活版凸凹フェスタ*レポート05

今年の五月の連休も活版三昧!!

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本情報のオフィシャルサイトは アダナ・プレス倶楽部ニュース です。
ここ、タイポグラフィ・ブログロール《花筏》では、肩の力をぬいて、
タイポグラフィのおもしろさ、ダイナミズムなどを綴れたらとおもいます。
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未来のカッパン技師です!

前回の会場風景。天候に恵まれ3,000人を超えるお客さまにご来場いただきました。

和紙系極薄手A3判用紙に、樹脂版による凸版印刷。オモテ・スミ1色、ウラ・紅赤、特金2色
手差し菊四裁活版印刷機を使用し、See-through Leyerd 印刷方式による。
詳細は、活版凸凹フェスタ*レポート01 をご覧ください。

 
前回の出展作家ブース。作品談義が交わされ、ひとの輪ができ、歓声があがっていました。

前回の出展企業・団体ブース。熱心な来場者に業界人も疲労気味の場面もみられました。

ことしも、このサイン・ボードが活躍します。
そして アダナ・プレス倶楽部名物【出っ腹 活版オジサン ボード】も出没予定!

活版印刷のビギナーはもとより、中級程度の技倆のかたでもおおいに有効な、朗文堂  アダナ・プレス倶楽部・大石  薫著《活版印刷の専門書》が『VIVA!! カッパン♥』です。
アダナ・プレス倶楽部では、初心者に向け、6ヶ月コースの「活版カレッジ」、一日速習コースの「Adana-21J 操作指導教室 」の講座を開設しています。そこでの必須のテキストが『VIVA!! カッパン♥』です。
詳細 : 朗文堂ブック・コスミイク

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◆特別企画展示◆
活字版印刷術の知と技と美をご紹介いたします。
     ・詳細は、このページに、順次掲載いたします。

 

◆活版ゼミナール◆
会期中は、毎日、楽しい活版ゼミナールを開催いたします。
詳細は順次発表いたします。
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【アルビオン型手引き活版印刷機による印刷実演】
会期中連日 適宜開催
事前予約不要 
参加費:印刷体験希望者は  1回1,800円(税込)。
ご見学はご自由にどうぞ。

19世紀に、英国で製造された鉄製の「アルビオン型手引き印刷機」を会場に搬入し、写真の印刷機をもちいて、欧文大型活字による印刷実演をおこないます。
印刷された作品はお持ち帰りいただきます。


英国/フィギンズ社、1875年製造「アルビオン型手引き印刷機」
「手引き印刷機 Hand press 」は手動で操作する印刷機の総称で、一般にはグーテンベルクらがもちいた印刷機のかたちを継承して、水平に置いた印刷版面に、上から平らな圧盤を押しつけて印刷する「平圧式」の活版印刷機です。
アルビオン型印刷機は、重い圧盤を引き上げるための、バネを内蔵した突起を頭頂部に有することが特徴で、すでに動力機が主流となった19世紀世紀末にも、ウィリアム・モリス工房や、エリック・ギルらのプライベート・プレス運動家が、五感を駆使した造形にこだわりがあって、この「アルビオン型手引き印刷機」をもちいたことが知られます。
わが国でも、東京築地活版製造所・平野富二らが、明治7年頃から製造していたことが明らかになっています。秀英舎(現:大日本印刷)の創業時の印刷機も、残存写真資料から「アルビオン型印刷機」であったことがわかります。
また、明治中期に江川活版製造所が製造した類似機を、ハワイ/Mānoa Press が所有していて、今回の《活版凸凹フェスタ》に図版参加が決まっています。


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 【印刷人掃苔会(そうたいかい)ツアー2012】 
5月3日(木・祝) 13 : 00(展示会場に10分前に集合)―
15 : 00  雨天決行
定員:15(予約制) 参加費:2,000円(税込)
「掃苔会の栞」付き


谷中霊園、通称碑文通りにある巨碑。現在もおこなわれている「左起こしの横書き」のはじまりが、大蔵官僚だった渡部欽一郎によって洋式帳簿のなかではじめれらたことを、時の大蔵大臣が碑文に撰しています。
ご案内は、タイポグラフィ学会事務局長/松尾篤史さんです。

