【上映】チェコセンター プログラム 映画『 イカリエ-XB1 』(5月19日より全国順次公開)+ S T O R Y

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チェコセンター プログラム
映画『 イカリエ-XB1 』(5月19日より全国順次公開)
1963年にチェコスロヴァキアではじめてつくられた本格的SF映画『 イカリエ-XB1 』(インドゥジヒ・ポラーク監督)のデジタル・リマスター版が5月より全国で順次公開予定です。

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『 イカリエ-XB1 』デジタル・リマスター版
2018年5月19日(土)新宿シネマカリテ ほか全国順次公開予定
最新情報は公式ウェブサイトをご確認ください。
http://ikarie-jp.com/

22世紀後半、生命探査の旅に出た宇宙船 イカリエ-XB1 は、アルファ・ケンタウリ系へと向かう途上で、漂流中の朽ちた宇宙船を発見する。それはかつて地球から旅立った宇宙船だったが、船内にあるのは謎の死を遂げた乗組員たちの死体。
この難破船に積まれた核兵器の爆発により調査員たち数名を失うという悲劇ののち、変わらず旅を続ける イカリエ-XB1 。だが謎のダークスターによって乗組員たちはみな眠りについてしまい …… 。1
963年にチェコで初めてつくられた本格的SF映画『 イカリエ-XB1 』は、密室の中で徐々に狂気に汚染されていく乗組員たちのサスペンスフルな人間ドラマと、近未来のユートピア的世界を、独創的なスタイルで描き出した。

そのオリジナリティ溢れる世界観は、『2001年宇宙の旅』(スタンリー・キューブリック、68)にもインスピレーションを与えたという逸話を持つほど。2016年に4K修復され、同年カンヌ国際映画祭カンヌ・クラシック部門で脚光を浴びたデジタル・リマスター版で、日本では劇場初公開となる。

『イカリエ-XB1 デジタル・リマスター版』
監 督:インドゥジヒ・ポラーク
脚 本:インドゥジヒ・ポラーク、パヴェル・ユラーチェク
撮 影:ヤン・カリシュ|衣装:エステル・クルンバホヴァー|音楽:ズデニェク・リシュカ
出 演:ズデニェク・シュチェパーネク、フランチシェク・スモリーク、ダナ・メドジツカー、イレナ・カチールコヴァー、ラドヴァン・ルカフスキー、オットー・ラツコヴィチ
1963年|チェコスロヴァキア|原題 IKARIE XB 1|88分|白黒|デジタル・リマスター
提 供:キングレコード
配 給:コピアポア・フィルム
協 力:チェコセンター
©National Film Archivetixeko
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S T O R Y

22世紀後半(2163年)、世界で初めて生命調査の旅に出た宇宙船イカリエ-XB1。目的地は、太陽に似ていて生命の存在が期待されるアルファ・ケンタウリ惑星系。
イカリエ-XB1は15年後に地球へ帰還する予定だが、宇宙空間を高速で移動する乗組員は、時間の遅れにより、その間2歳ほどしか年をとらない。

船内には、制御室の他、スポーツジムや遊戯室もあり、長い共同生活をストレスなく暮らせるようになっている。乗組員は計40人。
常に冷静に乗組員たちを見守るアバイェフ艦長。地球に残してきた妻レナの身を案じるマクドナルド副艦長。旧型ロボットのパトリックを相棒にする数学者のアントニー。少し口うるさいところのある社会学者のニナ。ピアノを弾くのが趣味のバーナード。どこか繊細そうな様子の青年ミハル。
なかには、美人のブリジッタや若い歴史学者のエヴァの気を惹こうとする男たちもいる。年齢も個性もバラバラな各乗組員たちだが、これから長い生活をこの船で共に過ごすのだ。

そんななか、マクドナルド副艦長は、乗組員のシュティフィーが仲間で夫のミレクの子を身ごもっていると知り、動揺する。 彼の妻である歴史学者のレナは、妊娠を理由に、この宇宙旅行への同行を諦めたからだ。 なぜ自分の妻は乗れなかったのか、と不満を漏らす彼に、艦長は「レナは自分より若いシュティフィーに譲ったのだ。この前例のない事態をみんなで支えなければいけない」と冷静に諭す。

数ヶ月が過ぎ、狭い船のなかでの生活に、情緒不安定になり苛立つ乗組員も現れた。 ある日、アントニーの誕生日を記念してダンスパーティーが開かれる。 久々の華やかなイベントを楽しむ乗組員たち。

だがそこに突如「緊急事態発生」の警報が鳴り響く。 どうやらすぐ近くに謎の彗星が現れたらしい。やがて彗星の正体が宇宙船だとわかり、反応がないことに戸惑いながらも、探査シャトルを飛ばすことを決める艦長。 シャトルに乗り込むのは、ヘロルドとペトルのふたりだ。
調査により、謎の宇宙船は、20世紀に地球から旅立ったロケットだと判明する。 中には、乗組員全員の死体がそのまま残されていた。 船に残された毒物や司令室の様子から、段々とこの難破船の顛末が浮かび上がる。
宇宙を旅する途中なんらかの事故に遭遇した船内では、酸素が急激に不足し、 司令官たちは、生き延びるために乗組員全員を毒ガスで殺してしまった。 だが残ったふたりも結局はお互いを殺しあい、船は全員の死体を乗せたまま宇宙を長い間彷徨っていたのだ。
自分たちの先祖の醜悪さに嫌悪を感じつつ調査を進めるヘロルドたちだが、 船に核兵器が搭載されていることに気づき、急いで船を去ろうとする。だが脱出まであとわずかというところで、ふたりを乗せたまま難破船は爆発してしまう。

ふたりの犠牲を出したことを嘆き悲しみながら、その後も旅を続けるイカリエ-XB1。エリックとミハルは、予備エンジン設置のため、船外で作業を進めていた。決して難しい作業ではなかったが、これが危機の始まりだった。

ようやくアルファ・ケンタウリを発見する乗組員たち。だがその直後に謎の電波星雲を発見し、アントニーが調査を始める。 突然、船内で意識不明となったミハルが見つかる。コンピューターは彼の死亡を宣言するが、ミハルはすぐに意識を取り戻す。安堵する乗組員たちだが、続いてエリックも突如意識を失い、船内に不穏な空気が流れる。原因がわからないまま、他の乗組員を原因不明の疲労感と眠気が襲っていく──── 。

【詳細: チェコセンター 】