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【公演】博 多 座 三谷文楽『其礼成心中-それなりしんじゅう-』 8月17日・19日

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三谷文楽『其礼成心中-それなりしんじゅう-』
8月17日[金]・19日[日]
三谷幸喜が愛を込めて描いた大阪・曾根崎を舞台にふつうの人々の笑いと涙の人情物語
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舞台は元禄十六年。
大坂では近松門左衛門が実際の心中事件を元に書いた『曾根崎心中-そねざきしんじゅう-』が大ヒット。その舞台となった天神の森は、悲恋の末に心中を遂げようとする男女の心中のメッカとなっていた。
その森の入り口にある、饅頭屋の夫婦と、心中にやってくる男女の物語を三谷幸喜が書き下ろしました。三谷幸喜の真骨頂、曾根崎に暮らす市井の人々のは笑いと涙に溢れた人情物語。『曾根崎心中』の裏版『其礼成心中-それなりしんじゅうー』です。

「ワインをデキャンティングして美酒にするように、僕があらたな器になります」と自ら宣言、三谷幸喜が創りだし、大好評を得た三谷文楽『其礼成心中』。
文楽の伝統と技芸に敬意を評しながら、三谷幸喜がその魅力を彼の筆と演出で自由に創作した庶民の喜劇『其礼成心中』は文楽ファンはもとより、文楽ビギナーズへも文楽の魅力を最大限に伝えました。中でも人形たちの水中シーンは絶品です。
文楽の可能性を最大限に引き出した三谷幸喜の超・古典エンタテイメントです。

ph01三谷 幸喜(みたに・こうき)/作・演出

1961年、東京生まれ。日大芸術学部在学中の83年に劇団「東京サンシャインボーイズ」を結成。劇団は94年度の公演から30年間の充電期間に入っている。以降、脚本家として数多くのTVドラマを執筆、近年は映画監督も手掛け、精力的に活躍。代表作に「ラヂオの時間」「コンフィダント・絆」など。芸術選奨文部科学大臣賞、紫綬褒章。

三谷幸喜が描いた、決して日本史に出てこない普通の人々の人情物語。 
劇場で大いに笑い、泣きしてください!
そして、あらたな文楽の「古典」を目指して!
どうぞご期待ください。

作・演出:三谷幸喜
出演者:竹本千歳太夫・鶴澤清介・吉田一輔ほか
作 曲:鶴澤清介  美術:堀尾幸男 照明:服部基 音響:井上正弘 舞台監督:加藤高
協 力:国立文楽劇場  文楽協会
製 作:井上肇  プロデューサー:毛利美咲 企画製作/株式会社パルコ

* 電話予約・WEB発売開始:6月9日[土]博多座

あ ら す じ

舞台は元禄十六年四月七日、大坂の曾根崎天神の森で醤油屋の手代徳兵衛と北新地の遊女屋天満屋のおかかえ女であるお初が心中死をとげた。
この心中事件を題材に近松門左衛門が書いた物語が『曾根崎心中』。この近松が書いた『曾根崎心中』は大ヒット。その後、なぜかこの天神の森は、第二、第三のお初と徳兵衛と言わんばかりに心中のメッカとなっていた。

その天神の森の入り口にある饅頭屋。夫婦が営むこの饅頭屋だが、自分の家の目の前でここまで心中を繰り返され、店から客は縁起がわるいと遠のき、饅頭屋はかたむきかけていた。

ある夜、毎度のように若い男女が饅頭屋の前を通りかかった。我慢できなくなった饅頭屋の親父は、とにかく自分の家の前でここまで心中を繰り返されることが嫌な一心で、この男女に「ここで死ぬな」と説得する。
思い至った二人は死ぬことを思いとどまり、帰って行った。饅頭屋の親父はほっとする。しかし、またある日には別の男女が …… 。同じように「ここで死ぬな」と説得、思いとどまらせ、あげくのはては腹がすいている二人に饅頭を食わせてやった。

こんな日々を繰り返しているうちに、なぜか饅頭屋が流行りだす。しかし、なぜか皆親父に身の上話をし、饅頭を買って帰る。どうやら巷では「人生相談所」としての評判がたっていた。これを商売にしない手はないと饅頭屋の妻は「曾根崎饅頭」と銘打って名物饅頭を売り出した。これがまた評判を呼び、饅頭屋は大流行り。一度は傾きかけた店は富を蓄え、そして大金持ちとなった。

