花こよみ 012

花こよみ 012

詩のこころ無き吾が身なれば、折りに触れ、
古今東西、四季のうた、ご紹介いたしたく。

    花たちばな 二首 

風に散る 花たちばなを 手にうけて
君がみためと おもひつるかな

―― 万葉集異体歌 山部赤人集 所収 よみしひとをしらず

五月待つ 花たちばなの 香をかげば
昔のひとの 袖の香ぞする

―― 古今集 よみしひとをしらず