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【展覧会】 中村不折が愛した 中国 ・ 南北朝時代の書 書道博物館

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書道博物館 中村不折コレクション

不折が愛した 中国 ・ 南北朝時代の書

-439年から589年、王朝の興亡を越えて-

◯ 開催期間
2015年03月24日[火]-07月20日[月 ・ 祝]
◯ 休  館 日
毎週月曜日
ただし03月30日[月]、04月06日[月]、05月04日[月・祝]、07月20日[月・祝]は開館。
05月07日[木]は閉館。

※ 会期中(05月18日)に一部展示替えがあります。
※ < E – メール : 書道博物館ニュース 第10号より >
03月30日と、04月06日の月曜日は休館日ですが、この時期に書道博物館中庭の桜が満開になることが予想されます。
また、お出かけするにもよい季節となりますので、臨時に開館しまして、みなさまのお越しをお待ちしています。 展示作品を見ていただきながら、桜も見ていただければと思います。
DSCN4253 DSCN4248書道博物館の
中庭と、復元された明治のお蔵。 この中庭の櫻が咲くときは圧巻です。
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中村不折が到達した独特のスタイルを持つ書風は、主に439年から589年にかけての150年間の混沌とした中で発展した南北朝時代の書がその源となっています。
南朝の柔軟で優雅な書風や、北朝の力強い粗野な書風など、それぞれが王朝の興亡を繰り返す中で、書は変遷を遂げていきました。
不折はその多彩で変化に富む書に惚れ込み、実に多くの南北朝時代の書を収集しています。

本展覧会では、不折が愛した数々の南北朝時代の名品と、その古典をもとに自らの書風を形成した不折の書を、書道博物館の所蔵品より紹介します。

【 企画詳細 : 書道博物館

【会員からの情報】 ターシャ ・ テューダー展 MATSUYA GINZA

20150312144204579_000220150312144204579_0001ガーデニング ・ 絵本 ・ ドールハウス  愛する暮らし
生誕100年 

ターシャ・テューダー展

◯ 会  場 : 松屋ギンザ 8 階イベントスクエア
◯ 日  時 :
2015年3月18日[水]-2015年4月6日[月]
<最終日は17:00閉場 ※入場は閉場の30分前まで>
◯ 入場料 : 一般 1,000円
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アメリカ ・ バーモント州の山奥で、ガーデニングを楽しみ、92歳で亡くなるまで創作活動を続けた 絵本作家 ターシャ ・ テューダー ( 1915年-2008年 )。
子育てを終えたターシャは、大好きだったコーギ犬やペットのチャボと共に、鶏や山羊を飼い、毎日の生活のほとんどを手作りするライフスタイルを続けました。 その合間に絵を描き続け、70年間に発表した絵本は約100点にのぼります。

こうした暮らしが NHK の番組や書籍などで紹介されると、大きな反響を呼び、彼女は今なお多くの女性の憧れの存在です。
本展では、生誕100年を記念して、愛用していた食器や家具、ガーデニンググッズ、ドレスや絵本の原画、日本初公開となるドールハウスと人形を含む約200点を展観いたします。

また、ガーデンデザイナー杉井明美さんによる 「 ターシャの庭 」 を特別展示いたします。
「 思うとおりに歩めばいいのよ 」 と語り、夢を追いかけ、心豊かに生きたターシャ。
シンプルで優雅、そして喜びに満ちた独自の世界をお楽しみください。
[ 会員の レッツ ・ ラーン ・ スタジオ/出原 速夫さんからのご紹介です ]

【 企画詳細 : MATSUYA GINZA  展覧会&ギャラリー 】

【会員情報】 かたりべ文庫 職人の手仕事/活版印刷 山田善之

かたりべ文庫 山田01 山田02 山田03九州福岡市に 「 あらたな 」 活版印刷所 <文林堂> が再生しました。
現在の <文林堂> は、山田善吉、トヨ子夫妻の経営によりますが、その命名は、1938年(昭和13)に創立された父親の先代によるものだとされます。

同社は、戦後の印刷方式の激変期にあって、名刺用の手フート印刷機をのぞいて、活版印刷関連機器を廃棄し、オフセット平版印刷に注力して、一時は従業員も25名を数えるまでになりました。
ところが近年のオフセット平版印刷の衰退にあわせ、原点回帰をめざし、一度は廃棄した活版印刷機器を再構築されての<活版ルネサンス>への挑戦です。
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『 VIVA !!  カッパン 』(アダナ・プレス倶楽部 大石 薫、朗文堂、2010年05月21日)

同社の活版ルネサンスに導入された印刷機の中心は、近代活版印刷の原点ともいうべき、アルビオン型手引き印刷機であり、わずかに保存されていた手フート印刷機でした。 活字は近隣の旧活版印刷業者からの提供をうけながらの再構築となりました。
職人の手仕事シリーズ
この記録を、株式会社ゼネラルアサヒ(812-0064 福岡市東区松田三丁目777番地)発行の<かたりべ文庫 職人の手仕事>がまとめられ、小社もわずかばかりのお手伝いをしました。 ご関心のあるかたは下記にお問い合わせください。

【 関連情報 : 株式会社ゼネラルアサヒ
【 関連URL : かたりべ文庫サイト

──────────  既出情報 再紹介
中島印刷01 中島印刷菊四手差し活版印刷機02 中島印刷文選植字部032015年、富山県滑川市の中島印刷所が、父祖の家業であった活版印刷業を再生させました。 代表の中島正彦さんの愛用機は <菊四判手差し活版印刷機> です。
Adana-21J は 名刺 ・ はがきの印刷で大活躍をつづけています。

【 参考情報 : [会員情報]中島印刷所 活版印刷で リ ・ スタート

【上海会員情報】 成果のおおかった2014年、そして …… 畠中 結さん/楊 黙さん

気のせいでしょうか。 なにやら覇気のない昨今のわが国のアートシーンであり、造形界です。
そこで、中国 ・ 上海で元気いっぱいに活躍する、畠 中 結 ・ 楊  黙 [ Yui HATAKENAKA ,  Mo YANG ]ご夫妻からの情報をご紹介いたします。

畠中さんは上海ですき焼き ( 畠中式吉祥字表記 : 寿喜鍋   日本漢字 : 鋤焼き ) をつくり、友人にもレシピを公開されたようです。 ワンちゃんもよろこんでいたようですし、上海でもすき焼きが流行の気配ですね。

そして04月には出産のため、一時ご実家の京都に帰国されるとのことです。
ここのところ畠中さんだけでなく、アダナ ・ プレス倶楽部会員の皆さんの出産がつづき、嬉しいニュースがどんどん飛び込んでまいります ( かわいい赤ちゃんの写真を紹介できないのがすこし残念です )。

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<上海 畠中 結さん 2015年02月17日>
先日御社から送っていただいた年賀状がようやく上海のわが家に届きました!
消印を見るとかなり郵送時間がかかったようですが、今は私の手元にあります。 ありがとうございました! 刷りがとってもきれいでおしゃれですね^^家に飾ります。

昨年は下半期から夫の 楊 黙 も忙しくなって、展覧会に参加したり、リトグラフ作成のイベントを開催したりしておりました。
上海のローカルテレビなどにも取材されていましたが、その中でも良く撮れていた物がありますので、もしお時間ありましたらご覧下さい( 全部中国語ですが、怪しいサイトはありません。 写真だけでもご覧下さい )。

◯ 【 一条 】 ⇒ 動画サイトでいろいろ取材したものを紹介している企業です。 夫が取材された時のURLはこちらです。
http://v.youku.com/v_show/id_XODc0OTM2MTg0.html  
( 広告はスキップ。 動画サイトに飛びます。 音が出ますのでご注意を 03 : 30 )