あれから、17年。金持ちになった饅頭屋はその富におぼれ、散財し贅沢な暮らしをしていた。しかし、そんないいことは長くは続かない。最近、心中にくる男女もめっきりこなくなり、饅頭屋も閑古鳥。
実は近松門左衛門があらたな心中もの『心中天網島-しんじゅうてんのあみじま-』を発表し、これが大ヒットで、心中のメッカは曾根崎から網島が「心中のメッカ」として、ブームになっていた。
なんとその網島には天ぷらやがあり、自分たちと同じように「かきあげ天網島」という名物天丼で大繁盛のようだ。この状況に怒った饅頭屋の主人は近松門左衛門に直談判へ行く。どうか天神森で起こるあらたな心中ものを書いてほしいと。
しかし、近松は、自分が書きたいものしか書かないと親父を追い出すが、この状況をなんとかしたい親父は食い下がる。あまりにもしつこい親父に困り果てた近松は「それならば、お初、徳兵衛のようにドラマチックな本当の心中話があれば、それを題材に書いてもよい」と言う。饅頭屋は、「ではドラマチックな心中をつくろうじゃないか」と帰る。

饅頭屋には一人娘があった。実は網島の天ぷら屋の一人息子と恋に落ちていた。しかし、家族は敵対、二人は一生一緒になることができないとロミジュリよろしく悲恋物語のヒロイン。そこで饅頭屋の親父はこの二人はおそらくほっておくと心中するかもしれない、そうすればこの題材を元に近松門左衛門にあらたな心中ものを書いてもらえるかもと悪魔のような考えが浮かぶ。
しかし、富を得るために、まさか自分の娘に心中をさせるわけにはいかないと思いとどまり、娘を天ぷら屋の息子の元へ行かせてしまった。

もう八方ふさがりの饅頭屋の夫婦、店は傾き、もう打つ手はない。生きていく力をなくし、夫婦は自らの天神森で命をたとうとするが …… 。

【詳細: 博 多 座 】

【公演】国立劇場 小劇場主催公演 六月雅楽公演「雅楽器の魅力」+解説添付 6月9日

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国立劇場 小劇場主催公演
六月雅楽公演「雅楽器の魅力」
公演期間 2018年6月9日[土]
開演時間 午後2時開演(午後4時終演予定)
* 開場時間は、開演の30分前の予定です。

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演 目・出 演
雅楽器の魅力
 笙  黄鐘調調子(おうしきちょうのちょうし)

篳 篥 八仙急(はっせんのきゅう)
龍 笛 蘇莫者破(そまくしゃのは)
琵 琶 秘曲 揚真操(ようしんそう)
 箏  太食調掻合(たいしきちょうかきあわせ)/抜頭(ばとう)
神楽歌 朝倉(あさくら)
管 絃 散手序(さんじゅのじょ)
芝祐靖=作曲・編曲
管 絃 雉門松濤楽(ちもんしょうとうらく)
    悠聲(ゆうせい)/泰鳴(たいめい)/玉手輪説(ぎょくしゅりんぜつ)/雉聲(ちせい)

<解説> フライヤーより転載
シルクロードにより伝わった異国の歌舞と、日本古来の歌舞とが結びつき、平安王朝文化の中で大成した雅楽。現在もなお多くの人を魅了するその響きは、多様な雅楽器のアンサンブルにより作り出されます。

主に和音で演奏される「笙-しょう」、主旋律を担う「篳篥-ひちりき」、旋律を彩る「龍笛-りゅうてき」、リズムを明確にする「楽琵琶-がくびわ」、琵琶とともに合奏全体のリズムを作る「箏-そう」。
このほか、打ち物といわれる「鞨鼓-かっこ・太鼓-たいこ・鉦鼓-しょうこ」など、雅楽器の独自の響きに惹かれるのでしょう。

そこで今回は雅楽器に着目し、前半では楽器単体での演奏をお聴きいただきます。
笙「黄鐘調調子-おうしきちょうのちょうし」、篳篥「八仙急-はっせんのきゅう」、龍笛「蘇莫者破-そまくしゃのは」、琵琶「秘曲 楊真操-ひきょく ようしんそう」、箏「太食調掻合-たいしきちょうかきあわせ/抜頭-ばとう」という、それぞれの楽器の魅力を最大限に引き出す演奏は、合奏では味わうことのなかった新たな雅楽の魅力を示します。

続く「朝倉-あさくら」は、神楽歌の中でも名曲中の名曲といわれ、神楽笛、篳篥、和琴の独奏、そして歌の独唱と、技巧だけでなく音楽性や声量も求められる非常に難易度の高い曲です。

それぞれの楽器の響きを味わった後、後半は、合奏をお聴きいただきます。
古典曲「散手序」は、管絃ではあまり演奏されませんが、今回は笙・篳篥・龍笛の三管による音頭の演奏に、助奏が同じ旋律を追いかける退吹-おめりぶき-による演奏をお楽しみいただきます。

そして最後は、芝祐靖作曲の「雉門松濤楽-ちもんしょうとうらく」をお聴きいただきます。
この曲は「国立劇場開場五十周年を寿ぎ、そして雅楽のこれからの千年に捧げる」をテーマに作られました。
今回は笙・篳篥・笛・琵琶・箏の響きがより際立つよう編曲しての上演となります。