テクテク歩いて、よ~く見て、ハイ ご苦労さま!
印刷人掃苔会 参加証。熊さん活字はアメリカ製。

 【ご紹介者予定 順不同】
岸田 吟香  新聞人・ヘボン博士助手・点眼薬製造者・慈善事業家・『東京日日新聞』主筆
内田 嘉一  福澤諭吉門下、文部官僚、「かな の くわい」幹事、秀英体に影響を与えたか
平野 富二  東京築地活版製造所、IHI創設者、日本近代産業の開拓者
平野義太郎  法学者・平和運動家・平野富二長男
井関 盛艮  初代長崎県令として本邦初の日刊新聞『横浜毎日新聞』発行
鏑木 清方  画家・條野傳平の子息
陽  其二   『横浜毎日新聞』編集兼発行にあたる。『穎才新誌』発行
田口 卯吉  経済学者、『東京経済新聞』創刊者
重野 安繹  歴史学者、政治家、内閣修史局編輯長
條野 傳平  粋人、戯作者、新聞人。『江湖新聞』『東京日日新聞』(現・毎日新聞)創刊者
渡部欽一郎  大蔵省書記官。知られざる左起こし横書きの創始者。
高橋 お伝
藤野 景響  西南戦争の電信技師。池原香穉の撰幷書の墓碑が美しい。
宮城 玄魚  粋人。書家。初期かな活字の形成に影響がおおきかった。
福地 櫻痴  本名:源一郎。粋人。新聞人、政治家。小屋芝居を常設の歌舞伎座とした
中村 正直  啓蒙思想家、教育者。お茶の水女子大創設者
沼間 守一  政治家、新聞人
小室 樵山  書芸家。弘道軒清朝活字の原字製作者
巻  菱湖   書家。幕末の三筆。門人一万と号す
仮名垣魯文  粋人。新聞人。文筆家。少し離れています。余力があったらいきましょう! 

掃苔ソウタイとは、墓石の苔コケを掃くことで、転じて清掃・墓参りを意味します。《活版凸凹フェスタ2012》の会場「日展会館」のまわりには、印刷人が多く眠る「谷中霊園」や、お寺、印刷関連の石碑も豊富な「上野公園」などがあります。
本来の掃苔会は、勝手にどんどん不定期開催ですが、外部の皆さんをお誘いするかたちでの開催には、あまりにマニアックだとして異論がありました。ところが前回は満員御礼の盛況でした。そこで今回も「5人くらいお集まりいただければ……」と気軽にかまえています。
タイポグラフィ学会事務局長の松尾篤史さんの解説とともに、「日展会館」周辺の印刷人ゆかりの地をめぐる、とてもマニアックで、充実したツアーです。
皆さんもごいっしょに、わが国の印刷の発展に尽力した先達を偲び、石碑に刻まれた書体の秘密を解明してみませんか。

お申し込みしめきり日:4月25日(水)
〈ただし、先着順受付により定員に達ししだい、しめきりとさせていただきます〉

*参加ご希望の方は、e-mail もしくは、ファクシミリ03-3352-5160で、「活版凸凹フェスタ 掃苔会(そうたいかい) 参加希望」と明記の上、住所・氏名・年齢・当日連絡が可能な電話番号・e-mailアドレスもしくはファクシミリ番号をご連絡ください。
(お教えいただいた個人情報は朗文堂/アダナ・プレス倶楽部のみの使用といたします)。

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【花型活字を使ってオリジナルレターセットをつくろう!】
5月3日(木・祝) 
① 10 : 00―12 : 00 
② 14 : 00―16 : 00
定員:各回4名(予約制) 参加費:3,000円(税込)


花型活字と欧文活字を使って、お名前入りの素敵なオリジナルレターセットをつくりましょう。
お申し込みしめきり日:4月25日(水)
〈ただし、先着順受付により定員に達ししだい、しめきりとさせていただきます〉