◯ 印物所のブログ(?)のようなものです。 最近は更新が無いようですが・・・
http://site.douban.com/238010/

◯ 昨年の夏に展覧会をした時に、友達がサイトで紹介してくれました。
アルファベットのカードは 活版印刷機 Adana-21J を使用して印刷しました。
http://www.voicer.me/archives/19446

◯ 昨年夏に取材された時のネットニュースです。 活版印刷機も活用しています!
http://www.why.com.cn/qnzhg/HTML/shzk/shzk_jj/Info/Detail_94594.htm

◯ 私と夫と友人達で02年ほど不定期で料理紹介ブログをやっています。 宣伝ばかりになって申し訳ありませんが、もしお時間あればご覧下さい。
「 うまみ食堂 」、全編中国語ですが、料理+手書き文字+イラストは私、写真は夫、編集レイアウトなどは友人がやっています。
http://www.voicer.me/archives/category/umami

◯ そして、このサイトの派生企画として、今年は手のひらサイズのカレンダーを作ってみました。 実はお二人にもお送りしたかったんですが・・・まだ03月分までしかできていなくて・・・。
2015年もすでにはじまって数ヶ月経っていますが、完成したらお二人に必ずお送りします!
(そもそも実用性があまり高くないので、カードとして楽しんでいただけたら幸いです^^;)
http://www.voicer.me/archives/20696

畠 中  結 ・ 楊  黙 [ Yui HATAKENAKA ,  Mo YANG ]
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<上海 畠中 結さん 2015年03月08日>
今回ご連絡さし上げたのは、ちょっとしたお知らせがあったからなんですが……。
上海の友人のひとり、Ling Meng ( リン ・ メン ) が、現在東京渋谷の DIESEL ART GALLERY において個展を開いています。

Ling Meng ( リン ・ メン ) は夫の親友で、夫の工房とも、とても関わりが多い人物です。 彼のタイポグラフィデザインのカードや作品は、夫の工房で印刷しています。
Ling Meng の、独特で繊細な世界観をぜひとも見て頂きたいと思いご連絡させて頂きました。 私は本当に残念ながら展覧会に行くことができませんが、彼の作品の完成度は高いです!  
ではまたご連絡いたします!

畠 中 結 ・ 楊  黙 [ Yui HATAKENAKA ,  Mo YANG ]
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DIESEL ART GALLERY  EXHIBITION
Ling Meng 01 Ling Meng 02 Ling Meng 03 Ling Meng 04

SPECIMENS OF TIME – 時間の標本 -
LING MENG
2015.3.06 (FRI) – 5.22 (FRI)

【 企画詳細 : DIESEL ART GALLERY  EXHIBITION

【 関連記事 】
★ YANG MO  楊 黙
★  エッ、いまごろお正月 !? 上海在住の会員がご来社に。そして「老北京のご紹介」 2014年02月10日
★  <在時間的某処>, Somewhere in time, ある日どこかで。 2014年05月21日
★ 中国 上海の活字製造と活版印刷関連情報 ── 畠中結さんからのご報告

【朗文堂ブックコスミイク】 『わたくしは日本国憲法です。』を<朝日新聞>が紹介。

2015年03月03日、『 朝日新聞 』 朝刊 第29面(東京)に 『 わたくしは日本国憲法です。』 が紹介されました。
2015年03月11日、『 朝日新聞 』 朝刊 第29面(山梨)に 『 わたくしは日本国憲法です。』 が紹介されました。
< 憲法 > の周辺に暗雲がみられるこの頃です。 ご愛読をお待ちいたします。

顔写真鈴木篤氏 小

02わたくしは表紙わたくしは日本国憲法です。

本書は2014年10月15日 <日本図書館協会選定図書> に選定されました。
ご愛読をお願いいたします。
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著   者 : 鈴 木  篤  すずき あつし
発   行 : 2014年07月26日 
定   価 : 本体 1,200 円+税(四六判 ソフトカバー 190 ページ)
      ISBN978-4-947613-90-5 C0036
おちかくの有力書店、オンライン ・ ブックショップでお求めください。
直送は送料別途請求にてたまわります。
朗文堂 営業部 : 160-0022 東京都新宿区新宿2-4-9
            Telephone 03-3352-5070
             Facsimile   03-3352-5160
                              http: //www.ops.dti.ne.jp/~robundo
             E-mail :  robundo@ops.dti.ne.jp

【 新刊案内 : ブックコスミイク 私は日本国憲法です。
【 関連情報 : ブログロール 弁護士 鈴木 篤 のつれづれ語り

エッ ! いまごろお正月 ?!! 恭賀新年 中国/台湾/香港/韓国のみなさまへ

恭賀新年

祝羊年大吉、身体健康、万事如意、闔家安康 !

《 旧暦で正月を祝う東アジアの国と地域-中国 ・ 香港 ・ 台湾 ・ 韓国 》
朗文堂アダナ ・ プレス倶楽部、朗文堂ブックコスミイクには、アジアの国国からの@メールやご訪問がすくなからぬ数にのぼります。 それが混乱するのが、いわゆる旧正月であり、春節の時期です。

北京の印刷界の友人、朱 有福さんからいただいた、
中国式のはなやかな <年賀状> をご紹介しましょう。
朱さんは、広島大学工学部大学院を修了され、工学博士号を有するかたですが、とてもおおらかで、よいかたです。

朱有福さん春節DSCN0471修復なった紫禁城(故宮)武英殿前で。 写真左から : 邢 立(Xing Li)氏、紫禁城内紫禁城図書館長 : 翁 連渓氏、やつがれ、朱 有福氏 (2013年11月)
【 関連情報 : 宋朝体活字の源流/聚珍倣宋版と倣宋体-03 倣宋体活字書風に拘泥した毛沢東

旧正月とは、旧暦のお正月のことです。
旧暦元日(旧暦01月01日。 ことしは新暦02月19日)当日を指すこともありますが、その前後から数日間の連休全体を正月と表すことも多く、それを<春節>と呼んで、にぎやかに祝います。 つまりこの前後一ヶ月ほどは、物流や郵便物も滞りがちになりますので、注意が肝心な時期になります。

2015年は、大晦日オオミソカが02月18日、元日が02月19日になり、その前後から数日間を春節と呼んで、多くは帰郷して家族といっしょに新年を祝いますが、最近は日本各地などにも旅行でみえることが多くなったようです。

◯ 中国 : 2015年の春節
02月18日[水]-24日 [火]までの07連休
◯ 台湾 : 2015年の春節
02月18日[水]-23日[月]までの06連休
◯ 韓国 : 2015年の春節(ソルラル)
02月18日[水]-20日[金]までの03連休
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DSCN7860中国 ・ 北京の友人/清華大学 美術学院 副教授のおふたり(ご夫妻)と、そのご子息
前列右) 視覚伝達設計系学科 副教授  原 博 ( Yuan Bo ) 先生
前列左) 彫塑系学科 副教授  陳 輝 ( Chen Hui ) 先生
2015年01月11日[日] 中国の清華大学キャンパス 陳 輝研究室にて。

──────────
<原博先生からの@メール 2015年02月12日>

ご丁寧なメールをありがとうございます。
大石さんと話すことはとてもよい勉強のチャンスになります。
中国以外の、別の国の視点から、いろんなことを考えさせられて、
新しい角度からの視点、刺激をもらうことができます

大石さんが昨年末に航空郵便で送られた今年の年賀状は、まだ届いていません、
ふつう、郵便局からの手紙とか年賀状などは、まず清華大学の受付に届いて、
それから別々に各専門科の事務室へ配られます。
一月は冬休みのときでしたので、たぶん大石さんの年賀状は
まだ清華大学の受付の机に置かれているのかもしれません。
せっかくの年賀状ですが、わたしの新学期のプレゼントになるかもしれません。