雅やか、かつ悠久な雅楽の響きは、他の音楽では味わうことができません。その響きを生み出す雅楽器を知ることで、より深く雅楽の魅力を味わっていただければ幸いです。

出演=豊 英秋、安齋省吾、大窪永夫、池邊五郎、東儀季祥、大窪康夫、大窪貞夫、豊 靖秋
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前売開始 電話・インターネット予約開始=4月11日(水)午前10時ゟ
窓口販売開始=4月12日(木)ゟ

【詳細: 国立劇場 】

【公演】六月博多座大歌舞伎 二代目松本白鸚 十代目松本幸四郎 襲名披露+{新宿餘談}

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六月博多座大歌舞伎
  松本幸四郎改め 二代目 松本白 鸚
                   襲名披露
  市川染五郎改め 十代目 松本幸四郎
6月2日[土]初日-26日[火]千穐楽

☆ 4月14日午前10時から電話予約・インターネット発売開始
【詳細: 博多座

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!cid_DA9F429A-EB89-44EF-B883-53DD44E57AFA昭和17年8月生まれ。初代松本白鸚(八代目松本幸四郎)の長男。
21年5月東京劇場『助六曲輪江戸桜』外郎売の伜で二代目松本金太郎を名のり初舞台。24年9月東京劇場『逆櫓』の遠見の樋口で六代目市川染五郎を襲名。56年10、11月歌舞伎座『勧進帳』の弁慶、『熊谷陣屋』の熊谷直実ほかで九代目松本幸四郎を襲名した。

父方の松本幸四郎家の芸と、母方の祖父初代中村吉右衛門の芸を継承し、独自の芸風を確立している。特に『勧進帳』の弁慶は全国47都道府県で上演し、1100回を超える偉業を達成。このほかの当たり役として『仮名手本忠臣蔵』の大星由良之助、『菅原伝授手習鑑』の松王丸など時代物の大役のほか、近年は『筆屋幸兵衛』の幸兵衛など黙阿弥の世話物も手掛け、芸域を広げている。

また、日本のミュージカル俳優の草分『ラ・マンチヤの男』のセルバンテスとドン・キホーテは1200回以上演じたほか、現代劇でも『アマデウス』のサリエリなど数々の当たり役を持ち、歌舞伎のみにとどまらず様々な分野で活躍している。平成17年紫綬褒章、日本藝術院会員、文化功労者。

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昭和48年1月生まれ。二代目松本白鸚(九代目松本幸四郎)の長男。
54年3月歌舞伎座『侠客春雨傘』の金太郎で三代目松本金太郎を名のり初舞台。56年10、11月歌舞伎座『仮名手本忠臣蔵』七段目の大星力弥、『助六曲輪江戸桜』の福山かつぎで七代目市川染五郎を襲名。

古典の二枚目や女方など幅広い役柄を演じ、近年では『勧進帳』の弁慶、熊谷陣屋』の熊谷直実など父祖の当たり役である線の太い役柄にも挑戦して好評を得た。また、家の芸系にはない『恋飛脚大和往来』の忠兵衛などの上方歌舞伎の和事や復活狂言にも積極的に取り組んでいる。

歌舞伎以外の舞台では、劇団☆新感線による『阿修羅城の瞳』、『アテルイ』などに主演、これらの舞台は歌舞伎NEXT『阿弓流為(アテルイ)」として進化を遂げ、歌舞伎に新しい世界を切り開いた。近年ではラスベガスで行った公演での『獅子王』で伝統の技と最新のテクノロジーを融合させた意欲作を成功させるなど精力的に活動している。平成11年紀伊国屋演劇賞個人賞、平成15年芸術選奨新人賞。
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{新宿餘談}

ゆえあって歌舞伎 ─ 高麗屋ファン、また戯作者にして歌舞伎座創建者:福地櫻痴(源一郎)と眞山青果の心酔者

やつがれ弱小のみぎり、オヤジの書棚にあった『眞山青果全集』に触れ、「ト書き」などで状況設定や構成の妙がわかる戯曲の、小説とはちがうおもしろさにひかれた。のちにこの全集を古書店から購入して読みふけった。記憶では亀倉雄策氏の装幀で重厚な装本であったが、繰りかえした引っ越しのなかに没した。
そんなこともあって、戯作者 : 眞山青果、ついで福地櫻痴らにあこがれ、脚本家をめざした恥ずかしい過去がある。 これは斯界の大先輩に非才をきつく指摘され、わりとあっさり断念した。それでも突然の難聴におそわれるまでは、映画やテレビよりも、ライブでの芝居が好きだった。

たまたま娘が日舞松本流師匠のもとに稽古にかよった。その師匠の亭主が 三代目松本錦吾(高麗屋)で、 家も年齢も近かったので「家庭麻雀」を中心に家族ぐるみのつきあいをしたし、改築前の歌舞伎座にはしばしば通った。 
当時の錦吾さんは若手育成担当をしていたので、先代市川染五郎(現松本幸四郎)、市川海老蔵、中村獅童も、浅草公会堂や国立劇場などで子役のころからみてきた。また、こういう通ぶったいいかたはいやらしいが、先々代の松本幸四郎(初代白鸚・高麗屋)、先代の市川團十郎(成田屋)、尾上松綠(二代目・音羽屋)もみてきた。