*参加ご希望の方は、e-mail もしくは、ファクシミリ03-3352-5160で、「活版凸凹フェスタ 花型活字レターセット 参加希望」と明記の上、住所・氏名・年齢・当日連絡が可能な電話番号・e-mailアドレスもしくはファクシミリ番号をご連絡ください。
(お教えいただいた個人情報は朗文堂/アダナ・プレス倶楽部のみの使用といたします)。

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 【2種類のハンドモールドで活字をつくろう!】
5月4日(金・祝)
① 13 : 00―14 : 30
② 15 : 00―16 : 30
定員:各回6名(予約制) 参加費:5,000円(税込) テキスト2種付

ハンドモールド(手鋳込みの活字鋳造器)を用いて活字鋳造の体験をおこないます。今回は、初期の活字鋳型の研究をされている元三省堂印刷の伊藤伸一さんと、タイポグラフィ学会会員の渡辺 優スグルさんのご協力のもと、2種類のハンドモールドをもちいて、活字鋳造体験を予定しています。
ひとつは、15世紀半ばに西洋式活字版印刷術を開発した、ドイツのグーテンベルクがもちいたとされる「手鋳込み式活字鋳造器」の想定図をもとに、渡辺優さんが復元したものです。

『グーテンベルクのハンドモールドをつくる』 PDFデータ

もうひとつは、伊藤進一さん所有のハンドモールドで、スミソニアン・国立アメリカ歴史博物館の学芸員で、初期活字鋳型の世界的な研究者である、スタン・ネルソンさんによって復元されたものです。できあがった活字を使って、小型活版印刷機 Adana-21J で記念カードの印刷もおこないます。

お申し込みしめきり日:4月25日(水)
〈ただし、先着順受付により定員に達ししだい、しめきりとさせていただきます〉

*参加ご希望の方は、e-mail もしくは、ファクシミリ03-3352-5160で、「活版凸凹フェスタ ハンドモールド 参加希望」と明記の上、住所・氏名・年齢・当日連絡が可能な電話番号・e-mailアドレスもしくはファクシミリ番号をご連絡ください。
(お教えいただいた個人情報は朗文堂/アダナ・プレス倶楽部のみの使用といたします)。

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【印刷の四大版式の違いを学ぼう!】
5月5日(土・祝) 13 : 00―16 : 00
定員:8名(予約制) 参加費:5,000円(税込)

凸版印刷の一種である「活版印刷」をより深く理解していただくためには、ほかの版式や技法に接することも重要です。
「版画工房  フジグラフィックス」の楚山俊雄さんのご協力のもと、印刷の四大版式「凸版・凹版・平版・孔版」すべての印刷体験を通して、その違いや特性を学ぶゼミナールです。

             
株式会社フジグラフィックスWebsiteより。リトグラフの作業風景。写真は楚山俊雄さん。

お申し込みしめきり日:4 月25日(水)
〈ただし、先着順受付により定員に達ししだい、しめきりとさせていただきます〉

*参加ご希望の方は、e-mail もしくは、ファクシミリ03-3352-5160で、「活版凸凹フェスタ 印刷の四大版式 参加希望」と明記の上、住所・氏名・年齢・当日連絡が可能な電話番号・e-mailアドレスもしくはファクシミリ番号をご連絡ください。
(お教えいただいた個人情報は朗文堂/アダナ・プレス倶楽部のみの使用といたします)。

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【記念カードを印刷しよう!】
5月6日(日)11 : 00―12 : 00、13 : 00―14 : 00 内の随時
事前予約不要 参加費:無料
活字版印刷機 Adana-21J を使って記念カードの印刷を体験していただきます。

  

◆カッパン・ルネサンス・フェア 12th Times◆
カッパン実践家のための、新旧の活版印刷関連資材・関連機材の展示即売会です。どんな新開発機器、関連資材、また掘り出し物があるのか、ご来場のうえお楽しみください。
小型活版印刷機をお持ちのかたは、インテル、ファニチュアなどの選択の目安として、ご自分の活版印刷機のチェース内枠の大きさを、紙に筆記具で型取りしたものを持参ください。