心配してはいませんよ。

そろそろ春節になります。
中国のひとはほとんど故郷へ帰り、家族と一緒に節日を過ごします。
02月21日からの一週間、わたしも主人〈陳 輝先生〉の故郷の浙江省へ帰ります。
大石さんからのたくさんの祝福を持って帰れて、楽しい帰省になります。

ブログでご紹介いただくために、主人の作品の写真を送りました。
お幸せを祈ります。
原  博   2015.2.12

会員情報/中国清華大学 美術学院/原 博先生 陳 輝先生とお会いしました。

【会員からの情報】 英国 BBC News, テムズ川河床から<Doves Type>を発掘と報じた。

19世紀世紀末から20世紀の初頭、ロンドンテムズ河畔の
アッパーマル通りにあった、印刷と製本工房が Doves Press でした。
Doves Press は、Cobden – Sanderson と Emery Walker を中心に
Arts and Crafts movement の中核的な存在として知られ
多くの忘れられない図書をのこしています。

Doves Press の工房は、俗に Doves Type とされる
フィリップ ・ プリンスの活字父型彫刻による
独自のハウスフォントを所有していましたが、
1917年(大正06)に、両者のあいだのいさかいがもとで
工房裏のテムズ川にすべての活字と活字複製原型が
投げ捨てられたとされています。

それがこのたび、潜水作業をともなった涙ぐましい調査によって
活字の一部が発見されたことを
英国 BBC News が動画入りで報告しました。
[ 情報提供 : タイポグラフィ学会会員 K 氏 ]

【 元記事 英国BBC : Lost typeface printing blocks found in river Thames 】 動画あり 01:03
ピクチャ 1
Lost typeface printing blocks found in river Thames
7 February 2015 Last updated at 11:15 GMT

Printing blocks for a typeface called Doves Type have been discovered in the River Thames.
The font has not been used for nearly a century as the printing type blocks, used to print letters, were thrown into the river in 1917.

Nick Wilmshurst reports.

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参考引用資料 :『 THE DOVES BINDERY 』 ( Marianne Tidcombe,  The British Library, 1991 )

DOVES03Cobden – Sanderson と Emery Walker のふたり
DOVES02古写真から ―― テムズ川からアッパーマル通り方向をみる。 高木の左手 ボートハウスのうしろがダブス ・ プレス跡。 その左側 低木のうしろが、ウィリアム ・ モリスらによるケルムスコット ・ プレス跡。
DOVES04ダヴス ・ プレスの代表作のひとつ 『 Paradise Lost 』。印刷 : 1902年、製本 : 1907年
DOVES05 『 Paradise Lost 』の本文ページ。 Doves Type は Arts and Crafts movement  の意を体して、ニコラ ・ ジェンソンによる ヴェネチアン ・ ローマンに範をもとめ、パイカ (12 pt. ) サイズだけが、フィリップ ・ プリンスの活字父型彫刻によって製造された。
このページのタイトルとイニシャルは、エドワード ・ ジョンストンによるカリグラフィである。 ジョンストンは、12冊のヴェラム特装本には金泥で書写した。 それを版下として凸版印刷した紙製の図書もつくられた。

アダナ・プレス倶楽部会報誌 第27号 完成・配布中です。

アダナ ・ プレス倶楽部の会報誌
『 Adana Press Club NewsLetter   Vol. 27』 ( Early Spring  2015 )を
刊行し、会員の皆さまへ配布中です。 会報誌27『 Adana Press Club NewsLetter  Vol. 27』 (Early Spring 2015)
表紙使用活字 : 30pt.  ギャラモン ・ イタリック
             24pt.  花形活字 各種

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 主な内容(目次) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・ イベント情報   第18回活版ルネサンスフェア 開催のお知らせ
・ 研究報告     『 タイポグラフィ学会誌  07 』
                             江川次之進の事績と江川活版製造所の変遷
・ 豆知識27       活版印刷 人物伝 ③ 《 15世紀 》
・ 活版まんが19  活版第一たいそうの巻
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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なお、毎号バックナンバーの在庫がございませんため、
会報誌の配布はお申込みの次号からとなります。ご了承ください。

【朗文堂ブックコスミイク】 出版記念講演会 髙野 彰 『洋書の話』を語る

【 出版記念講演会 】
髙 野  彰 『 洋書の話 』 を語る
◯ 日   時 : 2015年03月14日[土]  14:00 - 16:00  *13:30より受けつけ
◯ 会   場 : 東洋美術学校 D 棟 学生ホール
      161-0067 東京都新宿区富久町2-6
      地図  http://www.to-bi.ac.jp/access/
◯ 聴講料:2,000円
◯ 主   催 : 朗 文 堂
◯ 後   援 : 学校法人 専門学校 東洋美術学校 産学連携事務局
──────────
* 要申し込み登録 : 03月02日[月]  申し込み締め切り
会場 ・ 資料準備の都合上 < 朗文堂 E-mail > robundo@ops.dti.ne.jp  宛に、「 件名 : 洋書の話講演会 」 としてお申し込みください。 03営業日以内にお断りの返信が無い場合は受けつけ完了とさせていただきます。 会場定員は40名です

【 プリント用 PDF  lecture_takano

講演会web

──────────── <参考資料>

【 朗文堂 ブックコスミイク  新刊紹介】  洋 書 の 話  髙 野 彰 著

カバー表1

洋 書 の 話

◯ 著  者 : 髙  野   彰
◯ 発行日 : 2014年11月13日(初刷り)
◯ 発  行 : 朗  文  堂
◯ 定   価 : 本体3,700円+税

2015年02月12日より 第二刷り発行
A5判 並製本 ジャケット付 263 ページ
ISBN978-4-947613-91-2
22-23 112-113 120-121上掲画像はクリックすると拡大画像でご覧いただけます。
──────────
< 著者あとがきより >
バウアーズが Principles of bibliographical description を出したのは1949年のことである。年代的には古いが、記述書誌学を扱った著作で、バウアーズを越える著作は現在も出ていない。  この著作は現在も記述書誌学の重要な基本書であることにかわりはない。

その後、1969年にはパドウィック (E. W. Padwick) が Bibliographical method を出した。1970年にはピアス (M. J. Pearce) が A workbook of ana-lytical & descriptive bibliography を出している。

そしてギャスケルは1972年に A new introduction to bibliography を出した。
しかしいずれもバウアーズの解説書に近い。 ピアスなどはバウアーズ本を章ごとに取り上げて解説しているほどである。 バウアーズ本が難解なため、解説書や入門書が必要なのである。

『 洋書の話 』 の初版が出たのは1991年のことである。 1995年には増補版を出したが、その後、絶版となってしまった。 そしてこの度、第2版を出す機会を得た。 初版そして増補版で扱っている時代は16–18世紀が中心であったが、今回もその範囲を越えていない。

『 洋書の話 』 も記述書誌学の概説書であるが、洋書がどんな姿をしているか、その姿はどのようにして作られたのかを示そうとしている。 その意味では、本書は、書名に示したように、洋書に関する本と見ていただいても良い。

そのためにも、これまで以上に図を多く取り入れ、目で見てわかるようにつとめた。 これまで何気なく見てきたことにも意味があることを知り、それらがどんな目的で用いられ、どんな姿で本に現れているかを理解できるはずである。

記述書誌学は完成した学問ではない。 現在も模索し、発展を続けている学問である。 未解決の問題も多い。 しかしこの知識を通して得られる情報は計り知れない。 記述書誌学を目指す人や洋書に興味を抱いている人にとってお役に立てば幸いである。
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< 主な内容 > 目次より
1 章 4°:A‒P4 とは何か
2 章 本の隠れた特徴
3 章 折丁式の作り方
4 章 扉の転写
5  章 扉以外の部分の転写
6  章 記述の単位
7 章 記述書誌学とは
8 章 記述書誌と目録の違い
9 章 準ファクシミリ転写法小史
参考図書/用語集/あとがき/索  引
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< 著者紹介 >
髙 野  彰 (たかの あきら)
1941年 生まれ
1964年 東京大学総合図書館 勤務
2001年 跡見学園女子大学文学部教授
2012年 跡見学園女子大学文学部特任教授
2013年 退官
博 士(日本文化)
◯ 主要著書
『 洋書の話 』 増補版(丸善、1995年)
『 帝国大学図書館成立の研究 』(ゆまに書房、2004年)
『 英語本の扉 』 (朗文堂、2012年)
 