20180412184923_00001『週刊朝日』2018年1月26日号 表紙
新松本幸四郎が自らを「歌舞伎職人」と述べているのが印象的であった

歌舞伎界では「高麗屋三代同時襲名披露」が話題になっている。この三代同時での襲名披露は37年ぶりの快挙だとしておおいに人気をあつめている。
ところがやつがれ、この37年前の「高麗屋三代同時襲名披露」公演に、記憶にあるかぎり三度は歌舞伎座に通った。錦吾さんと現二代目白鸚はおなじ年のうまれで、どちらも矍鑠としているが、先代の初代白鸚は、襲名のとき、すなわち37年前には、すでに老化がめだち、襲名披露公演のときもセリフも所作も弱〻しかった。そのため先代白鸚の「部屋子」としてながらく修行してきた錦吾さんが、白鸚の出番のすべてに「黒子-くろご・歌舞伎では存在しない役者なのがきまりごと」の衣裳をつけて、白鸚にピッタリと寄りそって介添えしていた。

大仕掛けの歌舞伎の観劇料はけっして安くはないが、時折錦吾さんがキャンセルになった指定席を紹介してくれたし、歌舞伎座独特の「幕見席」があって、映画なみの気軽さでみることもできる。
この「幕見席」は高所恐怖症のかたにはおすすめできないが、意外に知られていないようなので、ここに紹介する。

一幕見席について
好きな幕だけをお気軽にご鑑賞いただけるのが、一幕見席。 幾度もお運びになるお客様や、歌舞伎を初めてご覧になるお客様のための、歌舞伎座ならではの人気席です。 一幕見席は歌舞伎座4階に位置しております。 全てが自由席となっており、通常公演では椅子席約90名、立見約60名、合わせて約150名の定員でございます。

「幕見席」なら、ひと幕だけを見ることもできるが、錦吾さんからの突然の招集で「最終ひと幕」を見るときは、車を萬年橋東・松竹の駐車場に入れ、公演がはねたあと、近くの船宿から役者仲間といしょに東京湾に夜釣りに行くことが多かった。
同行者のなかにはとんでもない大看板役者もいたが、釣り船というより屋形船を仕立てての釣行だった。釣りはいちおう穴子ねらいであったが、釣果を気にしないにぎやかな五目釣りで、釣れたはしから船頭さんがどんどん刺身や天麩羅にして酒の肴となっていた。

たしかに眼をおおきく剥いての荒事芝居のあと、すぐに、
「さぁ、終演です。明日に備えて帰りましょう」
では辛かろうし、贔屓筋からの招待の席も疲労を招くようであった。なによりも人気稼業の役者のことゆえ、ひと目をきにせず、東京湾にのんびり浮かぶ釣り船は、気楽さが一番だったようだった。つまり、こういうとき下戸のやつがれは錦吾さんらの帰宅の運転を引きうけることになった …… 。
それにしても、あれから37年とはまったくもって烏兎匆匆のおもいである。

歌舞伎座の創建と福地櫻痴(源一郎)
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歌舞伎座資料館
── 歌舞伎座の変遷

第一期:明治22年11月-明治44年7月

初代の歌舞伎座は、演劇改良運動の熱心な唱導者であった福地源一郎(櫻痴)が、自分たちの理想を実現すべき日本一の大劇場を目指し造られたもので、明治22年11月21日に開場しました。

外観は洋風でしたが、内部は日本風の三階建て檜造り、客席定員1824人、間口十三間(23.63m)の舞台を持つ大劇場で、今も歌舞伎座の座紋である鳳凰丸〔登録商標〕は、この時から用いられています。
明治44年7月に施設の老朽化と帝国劇場の出現を受けて改造されることとなりました。
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《四月大歌舞伎では眞山青果作品が、六月博多座では福地櫻痴作品が上演される》
ときおりメールマガジン「歌舞伎美人-かぶきびと-」が送られてくる。おおかたのメルマガはスルーだが、この情報は楽しみにしている。
一月・二月歌舞伎座「高麗屋三代同時襲名披露」の切符争奪戦 ── よい席で観たい ── は熾烈だったようである。二代目白鸚が元気なので、白鸚と同年うまれの錦吾さんは37年前とはちがって、昼の部・夜の部双方で大奮闘されていた。
高麗屋一門は、昨年末の浅草仲店での「襲名お練り」からはじまり、一月・二月の歌舞伎座での襲名披露公演があり、三月からは名古屋・京都とつづいて六月は博多座での公演が発表された。
ここに松本金太郎改め八代目市川染五郎が登場しないのは、まだ12歳の中学生でもあり、さすがに地方公演では参加を見送っているらしい。

