック・ギルらのプライベート・プレス運動家が、五感を駆使した造形にこだわりがあって、この「アルビオン型手引き印刷機」をもちいたことが知られます。

わが国でも、東京築地活版製造所・平野富二らが、明治7年頃からこのタイプの国産印刷機を製造していたことが明らかなっています。秀英舎(現:大日本印刷)創業時の印刷機も、残存写真資料から「アルビオン型印刷機」であったことがわかります。
また、明治中期に江川活版製造所が製造した類似機を、ハワイ/Mānoa Press が所有していて、今回の《活版凸凹フェスタ》に図版参加が決まっています。

 ★ 5月3日[木・祝]開催──要予約!

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 【印刷人掃苔会(そうたいかい)ツアー2012】 
5月3日(木・祝) 13 : 00(展示会場に10分前に集合)―
15 : 00  雨天決行
定員:15名(予約制) 参加費:2,000円(税込)
「掃苔会の栞」付き


谷中霊園、通称碑文通りにある巨碑。現在もおこなわれている「左起こしの横書き」のはじまりが、大蔵官僚だった渡部欽一郎によって洋式帳簿のなかではじめれらたことを、時の大蔵大臣が碑文に撰しています。
ご案内は、タイポグラフィ学会事務局長/松尾篤史さんです。

 

 テクテク歩いて、よ~く見て、ハイ ご苦労さま!
印刷人掃苔会 参加証。熊さん活字はアメリカ製。

掃苔ソウタイとは、墓石の苔コケを掃くことで、転じて清掃・墓参りを意味します。《活版凸凹フェスタ2012》の会場「日展会館」のまわりには、印刷人が多く眠る「谷中霊園」や、お寺、印刷関連の石碑も豊富な「上野公園」などがあります。
本来の掃苔会は、勝手にどんどん不定期開催ですが、外部の皆さんをお誘いするかたちでの開催には、あまりにマニアックだとして異論がありました。ところが前回は満員御礼の盛況でした。そこで今回も「5人くらいお集まりいただければ……」と気軽にかまえています。
タイポグラフィ学会事務局長の松尾篤史さんの解説とともに、「日展会館」周辺の印刷人ゆかりの地をめぐる、とてもマニアックで、充実したツアーです。
皆さんもごいっしょに、わが国の印刷の発展に尽力した先達を偲び、石碑に刻まれた書体の秘密を解明してみませんか。

お申し込みしめきり日:4月25日(水)
〈ただし、先着順受付により定員に達ししだい、しめきりとさせていただきます〉

*参加ご希望の方は、e-mail もしくは、ファクシミリ03-3352-5160で、「活版凸凹フェスタ 掃苔会(そうたいかい) 参加希望」と明記の上、住所・氏名・年齢・当日連絡が可能な電話番号・e-mailアドレスもしくはファクシミリ番号をご連絡ください。
(お教えいただいた個人情報は朗文堂/アダナ・プレス倶楽部のみの使用といたします)。

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【花型活字を使ってオリジナルレターセットをつくろう!】
5月3日(木・祝) 
① 10 : 00―12 : 00 
② 14 : 00―16 : 00
定員:各回4名(予約制) 参加費:3,000円(税込)


花型活字と欧文活字を使って、お名前入りの素敵なオリジナルレターセットをつくりましょう。
お申し込みしめきり日:4月25日(水)
〈ただし、先着順受付により定員に達ししだい、しめきりとさせていただきます〉

*参加ご希望の方は、e-mail もしくは、ファクシミリ03-3352-5160で、「活版凸凹フェスタ 花型活字レターセット 参加希望」と明記の上、住所・氏名・年齢・当日連絡が可能な電話番号・e-mailアドレスもしくはファクシミリ番号をご連絡ください。
(お教えいただいた個人情報は朗文堂/アダナ・プレス倶楽部のみの使用といたします)。

★ 5月4日(金・祝)開催──要予約!

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 【2種類のハンドモールドで活字をつくろう!】
5月4日(金・祝)
① 13 : 00―14 : 30
② 15 : 00―16 : 30
定員:各回6名(予約制) 参加費:5,000円(税込) テキスト2種付

ハンドモールド(手鋳込みの活字鋳造器)を用いて活字鋳造の体験をおこないます。今回は、初期の活字鋳型の研究をされている元三省堂印刷の伊藤伸一さんと、タイポグラフィ学会会員の渡辺 優スグルさんのご協力のもと、2種類のハンドモールドをもちいて、活字鋳造体験を予定しています。
ひとつは、15世紀半ばに西洋式活字版印刷術を開発した、ドイツのグーテンベルクがもちいたとされる「手鋳込み式活字鋳造器」の想定図をもとに、渡辺優さんが復元したものです。

もうひとつは、伊藤進一さん所有のハンドモールドで、スミソニアン・国立アメリカ歴史博物館の学芸員で、初期活字鋳型の世界的な研究者である、スタン・ネルソンさんによって復元されたものです。できあがった活字を使って、小型活版印刷機 Adana-21J で記念カードの印刷もおこないます。

お申し込みしめきり日:4月25日(水)
〈ただし、先着順受付により定員に達ししだい、しめきりとさせていただきます〉

*参加ご希望の方は、e-mail もしくは、ファクシミリ03-3352-5160で、「活版凸凹フェスタ ハンドモールド 参加希望」と明記の上、住所・氏名・年齢・当日連絡が可能な電話番号・e-mailアドレスもしくはファクシミリ番号をご連絡ください。
(お教えいただいた個人情報は朗文堂/アダナ・プレス倶楽部のみの使用といたします)。

★ 5月5日(土・祝)開催──要予約!

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【印刷の四大版式の違いを学ぼう!】
5月5日(土・祝) 13 : 00―16 : 00
定員:8名(予約制) 参加費:5,000円(税込)
★定員に達しましたので応募締め切りとなりました。

凸版印刷の一種である「活版印刷」をより深く理解していただくためには、ほかの版式や技法に接することも重要です。
「版画工房  フジグラフィックス」の楚山俊雄さんのご協力のもと、印刷の四大版式「凸版・凹版・平版・孔版」すべての印刷体験を通して、その違いや特性を学ぶゼミナールです。

             
株式会社フジグラフィックスWebsiteより。リトグラフの作業風景。写真は楚山俊雄さん。

お申し込みしめきり日:4 月25日(水)
〈ただし、先着順受付により定員に達ししだい、しめきりとさせていただきます〉

*参加ご希望の方は、e-mail もしくは、ファクシミリ03-3352-5160で、「活版凸凹フェスタ 印刷の四大版式 参加希望」と明記の上、住所・氏名・年齢・当日連絡が可能な電話番号・e-mailアドレスもしくはファクシミリ番号をご連絡ください。
(お教えいただいた個人情報は朗文堂/アダナ・プレス倶楽部のみの使用といたします)。

★ 5月6日(日)──予約不要 

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【記念カードを印刷しよう!】
5月6日(日)11 : 00―12 : 00、13 : 00―14 : 00 内の随時
事前予約不要 参加費:無料
活字版印刷機 Adana-21J を使って記念カードの印刷を体験していただきます。
この日は最終日につき、15:00で閉場となります。ご注意ください。