【 関連 URL : 出版記念講演会 / 髙野 彰 『洋書の話』を語る

──────────── <参考資料 ② >

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英語本の扉 その歴史と役割 』

◯ 著   者 : 髙 野 彰
◯ 装   本 : A5判 並製本 ジャケット付 176ページ
◯ 発行日: 2012年8月28日
◯ 定  価 : 本体1,900円+税
ISBN978-4-947613-86-8 C3000 

本書は「扉」の役割とその歴史を解き明かした書物です。
書物に関心のある人にとって、刺激的な内容になっています。

1500年頃の英語本の扉には、木版の書名、木版の絵を併用した書名、扉全体を囲んだ装飾の枠内に示された書名、コップや逆三角形やワイングラスの形をした書名など、興味深い工夫が目に付きます。
こんな工夫をしたのは、扉ページを本文ページとみなしていたからです。
そのおかげで、扉は本の品質を保証するページになれるのです。

【関連 URL : [ブックコスミイク]新刊書籍 髙野 彰著 『 英語本の扉 』 のご案内

新機種登場 !! アダナ式小型活版印刷機 Salama-21A

プリント活版印刷のさらなる普及をめざして
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モノみな値上がりするこの時代
朗文堂/アダナ ・ プレス倶楽部では
活版印刷のさらなる普及をめざして

Adana-21J の設計 ・ 製造での
創意と工夫、精度と耐久性を維持しながら

アダナ式小型卓上活版印刷機 Salama-21A の
お求め易い、大胆な低価格を実現しました。
名称未設定-4 名称未設定-4【 プリント用 PDF new Salama-21A_01 new Salama-21A_02 】
上掲フライヤー A4判 4/4色を進呈いたします。ご遠慮なくおもうしでください。

プリント《 水の精霊 ・ サラマンダーと、新機種 Salama-21A の命名の由来 》
グーテンベルクが西洋式活版印刷術を開発した中世ヨーロッパのひとびとは、のちに社会を揺るがすことになるその偉大な印刷術を、畏怖の念をいだいて 「 Black  Art (黒い魔術)」と呼んでいました。
その西洋式活版印刷術が大成されるためには、加圧式印刷機の製造とともに、活字合金の配合と、活字鋳造技術の確立が不可欠でした。 そしてそれは、永いあいだ培われてきた錬金術の賜物でもありました。

錬金術士や金属精錬所では、「 火 」 の精霊であり、「 不屈の精神 」 や 「 再生 」の象徴である 「 サラマンダー ・ Salamander  ・ 火喰い蜥蜴 トカゲ」 を畏怖し、あがめていました。
また、「 活字鋳造 」 や、「 再生 」 の象徴でもある 「 サラマンダー 」 は、「 活版印刷ルネサンス 」 をスローガンに活動をつづけてきたアダナ ・ プレス倶楽部にとっては、もっともふさわしいモチーフでした。

sala22630 sala22657 sala22663 sala22651Salama図面      寸法 / 天地 475mm,  左右 376mm,  奥行最大 563mm  重量 /19.3kg

黒いボディのアダナ式 ( 蝶つがい式プラテン型 ) 小型活版印刷機 < Salama-21A > では、その 「 ブラック ・ サラマンダー」 のような容貌から、サラマンダーの耐火伝説の由来となった 「 メキシコサラマンダー 」 の異名をもつ、愛らしい 通称 ウーパールーパーをイメージ ・ キャラクターに採用しました。
また、「 水のなかで棲息する 火の精霊 サラマンダー」 にちなんで、それと対をなす 「 水の精霊 ・ オンディーヌ 」 の名を冠した、欧文活字書体 「 Ondine 」 ( Doberny & Peignot, Paris, Adrian Furutiger, 1954  ) をタイトルデザイン活字書体に採用しました。

《 小型活版印刷機 Salama-21A の製造 ・ 販売を開始いたします 》
「 Adana-
21J 」 の開発 ・ 設計 ・ 製造販売から 8 年余が経過しました。 アダナ ・ プレス倶楽部ではその間、わが国の活版印刷関連機器製造ラインの存続 ・ 継続のために、できるかぎり国産での活版印刷機器の製造にこだわってまいりました。

2006年にアダナ ・ プレス倶楽部が発足したころは、インターネットで 「 活版印刷 」 と検索しても、検索できる情報はきわめて些細な状況でした。 しかしいまや 「 活版 」 「 活版印刷 」 「 活版印刷機 」 での検索結果は、膨大な数にのぼります。
これはアダナ ・ プレス倶楽部の活版印刷普及活動と、アダナ ・ プレス倶楽部会員の皆さまの地道な活動が、わずかながらもその一端を担い、功を奏した結果であるともいささか自負しております。

ところが資材のいちじるしい高騰とあわせて、印刷関連器機の製造現場がおおきく変貌し、大量一括生産、あるいは豪華一点生産への二極化がめだち、細部にわたって分業が主流となったわが国の 「 ものづくりの現場 」 では、高精度で、小ロットの小型活版印刷機を、現在の価格で供給することが難しくなってまいりました。
アダナ新コラムhanaikada_color
《 豊富で多様な情報をご提供。新コーナー 【 活版アラカルト 】 のコーナーもございます 》 
アダナ ・ プレス倶楽部の WebSite には、ブログロール 【 活版 à la carte 活版アラカルト 】 がございます。
このコーナーは、これまでは 「 コラム 」 と題して、文章を中心に記録してまいりましたが、画像を増やし、「 活版印刷と タイポグラフィの 気軽なひとしな 」 を記録しております。 またこのコーナーは写真をクリックすると 「 スライド ・ ショー 」 が楽しめます。

《 アダナ ・ プレス倶楽部会員の皆さまの 情報 をご紹介いたします 》
 うれしいことに、アダナ ・ プレス倶楽部の会員の皆さま、活版実践者の数はどんどん増加しています。
新コーナー 【 活版アラカルト à la carte 】 では、 「 活版印刷と タイポグラフィの 気軽なひとしな 」 として、アダナ ・ プレス倶楽部会員の皆さまの活動、新製品紹介、イベント紹介などもご紹介させていただきます。
もちろんこの【 活版アラカルト 】 コーナーは、会員の皆さまにはひろく開放されており、展覧会案内、イベント告知、新作紹介の場として、積極的なご利用をお待ちしております。

ご覧いただいておわかりのように、軽便なブログロールですし、製作管理者も IT 関連にはつよくありません。 したがって情報の提供はできるかぎり デジタル ・ データとし、画像は JPG データでいただけると幸いです。
タイポグラフィ ・ ブログロール 【 朗文堂  花筏 】 ともども、【 活版アラカルト à la carte 】 での「 活版印刷と タイポグラフィの 気軽なひとしな 」 のご愛読と、積極的なご参加をお待ち申しあげます。

活版カレッジDSCN1834uuDSCN3831DSCN7297
活版ルネサンスWeb
DSCN4062DSCN4048DSCN8591 DSCN8584 DSCN8604アダナ ・ プレス倶楽部発足時の段階では、おもに欧米で活版印刷が見直される傾向はあったものの、活版印刷機そのものの新規製造は、世界中どこでもおこなわれていない状態でした。