4-21-491104-19-49107長崎市崇福寺通りに「福地櫻痴生誕の地」碑がある。福地櫻痴は毀誉褒貶のおおい人物だが、毎日新聞の前身『東京日〻新聞』主筆兼社長、衆議院議員・東京府府議会議員(議長)・初代歌舞伎座の創設・戯作家・文筆家など多方面で活躍した明治ならではの怪物ではある。やつがれ、訪崎に際しては寸暇をぬすんでこの碑の前にたつことが多い。

四月大歌舞伎・昼の部で、眞山青果作「江戸城総攻」から「西郷と勝」が上演される。明治百五十年ということもあるのだろうか、眞山作品のひさしぶりの上演である。

ところで博多座、夜の部に福地櫻痴作「新歌舞伎十八番の内 春興鏡獅子」が上演されるらしい。
櫻痴の戯作にはおなじ「新歌舞伎十八番の内 素襖落 すおうおとし」や、「春日局」など、意外に地味な作品もあるが、この「新歌舞伎十八番の内 春興鏡獅子」は、長唄囃子連中が舞台せましと居ならび、あかるく艶やか、賑やかで愉快なこと、まさに明治一の粋人といわれた福地櫻痴の面目躍如たるものがある。福岡博多座までいってでも高麗屋の「春興鏡獅子」をみたいものである。

【詳細: 歌舞伎座  博多座 】

【公演】国立能楽堂 2018年五月公演案内 & 解説/水掛聟-みずかけむこ-、放下僧-ほうかぞう-  

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国立能楽堂
2018年五月
◯ 5月9日の定例公演は、能「放下僧」です。

父の敵を狙う兄弟は放下(僧姿の芸人)に扮して敵に近づき、禅問答や歌舞を見せて隙を狙い、復讐を遂げます。
曲舞(くせまい)・羯鼓(かっこ)など様々な中世の芸能も見所です。

◯ 5月12日の普及公演は、能「俊寛」です。
平清盛失脚を狙う陰謀が発覚し、鬼界島に流された俊寛僧都たちのもとに赦免状が届けられます。
しかし、そこには俊寛の名だけがありません。
一人残される俊寛の、壮絶な絶望と孤独が描かれます。

◯ 5月18日の定例公演は、能「杜若」です。
在原業平が詠んだ和歌で知られる杜若の名所・三河国(現在の愛知県)八橋。
旅の僧の前に杜若の精が現れ、『伊勢物語』の世界を語り、業平や二条后の形見を身に付けて舞を舞います。

◯ 5月25日の狂言の会は、「家・世代を越えて」がテーマです。
狂言は、家ごとの出演者での上演が中心ですが、他の家の出演者との共演で普段とは異なる魅力をお楽しみいただきます。
重鎮に中堅・若手が挑む配役にもご注目ください。

Discover_N&K_P1-4_1030+Discover_N&K_P2-3_1030◯ 5月30日は、外国人のための能楽鑑賞教室 Discover NOH & KYOGEN です。
外国の方が能・狂言に触れる絶好の機会です。
冒頭に英語による解説が付き、狂言「盆山」と、能「船弁慶」を上演します。
座席の字幕表示システムは、英語・中国語・韓国語・日本語の4チャンネル。
また、英語・中国語・韓国語・スペイン語・フランス語・日本語による無料解説書もあります。
皆さまお誘い合わせのうえお越しください。
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◆5月公演 4月9日(月)より前売開始!

【詳細: 国立能楽堂 】 

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国立能楽堂 【千駄ヶ谷だより】より
親子の争いと兄弟の敵討ち(5月9日定例公演)

新年度を迎えて東京の桜はあっという間に散ってしまいました。来る5月は田植えの季節、水をいっぱいに湛えた田を見るのは本当に清々しいものです。

[水掛聟-みずかけむこ-]
さて、狂言には農業を扱った作品がいくつかあります。その代表作が今回上演する「水掛聟」です。この狂言には親子が登場します。親子といっても聟(むこ)と舅、義理の親子です。
この二人、それぞれ隣り合った別の田を耕作していて、日照り続きの頃、自分の田に水があるかどうか心配で見回りをします。すると隣の田には水があって自分の田に水がない。どうもお互い土を盛って「我田引水」、水を独り占めしているようです。
鉢合わせした二人は論争になり、ついには水の掛け合い、泥の塗り合いとなります。この騒動を聞きつけた妻(娘)が飛び出すものの、夫と親との板挟み、さてどちらの味方になるでしょうか。
実際こんなこともあっただろうという水論争、生活が掛かっていますから本当は深刻なはずですが、狂言ではあくまで明るく楽しい親子喧嘩、結末の後味も良く理屈抜きに誰もが楽しめる名作となっています。