そのため、アダナ ・ プレス倶楽部では 「 21世紀に入って 唯一の、新規設計 ・ 製造の活版印刷機 」 である、国産の 「 Adana-21J 」 を開発し、設計 ・ 製造 ・ 販売をおこなってまいりました。
うれしいことにこの 8 年の間に、世界的にも活版印刷がさらに見直され、ようやく海外工場での OEM 生産方式による製造体制が整いました。

そこで、アダナ・プレス倶楽部では、さらなる活版印刷の普及をめざして、しばらくのあいだ、国産活版印刷機 「 Adana-21J 」 は、なによりも大切な 設計図と鋳型 を保存しつつ、製造 ・ 販売は中断して、よりお求め易い価格でのご提供が可能な、新機種 <Salama-21A>  の製造 ・ 販売を 2014年04月 より開始することになりました。

新機種 < Salama-21A > は、「 Adana-21J 」 の開発における、サイドゲージ、アンダーバー、無給油ブッシュ、レインボー印刷機能 の採用をはじめとする、さまざまな創意と工夫、精度と耐久性を維持しております。
アダナ式小型卓上活版印刷機のさらなる高性能と低価格を実現した < Salama-21A >を、皆さまどうぞご愛顧たまわりますようお願いもうしあげます。
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《 Adana-21J  ユーザーの皆さまへ》
「 Adna-21J 」 新規製造 ・ 販売は一旦お休みとさせていただきますが、ひきつづきサポートは行なってまいりますので、どうかご安心ください。
また < Salama-21A > の、インキ ディスク、チェース、インキ ローラー、コロ、アンダーバー、紙押さえなどの主要部品は 「 Adana-21J 」 の設計を継承しており、当然互換性がございます。

またこれらの主要部品も、以前よりお求め安い価格でのご提供が可能となりましたので、「 Adana-21J 」 ユーザーの皆さまも、作業性の一層の向上にむけて、これを機会にぜひとも部品の補充をご検討ください。

プリント活版印刷はもはや、アンティークではありません。
これからも、活字よ、活版印刷よ、

サラマンダーのごとく
永遠に――  
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朗文堂 / アダナ・プレス倶楽部

【会員情報】 中国清華大学 美術学院/原 博先生 陳 輝先生とお会いしました。

中国 ・ 北京の友人/清華大学 美術学院 視覚伝達設計系学科 副教授  原 博 ( Yuán Bó ) 先生と、そのご主人であり、同大学 美術学院彫塑系学科 副教授  陳 輝 ( Chen Hui ) の両先生と、2015年01月11日[日]に中国の清華大学のキャンパスでお会いした。
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  北京市内中央部の古書籍と、北京淸華大学キャンパスをあるく 原 博先生の写真から。

まだ正月気分ののこる東京をあとにして、01月09日[金]早朝のフライトで北京にでかけた。
金曜 ・ 土曜と北京郊外を駆けまわり、夜遅くまで商談をかさねた。
01月11日[日]は北京もさすがに休日。

市内中央部にある古書籍で、原 博先生と待ちあわせ。 そこに友人の邢 立シンーリ 老師が飄飄と登場して、 < 毛 沢 東 > のシグネチュアの初号角電鋳法活字母型をカバンからとりだし、ここで採寸と撮影。
自慢ばなしは聞いていたし、<毛沢東特別版図書>の紙型と図書の撮影はすでにおわっていた。 活字母型はやはり初号角サイズの活字母型であった。
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DSCN7804そののち、故宮博物院脇の<沢園酒家>まで車で送っていただいた。 ここで邢 立 老師は、「 きょうは家庭サービス 」 ということで華麗に退去。
< 沢園酒家 > で晩年の毛沢東の読書風景を描いた具象絵画を撮影した。  ここまではすでにお知らせした。
【 アダナ・プレス倶楽部ニュース : 北京の友人 邢  立 さんの愛蔵品紹介 <毛主席特別版図書><毛 沢 東 初号角活字母型>
 

《 北京の友人-原 博先生 》
DSCN07842013年12月、北京王府井 ワンフーチン の茶館にて。中央小柄なかたが原 博先生。

【 活版アラカルト :
中国の友人/年賀状の交換を巡って 原 博 さんの〈夢〉&北京点描 

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朗文堂を訪問された 清華大学 美術学院の副教授 原 博 先生(ショートヘアのかた)
上) 原 博先生のデジカメ(セルフタイマー)で撮影。 下) やつがれ撮影(めずらしく撮れた)。

このように、原 博先生とは、2013年12月、翌年01月と北京でお会いした。
その後2014年08月08日、朗文堂をご訪問されて、旧懐をあたためた。
【 アダナ ・ プレス倶楽部ニュース : 会員情報  中国の友人、原 博さんがご来社に!

《 原 博先生、陳 輝先生のご案内で 淸華大学キャンパスを探索 》
2015年01月11日[日]、北京市西郊、海淀区にある 北京淸華大学 美術学院棟 を訪問した。
ちょうど日曜日とあって、遊びにきていたご子息ともども、陳 輝先生の個人研究所で、まずは昨今の中国式に記念写真。
お若くみえた原 博先生に、こんなおおきなご子息がいらしたことに驚いた。 ちなみに中国では古来、夫婦別姓で、子供は男女ともに父方の姓を継承することがおおい。

ついで原 博先生の個人研究所を経て、同先生が整備しつつある、仮称 <活版印刷実験室> を、天井がたかく、きわめてひろい現場で、はじめでみることになった。
教育施設などへのこうした大量な機器の供給は、アダナ ・ プレス倶楽部の得意とするところであり、原先生と大石は、ときのたつのも忘れて意見交換を重ねていた。

DSCN7860 DSCN7861ひといき入れたあと、北京淸華大学の宏大なキャンパスの各所にある、陳 輝先生の彫刻作品をみる目的で、美術学院棟を 15 : 30 に出発。【 陳 輝先生 作品画像集

あまりに宏大なキャンパスで、やつがれすっかりグロッキー。 いつも肩にしているショルダー ・ バックは、いつの間にか大石が担っていた。
「 まだキャンパスの半分もみていませんよ 」  ということだったが、美術学院棟に戻ったときは、すでに冬の陽はどっぷりくれて 18 : 00 を過ぎていた。
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DSCN7869 DSCN7868 DSCN7871 DSCN7874 DSCN7872 DSCN7877 DSCN7882 DSCN7886 DSCN7908 DSCN7909 DSCN7903 DSCN7904 DSCN7925 DSCN7921 DSCN7922 DSCN7931もともと、この  淸華大学 の宏大な地域は、清王朝代の皇族の舘跡だったものを、1911年(明治44年)に設立された清華学堂を起源とするらしい。
わが国では、総合大学ほど、キャンパスがあちこちに分散していることが多いが、淸華大学はほぼこの宏大なキャンパスに集中展開していた。
学内は循環バスがはしりまわり、学生は日曜日だというのに、「自習」のために、淸華大学では必須とされる自転車で、あちこちの研究棟にたくさん詰めかけていた。
DSCN7870 DSCN7880上掲写真上は、淸華園の旧正門で、下は淸華大学大礼堂(ホール)である。
このあたり一帯は、オールドキャンパスとして保存の対象となっており、風情のあるたたずまいであった。
DSCN7897キャンパス巡りの中途で、奇妙な枝ぶりの樹木をみつけた。 原 博先生書きしるして いわく、
「 その樹は、龍の爪のエンジュで、中国ではこう書きます 」。

―― < 龍爪槐 > !