国立能楽堂五月「能之図」(国立能楽堂蔵)より「放下僧」

[放下僧-ほうかぞう-]
一方、同時上演の能「放下僧」は、まさしく命が掛かった敵討ちを描いた作品です。
口論の末に父の左衛門を利根信俊に殺された牧野小次郎は、ともに敵討ちをしようと禅門に出家していた兄を訪ねます。弟の説得によって兄も敵討ちを決意し、禅を好む利根に近づこうと二人は「放下」という芸能者(兄は僧形、弟は俗体)に変装します。
近頃夢見が悪い利根は瀬戸の三島(現在の神奈川県の瀬戸神社)に参詣すると、そこで二人の放下に出会います。この二人こそ小次郎とその兄、二人は利根の好む禅問答で機会を窺いますが果たせず、次いで曲舞、羯鼓、小歌節と芸尽しによって利根の油断を誘います。ついに利根の隙に乗じて敵を討つことに成功、二人は名を末代に残します。
問答形式による緊迫感溢れる言葉の応酬、敵を狙いつつ舞う芸能の数々、見どころいっぱいの能です。シテの兄のみならずツレの小次郎、ワキの利根信俊、アイの従者、登場人物それぞれが大活躍する物語が能のイメージをきっと変えてくれるでしょう。

親と子の争い、兄と弟の苦難の敵討ち、家族をめぐる能と狂言を是非ご覧ください。

【公演】国立能楽堂 四月定例公演 武悪・籠太鼓+公演トピックス

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国立能楽堂
四月定例公演 武悪・籠太鼓
公演期間  2018年4月20日[金]
開演時間  午後6時30分開演(終演予定午後8時45分頃)
* 開場時間は、開演の 1 時間前の予定です。
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〔演目・主な出演者〕
狂言 武悪(ぶあく)    石田 幸雄(和泉流)
武悪 ── 府奉公な召使い・武悪を成敗せよと命じられた太郎冠者は、どうしても斬ることができず武悪を逃がします。前半の緊張から後半の喜劇へ劇的に展開する狂言です。

能  籠太鼓(ろうたいこ) 舞入 (まいいり) 田崎 隆三(宝生流)
籠太鼓──  殺人の罪を犯し逃亡した夫の身代わりとして捕らえられた妻は、牢にかけられた鼓を鳴らして夫を想います。妻のひたすらな想いが哀愁を誘う作品です。

【詳細情報: 国立能楽堂 】
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公演トピックス
【千駄ヶ谷だより】能・狂言にみる剛の者 (4月20日定例公演)
4月20日の定例公演は、狂言の中では大曲とされる「武悪」と稀曲の能「籠太鼓」をご覧いただきます。

この二作品、実は扱われる人物に「剛の者」という共通点があります。

「武悪」に登場する主人は数ある狂言のなかでも最も恐ろしい人物です。
なにしろ召使いを成敗しろと命令し、もし自分に偽りを言えば「末孫を絶やすぞ」と脅すのですから。 しかし、「武悪」のタイトルロール武悪も負けていません。そんな怖い主人に楯突いて不奉公を決め込んでいるばかりか、幽霊に化けて主人から数々の物を取り上げてしまうほどの「剛の者」です。

routaiko「籠太鼓」シテ=三川淳雄 (提供=宝生会)

一方、能「籠太鼓」の影の主人公、関の清次も「剛の者」です。
作品には登場しないため語られるだけの男、清次は口論した相手を殺害し、その咎で牢屋に入れられます。しかし、隙を見て牢を破って逃走してしまいます。
代わりに牢に入れられた清次の妻は、夫への想いから狂気となって、この牢こそが懐かしい夫よと舞を舞います。
本当に狂気となったのか、偽りの狂気なのか解釈の分かれるところですが、それを見た松浦の某は夫婦ともに助けてしまいます。
実は妻こそが清次よりもさらに「剛の者」だったということなのかもしれません。

能・狂言いずれも「剛の者」を軸にドラマチックに物語が展開する大変見応えのある作品です。
狂言ではシテの武悪、アドの主と太郎冠者、能ではシテの清次の妻、ワキの松浦の某、アイの従者それぞれが大活躍することもこの能と狂言の共通点です。
どうぞお見逃しなく!

【公演】御園座 柿葺落四月大歌舞伎 松本幸四郎改め 二代目 松本白 鸚/市川染五郎改め 十代目 松本幸四郎 襲名披露 4月1日初日─25日千穐楽

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柿葺落四月大歌舞伎
松本幸四郎改め 二代目 松本白 鸚
                  襲名披露
市川染五郎改め 十代目 松本幸四郎
平成30年4月1日[日]初日-25日[水]千穐楽
昼の部 午前11時ゟ
夜の部 午後  4時ゟ
チケット好評販売中

【詳細: 御園座 】
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{歌舞伎座メルマガ 歌舞伎美人ーかぶきびと より}