ここから、頭はいっぱいになって、ただでさえおそい歩みが、凍りついたようにこわばり、すべてが疲労となっておそってきた。
ふるく、中国周王朝(前1100ころ-前256)の時代、三公の位をあらわす高貴な樹木とされたのが < 龍爪槐 > である。  その紹介には別項を得たい。

活版カレッジ、Salama-21A 操作指導教室 & 新宿私塾 いつものとおり、熱く、堅実に、淡淡と開講中です。―― +次期講座応募状況

活版カレッジ04月開講予定の〈活版カレッジ〉は事前予約で満員となりました。

朗文堂 アダナ ・ プレス倶楽部の < 活版カレッジ春期講座 > は、昨秋の講座を、活版礼讃イベント <Viva la 活版 薩摩 dé GOANDO> 開催のために休講として、2015年01月08日[木]から開講いたしました。
久しぶりの昼間部での開講でしたが、公募のいとまもなく定員となりました。

また<Salama-21A操作指導教室>は、お客さまのご都合と、こちらのスケジュールを調整しながら間断なく開催され、新春早早から開催が連続しております。

< 活版カレッジ 冬期講座 > は、01月08日から開始され、03ヶ月間、全09回の講座がつづきます。
ここのところ、< 新宿私塾 > の修了生が < 活版カレッジ > へ、その逆に、< 活版カレッジ > の修了生が < 新宿私塾 > へと、両講座の交流もめだったきました。
ともかく < 活版カレッジ > は04名という徹底した少人数の講座ですので、第一回目の講座終了時点で、すでに造形者としての連帯感がめばえるようです。

【2015年01月28日追記】
<活版カレッジ> 2015年04月夜間部は、先行ご予約をもって定員満了となりました。
次次期の <活版カレッジ> は 2015年07月夜間部での開講予定です。
こちらも先行予約をたまわりますが、次次期からは受講料の若干の改定を予定しており、その改定の詳細は改めてご案内いたします。

【 詳細 : アダナ ・ プレス倶楽部 教室のご案内 活版カレッジ
DSCN7934DSCN7516DSCN7947<活版カレッジ>は、朗文堂 アダナ ・ プレス倶楽部の直接指導により、本格的な活字版印刷術の知 ・ 技 ・ 美 の 三領域を バランス良く学べます。
また、科学と、学術的根拠にもとづいた実技と実践を基盤とし、小型活版印刷機 Adana-21J ,  Salama-21A によるケーススタディ ・ メソッドをふんだんに駆使し、あたらしい時代の活版印刷の現場での、現実的な課題の解決方法を学ぶことを目的とします。

次回講座の開講は、2015年04月夜間部での開講を予定しております。
なにしろ04名という少人数での講座です。 ご関心のあるかたは、できるだけ早めにご一報いただきますと、受講が確実となります。

25期進行中04月開講予定の〈新宿私塾第26期〉は事前予約で満員となりました。

<新宿私塾>第25期は、年末にわずかな休暇があっただけで、新年早早の01月06日[火]に第14回講座が開講され、つづいて01月13日[火]には第15回講座が開講されました。
<新宿私塾>第25期生はきわめて意欲的で、年末には懇親会 兼 忘年会を自主的に開催するなど、意欲的な姿勢がめだちます。

<新宿私塾>は毎回全25講座が開講されますが、折り返し点をすぎて、塾生同士の交流もさかんで、休憩時間は和気藹々としていますし、閉講後ともなると、担当講師をつかまえて、終電になることもしばしばです。
04月開講予定の<新宿私塾>第26期には、すでに定員いっぱいの予約がはいっているようです。これ以降のお申し込みはキャンセル待ちを条件として受けつけさせていただいております。

【2015年01月28日追記】
<新宿私塾> 2015年04月開講予定の第26期には、すでに定員いっぱいのご予約と、相当数のキャンセル待ちの受講予定者がおられるという状態となりました。
恐縮ながら、これ以降のお申し込みは、2015年09月開講予定の <新宿私塾 第27期> の先行お申し込みとさせていただきます。

【 詳細 : 朗文堂 タイポグラフィ・スクール 新宿私塾
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【講演会の報告】 日本女子大学VOD講座 教養特別講座 2  タイポグラフィに関わる仕事と私事-活版ルネサンスと造形活動- 大石 薫

日本女子大学_講義 1日本女子大学生涯学習センター
日本女子大学VOD講座 教養特別講義 2
大石01

 ◯ タイトル
   タイポグラフィに関わる仕事と私事
    ~活版ルネサンスと造形活動~
◯ 講  師
   朗文堂 アダナ ・ プレス倶楽部  大 石  薫
◯ 実施日
2014年12月04日[木]、11日[木]

 


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アダナ ・ プレス倶楽部 : 大石 薫が、日本女子大学(東京都文京区)にお招きいただき、現役大学生を対象に、各回とも90分、500名ずつ、二回にわたる講演を実施しました。
その動画による全記録が、<日本女子大学生涯学習センター 日本女子大学VOD講座 教養特別講義 2 > に掲載されました。

この動画コーナーは、同大学生のみなさんと、卒業生などの校友を対象としたもので、一般の閲覧にはログインが必要ですが、さほど面倒な手続きではなくて登録できます。
大石本人は、テレているのか紹介に積極的ではありませんが、同大学ではこうした講演内容を、充実した講演記録として、シリーズ化した冊子での刊行もおこなっており、この冊子型の講演記録も間もなく完成のようです。
成瀬記念講堂
講演会場となった 「 成瀬記念講堂 」 は、日本女子大学創立者 ・ 初代学長/成瀬仁一氏を記念する建物で、アール ・ デコ の建築様式なのでしょうか……、 風格のある、おおきな会場だったようです。
このひろい会場に、二階席までいっっぱいの女子大生が勢揃いするとなると……、チトおそろしくもなります。  ですから今回は大石がひとりで Salama-21A をかかえて会場に乗りこみ、小社社員はほかのたれも会場をみておりません。

また情報管理に配慮して、会場に学生がいっぱいの写真は控えさせていただきますが、以下の簡便な写真から、会場のふんいきだけでもご覧いただき、ご関心のあるかたは、ログインして、<日本女子大学生涯学習センター 日本女子大学VOD講座 教養特別講義 2 >をご笑覧ください
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【お知らせ】 進藤洋子さん 三冊目の作品集が完成しました。

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profile[1]
<新書道>を標榜し、<デザイン室 墨のかおり>を主宰されている

進藤洋子さんの三冊目の作品集、『進藤洋子作品集』が完成披露されました。

《 目 次 》 より
進藤洋子のプロフィール/ご挨拶
心象の花文字 ・ 彩花/川のほとり/日本の四季/墨象の花/墨象の四季/
詩のカレンダー/花あそび/ロゴタイプ

進藤洋子作品集
2015年01月15日 発行
発行者   進藤洋子作品集編集委員会
代   表  進藤洋子
デザイン ・ 制作  吉田佳広
頒価   2,000円 税別
お問い合わせ
sumiiro@kde.biglobe.ne.jp

【 詳細情報 : 新書道 進藤洋子のカリグラフィ

【朗文堂 ブックコスミイク】 ドイツ国立図書館が Helmut Schmid 『 japan japanese 』を収蔵。

ジャケット書 名    japan japanese
著 者    ヘルムート ・ シュミット
装 本         250 × 255 mm 上製本 108ページ
独 ・ 英 ・ 日本語表記
発 売          2012年4月
定 価          本体 3,619円 + 税
ISBN978-4-947613-83-7
──────────
ヘルムート ・ シュミット著 『 japan japanese 』 は、発売開始後の講演会、展覧会などをつうじて、順調な販売が継続しております。

また、ここのところの通貨、円安傾向などがあって、国外諸国からの引き合いも増加しております。 円安や円高と国外図書販売の成果などは無関係だとおもっていると、意外な落とし穴が待ちかまえています。

今回の報告は、『 japan japanese 』 が、ドイツ国立図書館の蔵書になったことのご報告となりました。
ドイツ国立図書館 ( Deutsche Nationalbibliothek ) は、分断されていた東西ドイツの再統一後に、ドイツの国立図書館の機能を果たすために統合された、以下の03館の統一名称で、略称はDNBです。