白鸚、幸四郎が語る御園座「柿葺落四月大歌舞伎」

2018年4月1日[日]-25日[水]、御園座「柿葺落四月大歌舞伎」で襲名披露を行う、幸四郎改め二代目松本白鸚、染五郎改め十代目松本幸四郎が、襲名と新たに開場する御園座についての思いを語りました。
koraiya_misonoza1213aa本年4月、装いも新たに5年ぶりに開場する御園座。その柿葺落であり、二代目白鸚、十代目幸四郎の襲名披露ともなる「柿葺落四月大歌舞伎」は、記念の公演にふさわしいものになりました。
幕を開ける『寿曽我対面』と、切狂言の『廓文章』は、おめでたいときに上演される東西の代表的な演目。柿葺落らしい2本のほか、高麗屋ゆかりの演目が並びます。

思い出深い御園座が新たな御園座となる公演で
「祖父(七世幸四郎)の時代からお世話になっている名古屋で、私が息子とともに晴れがましい襲名披露興行を、しかも新生御園座の柿葺落で上演できますこと、まことに胸がいっぱい。いろいろな思い出がよみがえってまいります」。白鸚は子役時代、御園座の当時の常務(後の長谷川栄一会長)に、「東山動物園で弟(吉右衛門)と象に乗せていただいた」という微笑ましい話もはさみながら、「名古屋で芝居ができることがうれしい」と喜びました。

大好きな『操り三番叟』を初めて勤めたのが、御園座に初お目見得を果たした初代松本白鸚十三回忌追善公演だった幸四郎。
昨年の「錦秋名古屋 顔見世」の千穐楽で、「幕が降りても拍手が鳴りやみませんでした。名古屋の皆様にひと月温かく見守っていただいたこと、ありがたく思っておりました。次に名古屋で幕が開くときは、幸四郎として幕を開けさせていただきます。柿葺落で皆様に喜んでいただけるよう勤めたい」と、意気込みました。

代々の高麗屋が大切にしてきた『籠釣瓶』『勧進帳』
昼の部の「口上」に続く『籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)』で、幸四郎が初役の次郎左衛門、白鸚は長兵衛を勤めます。幸四郎は「治六、栄之丞では出させていただいておりますが、(次郎左衛門を加えた)三役をする人はまずいないのでは。曾祖父(父の母方、初世吉右衛門)から代々当り役としている役をもって幸四郎のお披露目をさせていただく。責任感を強く強く持って、皆様にお披露目できれば」と、表情を引き締めました。

白鸚、幸四郎が語る御園座「柿葺落四月大歌舞伎
夜の部は『梶原平三誉石切』に続き、『勧進帳』。
白鸚は11年前の最後の御園座出演と同じ弁慶で新御園座に立ちます。
「御園座さんの柿葺落で弁慶。これは命を賭けてやらなければ申し訳ない。ひと月間、死に物狂いでいたします。息子にはちょっと出しゃばった白鸚と思われるかもしれませんが、これはやらなければと思いました」。
弁慶役に初めて刻まれる白鸚の名。「父が白鸚となって1回目の弁慶で、富樫を勤めさせていただきます」と、幸四郎にとってもまた特別な富樫となりそうです。

新幸四郎が念願をかなえる清元の『廓文章』
そして『廓文章』、常磐津での上演が多い上方狂言です。
「上方の芝居は大好きで勉強させていただいていますが、これに関しては、東京式といっていいのかわかりませんが、清元のものが本当に素敵だなと。清元の伊左衛門を勤められている俳優さんは、今は澤村藤十郎のおじ様しかいらっしゃらない。憧れの気持ちが前に出すぎて、いつやれるかわからないですけどお稽古してくださいと、以前、約束をとったこともありました。それがこのようなときに勤めることができる。喜びでいっぱいです」。

白鸚、幸四郎が語る御園座「柿葺落四月大歌舞伎」
幸四郎が初役で勤める伊左衛門。十七世、十八世勘三郎のビデオを見て、
「あのように自由に、力を抜いて舞台に立って、それが芝居であるという、そういう舞台の立ち方に憧れます。そこに清元の音楽。見ていての気持ちよさと軽やかさ、本当に伊左衛門の気持ちそのもの。そういう風情のある芝居ができる役者になりたい」。
念願かなったうれしさいっぱいですが、「初役で襲名のお披露目、これ以上高いハードルはありません。高麗屋の人間である、幸四郎であることをより意識して舞台に立ちたい」と、力強く語りました。

misonoza_1213白鸚、幸四郎が語る御園座「柿葺落四月大歌舞伎」
4月の開場が待ち遠しい御園座。二代目白鸚、 十代目幸四郎がこの新しい御園座の舞台に立ちます!
「名古屋のお客様はひときわお芝居を楽しんでいらっしゃる。役者にとってこれほどうれしいことはございません。お客様に喜んでいただけることが一番」
と語った白鸚は、新しい御園座で「新しい歌舞伎の魅力が生まれますように」と願いました。

「すごく真剣に見られている視線を感じるのが名古屋のお客様」、芸どころ名古屋を意識すると言ったのは幸四郎。名古屋には昔からの踊りがそのままの形で残っているものが多いので、「その面白さを勉強し、お披露目できるようにしたい」と抱負を述べました。

【公演】歌舞伎座百三十年 四月大歌舞伎 平成30年4月2日[月]初日─4月26日[木]千穐楽

kabukiza_201804_f2_3042193de748b51ce1cc6542886c9903歌舞伎座
歌舞伎座百三十年
四月大歌舞伎
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平成30年4月2日[月]-26日[木]
昼の部 午前11時-  夜の部 午後4時45分-
チケット好評発売中
【詳細: 歌舞伎座 】  {続きを読む……  花筏 }
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みどころ{歌舞伎座メルマガ 歌舞伎美人より

四月大歌舞伎
昼の部
一、西郷と勝(さいごうとかつ)
時代を動かした二人の英雄 その背景にあったものは ……
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      明治百五十年記念

      真山青果作「江戸城総攻」より
      松竹芸文室 改訂 大場正昭 演出

慶応4(1868)年3月6日。麹町半蔵門を望むお濠端で、勝海舟は、将軍徳川慶喜の助命を嘆願するために西郷隆盛のもとへ出向く山岡鉄太郎と遭遇します。勝は、万一の時には慶喜をイギリスに亡命させる秘策を打ち明けます。

3月14日、薩摩藩・長州藩をはじめとした官軍による江戸城総攻めを翌日に控え、勝は江戸薩摩屋敷の西郷隆盛のもとを訪れます。江戸城無血開城を提案する勝に、西郷は三つの条件を提示して……… 。
江戸城無血開城。のちの大政奉還、明治維新へとつながる歴史的なできごとには、二人の男の英断がありました。激動の時代のなかで、立場は違えど江戸の人々の生活を守るために奔走した西郷隆盛と勝海舟を描く一幕をご覧いただきます。

二、裏表先代萩(うらおもてせんだいはぎ)
御家騒動を二つの視点で描く時代物の大作
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      通し狂言

      梅照葉錦伊達織

下男小助は、足利家の家督を継ぐ鶴千代を殺すための毒薬の調合をしたことで褒美を得た町医者の大場道益を殺害、大金を奪います。
一方、足利家の御殿では、乳人政岡が鶴千代の身を守っています。そこへ管領山名宗全の妻栄御前が現れ、毒入りの菓子を鶴千代に勧めますが、政岡の子千松が菓子を食べてしまいます。千松は執権仁木弾正の妹八汐にとどめをさされますが、政岡が表情ひとつ変えないことから、栄御前は政岡が味方だと勘違いし、悪人方の連判状を渡してしまいます。しかし、その連判状を大鼠に化けた仁木弾正に奪われ…… 。

菊五郎ゆかりの時代物の悪人仁木弾正と世話物の悪党小助の2役を、当代菊五郎が実に23年ぶりに演じます。善悪が入り乱れる伊達家の御家騒動を描く傑作をお楽しみいただきます。

四月大歌舞伎
夜の部


絵本合法衢(えほんがっぽうがつじ)

仁左衛門が一世一代で勤める悪の魅力満載の傑作
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〈序幕〉 近江国多賀家の分家左枝大学之助は御家横領を企み、多賀家の重宝「霊亀の香炉」を盗み出します。大学之助は京の道具商田代屋の養女お亀の美しさに心を奪われ、無理矢理妾にしようとしますが、お亀の許嫁与兵衛の実兄である多賀家の家老高橋瀬左衛門が阻みます。後日、多賀家の陣屋に現れた大学之助は、傲慢な振る舞いを瀬左衛門に咎められ、多賀家の重宝「菅家の一軸」で打ち据えられますが…。

〈二幕目〉 京の四条河原。大学之助と瓜二つの太平次に惚れ込んでいる蛇使いのうんざりお松は、太平次のために質屋から「霊亀の香炉」を取り戻そうと田代屋を強請(ゆす)りますが、失敗に終わります。田代屋の後家おりよは、与兵衛とお亀をわざと勘当し、香炉を渡して出立させます。しかし、太平次はおりよを殺害、金を奪うとお松とともに田代屋を後にしますが…。

〈三幕目〉 京を離れた太平次は、大和国倉狩峠で旅人の休憩所である立場を営むようになり、そこへやってきた高橋家ゆかりの人々を次々手にかけ…。
〈大詰〉 天王寺近くの庵室。瀬左衛門の弟弥十郎は合法と名のり、太平次によって深い傷を負わされた与兵衛を庵室に匿っています。しかし、そこへ大学之助が現れ、与兵衛は斬られてしまいます。死に際の与兵衛の話から、ある事実が判明し…。

四世鶴屋南北の名作『絵本合法衢』が、片岡仁左衛門一世一代によって、ついに歌舞伎座初上演です。極悪非道な権力者大学之助と、悪事の限りを尽くす町人太平次の二人がみせる悪の魅力を存分にご堪能いただきます。

【情報: 歌舞伎座公式総合サイト歌舞伎美人  同 みどころ