  1. 旧東ドイツ時代の国立図書館を継承したライプツィヒ館 ( 旧 Deutsche Bücherei 、1912年創立。 蔵書数およそ1,300万点 )
  2. 旧西ドイツ時代の国立図書館を継承したフランクフルト ・ アム ・ マイン館 ( 旧 Deutsche Bibliothek 、1947年創立。 蔵書数およそ800万点 )
  3. 音楽資料のベルリン館 ( Deutsches Musikarchiv、蔵書数およそ100万点 )

ドイツ国立図書館がわが国の国立国会図書館とおおきく異なるのは、その蔵書の範疇を1913年以降の刊行図書としており、詳細にはいたりませんが、図書館と博物館の機能を明確に分離 ・ 独立させる意図があるようにおもわれました。 詳細はできのよいウィキペディアがありますのでご覧ください。
【 ウィキペディア : ドイツ国立図書館 日本語版  ドイツ国立図書館  ドイツ語版
ドイツ・レターDSCF5640ジャケット本文ページ1本文ページ2本文ページ3
関連情報 : 朗文堂ブックコスミイク 『 japan japanese 』
【 関連情報 : ヘルムート・シュミットさん 『japan japanese』、 2014年版 ISTD 国際タイポグラフィック賞 premier award を受賞 2014年10月28日

以下の情報は『 japan japanese 』に関して2011年12月14日-13年03月21日まで、都合09回にわたって掲載された関連記事を、降順に並べ替えて掲示しました。
【 関連情報 : 『 japan japanese 』 刊行記念 ヘルムート・シュミット氏の講演会+展覧会のお知らせ

【特別展】 紙幣と官報 2 つの書体とその世界/お札と切手の博物館

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特別展示

平成26年度 第 2 回特別展
紙幣と官報 2 つの書体とその世界

書体とは文字の姿のことです。
活字印刷技術の誕生以来、これまでに多くの書体が生み出されてきました。
印刷局でも、独自の書体をつくっています。
印刷局の独自書体
は 2 種類あり、ひとつはかつて活版印刷物用として開発され、官報に用いられたもの、もうひとつはお札などの偽造防止対策が必要な印刷物用につくられたものです。
本展は、これらの書体が、官報が法令を伝えるために、あるいは、お札がお金としての信頼を得るためにどのような役割を担ったのか、その誕生背景などから探ります。

◯ 開 催  日
平成26年12月16日[火]-平成27年03月08日[日]
◯ 
開催時間
09 : 30 -17 : 00
◯ 
休 館  日
月曜日 ( 祝日の場合は翌平日 )
◯ 
開催場所
お札と切手の博物館 2 階展示室
◯ 
入 場  料
無  料

【 展示詳細 : お札と切手の博物館 特別展示
【 展示詳細 : お札と切手の博物館 特別展示 見どころ解説 】

ご報告が遅くなりました。 SALAMA が商標登録されています。

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《 ご報告がおそくなりました。 小型活版印刷機 SALAMA が登録商標となりました 》

昨2014年(平成26)02月20日に出願しておりました < SALAMA > の名称が、同年07月04日に特許庁より登録商標として認可されました。

もとより、朗文堂 アダナ ・ プレス倶楽部では、ユーザーの皆さまには < SALAMA > の名称を今後ともご自由にお使いいただきますし、現在製造 ・ 販売中の < Salama-21A > を、「サラマちゃん」、「サラマくん」とでもご自由にお呼びいただき、ご愛用いただきたいと存じます。

これからもより一層 < Salama-21A > の安定供給をはかり、周辺機器、関連資材の持続的な供給をふくめ、活版ルネサンスの実現のために精進いたします。
また将来の可能性としては、< Salama-21A > の兄弟姉妹機なども開発したく、日日技術陣との研究と協議をかさねてまいります。

《 なぜ Adana-21J を商標登録しなかったのか 》
アダナ型印刷機は 1922 年、イギリスの Donald A. Aspinall によって考案された、木製の素朴なセルフインキング印刷機を発祥とします。
また「 ADANA 」の社名と機械名称は、考案者 Donald A. Aspinall の頭文字をとってアナグラムとしたものとされています。

わが国には1960年代中葉から、旧株式会社晃文堂を通じて輸入・ 販売されていました。
ところが主力機 ADANA8×5 の主要駆体の鋳型が老朽化し、また活版印刷全体の衰勢がみられた1980年代後半に、アダナ社は鋳型を売却して閉鎖されました。

2007年の朗文堂 アダナ ・ プレス倶楽部の発足に際しては、小型活版印刷機の新規購入の需要の高まりに応えるために、セルフインキング式アダナ型小型活版印刷機の歴史を踏まえ、法律の専門家に依頼して、先行企業による、特許 ・ 工業意匠権 ・ 商標権などの消滅を確認し、国産活版印刷機の設計 ・ 製造 ・ 販売に着手しました。

同時に斯界の権威、牛木理一弁理士を通じて < アダナ  Adana > の登録商標の申請をしました。 特許庁からの回答は意外なものでした。
すなわち、アダナ ( Adana ) はトルコ中南部の都市であり、アダナ県の県都。 トルコで 4 番目に大きな都市でもある。 こういう著名な都市名は商標には使用できない ―― とするものでした。
【 参考資料 : ウィキペディア アダナ(Adana)

即刻異議申し立てをおこない、印刷関連機器名での限定使用であり、1970年代にはこの名称を商標とした企業があったことなどを列挙しましたが、裁定はくつがえりませんでした。
1960-70年代ならともかく、近年では検索が容易になり、こうした都市-わが国でいえば、人口04番目の都市は名古屋であり、トルコのアダナ市は人口113万人ほどであり、それは広島市や仙台市にちかい存在で、これ以上の異議申し立ては無理があり、それだけに印刷機の名称にアダナの名称の使用はさし支えないという説明をうけました。

こんな経緯があり、また牛木弁理士の指導もあって、小型活版印刷機の考案者 Donald A. Aspinall 氏へのオマージュ ( 敬意と尊敬 ) のこころをもって、アダナ ・ プレス倶楽部、 Adana-21J の部門名と、商品名をもちいることとなりました。
ご理解いただけましたでしょうか。
朗文堂 アダナ ・ プレス倶楽部では、こんごとも部門名としてのアダナ ・ プレス倶楽部の名称を使用いたします。

【 参考資料 : アダナ ・ プレス倶楽部  Adana-21J のご紹介

北京の友人:邢 立 さんの愛蔵品紹介 <毛主席特別版図書><毛 沢 東 初号角活字母型>

DSCN0487 DSCN0476 DSCN0477 DSCN0471修復なった紫禁城(故宮)武英殿前で。 写真左から : 邢 立 ( Xing Li )氏、紫禁城内紫禁城図書館長 : 翁 連渓氏、やつがれ、朱 有福氏(2013年11月)
プリント
故宮博物院 ( 旧紫禁城 ) 概念図。
武英殿聚珍版でしられる 「 武英殿 」 は、天安門、端門をすぎ、正門にあたる午門から入場してまもなく、左手にある。 ここは2010年に修復工事をおえて公開された。 かつては官人(宮廷官僚)がつめた堂宇であり、ここで刻版や印刷の作業がなされたわけではない。 当然ながら作業場は城外にあった。
その東側、武英殿と東西に
正対する位置にある 「 文華殿 ・ 文淵閣 」 は宮廷図書館であるが、蔵書はすべて台湾故宮博物院に持ち去られており、この一帯はながらく復元工事中である。

南の午門と、北の神武門は、皇族か、きわめて限定された高級官僚しか利用できず、一般官僚は東西の 「 東華門 」、「 西華門 」 を利用した。
現在の故宮博物院は、観光客が激増したため、北京オリンピックのころから、南の午門で入場料を支払い、北の神武門から出る一方通行となっていて、逆行はできない。 東西の 「 東華門 」、「 西華門 」 は関係者だけの利用に限定されている。
以下に述べる沢園酒家(泽园酒家)は、「 西華門 」を出て、筒子河(堀)をわたって、すぐ左側(南)にある。

DSCN7776 DSCN7780DSCN7799 DSCN7846 DSCN7804いくつかの用件があって、2015年正月早早、01月09日-12日にかけて北京を訪問しました。
中国の正月元旦は01月01日(新暦)ですが、休暇は01-02日までの02日間だけであり、02日[金]を休日としたために、04日[日]は出勤日となっていました。

中国でのお正月「春節」はむしろ旧暦で祝い、困ったことに毎年すこしずつずれています。2015年は02月18日が大晦日で、18日[水]-24日[火]までの07連休となります。 いくつかの企業では02月18日[水]-03月01日[日]までの12日間を特別休暇としています。
ともかく「春節」の前後一ヶ月ほどは、いかに勤勉な中国人といえども特別で、物流も滞りがちになり、注意が必要な時期となります。

その期間を避けての中国訪問でしたが、11日[日]だけを休日として、沢園酒家(泽园酒家 北京市西城区南長街20号)を再度訪れました。
沢園酒家は紫禁城西華門からすぐちかく、政府要人が執務 ・ 居住(一般人は立ち入り禁止)する「中南海」に面した、ちいさな中国湖南省料理を中心としたレストランです。
ここで一昨年、2013年の訪中時に、紫禁城図書館長 : 翁 連渓氏に昼食をご馳走になりました。

DSCN7850沢園酒家は、毛沢東(Mao Zedong  1893-1976)のもとで長年料理長をつとめたオーナーが開いたちいさな店ですが、故郷の湖南省料理が懐かしかったのか、しばしば毛沢東が訪れ、二階の個室では外国の要人とも会食していたことで知られています。 

この店の二階には個室が04室ありますが、その壁面は毛沢東の写真で埋めつくされています。 そのひとつに油絵があり、晩年になっても読書欲の衰えがなかった毛沢東が、病床で読書をしている姿が描かれていました。
そのとき撮りそびれた絵画の写真を撮りたくて、中国の知人に個室を予約していただき、駆けつけた次第です。
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晩年の毛沢東は、好悪をはっきり表明するようになり、図書に関しても、活字書体、組版様式(誌面設計)、紙質、製本にまで厳格な要求が多かったようです。
その状況の一部、たとえば毛沢東は図書を丸めて読んでいますが、これはハードカバーの重くて堅い装本を嫌い、腰がつよく柔軟な竹紙による製本によります。そんな姿がこの絵画に明確に描かれていました。
そんな1970年代初頭の、いわば < 毛主席特別版図書 > を積極的に収集されているのが友人の邢 立( Xing Li ) さんです。


いずれ邢 立さんのご協力を得て、その周辺の情報もお知らせしますが、今回は、劣悪な写真で恐縮ですが、邢 立さん愛蔵の < 毛主席特別版図書 > のほんの一部と、行草書風のシグネチュア< 毛 沢 東 >の、初号角( 42 pt. )の活字母型(電鋳法)だけをご紹介いたします。
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【 関連情報 : 花筏 宋朝体活字の源流:聚珍倣宋版と倣宋体-01  2014年04月23日 】

【会員情報】 台湾の林 昆範さん、「Red Dot Award : Communication Design 2014」デザイン賞を獲得。

台湾の中原大学文化創意研究センター ( 林 昆範老師 ) が、2014年春のふたつの iF デザイン賞に続き、同年の秋に 「 Red Dot Award : Communication Design 2014 」 デザイン賞を獲得されました。
20100205koenkai-omote過去の講演会の記録 : 林 昆範 宋朝体と明朝体 書写系と彫刻系書体の相剋

この研究は、中国桂林にある観光企業との産学協同による成果で、中国西南地方の民族衣装に用いられた「お守り」のような伝統紋様からヒントを得て、観光地のブランドイメージにも利用されています。
【 関連情報 : 花筏 皆さまの友人、台湾の林 昆範さんが Red Dot 賞を獲得されました

ところで、台湾では伝統的に旧暦で新年を祝います。 わが国でいうところの旧正月です。
台湾での2015年の春節は02月19日。大みそかに当たる02月18日から数えて06連休となります。
なお、2016年以降の旧暦元旦は次のとおりです。
2016年02月08日、2017年01月28日、2018年02月16日。
意外に面倒なものですね。さらに厄介なのは、おなじ旧暦といいながら、中国と台湾では休日の設定などが微妙にずれており、さらに困惑をまねきます。

下掲写真は、旧暦正月にそなえた、林 昆範さん製作の、縁起のよい < お年玉袋 > です。 
列印中国における少数民族とは、中華人民共和国 ( 以下中国 ) 政府が規定した、国民の 92% を占める漢民族 ( 漢族 ) 以外の少数民族政策による分類における「少数民族」のことです。

中国政府は、民族区域自治という少数民族政策を取っています。 国民を漢民族と55の 「 少数民族 」 とに区分し、その民族ごとに、集住地域を 「 区域自治 」 の領域として指定しました。
そこでは 「 民族の文字 ・ 言語を使用する権利 」、「 一定の財産の管理権 」、「 一定規模の警察 ・ 民兵部隊の組織権 」、「 区域内で通用する単行法令の制定権 」 などをおこなうことを認めています。

林 昆範さんの研究手法は、徹底した現地調査を基盤として、その文化の根源をさぐることにあります。 中国の少数民族は、比較的僻遠の地に居住していることが多く、現地調査には困難も多いようです。
今回は、下掲図左から、
01) ヤオ族-瑶族  02) ミャオ族-苗族  03) トン族-佝族  04) チワン族-壮族 です。

【 参考資料 : ウィキペディア 中国の少数民族

列印 02_The Stories of Ornaments 列印

【展覧会】 宇都宮美術館 薄久保友司展<光 風 人々 私>

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薄久保友司展
光 風 人々 私
Tomoji Usukubo Exhibition
Light, Wind, Human Being and Myself 

2015年02月08日[日]-03月22日[日]

宇都宮市に生まれ、 新制作協会で活躍する画家、薄久保友司。
森羅万象に主題を求め、 生きとし生けるものに深い愛情を注ぐその画業を、 初期から現在にいたるまで紹介する。
また、彼のもうひとつのライフワークである 絵本、 教科書の仕事も同時に展示する。

【 企画詳細 : 宇都宮美術館  企画展年間スケジュール
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ここのところ意欲的な展覧会がつづく宇都宮美術館である。
同館は、年末 ・ 年始およびメンテナンスのためにしばらく休館しているが、はやくも次回展のポスターとフライヤーが送られてきた。 

本欄でも紹介したが、昨年の掉尾をかざった 『 月映  TSUKUHAÈ 1914-1915 』(終了) は、現在ではたった一部しか残されていない 「 私輯 『 月映 』」 と呼ばれる私家版や、油彩画、ペン画などの貴重な関連作品も多数展示したすばらしい企画で、多くの来館者をよんでいた。
すこし遠いが、新宿から宇都宮までの直通電車もあり、訪館はさほど困難ではない。 宇都宮名物<餃子>もたのしめる。 ぜひともご覧いただきたい企画である。

『 月映 』 1914-1915
TSUKUHAÈ 1914-1915
2014年11月16日[日]-12月28日[日]-終了企画

命を削りながら作品を創り続けた田中恭吉。
死の淵からの希望を掲げた藤森静雄の版画。
抽象的な表現を開拓していく恩地孝四郎。
二十代の若者たちによる詩と版画の雑誌 『 月映 』 は、 近代日本美術史の中で鮮烈な輝きを放っている。 版画を中心に、貴重な油彩画、ペン画などから、刊行100年を迎える 『 月映 』 の世界に迫る。